2026年10月29日木曜日

MIRAI JYM エアークローゼット 天沼聡

那賀町をツキノワグマの歩く秋

小松島猿目撃の秋の報

秋の雲「ごめん」で許せる人のをり

帰納法深く分析秋日和

星月夜気付く瑞兆(ずいちょう)当たるかな?

 

■MIRAI JAM プロが選んだ服が届く!人気ファッションサブスク

エアークローゼット 代表取締役社長 天沼聡

KD南青山ビル5F

 

時間を買う タイパ 時短 時間価値の最大化 

ファッション業界から新風

月額制の洋服レンタルサービス エアークローゼット

登録会員数160万人突破(2026年6月末)

日本サービス大賞で2022年「内閣総理大臣賞」を受賞

 

小学生の頃に父が目の前で倒れて他界してしまったのがキッカケで

人生は何が起こるかわからない 残された時間の価値を痛感

洋服選びをワクワクする時間へ

 

社内の根付く文化とは?独自の社内文化 ニックネームで呼び合う

ちなみに天沼聡社長はAsh(アッシュ)

佐々木蔵之介氏は聚楽第と呼ばれたいらしい

聚楽第(じゅらくだい):現在の京都市上京区に豊臣秀吉が造営した邸宅

 

コミュニケーションのハードルを下げスピード感を持って事業を動かす

AIスタイリストアシスタント

カルテに矛盾があればAIが検知⇨接客で確認

3つのプランがあり価格に応じて

ライト・レギュラー・ライトプラスが選択できる

 

出費もクローゼットも限界

エアクロスポットレンタル:冠婚葬祭などの衣装を借りられる

靴・帽子・バッグなども揃う「エアクロストア」を今年からスタート

洋服やファッション小物を販売するオンラインストア

 

2024年 悲願の新拠点が誕生

一体型で工場を持つことで移動時間がゼロになる 目指したのは効率化

構想から10年越し GLP ALFALINK流山6 千葉県流山市

検品・包装・修繕・アイロン・保管・洗濯 衣類のシワを伸ばす自動仕上げ機

返却から次の貸し出しまでどれだけ短縮できるか

倉庫・クリーニング・メンテナンスを集約 

300ブランド以上 50万着超 全アイテムをタグで一括管理

ブランド側の狙いは試着の機会を増やすこと

ブランドの認知度アップに貢献

50万着から最適なコーデを選ぶのがスタイリスト

300人のスタイリストが在籍 エアークローゼットで働く遣り甲斐

 

メンズサービスをスタート

ファッションがより楽しくなっていく時代

ワクワクする時間を作るための体験価値を高める

 

天沼聡社長は3兄弟の次男 小学5年生の時 父が他界

泣き叫んでも時間は返ってこない 大切なのは時間

残された時間を大切に 父の死から学んだ時間の尊さ

高校時代をアイルランドで過ごす イギリスの大学へ進学

 

同級生に教えられた生き方

英ロンドン大学 コンピューター情報システム学科卒

ちょっとダラダラと遊びに行っていたイギリスの友人が

「お前はなんで大学に来たんだ?」「自分は高校の時から

毎日アルバイトをしてやっと通えた」「授業を無駄になんかできない」

「お前は適当だな!」

その答えを求めてコンサルティング会社・楽天を経て企業を決意

 

時間価値の最大化 3人が共感 IT戦略コンサル時代の同僚

小谷翔一 前川祐介に声をかけた

衣に決めたのは、衣食住のどれかで起業したいと思っていた

ファッションで時間の価値を高めたい 殆ど困難

コロナ禍で需要減 洋服をシェアするサービスなので感染拡大に繋がるリスク

苦境の中で再認識した企業理念 

❝ワクワク❞が空気のように当たり前になる世界へ

ワクワク時間=時間の価値高

家の中でも明るい色の服を着て気分を上げたい

自宅でも気分が上がる洋服を提案

リモートで働いているが 着換えをするだけで気持ちがプラスに

 

エアクロサロン 有楽町マルイ店 パーソナルカラー診断も実施

プロのスタイリング体験で新規利用者を獲得

 

やる気★メシ

エアークローゼット天沼代表の❝至高の一品❞とは?

