倦怠感の支配を許す雨水
潔く土に還らん落椿
誰に勝ち誰に負けたか春の月
老いは滑稽なパロディー石鹸玉(しゃぼんだま)
春菊の香りほのかに喉通過
■NHK俳句 スペシャル
特集 夏井いつきの脱ボンへの道〜総まとめ〜
選者 夏井いつき ゲスト ペンた丸
レギュラー 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣
季重なりを成功させるポイント
季重なりを成功させるポイントは3種類ある
「主役と脇役」(季語の強弱)を明確にする
夜桜やうらわかき月本郷に 石田波郷
主役 脇役
「切れ字」は主役と脇役を判断するときの一つの目印となる
「や」はすぐ上の言葉を詠嘆する
「月」は大きな季語だが一年中夜には月が出る
脇役として引いてくれるありがたい季語
メリハリをつけると季重なりは成立しやすくなる
くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 飯田蛇笏
秋 夏
「秋」「風鈴」を合体させる
他には「冬の檸檬」「秋のブランコ」
手の薔薇に蜂来れば我が王の如し 中村草田男
季語に強弱がない バランスがとれている
17音という狭い舞台の上に主役2つを置くとお互いを殺し合う
上手に引き立て合うのは難しい
① 主役と脇役を明確にする
② 季語の合体
③ バランスをとる
脱ボンをかけて卒業試験
ペンた丸 柴田英嗣 家藤正人
古池や蛙飛び込む水の音 松尾芭蕉
4音の名詞を考える 4音を変えて別の句を作る
あきらめや蛙飛び込む水の音 家藤正人
残す言葉①「蛙」
残す言葉②「水」
助詞を一音いれ 助詞と下五が入れば俳句として成立する
「古池」の句を踏み台にしてオリジナルの句が絶対にできる
脱ボンを目指す!
大阪や蛙の水はあきまへん ペン太丸
あきらめや蛙は水を嫌つてる 家藤正人
(発展形 パズルのようにオリジナリティーを求められる)
カステラや蛙の水はやわらかい 柴田英嗣
(上五と下の印象が触れ合わないといけない)
響き合わせることを練習するとオリジナリティーと
リアリティーのある俳句になる)
このやり方をやれば有名な句をリスペクトしながら
ちゃんと言葉のパズルをもって自分の句に引っ張ることができる
4月からの選者と年間テーマ
第一週 堀田希何(きか) 「俳句の凝りをほぐします」 庄司浩平
第二週 西山睦(むつみ) 「やさしい手」
第三週 木暮陶句郎(こぐれとうくろう) 「器に季語を盛る」
器を使って季語を引き立てる 五感を信じて季語に託す
第四週 高野ムツオ 「語ろう!俳句」 語るという炎を燃やす 中西アルノ
■NHK短歌
スペシャル 22人のことばのバトン2
23年度「NHK短歌」の4人選者が講評
川野里子(飛躍~) 俵万智(光る愛の歌)
大森静佳(“ものがたり”の深みへ) 枡野浩一(あなたへの手紙 かなたへの手紙)
内藤秀一郎 深尾あむ 司会 ヒコロヒー 尾崎世界観
打ち水に一瞬架かる虹だった 岡本真帆
朝目が覚めてもそこにいるサボ 岩手県立盛岡第一高校
ぷるぷるぷるつれない君の河鹿鳴く 宮崎県尚学館高等部
ぼくらの隙間を抜けてゆく風 三重県高田高校
君の目が掃いたところはより緑 筑波大学付属高校
仰いだ空に色彩の舞う 富山県立伏木高校
黒板に「・」だけ残る昼休み 岐阜県立飛騨神岡高校
ざわめきながらしんとしている 作家・野球短歌 池松舞
貨物列車聴く僕たちのアナキズム 高校生 工藤ひすい
車道爆走津軽のかっちゃん 自立生活センター事務局長 斉藤新吾
あおられてよろめくはずみ第一歩 アイドル 寺嶋由芙
⑩分前にここに来てくれ ニッポン放送アナウンサー 吉田尚記
幕上り扇子を置けば別世界 落語家 桂蝶の治
我らは創る夢の架け橋 俳優・殺陣師 内堀克利
アレの日玉子を割れば黄身ふたつ 漫画家 かまちよしろう
ひとしずくの夢足音ははずむ みなかみまるごと短歌プロジェクト実行委員 篠原香代
勢(はずみ)車付きの玩具(おもちゃ)のあった頃 みなかみ町牧水会会長 田村吉廣
仮面の男の返信を待つ ネネロク社 村井光男
雪の夜踊る男と飲む麦酒 エアギタリスト 宮城マリオ
とける陽を呼ぶまばたきの人 写真家 南阿沙美
声が射す鋼宿せし心根に 浪曲師 天中軒すみれ
真に活きるは闘うことだ ラッパー Bina
「NHK短歌」2023年度選者
川野里子 推します
黒板に「・」だけ残る昼休み 岐阜県立飛騨神岡高校
貨物列車聴く僕たちのアナキズム 高校生 工藤ひすい
山崎聡子 推します
ぼくらの隙間を抜けてゆく風 三重県高田高校
君の目が掃いたところはより緑 筑波大学付属高校
アレの日玉子を割れば黄身ふたつ 漫画家 かまちよしろう
吉川宏志 推します
勢(はずみ)車付きの玩具(おもちゃ)のあった頃 みなかみ町牧水会会長 田村吉廣
仮面の男の返信を待つ ネネロク社 村井光男
岡野大嗣 推します
仮面の男の返信を待つ ネネロク社 村井光男
あおられてよろめくはずみ第一歩 アイドル 寺嶋由芙
川野里子
短歌は元々はモノローグではなくダイアローグの形式だった
返す歌には必ず前の歌をちょっと引き受けてそして上手に返すのが作法
そういう短歌の性格も句をつないでいくっていう
つながりの中には残っているのではないか
吉川宏志
共通項が57577だけだがそれによって全然世代の違う人や
別の場所にいる人の思いがつながっていく おもしろい試み
岡野大嗣
誰かの出した言葉によって自分の新しい引き出しが
開かれるところにおもしろさがある
普段自分から出てこない言葉が引き出されたり
出さざるを得なかったり そこが面白いのではないかと…。
山崎聡子
言葉はみんなのものだということをすごく思った
短歌を特別に作らなくても自分なりの思想が出てくるところがおもしろい
ことばのバトン 第3シリーズのトップは
歌人 枡野浩一
さてどんな言葉がつづられるのでしょうか❓
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