2026年3月12日木曜日

村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 無鄰菴

吾の世界観守り失う春の星

友失ひて吾も見失ひ石鹸玉

春の雨ジャブ繰り出して交わらん

経験のもたらす価値や風光る

春の夢不完全なる世界像

 

■村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 無鄰菴(むりんあん)

村雨辰剛

足立美術館日本庭園 岡山後楽園 兼六園 龍安寺石庭

❝和の美❞は日本庭園に詰め込まれている

❝無作為の作為❞自然の姿に見える

庭師が計算で作り上げている 計算された庭師の技

❝京都の文化ゾーン❞岡崎エリア

南禅寺 枯山水 方丈庭園 小方丈庭園

❝日本有数の豪邸街❞ 

南禅寺界隈別荘群

明治新政府が民間に払い下げた南禅寺の敷地 政財界の要人たちが別荘を建てた

(たい)龍山荘 菊水 真々(しんしん)

 

無鄰菴 施主は元内閣総理大臣 山縣有朋の別荘 

南禅寺参道 

❝近代日本庭園の傑作❞

 

植彌(うえや)加藤造園 加藤友規

南禅寺 六道庭 作庭

南禅寺 小方丈庭園 作庭

平城京左京三条二坊宮跡庭園

ホテル椿山荘東京

 

日本庭園のビギナーにもオススメ

たしなみポイント 目線を誘導し最高の景色を披露

         視点場 施主が見せたい景色のビューポイント

飛び石がわざと高低差があってちょっと歩きにくい

視線が足元に誘導

池泉(ちせん)回遊式庭園

日本庭園は施主の思いが込められている

施主 山縣有朋の思い 129年前に出来上がった 東山を取り込んでいる

庭園の景色に外の景色を取り込む技法 借景

 

此庭園の主山というのは喃 此前に青く聳える東山である…山縣有朋

 

作庭家 七代目 小川治兵衛(じへい)

對龍(たいりゅう)山荘❝植治の庭❞国指定の文化財となっている

平安神宮 旧古河庭園

 

山縣有朋は40歳の時に椿山荘を作った

施主 山縣有朋の思いを小川治兵衛が具現化した

新しい作庭感を得て作庭

外縁の木々

 

たしなみポイント 育ちすぎると内芽が育たない

         高い木々が東山を遮っていた

         外縁の樹木を低くおさえて山へつなぐ

         数年かけて木を低く育てる

         U字型の外縁の木々 東山に続くダイナミックな奥行き

 

無作為の作為 自然のままの姿 作為のあとを見せない

無鄰菴と言えば水の流れが最大の特徴

 

たしなみポイント 山縣さんは池はあまり好きじゃない 躍動的な流れが好き

         浅い水の流れ 躍動感やキラメキを演出

 

琵琶湖疎水から引いている

個人の庭として琵琶湖疎水を初めて取り入れた

 

明治時代 京都に近代産業化の計画 びわ湖疎水 開通工事開始

5年後明治23年びわ湖疎水開通 

蹴上インクライン 

 

たしなみポイント 飛泉障り(ひせんさわり) 飛泉とは滝のこと

         滝を少し隠すことで奥行きを出す手法

         ちゃんとこっちに出るように北側に伸びるように

         日を遮る高い木があると北に枝を伸ばす

         周りの環境で光を遮断して木が北に延びるようにする

 

無鄰菴の中で一番大きな石 山縣さんの一番の自慢の石

豊臣秀吉が城を作る時、持っていきたかったのに持って行けなかった石

「わしは牛24頭で弾いて持って来た」自慢していた

 

松は古葉を全て毟り取ってある 129年間毎年庭師が手入れしてきた

年月の積み重ねの深み

切り方に失敗すると二度と形が戻らない 松の手入れはご褒美(村雨)

 

庭は現状維持していくものではない 「育てる」ことが庭師の神髄

日本庭園の神髄 無鄰菴の苔は植えたものではなく自生したもの

沢飛び 対岸に渡るための飛び石 あえて水面ギリギリの高さに

 

山縣有朋

瀑布(ばくふ)も此主山から出てきたものとする さすれば石の配置

樹木の栽(うえ)方 皆これから割り出して来なければならんじゃないか喃

 

