2026年7月4日土曜日

新美の巨人たち 木下晋×星野真理

ワイエスを詠む

描きたき世界を描く夏の風

分断された時代を生きる夏野

テンペラで父を越ゆ馬鈴薯の花

父の死を乗り越えん夏の暁

いくつかの色と形よ夏に置く

 

■新美の巨人たち【鉛筆で命を描く 木下晋×星野真里】

伝説の鉛筆画家 木下晋(79)

 

命の根源みたいなものをいろんな形で表現したい

人が目を背けたるものを描く

老い 病 差別 偏見

今、パーキンソン病と闘う 妻 君子さんを描いています

チャンスだと思いますね 僕は

美しいからこそ描く その真実は

栃木県足利市

100年の俯瞰」

「瞽女(ごぜ)・小林ハル」像 小林ハル(1900-2005)盲目の旅芸人

「願い」「光陰」

 

神奈川県相模原市 画家の住む団地があります

 

妻の拒否した手

その拒否が果たして患者()にとっていいのか 僕にとっていいのか そういう…

関係性みたいなものの中で 人間の営みとか命が成り立っているわけですよね

 

木下晋の壮絶な人生とは

始まりは竹林から

1947年 富山市に生まれる

3歳の時 火事で家が全焼 近隣も焼く

木下一家が逃れた郊外の竹林 竹林の中の番小屋に移り住む

食べ物が乏しく3歳の弟が餓死 母親は家出を繰り返した

 

絶望の底で上を見て笑っていた 木下晋著「いのちを刻む」より

中学時代 初恋は美術の先生 河西修子先生

モデルを出して みんなでそれを

鉛筆スケッチするという時間があったんですね

女の子の正面に向かって 正面の顔を描くんですね

どの子も大抵 でも彼は全然正面から見ないんです

ぐるぐるぐるぐる周りを回って 横から見て描いたり

後ろから見て描いたり 他の子と全然違う態度だったんですね

えっ!と思ったんです 

2で富山大学の彫刻の先生に学ぶ

そんな最中 中3の冬 父親が事故死 頭に材木、転落死 

富山 工事場で作業中のとび職

 

飢餓と貧困 弟の死 家族の崩壊 父の死 救ってくれたのは絵画

17歳の時の作品「起つ」クレヨン・ベニヤ板

木下君みごと入選 自由美術展 高校生で初めて

19641010日 富山新聞掲載 提供:北國新聞社

「天才少年現る!」

絵で食べていけるかもしれない 高校中退

 

使っている鉛筆は10Bから10Hまでの22

ここまで使うと何となく鉛筆の先々まで神経がいくみたいな

こだわりですかね 大事なことだと思ってるんですいよね

生きていく上において 心意気っていうか

 

なぜ鉛筆だったのか?

「祖母ソノ像」(油彩・1979)兵庫県立美術館 蔵

「赤い帽子の麗子」(油彩・1977)宮城県美術館 蔵

 

1981年 ニューヨーク 海外進出をもくろむ 全く通用せず

アメリカではオリジナリティがなかったら もう絵じゃないんですよ

だったら無いものを探せばいいじゃないか それが鉛筆だったんですよ

 

1981年 冬 新潟

瞽女(ごぜ) 小林ハル(1900-2005)

いい人と歩けば祭り 悪い人と歩けば修行

 

今まで聞いたことがないような音域だから心臓を掴まれたみたいな

金縛りにあったみたいな感じだったです

最初の作品「ゴゼ小林ハル像」(1983)

102年の闘争Ⅲ」苦難の歴史の物語

 

100年の瞑想」

私は自分を捨てて ただ虚心にハルさんと対峙して描けばいいと思った

なんでこの人は こんなに美しいのだろうか?

木下晋著「いもちを刻む」より

 

「黒い闇」(1992) 「103年の闘争」(2003)

 

もう一人の惚れ込んだ人

「桜井哲夫詩集」土曜美術社販売 刊

差別と偏見を乗り超えて

「告発」モデル 詩人 桜井哲夫

13歳の時にハンセン病に罹り国の隔離政策によって療養所で一生を送った人

過剰な薬の副作用で鼻は崩れ、眼球も指も失いました

画家は皺の一つ、皮膚の些細な変化を凝視します

そこに生きてきた時間、人生の叫びが響いているから

 

木下晋の言葉

格好よかったですねぇ あんな格好いい男性は俺 後にも先にもないね

内側から格好いいんじゃないですか?