東京・港区六本木 Provision

サブスク同士で意気投合 サブスク会員だけが入店可能

Unison 55,000円 De Luxe 88,000円

会員+3人まで利用可能/ほぼ全ての飲食代が月額料金内

毎回食べるのは ハマグリの白ワイン蒸し

スープは飲み干さない 締めのリゾットのために

トッピングは蝦夷(えぞ)あわび

〆チーズリゾット 蝦夷あわび乗せ 1,800円

 

食事会を開く理由とは?

お互いが腹を割って話せる状態を作ると

アイデアが出てきた時に話しやすくなる

 

チームの結束を深める一皿

 

金言REPLAY ―蔵之介に一番刺さった社長の言葉

「大切なのは時間 残された時間を大切に」

2026年10月28日水曜日

祖父江慎&W・M・ヴォーリズ&与謝蕪村&夏井いつきの俳句チャンネル

秋の風恋はいっつも自己本位

秋の空相手本意の愛を生き

秋の声恋は感情愛は意思

秋の草曖昧模糊なあなたゆえ

秋の夜や地雷踏まれて口閉じん

 

■あの人に会いたい 祖父江慎(ブックデザイナー)

1959-2026(令和8)年 66歳没

 

いつ本と関わってもまったく違う気持ちでいられる

本のもつマジック

吉田戦車さんが出した「伝染るんです。」という本

本屋さんが売ってくれなかった 同じ頁があったり、白紙の頁があったので。

「乱丁本 返品です」分かっている書店はちゃんと手書きで

「この本は乱丁本に見えますけどちゃんと正しい間違い本です」

カバーの内側まで奇妙奇天烈ぶりを発揮した

 

「ゴキブリがここにいる」って学校とか持っていった

家と往復させてパンとかあげながら みんなから嫌われました

自分がゴキブリになった感じ

 

本を読むのが苦手だった まず文字を見ると明朝体とか特に

糸引いてて怨念がかかってるような感じ 字 怖いですよ

本の形はワクワクする なにかすごいものが入っている

「読む練習しなきゃ」と思っていつでも読めるように

小さい紙に書いて写して自分が読む用の本を作って

「これだったらいつでも読めるぞ」できると読まない

不器用な感じでした 

デビュー作は「エレキな春」しりあがり寿(1985年)

やっぱり本って情報を目が仕入れるものではない

はかない内容が入ったなにかですね

なんとなく生き物っぽいような感じがある

生き物っぽい感じがして永遠じゃない感じがする

永遠じゃない美しさですよね

本っていう状態と関係している時に本が成り立つ

本屋で売っている時はまだ本じゃなくて

お客さんが買って触っている状態でやっと本になるような感じがある

どれだけ本と接するかっていうのがわりと快楽モノとの関係

しかもこんなのいてもいなくてもいいようなモノとの関係ですよね

人と作品との出会いを演出

祖父江慎さまの本棚はタイムトンネル 入り口から江戸時代ずっと行って

明治・大正・昭和の戦前までを時代順に並べている

歩くにつれて現代に行く 日本語のでき方の流れがここで一目瞭然 楽しい

書体の宝箱 書体の百貨店 面白い変わり方が

楽しいトンネル なかなか進めない

 

漱石+祖父江慎「なるべく原寸 坊ちゃん」

「部屋本 坊ちゃん」(2018年)

漱石が思っていた松山の道後温泉の近くの一室を本にしようと

気持ちいいよ ここにいくと 文字に囲まれちゃって

トイレなんか入るとすごく便通も良くなる

 

本の場合は変な存在でなきゃないでいいし あることによって

「僕は助けられた」っていう人もいるしね 同じような見方しか

できない人生ってつまんない きのうまでこっちからしか

見られなかったけど こっちから見られることによって

世界の面白がり方がかなり変わると思うんですよ

 

■新美の巨人たち より

W・M・ヴォーリズ 曰く

「建築物の品格は 人間の人格の如く

 その外観よりも むしろ内容にある」

 

リベラルアーツ

自分の意志で自由に羽ばたくために

理系文系の専攻に関わらず広く学び考える力を育てる教育

 

■日曜美術館 アートシーン

白梅に明くる夜ばかりとなりにけり   蕪村

 

