2026年5月30日土曜日

100分de名著 ディケンズ❝大いなる遺産❞③

(ジュウイチは) 大瑠璃の産卵狙い托卵す

ジュウイチは子育て放棄大瑠璃へ

ジュウイチずるし大瑠璃の子をつき落す

大瑠璃健気ジュウイチの雛托卵す

ジュウイチの雛は異なる親に育てられ

 

100de名著 

ディケンズ❝大いなる遺産❞③ジェンダーの暴力を乗り越える

河野真太郎 伊集院光 阿部みちこ

チャールズ・ディケンズ(1812-70)

 

ジェンダー問題 DV

囚人の名前はマグウィッチ

 

「エステラ、僕の愛しいエステラ、ミス・ハヴィシャムの言いなりになって

この致命的な一歩を踏み出すのは思いとどまってくれ

ミス・ハヴィシャムが君と奴を結婚させるのは、そうすれば、

君を崇拝する多くのもっとまともな男と、君を真に愛する

少数の者をこの上なく辱め傷つけることができるからだ」

 

マグウィッチ⇦罪をなすりつける コンピィソン 結婚詐欺⇨ミス・ハヴィシャム

マグウィッチは対抗的にGentlemanを作り階級的な復讐をしようとした

 

神を恐れず、不格好な怪物を作り上げ、その怪物に追い回される

架空の学者よりも、私の方がよほどみじめだった。

私は自分を作り上げた怪物に追い回され、彼が私を称賛し、

私に行為を抱けば抱くほど、その分余計に強い

嫌悪感を持って彼から自ら引き離したくなるのだった。

 

架空の学者:「フランケンシュタイン」(1818年刊)

イギリスの作家メアリー・シェリーによる長編小説

ある科学者が人造人間の怪物を創り出すという物語

 

「ああ!何てことをしてしまったんだろう!何てことを!」

彼女は失望落胆の叫び声を上げた。

ミス・ハヴィシャム、僕の心を傷つけたことをおっしゃっているなら、

ご心配なく、あなたの与えた害はごく僅かなものです。

僕は、事情がどんなであっても、どのみちエステラを

愛したでしょうからー彼女は結婚したのですね?」

それは尋ねる必要のない質問だった。

この荒れた屋敷の新たな荒廃ぶりがその答えを示していたからだ。

 

「ハーバート()僕が熱病に侵されてるとか、

昨晩の事故で頭がおかしくなっているとか、思わないね?」

「とんでもない、()君は少々興奮しているが、正気だよ」

「ぼくは自分が正気だとわかっている。いいかい、われわれが

川の下流にかくまっているあの男こそエステラの父親だよ」

 

マグウィッチとモリー(ジャガーズのお手伝い)との間に生まれたのがエステラだった

マグウィッチは階級社会に復讐

復習物語の行方

ジェンダー的な不公平性

ミス・ハヴィシャムはエステラを復習マシーンに育てる

ピップとマグウィッチは絆を深める

ミソジニー(女性蔑視)的な物語構造がある

女性たちの描かれ方 ファーストネームが出てこない

姉はピップの少年時代にとある襲撃事件に巻き込まれ物語中盤に亡くなる

この物語では女性の暴力が目立つ

これは男性中心社会で受ける暴力を女性たちが反射させている

有害な男性性 他者に対して攻撃的 競争的 思いやりに欠ける

女性やマイノリティに蔑視的な男性の性質

社会の中の有害な男性性

ホモソーシャルな絆 女性や同性愛者を排除する男性同士の強い結びつき

階級社会と男性中心社会が骨がらみになって社会の構造を成している

 

「どうして、僕ぐらいの年の頃、学校に行かなかったの?」

「俺の親父はな、酒飲みで、酔っ払うとおっ母さんをひどく叩いたもんだ。

ほんとは鍛冶場で鉄を叩いていなくちゃいかんのに、

そっちはほったらかしだった。その代わりに、俺もよく叩かれた」

「俺も親父とおんなじ間違いを犯して、自分の嫁さんに

つらく当たっちまうんじゃないかって心配なんだ。

で、それなら、俺は反対に自分が少々つらくてもいいと思うのさ」

その日から、幼いながらも、私の心にはジョーに対する

新しい尊敬の念が生れた。

 

「大いなる遺産」における家庭内暴力

ジョーの父⇨ジョー

ピップの姉⇨ピップ ジョー

エステラの夫⇨エステラ

コンピィソン⇨妻

 