 

天の職 桜井哲夫

お握りとのし鳥賊と林檎を包んだ唐草模様の紺風呂敷を

しっかりと首に結んでくれた

親父は拳で涙を拭い 低い声で話してくれた

らいは親が望んだ病でもなく お前が頼んだ病気でもない

らいは天が与えたお前の職だ 

長い長い天の職を俺は素直に努めてきた

呪いながら厭(いと)いながらの長い職

今朝も雪の坂道を努めのため登りつづける

終りの日の喜びのために

第一詩集「津軽の子守歌」(一九八八年)より

*「らい」:ハンセン病

 

私たちも同じように多分みなさん色々抱えていて

でも「天職」って思えるならば これほどまで強い

鼓舞される言葉はないなって感じました 星野

 

木下晋は家出を繰り返した母親を描きました

「母の視た物」

亡くなる直前、人生で初めて向き合いました

その皺も克明にえぐるように

 

こんな絵も描いています「シー君の興味」猫の絵です

ほっとします 共に暮らした猫です

 

近くで見るとその細かさに圧倒されるし

遠くから見ると その柔らかさに驚くし

 

魂の写実

白い線(猫の髭)はどうやって描くのか?

一度描いた部分を消しゴムでなぞると

紙の白が出てくることで光が浮き上がってくるのです

ねりけし(練り消しゴム)はぼかしの効果

 

1970年 木下さん23歳の時に君子さんと駆け落ち同然で結婚 

以来 母セキさん 娘麗子さん 各地を転々としながら苦楽を共にしてきた

20年前に君子さんはパーキンソン病を発症

君子さんを描くようになったのはここ10年のこと

そしてある発見をするのです

 

人間がこういう状態になってくると

ひび割れの奥にある命というのか

生きようとする人間の本当の姿が見えてくるのだ

 

(その命の尊厳が美しいのだと木下さん)

 

一刻一刻と命を削っていく妻の姿はモデルとして

どんどん魅力的になっている

私はとことん描き抜くつもりである

木下晋著「いもちを刻む」より

 

彼女が病気になった時にその人間の営みを全部

こっちが取って代わるみたいなところがあるわけですからね

そうした時に単なる夫婦関係じゃなくて命に触れるみたいな

だからその命を描きたいわけですよ それこそが普遍だし 木下晋

 

製作開始から3週間 あの絵が完成しました

こんなもんかな

この手に込めた思いとは?

木下晋作「阻(はば)む手」

動きのままならない指をいっぱいに広げています

それは話すのが不自由な君子さんにとって夫とのCommunicationであり

自分を守るための意思表示でもあるのです

 

自分の思うように指が動かないでしょ

でもそれはそれで美しいなぁと思うんですよね 木下

 

こんなふうに命を感じ取って眺めて知りたいと思って形に残して

そういう活動をされている方が実際にいるっていうのは

すごく心強いし勇気を頂いたというか…

 

魂の鉛筆画、それは人が見ようとしないものに隠されていたのです

途方もない、ただ事ではない、命の尊厳がただ美しいと…

2026年7月3日金曜日

あの本、読みました?瀬尾まいこ

金糸梅(きんしばい)武相荘にて煌めかん

貴賓という優しさを持ち風薫る

夏空よ粘土と言葉同じかも

人間と鉄は一緒夏柳

壮絶な生い立ちを知る蓮の花

 

■あの本、読みました?本屋に行くと良いことは?~本屋大賞作家・瀬尾まいこに聞く

瀬尾まいこ 鈴木保奈美 山本倖千恵

 

書店愛が伝わる本

今年5月刊行「本屋さんのある街で」

書店好きな5人の作家 本屋さんをテーマに短編を寄稿

閉店間際の書店を舞台にした理由

 