■与謝蕪村の句

菜の花や月は東に日は西に

春の海ひねもすのたりのたりかな

稲妻や浪もてゆえる秋津島

ほととぎす平安城を筋かいに

さみだれや大河を前に家二軒

鳥羽殿へ五六騎急ぐ野分かな

石工(いしきり)の鑿(のみ)冷やしたる清水かな

四五人に月落ちかかる踊りかな

山暮れて紅葉の朱(あけ)を奪いけり

斧入れて香に驚くや冬木立

こがらしや何に世わたる家五軒

御手打の夫婦なりしを衣更

稲妻や二折三折剣沢

 

参照:https://kogani.com/text/mf/mf_top10_buson.html

 

■夏井いつき俳句チャンネル

【文法解説!】夏井いつきが自らの作品で解説!【続・「戦う?戦わない?の話」】

 

一本の百合のごとくに戦わぬ   夏井いつき

この句は文語と口語が入り混じっている句

「ごとく」⇨「やうに」

 

一本の百合のやうに戦はず

一本の百合のごとくに戦はず

 

作者にとって一番大事なニュアンスを表現するには子の形しかない

ちゃんとロジックを理解した上で選んでいる これが大事

文法の勉強もできるらしい 文法シリーズ再生リスト

https://www.youtube.com/playlist?list=PL0d9bjRTkp1TNtqcWWJ5DG7ajViAXIX5R

助詞・格助詞シリーズ再生リスト

https://www.youtube.com/playlist?list=PL0d9bjRTkp1Q6sHd4ENQeHFQLYcuvNAFs

 

■夏井いつき俳句チャンネル

【あなたの句碑ができるかも!?】第8回令和相聞歌大募集!

 

目指せ賞金10万円

第8回 令和相聞歌のお知らせ

HP:https://www.reiwasoumonka.com/

令和相聞歌テーマ「恋」

締切 令和8年11月11日

2026年10月27日火曜日

あの本、読みました?中山七里

人生の放課後を生く秋北斗

星月夜生きているっておもしろい

秋の夜や物理学者の懺悔聞く

秋の月広重の空広がらん

命より大切なもの秋に知る

 

■あの本、読みました?【どんでん返しの帝王】

中山七里(しちり)14本同時連載の驚愕創作術

中山七里 鈴木保奈美 山本倖千恵

 

第8回「このミステリーがすごい!」大賞 大賞受賞作

「さよならドビュッシー」

シリーズとして10冊刊行 累計190万部超ベストセラー

 

「さよならドビュッシー」の一文 中山七里著/宝島社文庫

賞賛と興奮は一時で治まるが、嫉妬と冷笑はいつまでも持続する。

 

「人の外面と内面は、互いに関連しあっている。

 外面が変われば内面も変わる。逆もまた然り。

だから傷ついた心を縫い合わせるため形成外科医は糸と針を持つ。」

 

❝どんでん返し❞は設計図通り 枝葉末節

中山七里流ミステリー創作術 トリックは最後に考えればいい

 

岬洋介 音楽ミステリーシリーズ

数々の職業シリーズを執筆 23シリーズ

ピアニストが主人公だが音楽は未経験

音楽の描写

 

「さよならドビュッシー」の一文 中山七里著/宝島社文庫

バスの響きの上に高めの音程でソプラノとテノールを乗せて、

響きを立体的にする。月光の下で踊る恋人たちー。

ここで大袈裟な表現は慎む。メゾフォルテで抑えたまま、

消えそうで消えない音を接いでいく。フラットを主体とした濁った響き。

それでもその響きを浴びる身体は秘めやかに悦んでいる。

(中略)

細かい強弱をつけながら、四十一小節のクラクマックスに向かう。

和音の揺らぎで光の揺らぎと柔らかさを造型した後、ホ長調に転調する。

フラットからシャープに変わったことで今まで濁っていた響きが

一転して輝く始める。音量もフォルテになる。

(中略)

あと十五小節。ここまで溜めてきたエネルギーを一気に放出する。

六十六小節からのコーダ。決して曲の輪郭を崩すことなく

揺らぎながら次第に収束させていく。

(中略)

そして左手がようやく最後の音を放ち終える。その音は波紋のように

ステージから拡がり、やがて客席へと幽(かそ)けく消えていった。

 

未経験とは思えない緻密さで専門的な描写

 

警察シリーズが多い理由は?

取材なしでなぜリアルな描写ができる?

