2026年6月29日月曜日

第27回NHK全国俳句大会④&第27回全国短歌大会④

熱き日よしがみつくでは反発が

陶枕(とうちん)や神に試され見放され

夏の風音色違えてサヌカイト

サヌカイト金属音を奏でけり

サヌカイトカンカン石と呼ばれをり

 

NHK俳句 第27NHK全国俳句大会④

大会選者 西村和子 星野高士 夏井いつき 

大会リポート:庄司浩平 司会:小林千恵

 

選者 夏井いつき 星野高士 西村和子 堀田季何 小川軽舟 

井上弘美 小澤實 岸本尚毅 神野紗希 阪西敦子 和田華凜 高野ムツオ

龍太賞 選考委員 髙柳克弘

 

題詠 自由題 龍太賞

 

自由題

岸本尚毅選

三十の牛へ十五の扇風機   高尾一叶(いちか)

(季語は扇風機 新しい季語ができて古い季語がなくなるということで

 「牛馬冷やす」ということで夏の季語があるので この句を歳時記に

入れる時に「扇風機」に入れるのが素直だがもしかすると「牛馬を冷やす」

の例句で入れてもいい 岸本)

 

坂西敦子選

芹ぬきし砂のひとすぢ流れけり   坂本たか子

(そこにずっとあるのに自分が今気づいた時の詠嘆が「けり」「あっ流れた」

という瞬間の感動を「けり」ですくい取っている 夏井)

 

神野紗季選

蝶生まる万の複眼万の日矢   葦屋蛙城(けいじょう)

 

和田華凛選

万緑の中に緑の勢力図   宮尚(みやなお)

 

星野高士選

ゆつくりと夜をまはしてゐる金魚   可笑式

(時の巡りもまんじられる 西村)

 

当日句 テーマ詠「坂」 選者 木暮陶句郎

油照の坂やマイケルの余裕   庄司浩平

 

特選

花時やむかし渋谷に富士見坂   

https://www.youtube.com/watch?v=Uvh2s2AX8VI

 

龍太賞 

選者 岩岡中正 宇多喜代子 片山由美子 高柳克弘

 

「晴を待つ」会田繭

https://www.n-gaku.jp/public/life/zenkokutaikai_27th_haiku

 

連作を鑑賞するポイントは?

お互いの句がもたれ合ってないのが良い 

一句一句が独立しているそれが重なっている 底辺にあるものは一緒 星野

同じような地域で作った句を季節の移り行きに従って纏めている 西村

一句目の世界が脳の中 眼球の中に残っていることを踏まえて

次どの句を持ってくるとどちらも得する世界を紡いでいけるかが

基本の考え方だと思う 夏井

 

大会大賞

大口の真神の息や月氷る   清正風葉

ゆつくりと夜をまはしてゐる金魚   可笑式

三十の牛へ十五の扇風機   高尾一叶

 

次回の題「間」

 

NHK短歌 第27 NHK全国短歌大会④

俵万智 荻原裕幸 寺井龍哉 司会:石井かおる

 

選者 

永田和宏 俵万智 山崎聡子 荻原裕幸 小島ゆかり 小池光 

木下龍也 佐佐木頼綱 永田紅 松村正直 米川千嘉子 寺井龍哉

 

自由題

荻原裕幸選

躾けられ覚えし箸の持ち方で小さき母の骨を拾ひぬ

森田文康(人生の短さと残していくものの長さが交錯している

     躾けていた時の母は大きな存在だった 

絶対的な存在が小さくなっている 寺井

     一場面だけれど長い時間が表現されている 俵)

俵万智選

対岸の母は手を振る父の撮る動画にゆれて残る二人は

水の眠り

 

動詞の使い方についてのアドバイスは?