春は日が昇る朝 夏は月夜 秋は夕方 冬は雪景色

中に一きは目だちてあはれふかきは雨のけしきなり

 

無鄰菴担当職人 庭師歴21年 出口健太

杉苔の間に侵入しようとするハイゴケ

芝生に入り込んできた苔の除去をお手伝い

築山 苔を取り除くと春に芝生が成長しやすい

山縣さんは全面芝生 苔が自生 私は断じて芝生が好きと言っていた

苔もいいやん 本人も自生舌苔を受け入れた

庭を育んでいく思い 

 

庭は生きている 完成したものではない 「育む」という事が大事

2026年3月11日水曜日

あの本、読みました? 金原ひとみ

丁寧に老い受け入れて春うらら

知性ある体・筋肉春の空

風光る体感じて冴える勘

春光やいくつでも増す可動域

春の夜や心の声に耳澄ませ

 

■あの本、読みました?金原ひとみ大特集!

朝井リョウ&村田沙耶香が語った魅力&素顔

金原ひとみ 朝井リョウ 村田沙耶香 鈴木保奈美 山本倖千恵 林祐輔P

 

朝井リョウ

金原さんの魅力は文体、1行読んだだけで「金原ひとみ印」頭の中の流れた

速度そのままで書いている ドライブ感が唯一無二

村田沙耶香

言葉が音楽性がある 本当に凄いな 

 

直木賞朝井リョウ 芥川賞村田沙耶香が作品性を絶賛

朝井と村田が特に気に入っている作品は

「アンソーシャル ディスタンス」金原ひとみ著/新潮文庫

 

金原ひとみ

人は小説から自分に何が起こっているのか 消化したがる生き物

だからこそずっと書き続けている

 

村田沙耶香

「アンソーシャル ディスタンス」のインパクトが強い

その中の「ストロングゼロ」

朝井リョウ

最後の終わり方も含めてかっこよ~

 

金原

コロナ禍のの問題が大きくなったら世界も変わるし人間も変わって

本なんか読めなくなっちゃうかもしれない 

その過渡期を絶対に書き逃したくない

 

綿矢りさ(当時19) 金原ひとみ(当時20)

2004年芥川賞受賞

あれから20年現在はどんな心境に?

いま自分を支配しているものについて書かないとこの支配から逃れられない

 

「デクリネゾン」金原ひとみ著/集英社文庫

仕事、家庭、恋愛のすべてが欲しい女たちを描いた長編小説

 

YABUNONAKA-ヤブノナカ」20254月出版 金原ひとみ著/文藝春秋

出版界のハラスメントを描いた作品

出版界を舞台にした理由

複数の登場人物の視点で描かれている

小説家・長岡友梨奈と恋人・一哉の会話

 

YABUNONAKA-ヤブノナカ」の一文 金原ひとみ著/文藝春秋

「え、マッチョって、本当にそんなマッチョな感じなの?」

「まあさすがにゴリマッチョって感じじゃないけど。

夫婦別姓とか、現代の働く女性が担わされている責任の重さ問題語って、

時代摑んでますよ感出そうとして自らの愚かさを露呈して自爆って感じ。

味噌汁の出汁なんてとる必要ないんだみたいなこと言って、専業主婦

侍らせた家事一切できないゆとりオヤジがなんかみつをみたいなこと

言い始めたよって馬鹿にされてた」

「みつを?」「だしの素使ってもいいじゃない、人間だもの。的な」

一哉は箸を止めて声をあらげて笑った。私は豚バラをタレにつけ、

やっぱ黒酢にごま油が一番美味しいな、食べてみこれ、と小皿を差し出す。

「まあ彼の場合ルサンチマンも悪意もないナチュラルボーンな愚かさ、

って感じだけど。でも現代日本の抱える病は無自覚な愚かさが

招いてきたからとも言えるから、十年くらい前までには許容されてたかも

しれないけど、これからは淘汰されていくだろうね」

 

みつをは相田みつを 

ルサンチマンは「恨み・妬み・憎悪」など感情を内面に抱く状態を指す哲学用語

 

喋りが止まらない長岡友梨奈

芥川龍之介の「藪の中」は意識したのか?