「本屋さんのある街で」

凪良ゆう 瀬尾まいこ 坂本司 一穂ミチ 三浦しをん著/文春文庫

「あ、お客さんのとこに行ってよ。私、これを買っていくし」

私は新たに入店した女性を見かけて、菅原君に告げた。

これ以上しゃべっていたら、もう一冊くらい買ってしまいそうだ。

「いえ、あの人は静かに本を探したそうですから」

「お客様を選んで声をかけてるの?」

「最初は、来る人来る人に声をかけて店長に注意されたんです。

本はゆっくり買うものだ。お前は本を買ったことがないのかって

怒られて。だから今は控えめにしてます」

「そうだよね」

私も静かに選びたかった。いや、でも、菅原君のおかげで

この本をもう読みたくなってるから、勧めてもらって良かったのかもしれない。

「ありがとう、じゃあ」

レジを済ませて店を出る私の背中に、

「またお越しくださいませ」という元気な声が響いた。

 

一日店長をした書店員体験をもとに描写

 

エッセイ「そんなときは書店にどうぞ」瀬尾まいこ著/水鈴社

表紙の裏 *この本の印税と収益は、

全国の書店さんの応援のために使わせていただきます。

通常は定価の20%が書店に分配されるが

本書は印税を含め50%が書店に還元される

 

水鈴社代表 篠原一朗さん 曰く

「瀬尾さん 本当に書店のことを考えるなら

良い小説を書く それ以上のものはないですよ」

 

「そんなときは書店にどうぞ」の一文 瀬尾まいこ著/水鈴社

まずは店頭で、「本、たくさんありますよ」

「どうぞ見て行ってくださいね」と呼び込みをしたのですが、

K店長に、「店の外、ショッピングセンターの敷地になるんですよ。

ここまでがギリです」と言われ店内にすっこむことに。

それでは中でと、お客様に「その本、いいですよね」と

お声がけをしたのですが、静かに去られてしまいました。

お声がけのタイミングって難しいですよね。

(中略)

唯一、書店員らしいことができたのは、マジックを探されているお客様に

「この辺りです」とお教えしたこと。でもその方、後で私の本を買って

そのマジックと一緒に「サインください」と差し出されました。

私、マジックは持参してたんです。サインに使いはるんやったら、

「マジックなんぞこの店では一切取り扱っておりません」と言うたのに。

すみません。

 

1日店長で経験した書店員の苦労と努力

 

本屋大賞作家 瀬尾まいこ推薦 「行くだけで楽しい本屋さん」

「子どもが楽しい本屋さん」

   未来屋書店四条畷店(大阪)

「○○の神様が在籍」

   水嶋書房 KUZUHA MALL(大阪)

七つの会議 虚栄の繫栄か、真実の清貧か

Special Message 水嶋書房 KAZUHA MALL店 桝田愛さん

瀬尾さんってどんな人?

とにかく書店さんが大好きで「書店さんのためなら!」って言って

しょっちゅう来てくれる 急遽ミニサイン会になっても

嫌な顔一つせずやってくださる(書店へ)呼び込みまでしてくれる

こちらとしてはとてもとても 楽しく嬉しく売り上げも上がり

本当にあたたかい とても素敵な方ですね

忘れられない思い出

務めていた書店が閉店になった 店が閉まる時に瀬尾さんが

作ってきてくれた 「本」なんですけど みんなに作ってきてくれて

AI()」って名前が入っていて 瀬尾さんは針と糸ができない方なので

全部これ接着剤で付けていたんですね 23日で爆発してしまって

上から綿がブワーって出て「爆発したー!!!」

仕方ないから私が縫いました… でもこれ大事にしててみんなまだ

エプロンとかに付けてるんですよ 本当に本屋さんのことを

すごい考えてくださる方なので 本屋としてはありがたい作家さんですね

いろんな本を出していってほしい 私は必ず応援します!

 

瀬尾さんが思う書店に行くべき理由

 

・本好きさんと本屋さんぽ

テーマ POPで一番刺さった本

「月がきれいな夜に、誰かに思い出してほしかった」川代紗生著/サンマーク出版

忘れられない恋の記憶を抱えた人々の再出発を描く 川代紗生が紡ぐ連載小説

POP タイトルが刺さる 刺さりすぎる…!