(動詞は)3つまでとよく言われるが歴史的名歌でも破っている歌もたくさんある

大海の磯もとどろによする波われてくだけてさけて散るかも 源実朝

散々動詞を重ねてそれによって迫力が出ている

セオリー 作法はいろいろあるかもしれないがあえて破ることにも可能性がある

動詞は強いので1つ入れるだけで歌の方向性が決まってしまうところもあるので

選ぶのが難しい 寺井

佐佐木幸綱先生が「現代は短歌が運動不足だ」もので語ることは割とあるが 

動きで語ることは中々難しい それができた時の躍動感 

すごく作り甲斐のある事 俵

動詞の数を常に数えるくらい慎重な感覚でやった方が良い 荻原

 

永田紅選

紙の辞書引いて寄り道右左そして私が編まれていった 永田加代

(三浦しをん著「舟を編む」が選者のく力出てこなかったことに吃驚…。

以外でしかなかった…。)

 

近藤芳美賞(151組での作品として審査)

選者 大辻隆弘 栗木京子 小島なお

受賞作「しずくを進む」鈴木ベルキ

https://www.n-gaku.jp/public/life/zenkokutaikai_27th_tanka

 

3首目 

父の手の皮膚は冷たくやわらかい和菓子のようだ薬を塗れば

6首目

楽器屋の前を通ればいつだってちょっと無敵な自分を思う

10首目

言い訳をいくつかほかに用意して父の両手に塗りこむニベア

13首目

銀色のしずくを進むかたつむり明日のことはひとまず置いて

 

連作を作る時のポイントは?

歌を置く場所によって歌の見え方や輝き方がよりよくなる場所を探す

足し算ではなく掛け算になる並べ方が出来たらベスト

ストーリーがあると読みやすいがつきすぎるとつまらなくなる

歌と歌の間のジャンプの加減もあった方がより良い 俵

連作の場面とか状況を説明するためにあった方が良い歌もある

それをどう配合配列するか 寺井

あまり良くない歌があると読んで楽しい気分にならなくなっちゃう 荻原

説明のために作りました という歌はやめておいた方が良い 俵

 

木下龍也選

一枚の紙が手紙になるようにあなたに会って人間になる

中戸えさう(心憎い大きな言葉の発見 普遍的なことを表現しているうまい歌 俵

      助詞の「に」が結構多い歌 「に」の粘着性があってこそ つないで

      最終的に「人間になる」に着地できるから必然性のある助詞 木下

      この歌の「に」は「と」に置き換えられる

      「に」自然な流れを表す「と」意外性結果を強調したい時人為的な時 俵

      同じ音が積み重なることによってリズムを持って突飛にも思えるような

比喩が「に」の繰り返しによってすんなり受け止められる)

 

山崎聡子選

あなたから届いた文の束副葬品の箱に入れたり

屋敷和賀子(「手紙」ではなく「文」

      「副葬品」という言葉も古代の埋葬を想像させる

      名詞の斡旋でこの人が「あなた」の死を凄く尊く思っている

      「入れたり」の「たり」も効いている 

      文語で収めたところも生き届いた表現だと思った)

 

大会大賞

笠智衆が洗濯物を干してゐるラストシーンのやうな秋の日

荻原信子

野菜室の奥のおくから一本のぼんやりとした茄子が出で来ぬ

松浦富美子

出席簿の欠席理由に「あわび口開け」の文字あり水産高校

髙鳥ふさ子

 

・いちご摘み

地に落ちて蜂の棲まない蜂の巣に染みこんでいく早春の雪

武田歩

たましいを祈りを時を託さんとトックリキワタの白が舞い落つ

屋良健一郎(好きな歌人 佐々木幸綱)大学教授

トックリキワタの木が白く綿を揚げているという姿を見て

(木が聞いてきたこの土地の時間 人々の祈りみたいなものを

託されているような気がした 自分も受け継いでいけたらなと…。)

和歌を通じた日本と琉球の交流史

26回現代短歌新人賞

どれくらい食べれば傷を癒せるか「食べなさい(かめー)

食べなさい(かめー)と迫る嫗(おばあ)

屋良健一郎歌集「KOZA(ながみ書房)より

摘んだのは「落ち」平和への祈りが聞こえます

 

次回の題「間」

2026年6月28日日曜日

あの本、読みました? 辞書

夏の朝ゴミ収集車追いかけん

夏の陽よ動かぬ脳よ身体よ

夏の夕疲れのピーク迎えをり

髪洗う勘違いかも知れないが

夏の夜や思考停止となりにけり

 

■あの本、読みました?引いても読んでも楽しく深い「辞書」~新しい言葉の見つけ方

鈴木保奈美 山本倖千恵 飯間浩明

 

ベストセラー「舟を編む」は辞書作りの常識を覆した!?