鮮烈なラスト 読者を驚かせるのでついた名称は❝どんでん返しの帝王❞

物語の結末は担当編集者にも教えない

❝どんでん返し❞ご自身でお確かめください

48歳遅咲きデビューのきっかけ

大阪で作家島田荘司先生のサイン会があることをしり それまで生で

作家を見たことがなかった その時魔がさし 夢が再燃した

その足で電気屋さんに行きノートパソコンを購入 小説を書き始めた

その小説が「このミステリーがすごい!」で最終選考まで残ったが

ボロカスに言われたので、2作品を書きまた提出したら

1作品が大賞を受賞してしまった。

「サラリーマンと作家」二足のわらじで活動を続けるが

2年間はサラリーマンをやめなかった。定年退職まで務めるつもりだったが

執筆活動が忙しくなり辞めざるを得なくなった。デビューした翌年に

納税通知書の金額がサラリーマンの年収を上回っていた。これはまずいと思い

辞めた。書き続けて税金を払わないといけないと思った。

デビュー当時の名刺の肩書は「文章芸人」

👑作家・小説家は肩書ではない生き方である それは音楽家と同じである

最新の作品が名刺である

 

ここが(も)変だよ!中山七里

同時連載MAX14本!

オススメ小説

1989年「奇想、天を動かす」島田荘司

「改定完全版 奇想、天を動かす」の一文 島田荘司著/光文社文庫

「ちょっと、ちょっと」婦人が、やや険のある声を出した。老人が立ち止まる。

「すいませんねえ、今月からしょうひぜいがつくんでねえ、

あと十二円なんですよ」老人は構わず行こうとした。

婦人の言う意味が解からないふうだった。

(中略)

あんたね、それじゃ万引とおんなじだよ」女性はついに大声を出した。

「十二円の物、泥棒したのとおんなじだよ!」すると老人が、

女性のほうに倒れかかるように見えた。

(中略)女性の、薄いブラウスの左胸に、ナイフの柄が突き立っていた。

柄しか見えなかったので、刃の部分は、すべて彼女の体中に埋まって

いることになる。彼女は、両足を痙攣させ、もがき続けている。

(中略)

老人は、学生風の男に抱き起こされ、放心したように突っ立っている。

その表情には、例の哀願するような愛想笑いが浮かんでいる。

そして一度、二度、ゆるゆると頭を下げた。風が通りを吹きすぎた。

またかすまに、桜の花びらの香りがする。

 

社会派×本格派 二大推理潮流を融合

中山七里氏の人生を変えた1冊

この作品との出会いが物書きになろうと決めたきっかけとなった

 

2025年

「魔法律学校の麗人執事1ウェルカム・トゥー・マジックローアカデミー」

新川帆立著

コロナ禍デビューでも輝いた新川帆立

 

9月刊行 新シリーズ1作目「刑事葛城 正義の銃弾」創作秘話

刑事葛城 正義の銃弾」の一文 中山七里著/徳間書店

その日、新宿は戦場と化していた。

背後でビシッと音がした。雛多が振り返ると、

ビルの壁に銃弾がめり込んでいる。

あと二十センチ弾道が逸れていたら、

間違いなく自分に命中していただろう。

防弾チョッキを着こんでいるものの、

恐怖心を誤魔化すほどの心強さはない。

銃痕の目撃から少し遅れて腹が冷えた。

(中略)

ここに立っていても標的にされるだけだ。

雛多は自らを叱咤して歩を進める。

身を潜める場所を探してみるが、TOHOシネマズ新宿近辺は

手頃なスタンド看板が少ないので苦労する。

繁華街で見晴らしがいいのが気に入っていたが、

戦闘には不向きな場所となる。もっとも土地を開発した当人たちは、

ここが戦場となる可能性など毛ほども考えなかっただろう。

 

冒頭から繰り広げられる「新宿・歌舞伎町の銃撃戦」

このインパクトこそが新シリーズにはふかけつだったそうです。

実はシリーズ2作目の予定だった本作

「刑事コロンボ」風のシリーズ執筆依頼があった徳間より

トクリュウ×暴力団 新宿・歌舞伎町で銃撃戦

新宿署刑事 紅島雛多は 組織犯罪対策課 鍬(くわ)形松彦と制圧に臨む

 