さみしさをそっているあなたに見つけてもらうために

この本はここにあるんだと思います。

 

「鴉は硝子のフリルで踊る」 梅﨑実奈編/河出書房新社

POP 私は本書を通して選ばれた歌のすばらしさもさることながら

改めて「編む」という行為の尊さに思いを馳せる。

ひとりの女性が愛し、慈しみ、真綿でくるむように あたためてきた

歌のひとつひとつが織りなす調べは彼女のこれまでの歩みの分だけ

清く高らかに響き渡っている。そして、ふと思い至るのだ。

あゝこれこそ私の見たかった「幻想」なのだと。 by 竹田さん

紀伊國屋書店 短歌担当 梅﨑実奈さんが編集

現代短歌147首を収録した短歌アンソロジー

 

「つくりたくなる日々のレシピ」長谷川あかり著/扶桑社

SNS総フォロワー数は145万人超の人気料理家 長谷川あかりのレシピ集

POP 長谷川あかりを信じろ‼

 

10本のぷりぷりソーセージ」ミシェル・ロビンソン文

トール・フリーマン絵 もとしたいずみ訳/ほるぷ出版

フライパンの上で焼かれるソーセージたちの運命を描く

ちょっぴりこわいユーモア絵本

POP にげきれるソーセージはいるのか!?

さいごまでハラハラドキドキな絵本!

 

本棚は人生の縮図である

 

「巨匠とマルガリータ」ミハイル・ブルガーコフ著 石井信介訳/新潮文庫

悪魔が現れたモスクワを舞台に愛と芸術を描く幻想文学の傑作

POP 暗い小説が好きです

 

「余命3000文字」村崎羯諦著/小学館文庫

人生の残り時間が❝文字数❞で決まる世界を描く

村崎羯諦の発想力あふれる短編集

POP 余命3000文字 

「文字数で余命を宣告された男」の数奇な運命から始まる、

ちょっぴり不思議な26の物語 村崎羯諦著 小学館文庫

 

「ありか」瀬尾まいこ著

POP ありか 家族という愛憎のグラデーションが最も濃くなる存在を

絶妙なコントラストで描き出す瀬尾さんの真骨頂とも言える物語。

当たり前の関係性なんてどこにもないのに親、子供、夫、妻、立場が

象っていく何かに息が詰まるような心地を覚えたことは何度もあるし、

自分自身もまた❝毒❞何とかになっていないか 急に怖くなって

ケーキを買って帰ったのは内緒だ。それを思いやりというのは

おこがましいけれど それでも些細な体温の交換が続く日常を

幸せのありかにしていけたらと願わずにはいられない by 竹田さん

 

POPで一番刺さった本

鈴木保奈美女史は「鴉は硝子のフリルで踊る」

瀬尾まいこ女史は「10本のぷりぷりソーセージ」

 

2019年本屋大賞受賞「そして、バトンは渡された」

2026年本屋大賞7位「ありか」

 

これまでの人生全てを込めた作品

今作のテーマについて 水鈴社代表 篠原一朗さん

僕は一度 瀬尾さんと娘さんの物語が読みたいな

この作品はヘビーでシビアな部分も描いた 母娘の危うさ

読み手によって異なる読後感

 

「ありか」の一文 瀬尾まいこ著/水鈴社

「あ、ママの足冷たい」ひかりが私の足に足を絡ませる。

「じゃあ、ひかんぽつけようっと」

私はひかりのおでこを人差し指でピッと押した。

「ひかんぽ、起動しました。温かくなりました。五十度です」

ひかりは、ロボットのまねをしてそう言うと、さらに私にくっついてきた。

冬の間、ひかりは自分のことをゆたんぽ改めひかんぽと名付け、

密着してくる。ひかりいわく、身体を温めてくれる代物らしい。

(中略)

「ママはすごくいいものを見つけたよね」ひかりが言う。

「ひかんぽ?」「そう。どこにも売ってないもん」

「じゃあ大事にしないと」「そうそう。故障したらね修理できないから」

「えーたいへんだ。しっかり野菜を食べさせないとダメってことだね」

「違う!ひかんぽはお菓子で動くんだよ」

(中略)

「もう、夜でしょ。ママ。ちゃんと寝ないと」とひかりに注意された。

「そうだそうだ。明日から新学期だもんね。おやすみ。

ひかり、ひかんぽちゃん」「うん。おやすみ。ママとママんぽちゃん」

いつの間にか私も湯たんぽの一種にされてる。

しかも美空をもじってみそんぽじゃないんだ、と笑いたくなったけど、

また注意されかねない。ひかんぽで温められた私はそっと目を閉じた。

2026年7月2日木曜日

深大寺&黒田家文書

夏空よ低血圧の幼子よ

夏の雲余裕の時間があったなら

丁寧に生きていきたく夏座敷

年に二度友と会う日や風薫る

単物(ひとえもの)日ごと突き出す下っ腹

 