「舟を編む」三浦しをん著/光文社文庫

 

辞書編集者の仕事

   ことば集め

 

最近見つけた新しい言葉

   寄りかかり(駅の用語)動詞を名詞にしている

   とろたま とろっとした卵 ふわとろプリン

 

飯間さんの日常「言葉探し」

 

・本好きさんと本屋さんぽ 今回のテーマ「気になる言葉」探し

最初は辞書コーナー

「大人ことば辞典」から抜粋 ことば探求社()/青春出版社

お口汚し

人に料理を勧めるときに、へりくだっていう言葉。

「ほんのお口汚しですが」、

「お口汚しにいかがかと思い~」などと使います。

本来は、食べ物が少ししかなく、

「お口を汚す程度しかありませんが」という意味

 

口添え

脇から言葉を添えること。

「お口添えいただければ、幸いです」など。

 

ひとくさり

話のまとまった一区切りのこと。

「自慢話をひとくさり聞かされました」など。

 

近年は工夫を凝らした様々な辞書が出版されている

Basicな国語辞典はなぜこんなに種類があるのか?

数多ある国語辞典の選び方

三省堂 新しい言葉を取り入れている

学研 知性と表現力を磨く

明鏡 恥ずかしくない言葉遣いができますか やばい‼若者をターゲットにしている

明鏡 いちご【苺】〔名〕

   赤く熟した果実を食用とするバラ科の多年草。

またその果実。栽培品種が多いが、ふつうオランダイチゴをさす。

果実は菓子・ジャム・ジュースなどにも用いる。ストロベリー。

 

岩波 いちご【苺】

   多く、一口大で赤色の表面に小さな種が多数ついた果物。

   また、それを取るために栽培する多年草。

岩波国語辞典は昔から使われていた言葉も載せている

 

三省堂 いちご[()

    赤い、小形のくだもの。やわらかくて、表面にぶつぶつがある。

すっぱくてあまく、ミルクの味と合う。「―ジャム・―大福」

 

辞書コーナーの楽しみ方

罵詈雑言辞典

 

「舟を編む」三浦しをん著/光文社文庫

あまり気にした事もなかったが、用途に合った様々な紙が

日夜研究開発されているらしい。

試作品の紙をためつすがめつしていた馬締が、突然叫んだ。

「ぬめり感がない!」岸辺と宮本はびっくりし、

思わず身を寄せ合うようにして馬締を見た。

「ぬめり感…?」歯痛を起こした芥川龍之介、

といった感じに、馬締は難しい表情だ。

「岸辺さん中型辞書を持ってきていただけますか。

『広辞苑』がいいでしょう」馬締の言いつけどおり、

岸辺は書棚から大机へ『広辞苑』を運んだ。一番新しい版だ。

「ご覧ください、宮本さん」『広辞苑』のページを、馬締は指の腹で

一枚一枚めくった。「これがぬめり感です」

 

今の小説では使われなくなった言葉

鬱陶しい

若い人はうざい・向こうに行け

以前は天気を表す言葉だった

三省堂 うっとうしい[(うっとうしい)]⦅形⦆

   空がくもって心がおしつけられるようだ。「―梅雨の季節」

   心が晴れない。「―顔」

   わずらわしい。じゃまな。「―作業・何度も言われるのはー」

 

本屋さんぽは小説コーナーへ 小説は言葉の宝庫

「半沢直樹1オレたちバブル入行組」池井戸潤著/講談社文庫

大店 銀行金融関係では おおだな⇨おおみせ

三省堂 おおみせ[大店]規模の大きな店。

「支店の中でも有数のー」☞おおだな(おおみせ)

 

「舟を編む」の物語の中に辞書の出版社全体を動かした内容が!