暴力が連鎖する当時のイギリス社会

 

ジョーだけは暴力の再生産しない

有害な男性性⇔ケアする男性性

配慮や優しさを持ち他者を助けようとする男性性

ジョーが有害な男性性を乗り越えケアする男性性獲得へのヒントを与える

2026年5月29日金曜日

台所で一句&「袋掛」&筋肉

歌う寸前息を止める鶯

夏山や若苗色の広がらん

黄鶲(きびたき)や声はすれども山の風

ムギマキや餌を求めて夏の道

朴の花(ほおのはな)儚き命(めい)と甘き香

 

■プレバト纏め 2026528

台所で一句

 

締めのお手本 特別永世名人 梅沢富美男

吾の棘もなくなりしかな胡瓜揉み

添削(もっと謙虚になった方がいい 俺の棘も少し減ってきたな

   中七を添削することで謙虚ないいお年寄りになる 

年齢と共に俳句も謙虚になって戴きたい)

吾の棘も減りしか胡瓜揉みしょっぱ

 

永世名人昇格試験 森口瑤子

ルクエより溢るる春の香のゆたか

添削(ルクエ:電子レンジで蒸す炊く茹でる調理ができる 実感の一句

   イメージとして重なる言葉がある 溢るるとゆたか 

   「春の香」が何の香りか?想像する手立てが生れる

   より具体的なものを乗せるとルクエが何かと想像がつく)

ルクエより溢るる春の野菜の

ルクエより溢る春キャベツの香

 

1位 村山輝星

梅雨寒やレンジ湯たんぽまた出して

(下手な工夫をせずに素直に書いたのはこの一句だけだった

 「や」を使っている 「出して」切れを入れないで余白を作る

 丁寧に70点ラインにきっちり詠んできた

1つずつ覚えていくといつか特待生になれる)

 

2位 YOU

ザクザクと初夏の荷解きや部屋ひらく

添削(ダンちゃんに発想を飛ばした一句 段ボールの開封やカットに役立つ

   詠嘆の「や」をかっこいいから入れたとか)

初夏の部屋ザクザク開く段ボール

 

3位 エルフ荒川

クエン酸シンクの雲消し五月晴れ

添削(季語というよりオチに使っている 

季語が主役になるだけを考えて詠めby夏井)

五月晴の窓やシンククエン酸

 

4位 高橋恭平

留守の部屋夏風くるり掃除ロボ

添削(留守にしてて風が入る 窓閉めてないんだろうか?

   想像だけで作ったのかな?読めば読むほど疑問

   掃除ロボに対してくるりは凡人の発想 やっぱり不用心)

留守番はお掃除ロボット

 

5位 山本彩

夏野菜廻る姿や小宇宙

添削(ぶんぶんチョッパー 俳句界のNGワード 小宇宙

   俳句というのは書かれた文字が全て 訳が分からないとの酷評

   YOUさんも言っておられましたが料理をする人にはわかる俳句です

   添削後も極めて詩情の少ない句 最悪の添削だと思いました)

夏野菜ブンブン回すみじん切り

 

・清水麻椰アナウンサーチャレンジ

夏めくやマスクケースの影薄し

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「袋掛(ふくろかけ)

 

「袋掛」と言われて あ~はいはいよくやりました

という人もいれば 全く知らんわという方も

いらっしゃると思います。

これは農業に関する季語になります

初夏の頃 色んな果実に専用の袋とか

新聞紙で作った傘みたいなものをつけて

病害虫そして鳥から守り 果実をちゃんと育てるための

そういう手順になってきます

秋は様々な実りを迎える季節でもありますから

例えば枇杷とか桃とか柿とか そういったものに

「袋掛」をしてやるわけです

ちなみにこれをしないと かなりの食害をされてしまう

そのために色んな「袋掛」専用の袋が開発されたりと

農業の中でもいろいろ技術が進歩しているわけです

 

CO2 + T3 + B1@spheno_xiphoid 2024310日のXより

英語からの翻訳

筋肉は、弱ってエネルギーが不足すると硬くなります。

例えば、こむら返りや死後硬直のときがそうです。

逆説的に思えるかもしれませんが、強く健康な筋肉は触ると柔らかいものです。

硬くなった筋肉を改善するには、代謝を回復させることです。

2026年5月28日木曜日

わたしの日々が、言葉になるまで こっちのけんと&綿矢りさ

無き音に耳を澄ませる夏の朝

夏のホームにキッチンカーがやってきた

夏の草忘れて生きて笑顔かな

トマトとバジル相乗効果ぶっちぎり

青芝や悲しい過去があろうとも

 