■新美の巨人たち 深大寺

浮岳山 昌楽院 深大寺(733年創建)

江戸時代 2度の大火により建物や記録を焼失

本堂 1918年 再建

深大寺 第八十九世住職 張堂興昭

宝冠阿弥陀如来像 鎌倉時代前期 木造/漆箔

孔雀

「男女の恋物語といいましょうか 恋愛譚の中で重視された神様なんです」

「深大寺縁起絵巻」1722

深沙大王堂 1968年再建 深大寺の由来

秘仏

河鍋暁斎「釈迦三尊十六善神図」1866年 深沙大王

❝縁結び❞ 亀の絵馬

元三大師堂 1867年再建

元三大師 良源(912-985)延暦寺の高僧

元三大師像の次のご開帳は2034年の予定 50年に一度の秘仏

奇跡を起こす巨大な像

元三大師像 鎌倉時代 木造(寄木造り)2m

奈良にある美術院で3年に及ぶ大修理を実施

❝厄除け❞日本最大の肖像彫刻 実在した人物の彫刻

六波羅密寺「空也上人立像」117.6cm

唐招堤寺「鑑真和上坐像」80.1cm

等身を超えるものは一切ない 

立ち上がると4mを想定して鎌倉時代に作られている

 

武蔵野美術大学教授 奥健夫

例えば元寇 文永・弘安の役 鎌倉時代中期モンゴル帝国による2度の日本侵攻

 

厄除大師として作られた

鎌倉幕府を開いた初代将軍源頼朝の兄弟がいまして源範頼

 

幕府なども祈祷した可能性は大いにある 肖像とは言いながら

仏様としての性格を付与しようということ 大きさによる力

人々に共有される存在として ああいう大きな像がつくられたのではないか

 

角大師 豆大師 鬼大師 元三大師は「おみくじの祖」としても知られている

 

名物は深大寺蕎麦 現在深大寺周辺には18件の蕎麦屋が軒を連ねている

そばごちそう門前 昭和30年創業 4代目主人 浅田修平

江戸時代 特に盛んになって江戸の人たちが参詣に来られて

お寺さんでそばを振る舞ったのが始まり 距離的に日帰りができた

 

武蔵野にもたらされた奇跡の仏

釈迦堂 1976

「銅造釈迦如来倚像」飛鳥時代後期(白鳳期) 銅造・金色仕上げ 

国宝仏 白鳳仏

倚像 椅子に腰をかけているのは珍しい

法隆寺「釈迦三尊像」623

武蔵国司 高麗福信(709-789)⇨満功上人

1909年 元三大師堂の須弥檀下から発見される

 

出来栄えの優れたお像でしかも大きい金銅仏 

そこまで大きい像は近畿地方以外にはない

 

法隆寺「夢違観音像」御身代わり 香薬師像

そっくり 成分も似ている

1903年「銅造釈迦如来倚像」が旧国宝に指定

 

武州深大寺 文永四年丁卯(1267)

善勝寺から里帰り

善勝寺 住職 川久保禪龍 ⇨ 深大寺 住職 張堂興昭

国指定の重要文化財にするようにと答申が出たので驚いている

深大寺で今秋公開予定

 

■「黒田家文書」より

其方(そなた)のき()

我らおとと()

小一郎めとうせん(同然)

こころやすく存候

 

(あなたのことは、我が弟の小一郎と同然に心から信頼しているよ)

これは、天正6(1578)に羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)が、

播磨の国侍で後に天下統一の軍師となる黒田官兵衛(孝高)

宛てて送った書状に記された有名な言葉。

 

「小一郎」とは秀吉の異母弟であり、生涯にわたって

彼の天下取りを支え続けた名補佐役・豊臣秀長の若い頃の呼び名。

2026年7月1日水曜日

私とルオー2026

(かな)しみ美(かな)しみ哀しみを持ちて夏

走馬灯生れた日から嘘つかれ

騙されてまた騙されて夏の波

夏の月嘘の世界を生き続け

笑顔まで嘘にまみれた夏の星

 