小説家・長岡友梨奈の娘・伽耶が資本主義に対して疑問を述べている

 

YABUNONAKA-ヤブノナカ」の一文 金原ひとみ著/文藝春秋

二十から六十歳くらいまでの ほとんどの人類が平日の起きている

時間の半分以上を労働に費やさなければ社会が回らないような状況に、

本当にこの世は陥っているんだろうか。

だとしたら、設計ミスがすぎないだろうか。エッセンシャルワーカーは

給与以外も超好待遇、働きたい人は趣味で働いて大金を稼ぎ、

働きたくない人はベーシックインカムで衣食住エンタメに過不足内

生活、出産した人は養育費教育費無償、もうこの世界いいやと

なった人は安楽死、そんなもんでバランスは取れないものだろうか。

労働ホリックな人たちは「いやこの仕事がなければ云々かんぬん!」

と憤るだろうけど、私はイケる気がする。

 

フランス移住が転機に?

絶望を全てぶつけた

プロットの立て方は?

 

「デクリネゾン」の一文 金原ひとみ著/集英社文庫

老害予備軍の中肉中背中年男性編集者を面白おかしく

露悪的に描いた短編すら発表したけれど、

 

20257月出版

「マザーアウトロウ」

作品を描いたキッカケ

名前は呪いでもある

破天荒な義母を描いた作品

 

「マザーアウトロウ」の一文 金原ひとみ著/U-NEXT

だってもし波那が子供を産んだとしても、その子と私が

フィーリンググッドかどうかは分からないじゃない。

波那とその子供もそうよ。そもそも子供を作るとか作らないとか、

そういうの傲慢だと思うわよ。第一に身体は機械じゃないから、

作ろうと思って作れるもんでもない。さっきの合理性の話じゃないけど、

個人的には人間のそういう不確実なところこそ、尊ぶべきだと思うわ。

それに子供って一言に言ったって色々あるでしょ。

育てやすいにくい、合う合わない、男か女かも分からないし。

子供作ろうかどうしようかって 悩んでも、実際に生まれてくるものは、

自分の想定してる子供でないってこともあり得るわけよ。なんか子供って

ふわふわ、かわいい、ギャン泣きする?子育て大変かも、

くらいのイメージでしょ?でも出てきてみたら妖怪かもしれない、

エイリアンかもしれない、ゾンビかもしれない。

 

出産が転機に

その二人にしか作れない関係性を築いていくのが母娘のベターな関係

結果論としての母子関係があっても良いのではないか

 

高校3年生の長女に6年間お弁当作ったんですけど、

この間が最後のお弁当だったんです。

最後だしとメッセージカードつけておいたら、

お昼に78人の女の子たちが机を囲んで

「ママ、6年間お弁当ありがとう」って

一斉に言っている動画が返ってきました。

カードに動画で、しかもみんなで一気に返すっていうのも

面白かったし、今の時代でも誰もお父さんは作ってないのかな、

などといろんな思いが一瞬にしてわき上がりました。

「朝日新聞デジタル202618日付」

 

202410月 出版

「ナチュラルボーンチキン」

作品を描いたキッカケ ちきってる(ちきんやろう)

ルーティーン生活を送る45歳の浜野とパリピ気質な20代平木の会話

 

「ナチュラルボーンチキン」の一文 金原ひとみ著/河出書房新社

「楽しいことがない、楽しいことを求めようとしない人って、面白いですね。

それって、幸せじゃない、幸せを求めないってこととは違うんですか?」

「そうですね。幸せじゃないってことでは、ないです。もちろんそれは、

幸せである、ということとも違うんでしょうけどね。

そもそも皆多かれ少なかれ、三十代後半くらいになってくると

楽しいことがちょっと重くなってくるんだと思いますよ。

霜降り牛みたいに、少々過剰すぎますねって感じで。心が動かない

平穏な状態を求めている人は少なくないはずです」

「心が動かない、揺らがない、のがいいんですか?