■わたしの日々が、言葉になるまで

「人生を変える運命の出会い」を言葉にすると

杏、綿矢りさ、こっちのけんと、劇団ひとり、桐山照史

 

出会いのエッセイ 杏のふむふむ 

人生を変えた運命の出会い

 

人生を変えた音楽との出会い 

4年間音楽を教えてくれた友人 こっちのけんと

中国語の先生との出会い 漢字が好きだから中国語を選択 

漢字は想像力が働く 綿矢りさ

WEST.中間淳太 真逆の存在との出会い 桐山照史

愛犬との出会い 杏

 

人気アーティストがつづる❝出会い❞は○○○

ケツメイシ 人生のワンシーン 歌に乗せる

出会いがテーマの映画主題歌「出会いのかけら」

(原作を読み込み書き下ろした楽曲)

一人一人皆懸命に生きてる

その中で人と人は出会い 

願い 描いてく 素晴らしい世界

時にある 裏切りや憎しみも

乗り越えて また 生きていく意味も

結局 皆 繋がってく

その中で 必死に掴まってる

出会いのかけら それを磨けば

これからも無数に 芽生える種が

―ケツメイシ「出会いのかけら」

 

横軸と縦軸がかみあわされる   杏

出会って 描いていく筆の先の絵具が❝願い❞   こっちのけんと

この歌に人生経験を感じる詞   綿矢りさ

出会いは能動的   杏

出会いな受け身じゃない   劇団

杏と綿矢の意外な出会い 磯田道史 堺雅人 ヤマザキマリ 安西水丸

 

「杏のふむふむ」出会いがテーマのエッセイ

ニューヨークでの出会い

まさか海外で仕事することになるとは夢にも思わなかった

出会いはいろいろなものを生み出す。

メルティング・ポット、人種のるつぼの中に入って、

シェイクされたような経験だった。

杏「杏のふむふむ」

 

作家・三浦しをんが描いた 運命の出会いの衝撃

「風が強く吹いている」三浦しをん著/新潮社

清瀬の心に暗い火口で蠢(うごめ)くマグマのような確信の火が灯った。(中略)

喜びなのか恐れなのか、自分でもわからない感情が胸に渦巻く。

なにかがはじまろうとしていることだけが、はっきりと予感できた。(中略)

その瞬間、清瀬は悟った。もしもこの世に、幸福や美や善なるものが

あるとしたら。俺にとってそれは、この男の形をしているのだ。

 

(うごめ)く:生きている感じがする

 

作品の中で冬を使う時 どのように思いつく?

比喩はパッションが必要 綿矢

言語化のヒント 

「~みたいな」「~のように」使わず言い切りで使用する

比喩は奥の手

 

ベストセラー作家がつづった 運命の出会いを感じた予感 

出会った瞬間の予感

「とかげ」吉本ばなな著/新潮社

わたしにはわかっていた。勘でもなく、念力で取り込んだのでもない。

はじめて会った時から、「放っておいても私とこの人は

一度は生活を共にするだろう。」と普通に思っていた。

熱望でもなく、夢でもなかった。ただ、そうなって当然という気運が

2人の間にあった。

 

確信まで来てる これこそ出会い 二人同時に思ってる こっちのけんと

人間の持つ出会いの特殊能力 ひとり

意外と覆らない 杏

 

・出会いのシーンで意識している事

綿矢りさ執筆の拘り

 

「激しく煌めく短い命」綿矢りさ著/文藝春秋

てっきり手先が器用な優しい子だと思っていた、

彼女の意外な迫力に驚いた私は、顔に笑みを張りつかせたまま、

ゆっくりと瞳を壇上にもどした。期待したより、仲良くなれなそうかも…。

 

全然違う人間同士が意外な展開で惹かれ合う

ワクワクするしスリリング

 

・冴えない大学生活で出会った 最悪にして運命の親友

京都が舞台のSF小説 

薔薇色のキャンパスライフを夢見て映画サークルへ入部

「四畳半神話大系」森見登美彦著/角川文庫

片隅の暗がりに追いやられた私の傍らに、ひどく縁起の悪そうな

顔をした不気味な男が立っていた。

繊細な私だけが見ることができる地獄からの使者かと思った。

それが小津と私の出会いである。

 

運命の分岐点で出会うべき人 こっちのけんと

最悪の出会いのフルコース 杏

 