■日曜美術館 私とルオー2026福岡伸一

20世紀最大の宗教画家と呼ばれるジョルジュ・ルオー(1871-1958)

敬虔なカトリック教徒だったルオーは、

深い信仰を背景に人間の苦悩や慈悲など普遍的な魂のあり方を描いた。

日曜美術館では「わたしとルオー」と題して過去何度もルオーを特集、

その孤高の生きざまと作品の魅力を多くのゲストが語ってきた。

今回「わたしとルオー」を語るのは生物学者の福岡伸一さん。

科学の視点からルオーの描く「光」の秘密に迫る。

 

聖顔1939

福岡伸一

科学も美術も人間の営みとしては志は一緒

科学にとって美術は友達

殆どの画家はものを見て反射光を見て絵を描こうとしている

ルオーは透過光でものを見たら どういう風にみえるかに

だんだん到達していった

 

反射光 

光源(太陽や照明など)から発せられた光が、

物体(水面、壁、地面など)の表面に当たり、

はね返る現象や、そのはね返ってきた光のこと。

 

透過光

光源からの光が物質を通過して反対側へ抜けてくる光のこと。

物体そのものが発光しているように鮮やかに見え、

ステンドグラスやレントゲン写真、お札の透かし、

水面越しの景色などがその代表例。

 

モルフォ蝶

北アメリカ南部から南アメリカにかけて80種ほどが生息する大型のチョウの仲間。

"Morpho" は、ギリシャ語で「形態」を意味し、

アプロディーテーおよびウェヌスの形容語句でもある。

Wikipediaより

 

1871年パリ 貧しい家具職人の家に生まれた

生活苦のため14歳で職人の道へ 

弟子入りしたのはステンドグラスの工房 

ルオーにとっての原風景となる

画家への道を諦めきれず19歳でパリ国立高等美術学校に入学

そこで ギュスターヴ・モロー(1826-1898)に指示する

ルオー27歳の時 モローが病で亡くなる

ルオーの深い愛情と後押しをよりどころを失ったルオー

自分の進むべき道を見失い以降長らく絵筆をとることができなくなる

5年後 再び筆を持って描いたのは❝サーカス❞(1905)

愁いを秘めた表情❝娼婦❞(1906)には暗い影が落ちていました

ルオーは社会の終焉に追いやられた現実の人々へ

真っ直ぐなまなざしを向け人間の心の奥底にある何かを描き出そうとした

 

奈良岡朋子

道化師(1925-29)

目が道化師 人に笑いを売る風には見えない

良いものと悪いものを見極めようとする鋭さを感じる

 

蜷川幸雄

宗教画のような聖なる輝き 卑俗な人々が結果として聖なる輝きを帯びてくる

聖なる輝きという部分を拡大して描いている

 

聖顔(1933)(1937)(1939)(1946)

 

福岡伸一

公平な光で照らし出されるとあらゆるものが平等

 

遠藤周作

キリスト教の信者で小説書いたりする 矛盾したとこがある

ルオーの絵を見ていて同じ問題が隠れているような気がした

 

鹿島田真希

「聖顔」を描くってある意味受け身な作業だと思う

自分の描きたいディテールを描けない

ただ顔を描くというシンプルな作業

シンプルだけど難しいことをしている

 

山本容子

人の顔とサイズが同じ 神様が人と同じでここにいる

絵を描くことが祈であって そこで信じていることを描いている

 

福岡伸一

それぞれのものの内側にあるものをつかみ取っていく

そのための力を信仰が与えてくれる それが求道

それを続けていったのがルオー

空からの光によって照らし出される内面を見るとすべて人は平等な人間 

透過光で見るとすべてのモチーフがキリストに近づいていく

 

福島慶子

❝おしぼり❞だけは日本語を覚えまして「おしぼりシルブプレ」

クリスマスで大事件が起こっちゃった 火事を起こした

自分の絵を見ると気に入らないところを自分で直したい衝動に駆られる

 

福島葉子(慶子さんの娘)

8つか9つの時にルオーに描かれたのは「裁判所のキリスト」(1935)

 

野見山暁治

ルオーの生き方に共感

(描きたい形が)あるんだけど 描くとうそなんですよ

こういうものという願いがあって 形がかなり明確に出ているけど

描いたらうそになる

 