「舟を編む」三浦しをん著/光文社文庫

「さらに変なのは恋愛的な意味での「愛」について説明した、②の語釈です。

「②異性を慕う気持ち。性欲を伴うこともある。恋。となっていますよね」

「なにかおかしいでしょうか」

馬締はすっかり自信をなくした様子で、岸辺の顔色をうかがってくる。

「なんで異性に限定するんですか。じゃあ同性愛のひとたちが、

ときに性欲も伴いつつ相手を慕い、大切だと思う気持ちは、

愛ではないと言うんですか」

「いえ、そんなつもりはありません。しかし、そこまで細かく

目配りする必要が…」「あります」

 

「舟を編む」が辞書編集者の考えを変えた

足を向けて寝られない

 

辞書作りで最も大変な作業「語釈」ちは!

 

辞書探しのお仕事 ②辞書に載せる言葉を抜き出す

最近辞書に追加された言葉

   世界線 ②ホニャララ ③ワンチャン

せかいせん[世界線]

   〔いくつかの中から選ぶ〕世界の進む方向。「別のーに行く」

〔コンピューターゲームの「シュタインズ・ゲート」から

二〇一〇年代に広まったことば〕☞〔理〕

〔相対性理論で〕点と考えた物体が、四次元の時空で動く軌跡。

 

   ほにゃらら[ホニャララ]〔俗〕ことばをぼかすときや

   ふせられた文字を読むときなどに使うことば。

   何々。「―パーセント」〔一九七〇年代、テレビのクイズ番組

「ぴったしカン・カン」か出たことば〕

 

辞書探しのお仕事 ③言葉の説明を書く【語釈】

「愛」の語釈

私 見返りを期待しない奉仕

 

山本 許す心

鈴木 対象を大切に思う気持ち

 

三省堂

*あい[愛]

①〈相手/ものごと〉を大切に思い、

できるかぎりのことをしようとする気持ち。

   恋を感じた相手を、特別で、大切な人だと思う気持ち。「-の告白」▽(→憎)

   心からいい、すてきだ、と思う気持ち。「カメラへのー」☞愛する

 

こい[恋]人を好きになって、会いたい、いつまでもそばにいたいと思う、

満たされない気持ち(を持つこと)

 

AINet検索が普及する今 辞書の役割は何だと思うのか?

辞書スペシャリストに聞く

現代に辞書を作り続けている意味

 

・本屋さんぽ 気になる言葉 雑誌コーナー

ゴリラ+クジラ=ゴジラ

ビジュ

まろみホワイト

 

気になる一冊

飯間浩明「ar

鈴木保奈美「罵詈雑言辞典」 

2026年6月27日土曜日

大切な人と行った思い出の店で一句&愛南町杯

夏の潮マウントとって気分いい?

氷宇治私に話しかけないで

草茂る同じ空気を吸うなんて

もう二度と会いたくもない夏の空

雲の峰思いのままに生きたくて

 

■プレバト纏め 2026625

大切な人と行った思い出の店で一句

名人チーム

梅沢富美男 千原ジュニア 中田喜子 横尾渉

新世代チーム

阿見果凛(伊藤園お~いお茶俳句大賞) 加納 

蓮見翔(岸田國士戯曲賞) 三宅香帆(新書大賞)

 

自分の句をより良くするための議論を「合評」という

 

💮加納

同席の猫や盛夏のオムライス

VS

横尾渉

夕涼の決起和牛の融点ぞ

添削(夕涼の決起和牛は口にとけ 季語が主役になる)

 

三宅香帆

新書大賞受賞生牡蠣十種盛

VS

💮千原ジュニア

友興す社名託され蕎麦焼酎

添削(興す社名託さ蕎麦焼酎) 