綿矢りさ&森見登美彦&万城目学 仲良し三人衆のプライベート

Negative三人衆 嫌なことを言いつつもそれを楽しんでいる

体調の愚痴を言い合っている「最近肩こりがひどくてさぁ~」

 

俳優・杏 俳優も出会い

意外なものに出会った時に不安になる 最後の最後、役と親友になる

俳優をやる時の出会い 福山雅治さんと対談した時に

「モデルをやってきた私が安易に飛び込んでいい?」と聞いた時

「オファーくれるってことは見たいと思っているから役が来たんであって」

「全力で応えることが一つの答え」と言われた。

それから、引き受けるようになった。

 

・国民的詩人が教えてくれた❝本当の❞出会い

平易な言葉で物事の本質を照らす 出会い別れ

「光村ライブラリー中学校編第5巻」光村図書出版

わずか24行の中に一瞬と永遠が交差する 執筆時80

👑「あなたはそこに」詩 谷川俊太郎

あなたはそこにいた 退屈そうに

右手に煙草 左手に白ワインのグラス

部屋には三百人もの人がいたというのに

地球には五十億もの人がいるというのに

そこにあなたがいた ただひとり

その日その瞬間 私の目の前に

 

あなたの名前を知り あなたの仕事を知り

やがてふろふき大根が好きなことを知り

二次方程式が解けないことを知り

私はあなたに恋し あなたはそれを笑い飛ばし

いっしょにカラオケを歌いにいき

そうして私たちは友達になった

 

あなたは私に愚痴をこぼしてくれた

私の自慢話を聞いてくれた 日々は過ぎ

あなたは私の娘の誕生日にオルゴールを送ってくれ

私はあなたの夫のキープしたウィスキーを飲み

私の妻はいつもあなたにやきもちをやき

私たちは友達だった

 

ほんとうに出会った者に別れはこない

あなたはまだそこにいる

目をみはり私をみつめ 繰り返し私に語りかける

あなたとの思い出が私を生かす

早すぎたあなたの死すら私を生かす

初めてあなたを見た日からこんなに時が過ぎた今も

 

参照:https://kimaya.hatenablog.com/entry/2014/03/27/114303

 

加持リョウジ

「出会いには理由はなくても別れには理由があるってことだな」

 

自分から別れと思わない限り別れじゃないし別れなくていい

本当に出会ったものには本当の意味での別れはこない 杏

 

最後の最後、泣きそうになった こっちのけんと

「ほんとうに」を平仮名で書いているのが、意味ありげというか

❝ほんとう❞に優しさがある 

 

・言語化 言葉にできない気持ちを人生を変えた❝運命の出会い❞

「バターが温かいパンにとけてしみこんだ感じ。」桐山照史

人生を変えた人 山内圭哉から男というものを学んだ

プライベートでぬすめるものはないか 惚れました

 

「この新しい道の名前はいつか私がつけて見たい。」杏

名前を付けるほどの出会いだといいな

 

「うちにきてくれた。」こっちのけんと

僕を選んでくれた感覚 大ヒット曲「はいよろこんで」との出会い

何百年と音楽の歴史がある中 僕に出てきたんだろう

 

「新しい家族」綿矢りさ

夫と息子と暮らすようになり家族として自分が機能した

 

「鳥だ!ヒコーキだ!タケちゃんマンだ!」劇団ひとり

タケちゃんマン:1980年代バラエティー番組

「オレたちひょうきん族」内でビートたけしが演じたヒーロー

 

今ある出会いは大事にしていきたい 杏

新しく出会った時の興奮「蠢くマグマ」じゃないですけど

推しとの出会い

2026年5月27日水曜日

あの本、読みました?「本屋大賞」朝井リョウ 夏川草介

歿しても会いたくはない夏の星

夏の夜や未来永劫許すまじ

ギルティか?ノンギルティか?迷う夏

夏なのにギルティ消費増加せり

夏を問うノンカロリーか?ギルティか?