それってなんか、ゾンビ的な、ってことですか?」

「例えばクラブで馬鹿騒ぎとかしたら、翌日の疲労とか、二日酔いも

すごいだろうし、そもそも馬鹿騒ぎしてる間もどこかで

俯瞰しちゃってるだろうし、まあそもそも馬鹿騒ぎが自分にできるのか

不明だし、周りからしたって、クラブで四十女が踊り狂っていたら、

ちょっと怖いですよね?」

(中略)

「あ、すみませんなんか。私そういうの、私の祖父母世代とかで

終わったのかと思ってました」

「え、そういうのって、どういうのですか?」

「年齢とか、人にどう見えるのかとか気にして、

小さいところに収まる感じです」

 

202036歳 コロナ禍 大きな転換点だった

大きな過渡期を書き逃したくなかった 

ので急遽書きだした「アンソーシャル ディスタンス」

スピード感・ライブ感が満載の作品

2026年3月10日火曜日

夏井いつきのよみ旅!in石巻

言の葉に宿る記憶や春の雲

仲春や明らかになる政(まつりごと)

春空を鳴門海峡渦開き

春の市(いち)鳴門わかめ詰め放題

春の(動物)17歳でピューマ逝く

 

■夏井いつきのよみ旅!in石巻

石巻編 東日本大震災15年 ❝刻まれた記憶❞と今を生きる

宮城県石巻市 日和山

石巻市震災遺構 門脇(かどのわき)小学校:

津波と津波火災の被害状況を全国で唯一残している

 

・髙橋輝良良(きらら)

その日の記憶は1年生として過ごした中でもいちばん濃く覚えています

地震発生時はお墓の階段を上って家に帰る途中だった

自信があまりにも怖くて校庭に引き返した時に

校舎から子どもたちと先生が出てきてくれて 一緒に日和山に避難しました

 

実は7人の子どもたちが津波の犠牲になってしまった

そのうちの一人が私の友人で凄く仲良くしてくれていたんですけれど

その子の使っていたものなんです

私が小学校の先生になりたいんだよねって話した時に 

私もだよ一緒になろうって言ってくれた 

ここにきて写真を見て友人が生きていたんだなって 思うと同時に

でもいないんだなっていう気持ちもある

 

輝良良さんは4月から小学校の先生に

 

春の虹光集めて消えぬまま   髙橋輝良良

 

門脇小学校で過ごした思い出だったり 友人と将来の約束をした記憶は

私にとってすごく幼くはかない記憶かも知れないけれど 

思い出すたびに優しい気持ちになるし これからも消えないよ

ずっとあるよって伝えたかった

 

・夏井いつき

“伝える”って難しいけれど“言葉の力“で伝えるしかない

私たちは”言葉“で伝えられる大人になりましょう

 

1/5 

十五年今年も忘れず山笑う   佐々木幸子

私の家は(北上川)河口から3キロぐらい入った所ですが

牧山と言う里山が連なっています あのとき すごい津波が押し寄せてきて

家は天井近くまで水没したんです 家の一階も冷蔵庫は倒れて 全て水没

したので使えない状態だった 毎日片づけに追われました 1週間くらいたって

やっと外に出ました ふと顔を上げてみたら山笑うって言葉は

知っていたんでるけれど 牧山全体が笑いかけているように感じました

山全体が「頑張っているね」って 言ってくれている感じを句にしてみました

佐々木さんMEMO

義母の介護をきっかけに地域の福祉交流施設を設立 

(震災で)やめようかとも思ったんですけれど 一緒にやっている人たちが

また一緒にやりたいっていうのもあったので 私たちもここで切って

しまったならなって 思いがあったので

夏井いつき 施設では地域の人たちがいまも交流を続けている

(季語の)”山笑う“を思い出して 今年もまたそういう季節になるなと思う

夏井いつき これから毎年山笑うを満喫してくださいね

 