(興す・託され 動詞二つが説明的

あえて字余りにすると悠々とした調べになる

 「れ」を「る」にすると蕎麦焼酎が立ってくる)

 

💮阿見果凛

晴れの日や鰻を真中より割つて

VS

中田喜子

雨上がり師の励ましの鮎御膳

添削(の香や師の励ましの言の葉に)

 

蓮見翔

お座敷のぼんじり半ズボンのひざ

添削(先輩は半ズボンぼんじり美味し 半ズボンは勝俣州和のこと)

VS

💮梅沢富美男

妻を待つ店のポジャギの夏暖簾

添削(妻を待つポジャギ涼しきのれんかな 「店の」はいらない)

 

・清水麻椰チャレンジ

打水の風や熱田のひつまぶし

 

■夏井いつき俳句チャンネル

【コラボ投句企画】愛南町杯、いよいよ上位句発表です♪

 

大人だし愛南ゴールド酸っぱいし   大岩摩利

夏来る海風は実は日は果皮に   はぐれ杤餅

さしだしぬ愛南ゴールドが名刺   ようこうよ

愛南ゴールドすっと私の晴れわたる   津々うらら

愛南ゴールド旨しまだ友達という答え   あなぐまはる

2026年6月26日金曜日

村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 神勝寺

ディエゴラミレス諸島を詠む

アホウドリの卵育むペンギン

藻の花や岩の影にて難解避

ペンギンは数の力で霍乱す

ペンギンを狙うオタリア頭脳戦

オタリアのパワーに負けぬ攻防戦

 

■村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 神勝寺

村雨辰剛

 

広島県福山市 1965年創建 神勝寺

山一面が境内 東京ドーム5個分の広さ

池泉庭園 茶室の庭 露地 枯山水

庭作りの狙い 江戸時代に焼失した表千家の茶室と露地

古図を元に再現 正客の席から見ると利休の目線と会う

 

中根行宏 中根庭園研究所 造園家 (京都 三千院を解説)

祖父・父・私の三代でお庭と境内の景観を設計・施工している

造園家:中根金作 ボストン美術館の日本庭園を作庭

 

たしなみポイント

すぐに庭を見せない!ワクワクさせる竹垣

池泉回遊式庭園 賞心庭 元々は駐車場だった

禅の世界観を風景を楽しみながら味わっていただく

禅の庭なので龍門瀑を表現している

龍門瀑:鯉が激流を登って龍になる険しい試練を表現した滝

登竜門の故事に由来している

橋 修行をされる方はこちらを歩いて日常から修行の場所に行く

二つの世界の架け橋 絶景ポイントでもあった

三つの島 蓬莱 方丈 瀛州(えんしゅう)

この三島でいうと神仙(しんせん)思想にあたる

神仙思想:先人の住む理想世界をめざす中国古来の不老不死思想

 

たしなみポイント

須弥山(しゅみせん):仏教の世界観で❝宇宙の中心❞とされる聖なる山

インドの世界観

 

国も世界観もバラバラ

禅のお庭なので仏教に因んだ石も据えている

 

たしなみポイント

違う思想の共存OK (縁起が良ければ)

 

たしなみポイント

島の世界と山の世界 石の据え方が違う

石を立てると躍動感 動的な景観になる

石を伏せると静かになる

港町福山ならではの工夫

池は現代はコンクリートで基礎をつくるが

❝船の廃材❞の鉄板を使っている その理由は

港町で造船会社がたくさんある 船を直した時の廃材を捨てていた

その廃材を溶接して貼り合わせた

神勝寺は海難事故の犠牲者を弔うために建立 船内の床の鉄板を再利用

勿体ない精神を息づかせた 水面が心を映している

上から見ると漢字の【心】のような形

 

茶室の庭 露地(表千家の露地と茶室) 枯山水 秀路軒(しゅうろけん)

古図 天明の大火で焼失した表千家の茶室と庭 再現 茶室 残月亭

中根さんの祖父 金作さんが再現

待合 石の間隔が一緒 手水 蹲踞(つくばい)