 

■あの本、読みました?「本屋大賞」の知られざる魅力~朝井リョウ独占インタビュー

鈴木保奈美 山本倖千恵 

湊かなえ 夏川草介 瀬尾まいこ 内田剛 間室道子

 

朝井リョウのインタビューで意外な発言

フィクション性の高いものが本屋大賞に選ばれると思っていたので

私は地下へ潜っていくような話を書くことが多いので期待していなかった

受賞という言葉を聞いてびっくりした

 

本屋大賞のウラ側と魅力を深掘り

23回本屋大賞「イン・ザ・メガチャーチ」朝井リョウ著/日本経済新聞出版

 

内田剛 間室道子

49日 明治記念館

「正欲」「生殖器」「イン・ザ・メガチャーチ」ノミネート3回目での大賞受賞

 

朝井リョウ

自分のなかの偏りや自分の極北みたいなものが作品に反映される

たくさんの書き手の極端・極北・偏りが詰まった本が並ぶ本棚

その本棚がたくさん並ぶ書店という場所を

守っている皆さまに改めて感謝申し上げたい

本屋大賞とは?

 

阿部暁子

Q.本屋大賞を受賞後 反響の大きさは?

 

Q.作家にとって本屋大賞とは?

瀬尾まいこ

書店員さんが手作りで大きな発表会になっていることが凄い

書店員さんのポップをいただくと凄く嬉しい

本を書いた時点では喜んでもらえるか 読んでもらえるか不安になるが

ポップをいただいて読むと喜んでくれている人がいると凄く力になる

夏川草介

出版社の枠にとらわれず幅広いジャンルから選ばれることは嬉しい

専門家ではなく本を好きな人が選んでくれているのが一番の武器

湊かなえ

書店員さんが1冊ずつ丁寧に読んでくれている

ノミネートされて驚いたし結果にも感謝

 

熱気あふれる本屋大賞発表会 今年は例年以上だった

 

本屋大賞の目的

売り場からベストセラーを作りたい!

歴代の本屋大賞で得点が高かった作品

 辻村深月」かがみの孤城」651点 2018年受賞

 毎年「本の雑誌」増刊で本屋大賞を特集 各年の得票数を掲載

本屋大賞公式ファンブック

 大賞部門

 翻訳小説部門

 発掘部門 

 超発掘本

 

発掘部門の❝お宝本

「ババヤガの夜」玉谷晶著/河出文庫

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」アンディ・ウィアー著 小野田和子訳/早川文庫

 

超発掘本

「旅の短編集 春夏」原田宗典著/角川文庫

イグアノドンからの伝言

ロンドンのクロムウェル・ロード。

イギリスの誇る自然史博物館に飾られている、

恐竜の骨格標本は、時々お喋りをする。

そんな噂を聞いたのは、去年の春でした。

イギリスから帰国した友人が、

もっともらしい顔で話して聞かせてくれたのです。

「イグアノドンの骨格標本だよ。その前に立って、

しばらくじっと息を殺していると、恐竜が話しかけてくるんだ」

友人は、そんなことを言いました。

私はもちろん半信半疑でしたが、今年の秋、ちょうどロンドンへ

行く用事があったので、自然史博物館を訪れてみました。

友人の言っていたイグアノドンの骨格標本はすぐに見つかりましたが、

その前に立ってじっと息を殺してみても、何の物音も聞こえませんでした。

私はがっかりしてホテルへ帰りました。部屋へ入ると、

メッセージランプが点滅していたので、私は早速フロントへ

電話をしてみました。すると、フロントのマネージャーは

こんなことを言いました。

「伝言が入っています。風邪をひいて、喉の調子が悪いので

先程は失礼しました。という内容です。」

誰からの伝言ですかと私が尋ねると、

マネージャーは相手の名前を読み上げました。

「イグアノドン、という方からの伝言です」

 

原田宗典の妹は作家の原田マハ

 

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兄・原田宗典が、「本屋大賞2026 超発掘本!」賞を受賞しました。

 

「旅の短編集 春夏」

今回の受賞、ことさらすばらしいと思うのは、

26年も前に刊行された本なのに少しも色あせないこと。

刊行当時読んだみずみずしい感覚が再読してみて、

そのまま蘇ったのには驚かされました。

そして、刊行から26年も経ったのに、ちゃんとみつけて、読んで、

もう一度多くの読者に届けたい、と思ってくださった書店員さんがいたこと。

なんてすばらしい賞を兄の本はいただいたことか。

うれしく、またちょっとうらやましくもあります。

20年前、「カフーを待ちわびて」でデビュー直後、

書店で生まれて初めてサイン会をしました。

名もない新人の私の助っ人として、急きょ兄が同席してくれました。

控え室から会場に向かうエレベーターに、一緒に乗り込んだ兄と私。

緊張でカチンコチンになっている私に、兄がかけてくれたひと言。

「今日は君が主役なんだ。堂々と行けばいい」

あのひと言に背中を押され、私は新しい世界へと踏み出しました。

あの頃も、いまも、私は変わらず兄の背中を追いかけています。

おめでとう、兄さん。

原田マハ Instagramより

 