「刑事葛城 正義の銃弾」の一文 中山七里著/徳間書店

雛多は至近距離から彼の額に銃口を向けた。

鍬形の目が大きく見開かれた瞬間、トリガーを引いた。

発射された銃弾は正確に鍬形の眉間を捉えて内部にめり込む。

(中略)

着弾した箇所からはゆっくりと血が溢れ出している。即死だった。

(中略)

鍬形には積年の恨みがある。だが同じ新宿署でも部署が違えば、

なかなか接触する機会が少ない。彼が組織犯罪対策課所属なら尚更だ。

従って今回、新宿混乱で組対と合流したこと、

現場で鍬形に同行できたのは僥倖(ぎょうこう)だった。

(中略)

アリバイ、凶器、目撃者の有無と、何から何まで復讐の女神が

お膳立てしてくれたようにしか考えられない。

環奈、きっとあなたが助けてくれたんだよね。

 

冒頭30ページで描かれる 衝撃の犯行シーン

誰もが鍬形の殉職を疑わぬ中 葛城公彦は真相へと近づいていく

息詰まる心理戦の行方はー

 

2026年10月26日月曜日

兼題「飛ぶ・跳ぶ」&テーマ「踊り」

秋の暮空は心を表さん(広重)

秋麗広重の愛受け取らん

秋の風空に託した想いあり

打ちつけるしなる竹林秋の雨

満月の放つ光や秋の宵

 

■NHK俳句 兼題「飛ぶ・跳ぶ」

選者:高野ムツオ ゲスト 今橋眞理子 曽根毅 

ゲスト 古坂大魔王 関取花 司会:柴田英嗣

年間テーマ「語ろう!俳句」

 

①   石ころも空飛びたきや秋日和   高野ムツオ

「飛びたきや」⇨「飛びたかり」「空飛んだ後の石ころ秋日和」

秋のとても爽やかで気分のいい日を「秋うらら」と言う

「秋うらら」は体感的な感じで「秋日和」はそういう一日があった

そういう日を自分は迎えたという気持ちが日和という言葉にある

そこの微妙にニュアンスが違う だんだん寒くなって冬に

なってしまうけれども 今はとても充実した日だという意味合いが

「秋日和」に入っている

②   鳥や飛ぶ風鈴水面へ音落す   古坂大魔王

風鈴の音は普通は横に広がるが この句では水面に音が落ちる

普通だったら「鳥飛べり」や「鳥飛ぶや」とするのを「鳥や飛ぶ」

と五七五の頭の五音の真ん中に「や」の切れ字を入れて ここで

感動を強めて さらに風鈴へ展開するという 作り方もとても

気に入りました

「水面へ」で方向を示しているから「落とす」という方向を

示す言葉はいらなかった 「風鈴の音は水面へ」とやって

ひっくり返して下五に「鳥飛べり」という言い方もある

「風鈴の音は水面へ鳥飛べり」アングルが2つはっきりしてくる

③   星飛んで夜間飛行の遠ざかる   今橋眞理子

星飛ぶ:秋の季語 流星の子季語

④   風力よ太陽光よ飛蝗(ばった)跳ぶ   曽根毅

本来は太陽光だけじゃダメで太陽光発電とか熟語にしなければ

いけないが そのうち言葉がひとり歩きして「太陽光」と

言うことで太陽のエネルギーを感じさせる だから言葉として

ちゃんと使えている これによってその言葉が普及する可能性が

俳句の世界であると思う 飛蝗飛ぶという最後の力強さによって

バッタくん風力にも太陽にも負けずずっと生き続けるんだ!っていう

バッタに対する応援歌にもなっている

⑤   飛び出した鼻毛も愛す覚悟なし   関取花

無季の俳句 飛び出した鼻毛を愛して貰えるのか もらえないのかが大事

ここで愛してくれるっていうのは いいなと思ったのですけど

俳句的には「飛び出した鼻毛も愛す」で一回切れるので その次に

「覚悟なし」まで飛ぶのが少し無理がある 「鼻毛愛する覚悟なし」

とつながったらよかった 俗なもの みんなが嫌うようなもの

そこにポエジーを見つけるというのは俳句の一番大事な精神

「秋日和鼻毛愛する覚悟なし」これだけでもね

 

・特選三席発表 兼題「飛ぶ・跳ぶ」 

一席 朝採れの飛び跳ねそうな茄子(なすび)かな   米山カローリング

二席 運動会先生跳んで転がりて   城内幸江(きのうちゆきえ)