2/5

ひと昔半となりたる初桜   齊藤明彦

震災から15年 10年ひと昔って言うなって思ったんです 15年だと

その計算だとひと昔半だなと ひと昔半たった時に改めて桜に思いを託す

という句

齊藤さんMEMO

震災当時単身赴任で山形県に 携帯電話に何回もかけるんですが 全く

妻につながらないので やきもきして3日ぐらい過ごしました

ガソリンスタンドの長蛇の列に並んで「満タン」って言ったら

「一人10リットルまで」と言われたので 「石巻に救出に行くんだ

なんとかならないか」と言ったんですが「一律10リットルです」って

妻・純子さん 夫の顔を見てすごくホッとしました 体調も

崩していた時だったので 顔見ただけで安心しました

「桜が届いたよ ありがとう」って連絡が来たんです

それが310日の夜だったんです (妻が)早速ガラスの花瓶に立てかけたんです

次の日午後に震災が起きまして 妻は(震災)当日は勤務先に泊まり込んだんですが

戻ってみると花瓶よりも背丈の高い桜が倒れずに持ちこたえて立っていたって

純子さん 無事にしっかり立っていました

夏井いつき ご夫婦にとって桜がますます象徴的な季語になりますね

 

・俳句咲く咲く!一分咲き 三分咲き 五分咲き 七分咲き 満開!

添削で上達のコツ伝授!

 

   俳句は今回が初めて! 

重ね着しふえるかばんの設計書   阿部千歳美

生命保険の営業の仕事をしている 提案書を作り訪問するようにと上司から指導

思い通りにいかず鞄の中は増える一方

添削(上達ポイント ポイントは「重ね着し」の部分 季語を詠嘆して引き締める)

重ね着るかばんに提案

評価は五分咲き

 

   空に舞う六機のブルー春の朝   本田まき

東松島市 航空自衛隊の基地がありブルーインパルスも所属

三分咲き

添削(俳句上達ポイント 飛ぶものに対し空に舞う言葉はもったいない!

   ブルーインパルスを最後に持ってきて爆音や白い雲の映像を残す!)

春の朝六機のブルーインパルス

 

   俳句歴7年目

目覚めればてふ舞う夢の10億円   小野雄希

添削(語順を変えて 季語「蝶の昼」を立たせる!)

10億円より目覚め蝶の

一分咲き

 

   花の冷(ひえ)しっぽで撫でるギブスの手   工藤文代

俳句歴3年半

7分咲き

添削(細部の所も映像が見えてくる 語順を変えて 映像をアップ⇨広い景色へ)

ギブスの手撫でるしっぽ花の冷

 

   木蓮の白咲き誇り父想う   三浦信子

俳句初挑戦

添削(思うって言葉父って書いた瞬間に想っているから父って書いた

   想うという言葉が必要な時ってそんなにない 

   上達ポイント 「木蓮の白は」余韻を持たせて父の姿を表現)

父のごと清(すが)しや木蓮の白

三分咲き

 

ROLAND 俳句お悩み相談室

地元で頑張るみなさんを訪ね俳句を詠んだお悩みをROLANDが解決!

 

鈴木真悟

鈴木さんMEMO

銀鮭養殖3代目 震災を機に家業を継ぐ

当時養殖は祖父がやっていたんですけれど 震災でガレキだらけの中でも

また絶対養殖再開するって言っていたんで そういうのを聞いて

地元に戻って一緒にやろうかなっていうので 気持ちがもう動いていたんで

若手漁師集団 フィッシャーマンジャパン

ROLAND 未来の担い手 見るからにフレッシュ

秋田県出身 赤貝漁師見習 渡部更夢

更夢(さらむ)さんMEMO

フィッシャーマンジャパンで働きながら赤貝漁師の修行中

朝に仕事をして体を動かして しかもおいしい食べ物も取って充実しています

 

簡単!お悩み俳句の作り方

俳句のタネとなる“お悩み”を書き出していく

17音のうち5音分くらいはあとで季語にとられちゃうから

12音くらいをこの中から引っ張り出せば一瞬にして俳句ができる

悩みを12音にまとめ”気分“を表現する5音の季語を付ける

 

山形県出身 かき漁師 冨樫翔

 

春の暮あのことをまだ言えてない   熊沢怜奈

お悩み:漁協からもらったわかめの苗を枯らしてしまった

でもまた育てたいので木村さんまたください

 