古図に描かれているような石が据えられている

利休堂 その前には茶室残月亭

 

たしなみポイント

正客の席から利休堂を見ると目線が合う

再現して発見した庭の景色

 

160段の階段

息を弾ませ心が聖域に向かう道のりを表現

紫陽花は仏教と関係が深い 今年初めて開花を見ることができる

今年3月には 新たに造られた梅園で梅の開花が見られました

 

枯山水 テニスコート13面 国内でも最大規模

海の上を歩いているような気分

地元の石を使った 見慣れた石はすっと心に入ってくる

 

たしなみポイント

すじかへ 使うと柔らかくなる

すじかへ:通りをあえて折り曲げて景色の印象を変える技法

すじかへで庭の印象が変化

 

たしなみポイント

観照(かんしょう)という見方がある

観照:雑念を捨て景色とありのままに向き合う禅の考え方

「観照」で自由に楽しむのが醍醐味 

2026年6月25日木曜日

篠原勝之&竹中半兵衛&タゴールの死生観

大山賢二容疑者を詠む

夏の草気持ち話せる人をらず

夏の雨誰も信じてくれもせず

話しても言葉通じず雲の峰

夏の川「しねん」と最後呟いて

メモした最後の言葉夏の家

 

■篠原勝之 人生漂えど沈まず

甲斐駒ヶ岳

山梨県北杜市武川

「風弦」(1994)風のオブジェ 

大武川 北杜市武川山高 山房「放屁庵」 

盧舎那池(るしゃないけ)東大寺貫主より茎根を譲り受けた

華厳唯心偈(けごんゆいしんげ)華厳経の世界観を表す経文

一即一切(ひとつが一切であり小は大である)

「ひかり繭」(2004) 「天外天風」(1993) 「風の樹」(1998) 「うつろう」(1996)

 

17歳の時 製鉄の町 室蘭から上京した

「骨風(こっぷう)」「戯れの魔王」自伝的小説

粘土をこねるのも焼くのも言葉を書くのも同じ

「蚕(かいこ)をひらう」小さな命の躍動感

 

生まれて間もなくしてジフテリアを患い、左耳の聴覚と嗅覚を失った

不機嫌な父の暴力におびえた日々だった 身体だけは無駄に大きかった 

いつも父の暴力から逃げることばかり考えていた 高校時代美術部に入部(1959)

17歳の時 家出して東京へ 赦すけど忘れねえ

自費出版した絵本「珍海魚」(1972)

状況劇場紅テント公演「風の又三郎」(1974)

 

Fluctuat nec mergitur(漂えど沈まず) ラテン語

掌の宇宙 小さな一個の茶碗を焼く

 

2015年泉鏡花賞受賞「骨風」

「今日は はればれ」(2015)母裕さんの最晩年を描いた作品

「悲しくなったら手を動かすんだよ」裕(ひろ)さんの言葉

「天気は晴々 今日ははればれ」裕さん肉筆のメモが残されていた

 

「蓮葬(おく)り」(2017) 死にゆく者の踊りに見えた≒ふんころがし

20年前サハラ砂漠で鉄のオブジェを制作した

砂漠の民はフンコロガシは天の川を感知するという

長い息を吐き終わると裕さんは旅だった

「大きな月が出た今宵 唯一持っている瀬戸黒茶碗で

 おっかさんに抹茶を点てて供えた。

 父親の死後、母さんは骨壺に入りきらなかった骨を

 新聞紙に挟んで木槌(きづち)で叩き砕いた。

 飛び出した骨風を唾をつけた指先で集めて舐めたが

 なんの味もしないと笑っていた。俺はおっかさんのかけらを

 口の含んでみた。口ちつがいつまでもじゃりじゃりして

砂嵐になっただけだった。おっかさんへの顕著で思い出した。

翌朝は4時半ごろに東の空が明るくなりだし大きく膨らんだ

白い蕾の先端が開き始めた。日の出と同じ速度だった。

1時間ばかり開くと徐々に閉じ始め昼前には蕾に戻ってしまった。

花びらの動きは美しい舞踏そのものだった。」

 