超発掘本を選ぶ基準 熱量

 

推薦者 明家書店 下関長府店 南隆大

見開き2ページで完結し、世界中を舞台にした

このショートストーリーたちを読んでいると、

登場する人たちが読者に向けていたずらっぽい笑顔を

向けているような感覚になる。

現実には起こり得ない不思議な出来事で満ちてはいるが、たしかに

自分の心と世界中の人たちとの距離が縮まった瞬間だった。

 

2025年 超発掘本に選ばれた

「ないもの、あります」の一文 クラフト・エヴィング商會/ちくま文庫

店主より御挨拶

よく耳にはするけれど、一度としてその現物を見たことがない。

そういうものが、この世にはあります。たとえば〈転ばぬ先の杖〉。

(中略)

あついは、〈堪忍袋の緒〉。

これを、うっかり切ってしまう人が、現代社会では後を断ちません。

(中略)

でも、新しい〈緒〉は、どこへ行ったら手にはいるのだろう?

このような素朴な疑問とニーズにお応えすべく、わたくしども

クラフト・エヴィング商會は、ここに新しい看板を掲げることに致しました。

題して、「ないもの、あります」。

この世のさまざまなる「ないもの」たちを、古今東西より取り寄せまして、

読者の皆様のお手元までお届けいたします。まずは、目録をご覧ください。

 

目録(抜粋)

転ばぬ先の杖 冥途の土産

堪忍袋の緒 思う壺

目から落ちたうろこ 金字塔

左うちわ 先輩風

無鉄砲 地獄耳

一筋縄 腹時計

 

「ないもの、あります」の一文 クラフト・エヴィング商會/ちくま文庫

堪忍袋の緒

おそらく日本人であれば、誰しもがひとつは持って生まれてきているはずです。

堪忍袋。そして、その緒。

昔ののんびりとした時代とは違いまして、この頃は、あまりにも

この「袋」に押し込むものが多くなり、たまらず「緒」の

切れてしまう事態が多発しているようです。

「もうちょっと大きなサイズの堪忍袋はないのですか?」

当商會にもたびたび、そのような問い合わせがあるのですが、

残念ながらこればかりは皆様の持ち合わせているサイズで、

一生涯やりくりしてもらうより他ありません。

(中略)

悩める貴方のために、このたび、当商會が懇意にしている

「とある下町職人」さんと相談の上、遂に完成させましたのが、

この〈堪忍袋の緒〉であります。これさえあれば、今まで、

見えなかったはずの「緒」の様子が一目瞭然。

しかるべき局面におきまして、「いかん、いかん…」と思いつつも

怒りに身が震え出したとき、懐に忍ばせておいたこの「緒」を

さっと取り出し、いま現在の「切れ具合」をチェックすればよいのです。

(中略)

なお、本品は大変な人気商品ではありますが、前述したとおり

「とある下町職人」が「てやんでい」とつぶやきながら、

ひとつひとつ手作りで製作しているものです。ご注文をいただいてから

お届けするまでの間に職人の「緒」や「寿命」が切れてしまうことも

ありますので、その点、なにとぞ堪忍袋の緒を引き締めてお待ちください。

 

今年の発掘部門 注目の❝お宝本❞

作家 西澤保彦

「さよならは明日の約束」「麦酒の家の冒険」「人格転移の殺人」

 

「人格転移の殺人」西澤保彦著/講談社文庫

「夜の光」坂本司著/新潮文庫

「凍りのくじら」辻村深月著/講談社文庫

 

書店員にとって発掘本は一冊入魂

発掘本には賞味期間はない 時代を超えて世代を超えて読まれるもの

 

全国の書店員いち押しの本

「イン・ザ・メガチャーチ」朝井リョウ著/日本経済新聞出版

「かがみの孤城」辻村深月/ポプラ文庫

「ババヤガの夜」王谷晶/河出文庫

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」アンディ・ウィアー著 小野田和子訳/ハヤカワ文庫

「旅の短編集 春夏」原田宗典著/角川文庫

「ないもの、あります」クラフト・エヴィング商會著/ちくま文庫

「人格転移の殺人」西澤保彦著/講談社文庫

「夜の光」坂木司著/新潮文庫

「凍りのくじら」辻村深月著/講談社文庫