ROLAND:プレゼントってあげるとき そうだと思うんですけど

あげる人のこと考えている時間って楽しい時間じゃないですか

実はあげる側も幸せにしている もらってあげることによって

だから枯らそうが枯らすまいが受け取ってあげた時点で相手を

幸せにしている そこまで責任感を背負い過ぎず強気なマインドでいけばいい

夏井いつき:木村さんを幸せにしてあげたんだ

 

春の夜若い世代への関わり   鈴木真悟

団体の活動を始めた時は自分が最年少だったんですけど 若い世代が増えてきて

どう接していったらいいのか最近気になって

 

ROLAND:日々アップデートするというか 諦めた瞬間に若年層の話題は

入っていけないと思う 

鈴木:最近ちょっと諦めも入ってきていたんで 

ROLAND:諦めたら離される一方なんで じゃあみんなでTikTok

 

3/5

春の星保護者と並ぶ野外風呂   木村菜智

震災直後の4月に石巻市の中学校に新任の教師として赴任しまして

自衛隊の支援でお風呂に入れる野外風呂に入れるという事で

赴任して直後でまだ始業式とかも始まっていないころ 保護者の方とも

まだ面識がない中で お風呂がはじめましてっていうのは大学を

卒業したばかりでまだ若かったので どうもなんか気恥ずかしいというか

何かこう複雑な気持ちで一緒にこれからお風呂に入るんだみたいな

私自身 高校生の時に中学生の弟を交通事故で亡くした経験があって

被災地に自分なんかが行っていいのかなって思いはあったが

でも そういうつらい身近な人を亡くしたことのある 経験を持った

自分だからこそ何かできることがあるかもしれない 何か行く意味が

自分が行く意味がもしかしたらあるのかもしれない 被災地で

教員をやっていくぞっていう覚悟が決まったかなって思います

地域の為に自分たちができることは何だろうかって 考える

子どもたちだったので そう言ったことを一生懸命子どもたちにも

救われながら 生徒の結婚式とか成人式とか 成長した姿とか

大人になった姿を見るとああよかったなって 

夫とも(石巻で)出会って 夫・太郎さん 娘・果椰ちゃん

同僚だった男性と結婚

15年経って あの時 あの学校に行かなければ 自衛隊のお風呂に

入ることもなかったでしょうし 全てのことに意味はあったんだな

自分にとって大切な場所になったと思います

2026年3月9日月曜日

100分de名著 佐野洋子「100万回生きたねこ」

春の日やまるで死人(しにびと)如く寝る

春眠し白昼の月誘いて

潮風の吹きて真鰯増す風味

天日干し一串十尾春鰯

干し棚で三日寝かせた真鰯を

 

100de名著 絵本スペシャル① 佐野洋子「100万回生きたねこ」

輪廻する「とらねこ」が解放されるまで

宮崎哲弥 伊集院光 阿部みちこ

 

佐野洋子「100万回生きたねこ」(1977)

これまで100回以上重版された 

過去には英語など11か国語に翻訳された実績がある

 

主人公 100万かい輪廻する「とらねこ」

あらすじ 1001回目の生で一匹のメス猫と出会い深く愛し合う

結末 「とらねこ」は息絶えたが二度と輪廻しなかった

 

大人になって読んでみると難しさを持っている絵本

100万回生と死を繰り返す⇨異常な設定

「なぜ輪廻しているのか」という説明がない

テレビのチャンネルを変えるように次の生に移ってしまう

「これは一体どういう意味があるのだろう」と考えてしまう

非常にやっかいな設定が謎を呼び起こす

 

100万年も しなない ねこが いました。

100万回も しんで、 100万回も 生きたのです。

りっぱな とらねこでした。

ある日、 ねこは とんできた やに あたって、

しんでしまいました。

王さまは、 たたかいの まっさいちゅうに、

ねこを だいて なきました。(中略)

そして、 おしろの にわに ねこを うめました。

ある日、 ぬこは、 女の子の せなかで、

おぶいひもが 首に まきついて、 しんでしまいました。

ぐらぐらの頭に なってしまった ねこを だいて、

女の子は 一日じゅう なきました。

そして、 ねこを にわの 木の下に うめました。

ねこは しぬのなんか へいきだったのです。

 