「ゆら水」(2009)

甲斐駒ヶ岳に柏手を送る

水の揺らぎがいい音なのよ みんな忘れちゃってるのよ

甲斐駒には龍神が棲んでいてオレを守ってくれる

よって出来上がった茶碗の銘は「龍神さま」

これからの人生も漂っていくだろうな

漂いながら軽薄なほどふわふわ浮いてるという沈まず

ふわふわ漂っているけど沈まねえってことだなあ

茶碗にまでそれが出て来ちゃった

あの窯で百個焼こうと思っている 百個焼けるかなあ

 

私感

焼いて欲しかった…。

くまさんの茶碗で点てたお抹茶を頂きたかった。

 

■竹中半兵衛 三木城攻めの際に逝去 豊臣秀吉の心境

秀吉限りなくかなしひ劉備孔明を失ひしに

竹中重門「豊鑑」より

 

■タゴールの生と死

アジア人初のノーベル文学賞を受賞したインドの詩人タゴールは、

死を忌避すべきものではなく、「生の完成」や「自然なサイクルの一部」として

捉える深い死生観を数多くの名言や詩に残しています。

 

代表的な死生観の名言

「生は夏の花のように美しく、死は秋の葉のように静かであれ」

『迷える鳥たち』より。

命ある限り鮮やかに精一杯生き、最期の時は逆らうことなく

自然に受け入れる美しさを表現しています。

 

「死は決して生を滅ぼすものではない。

ただ、私たちがこれまで見てきた光のベールを取り除くだけなのだ」

死は終わりではなく、姿を変えて永遠に続くものだ

というタゴールの思想を象徴する言葉です。

 

「死は生に属する、生誕がそうであるように。

歩みは足を上げることにある、足を下げることでもあるように」

誕生と死は対極のものではなく、一つの連続した

「命の営み」の一部であると説いています。

 

「死は生を最後に、完成させるもの」

死があるからこそ、今この瞬間をどう生きるか、

そして命そのものが美しい形にまとまるのだという深い洞察です。

2026年6月24日水曜日

わたしの日々が、言葉になるまで 金原ひとみ 松居大悟

生きる為ひたすら前へ慰霊の日

夜露落つ木々の暗がり音と消ゆ

空が闇拒むかのよう夏の朝

丁寧に護花鈴(ごかれい)描いた紫紅かな

川沿いを赤紫へ小町草(こまちそう)

 

■わたしの日々が、言葉になるまで レモンの表す心情とは?

劇団ひとり 金原ひとみ 久保史緒里 松居大悟 桐山照史

高校1年生 春 呪いが解ける そのレモンソーダで

村田真優「ハニーレモンソーダ1巻」(集英社)

 

胸に残り離れない苦いレモンの匂い

雨が降り止むまでは帰れない

米津玄師「Lemon

 

俺と秋本の間に、本物のレモンよりゆるくて甘い、

つくりもののレモンの香りが漂っていた。

豊島ミホ「檸檬のころ」

 

甘酸っぱさ 苦しみ 

様々な感情を込められる不思議な果物

なぜレモンは多くの作り手の心を引き付けてきたのだろう?

 

「カルテット」坂本裕二著/河出書房新社

2017年放送「カルテット」

から揚げにレモンをかけるかけないで揉める男女4人の食事シーンが話題に

人間性が立ち現れている

 

豊島ミホ「檸檬のころ」幻冬舎

ルパンとレモン

秋元はいつだって綺麗でーそれはもう、耳たぶや膝頭や爪の先まで綺麗でー

そうして、すれ違うとレモンの香りがするのだ。

秋元が使っているリップクリームの香り。

それは鼻先でぱちんとはじけて、一瞬にしてあの日の空気で俺を包んでしまう。

 

レモン=青春

 

米津玄師「Lemon

あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ

そのすべてを愛していた あなたとともに

胸に残り離れない 苦いレモンの匂い

雨が降り止むまで帰れない

 