三席 長城も長江も越え飛蝗(ばった)飛ぶ   島﨑有造(ゆうぞう)

 

特選 兼題「飛ぶ・跳ぶ」

SLの飛べさうな音野分晴(のわきばれ)   慈雨

飛べ車そんな時代の案山子かな   小﨑光洋

秋晴れや洗濯鋏の飛ぶ力   阿部勉

小鹿跳ぶ生まれ出るを誇るごと   森毬子

朝顔に飛ぶ棟梁の鉋屑(かんなくず)   赤尾てるぐ

ましら酒呑めば大空飛べるなり   加藤草児

 

次回の兼題「冬銀河」

選者:堀田季何 司会:柴田英嗣 レギュラー:庄司浩平

 

■NHK短歌 テーマ「踊り」

選者:梶原さい子 ゲスト:勅使川原三郎 司会:尾崎世界観

年間テーマ「私の宮沢賢治」

 

原体剣舞連

(mental sketch modified)

   dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah

こんや異装〔いさう〕のげん月のした

鶏〔とり〕の黒尾を頭巾〔づきん〕にかざり

片刃〔かたは〕の太刀をひらめかす

原体〔はらたい〕村の舞手〔おどりこ〕たちよ

鴇〔とき〕いろのはるの樹液〔じゅえき〕を

アルペン農の辛酸〔しんさん〕に投げ

生〔せい〕しののめの草いろの火を

高原の風とひかりにさゝげ

菩提樹〔まだ〕皮〔かわ〕と縄とをまとふ

気圏の戦士わが朋〔とも〕たちよ

青らみわたるこう気をふかみ

楢と掬〔ぶな〕とのうれひをあつめ

蛇紋山地〔じゃもんさんち〕に篝〔かゞり〕をかかげ

ひのきの髪をうちゆすり

まるめろの匂のそらに

あたらしい星雲を燃せ

   dah-dah-sko-dah-dah

肌膚〔きふ〕を腐植と土にけづらせ

筋骨はつめたい炭酸に粗〔あら〕び

月月〔つきづき〕に日光と風とを焦慮し

敬虔に年を累〔かさ〕ねた師父〔しふ〕たちよ

こんや銀河と森とのまつり

准〔じゅん〕平原の天末線〔てんまつせん〕に

さらにも強く鼓を鳴らし

うす月の雲をどよませ

  Ho!Ho!Ho!

     むかし達谷〔たった〕の悪路王〔あくろわう〕

     まっくらくらの二里の洞

     わたるは夢と黒夜神〔こくやじん〕

     首は刻まれ漬けられ

アンドロメダもかゞりにゆすれ

     青い仮面〔めん〕このこけおどし

     太刀を浴びてはいっぷかぷ

     夜風の底の蜘蛛〔くも〕おどり

     胃袋はいてぎったぎた

  dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah

さらにただしく刃〔やいば〕を合〔あ〕わせ

霹靂〔へきれき〕の青火をくだし

四方〔しほう〕の夜〔よる〕の鬼神〔きじん〕をまねき

樹液〔じゅえき〕もふるふこの夜〔よ〕さひとよ

赤ひたたれを地にひるがへし

雹雲〔ひゃううん〕と風とをまつれ

  dah-dah-dah-dahh

夜風〔よかぜ〕とどろきひのきはみだれ

月は射〔ゐ〕そそぐ銀の矢並

打つも果〔は〕てるも火花のいのち

太刀の軋〔きし〕りの消えぬひま

  dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah

太刀は稲妻〔いなづま〕萱穂〔かやほ〕のさやぎ

獅子の星座〔せいざ〕に散る火の雨の

消えてあとない天〔あま〕のがはら

打つも果てるもひとつのいのち

  dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah

 

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E4%BD%93%E5%89%A3%E8%88%9E%E9%80%A3

 

今から35年以上前の舞台の記録

様々な宮沢賢治の作品を題材にして作ってきた

dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah という音を

どのような響きとして受け取り作品に落とし込んだのか?梶原

身体の動き あるいは自然界の動きを一番感じた

 

賢治は踊りのようすを描いた短歌がある

岩手の伝統的な踊りである剣舞を見た時に感動して詠んだ

 