6つの生

王さま ねこ           矢に当たって死ぬ

船のり ねこ           船から落ちて死ぬ

サーカス 手品つかい ねこ   まっぷたつになって死ぬ

どろぼう ねこ          犬に噛まれて死ぬ(悲惨な死に方)

ひとりぼっち おばあさん ねこ 年をとって死ぬ

小さな 女の子 ねこ       おぶいひもが首に巻きつき死ぬ

 

エゴイスティックな愛の押しつけ 宮崎

「とらねこ」の方から求めたものは何もない 伊集院

愛の押しつけになってしまった場合の怖さ 宮崎

あなたたちに足りていない何かを反省せずに泣いているでしょ 伊集院

」という助詞は所有者を表す

飼い主に所有されている限り自由なんかない

結局自分は所有物でしかなかった 宮崎

 

ねこは しぬのなんか へいきだったのです。

真の意味で生きてないから死ぬのも平気 

この状況そのものが不条理 宮崎

 

あるとき、 ねこは だれの ねこでも ありませんでした。

のらねこだったのです。

ねこは はじめて じぶんのねこに なりました。

ねこは じぶんが だいすきでした。

「おれは、 100万回も しんだんだぜ!」 と いいました。

しろいねこは、 「そう。」 と いったきりでした。

ねこは、 すこし はらをたてました。

なにしろ、 自分が だいすきでしたからね。

「おれは、 100万回も…。」 と いいかけて、 ねこは、

「そばに いても いいかい」 と、 白いねこに たずねました。」

白いねこは、 「ええ。」 と いいました。

ねこは、 白いねこの そばに、 いつまでも いました。

 

自己所有の感覚というものを「とらねこ」は持った 

世界の歴史の中で「自分の自分だ」と言えることは珍しかった

みんな誰かの所有物 宮崎

奴隷制度 徴兵制 

1970年頃やっとしがらみとか絆とか言ったものから自由になれた

自分と同じ価値観で言い寄ってくる者は真の愛の対象者ではない

自分に対して外側から影響を与える者こそが愛すべきもの

「そう。」というたった1つの言葉 真の愛に繋がった

 

やがて、 子ねこたちは 大きくなって、

それぞれ どこかへ いきました。(中略)

白いねこは、 すこし おばあさんに なっていました。

ねこは、 いっそう やさしく、 グルグルと のどを ならしました。

ねこは、 白いねこと いっしょに、

いつまでも 生きて いたいと 思いました。

 

このねこは ただ一回だけ生きた。

誰だって 何百回も生きられない。

「どんな人でも一回しか生きないという

非常に平凡なことが大事だ」ということを私は言いたかった。

「人間はただ一回生きて、人を愛して死んでいけばそれだけでよい」

という非常に簡単なメッセージだったと思うんですけども。

ラジオ音源「白作を語る」19875月放送より 佐野洋子の声

 

「ただ一回の真の生」というものを描くために

100万回の生き死に」を設定せざるを得なかった

「唯一一回」というものが浮かび上がってくる

輝いてくる 宮崎

 

人を愛すると生にも執着が芽生えていつまでも生きたいと思う 安部

自己から他者へ愛の対象が拡大した 宮崎

 

本物の愛と本当に生きたにも関わらず 

結局終わりがきてしまう事を悟る 

この世界に対する執着が消え去る

この世界の中に溶け込んでしまうような 存在形態に変わっていった 宮崎

 

最後のページの絵

空気そのもの 地球そのものになったという解釈がこの絵には合う 

調和というか悟りというか 伊集院

 

イヌタデ・オミナエシ・エノコログサ・クサネムのような

夏から秋にかけて見られる草原の風景が描かれている 宮崎

 

やっとこの輪廻の繰り返しから解放された 寂寥感も感じるけれど

「とらねこ」のことを考えると「さわやか」だな…。 宮崎

 

空気感が残る いろいろな余白が持てる 伊集院

白いねこは輪廻をしたと思う 伊集院

恋愛とは勘違いなのか❓ この余白がおもしろい 伊集院

そこまで残酷な事は考えなくて良いけど…。余白は考えさせられる。 伊集院

 

私感 

実は私も白いねこは輪廻していたと、初めて読んだ時から考えていました。