動的平衡

生命の核心を解くキーワードです。

私たちの体は常に分子や細胞を分解・合成し続けており、

一見同じ姿を保っているように見えて、

実態は絶えず入れ替わる「淀み」のようなものであるという生命観を指す。

 

2026年6月30日火曜日

わたしの日々が、言葉になるまで 金原ひとみ&松居大悟

雲の峰言葉にできぬ感情よ

二日目の喧嘩の事情明易し

それぞれのイマージュ見つむ風薫る

髙瀬川茂みの乱舞初蛍

母川の川面に映る夕蛍

 

■わたしの日々が、言葉になるまで「気まずい」を打開する言葉とは?

劇団ひとり 金原ひとみ 久保史緒里 松居大悟 桐山照史

 

言葉にできない気持ちを言葉に

❝気まずい駅までの帰り道❞どう打開する?

桐山照史

先輩の私の年ぐらいの時ってどんなんでしたか?

久保史緒里

Aさんすっごく楽しそうでしたね

松居大悟

今日の飲み会いつが気まずかった?

金原ひとみ

推しっていますか?

劇団ひとり

最近なんかおいしいもん食べた?

 

「気まずい」という感情はZ世代が感じがちというデータがある

「不安」「緊張」「申し訳ない」という意味でも「気まず~」が使われ

「ヤバい」に次ぐ便利ワードとして使われている

 

申し訳ない=気まずい

 

❝名前を間違えられ気まずい❞どう打開する?

久保史緒里

今日からハギワラにします

言い方は大事 

桐山照史

逆にすいません!よくまちがえられるんですよ~ちなみに自分の

下の名前○○なんですけどそっちで読んでもらえますか?()

論点を違うところに持っていく

松居大悟

でも、今日からオギワラとハギワラの両方でいきます!

金原ひとみ

名前なんて記号なんで、どうでもいいんですけどね。

劇団ひとり

いや、よくあるんですよ オギワラって言われて いやハギワラですって

あっじゃなくてオギ、ん?ハギ?えっ私どっちでしたっけ?

 

なぜ❝気まずい❞感情が沸き起こる?

久保史緒里

常に自分が悪いと思い込むから気まずいになる

自責の念から気まずいが生れる 

桐山照史

気まずさを感じる人は優しい

松居大悟

相手と自分に期待するとギャップを埋めようとする

期待しすぎが気まずさを生む 

いい時間を過ごしたいから空回りして気まずいが生れる

正体発見 どうでもいい人とは気まずくならない

❝気まずい❞前向きな感情

 

語彙力の欲しい方にピッタリな企画

明日使える語彙を増やす新コーナー

語彙力クイズ 削り友だち=酒飲みの友達

江戸時代 大工さんが使っていた言葉 

「削る」に酒を飲むという意味があった

明治時代以降ほとんど使われなくなり 

「酒を飲んで財産を失うから『削る』と言う」と説明する辞書もある

昔は ちょっと飲みに行こう⇨ちょっと削ろう

例「今日はみんなのために削らせていただきます」桐山照史

「頑張って削ります」桐山照史

 

NEXT語彙力クイズ 

しおしお=気落ちして元気のないさま しょんぼりすること

鎌倉時代から使われ出した言葉

慰めワードとして使える 

「何そんなにしおしおしちゃって」金原ひとみ

しおしお 明日から使える言葉認定 

 

語彙力を増やすためにやっていることは?

よく使う言葉を言い換える 疲れた⇨体が鉄のように重い

 

言語化のヒント

松居大悟

日頃から言葉の言いかえを常に考え別の表現を出せる練習する

言葉の引き出しが増えてくる 

金原ひとみ

「しっくりこない」「リズムが悪い時」は

類語辞典で同じニュアンスの違う言葉を探す

 

語彙力クイズ もだす=沈黙する 口をつぐんで見過ごす 黙す(もだす)

「もだ」⇨黙っていること それに動詞を表す「す」がついて

「もだす」=「沈黙する」となった

 

黙る(だまる)と黙す(もだす)の違い

黙る(だまる)はもともと話していた状態から言葉を発さなくなる

黙す(もだす)はそもそも話しておらず静かにすること

 

現在すでに「まじ」は若い人は使っていない 金原ひとみ