剣舞(けんまい)の赤ひたたれはきらめきてうす月しめる地にひるがへる

宮沢賢治

 

賢治が盛岡高等農林学校の3年生の時に地質調査で岩手県の江刺地方に行った

その時に踊りを目にして大変感激した 「赤ひたたれ」は赤い衣装

その夢のような情景が脳裏に焼きついたのではないか 梶原

 

私はまさにこの江刺市に出向いて1980年代に取材に行ったことがある

剣舞をその当時の12歳の少年に踊っていただいて その踊りが事実に見事

亡くなってしまった命に対して手向ける踊り 踊り自体に力強さと

得も言われぬ魂みたいなものを感じる この世非ざるを私も感じた 勅使河原

 

・入選九首 テーマ「踊り」

三席 ラーメンに卵を落とす 徳島の夜に踊りの渦がうまれる

野分のわ

ため息をつく人しずかに包みこむ入り江のような午後の踊り場

葉月ままこ

私 スポットが当たらなくても吾子は舞う踊り子Bとしての指先

竹内秀吉

よさこいを終えた人らの上気して光り輝く向かいのホーム

三月とあ

二席 私 逆再生ボタンを押せばダンサーの目に還りゆくひと粒の水

富尾大地

スーパーの狭い道路で譲り合うカート2台の無言のワルツ

浅野愛佳(あいか)

踊り子草しゃがめば母の膝ほどの高さに風の劇場がある

Sizuku

一席 流星のひかる軌道よわたしたち速く短い踊りのさなか

石川真琴

鰯雲ぐっと頭上に集いおりソーラン節の綱を引くたび

佐藤研哉

 

私感

勅使河原先生の解釈最高に素敵でした。

 

・わたしの宮沢賢治

うす月にかがやきいでし踊り子の異形(いぎょう)を見ればこゝろ泣かゆも

宮沢賢治

この時踊り子は人間でありながら人間ではないような存在になっている

死者の魂を供養するための踊り 

この世とあの世の間にあるような世界を この時 賢治は感じたと思う

 

「異形」ということは必ずしも踊り手本人だけではない 

その時に幻影のように見える影の動きとか それも含めた「異形」 勅使河原

 

踊っている側の気持ちも気になってきました 尾崎

 

踊っている側は何の感情も入れていない それが踊り 

踊っている人が涙することは考えられない つまり無心 だから美しい 

だから空気と溶け合うことができる 純粋さが見ている人の心を打つ 勅使河原

 

賢治にも突然踊り出したくなったっていう時があった 

詩を作る時には身体のリズムの感覚が必要なので その訓練にもなる

賢治にとって踊とは 自然や音楽と一体になって 自分の内側から

湧き上がる感動を身体で解き放ったもの そこで得たリズムが

賢治の詩のリズムにもつながっていったのではないか 梶原

 

自分の中だけで収めきれないこと 自然に対して身を投げ出す 心を捧げる

激しい戦いのような精神 勅使河原

 

見やう見まねで踊りについてゆく子らのいつしか草のやうに息づく

梶原さい子

 

最初は見られていることが恥ずかしいというイメージがある 尾崎

 

恥ずかしくていいんじゃないですか 

踊りを感じるということがあれば十分 勅使河原

 

文字に書かれたことによって宮沢賢治を知ったと思うのはよくない

私は離さなくてもいい むしろ踊る方がいい じっくり身体で受け取って

それで身体で返す もう少しやろうかなと思っています 勅使河原

 

・いちご摘み 一語つみ

昨日食べたカルボナーラがもう恋しい星月夜 そんな日記をつける

長谷川麟(好きな歌人 石川啄木)

⇩

まだ今日を昨日にしたくないきみのだんだんあたたかくなるかかと

馬場めぐみ(好きな歌人 平岡直子)

 

詩のボクシングに出演していました

第54回短歌研究新人賞

他者から見られるっていう意識を自分の中で受け止めていくのに

かなり時間がかかりました

 

浴槽は海に繋がっていませんだけどいちばん夜明けに近い

「無数を振り切っていけ」短歌研究社より

きっかけ

絶対この子のことは私の言葉で残しておきたい

私自身の短歌の光にもなった

 

摘んだのは「昨日」明日も君の歌を…。

 

次回はテーマ「手紙」選者:横山未来子 司会 ヒコロヒー

出演:菊池銀河 横田真子