レモン 苦い存在 わたしの光 久保

苦いレモンはむいてない状態 皮の香り 切り分けた時に果実がはねたり

Freshなものが出てきて そこには希望が抱ける 金原

最後の二行で執着のようなものレモンって苦いけどずっと鼻の奥に残っている

青いレモンとかまだ熟していないレモンの感覚が浮かんだ 松居

 

レモンはネガとポジ 両方併せ持つ

米津玄師が最初につけたタイトルは「形見」=「メメント」

作っている途中で「死への直接的な表現が鼻につきすぎる」

との思いから「Lemon」に変更

 

メメントだったら親和性の高い曲にならなかったんじゃないか 金原

敷居が高い曲になったんじゃないか

レモンが一度も入っていなかったら息苦しい曲になっていた 金原

レモンが耐え難い息苦しさを解放 金原

 

林檎

「妻はりんごを食べない」「林檎の国のじょな」

「林檎殺人事件」「林檎の樹」「臨穂の殺意」

 

1983年放送連続ドラマ

「ふぞろいの林檎たち」山田太一脚本

 

「苺をつぶしながら」「ストロベリーライフ」「いちご100%」

ドラマ・映画化もされ大人気警察小説

「ストロベリーナイト」誉田哲也著

 

オレンジ

「オレンジデイズ」「ママレード・ボーイ」「きまぐれオレンジ☆ロード」

 

さくらんぼ

「さくらんぼ」「CHE.R.RY

 

舞城王太郎著「私なあなたの瞳の林檎」講談社

舞城王太郎著「されど私の可愛い檸檬」講談社

心を射抜かれました 金原

 

「高嶺の林檎」NMB48

手の届く 枝になった林檎は 君じゃない 誰かも手を伸ばす

みんなが あきらめてるような 高い木の上 探さないのか?

 

言語化のヒント

みんなが持っているイメージを使うことも裏切ることもできる

果物をタイトルにすると不意を衝く効果がある

 

なぜ選ばれるのか?

レモンは存在がエクストリーム 金原

名監督によってレモンはベンチ入りできた ひとり

 

梶井基次郎著「檸檬」新潮社 昭和の文豪

米津玄師に少なからず影響を与えている

結核 借金 憂鬱な気持ちで生きる「私」レモンを購入し書店に置いて帰る

 

梶井基次郎「檸檬」

一体私はあの檸檬が好きだ。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して

固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰まった紡錘形の格好も。

あの檸檬の冷たさはたとえようもなくよかった。

(中略)

握っている掌から身内に浸み透ってゆくようなその冷たさは快いものだった。

(後半では)

そしてふかぶかと胸一杯に匂(にお)やかな空気を吸い込めば、

ついぞ胸一杯に呼吸したことのなかった私の身体や顔には

温かい血のほとぼりが昇って来てなんだか身内に

元気が目覚めて来たのだった。…

 

レモンは五感を刺激する 久保

レモンを爆弾だと思っている 病弱で借金があって弱々しい主人公

病弱だからこそひかれたレモンの存在の強さ 金原

人を死に至らしめたり破壊したりする力のある者の象徴 金原

 

悲しみ終わり始まり ひとつの物語にするとレモンと結びつきやすい 松居

亡くなったと思っていた父親が生きていると

わかって会いに行ったところがレモン畑 松居

 

愛しい妻に捧げる「生」の象徴としてのレモン

詩人・彫刻家 高村光太郎 が 亡き妻 智恵子との最後を綴った詩集

妻が亡くなる直前 最期にレモンを求めた様子が描かれている

高村光太郎著「智恵子抄」新潮文庫

 

高村光太郎「レモン哀歌」

そんなにもあなたはレモンを待つてゐた

かなしく白くあかるい死の床で

わたしの手からとつた一つのレモンを

あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ

トパアズいろの香気が立つ

その数滴の天のものなるレモンの汁は

ぱっとあなたの意識を正常にした

 

妻・智恵子に死が訪れ作品はこう結ばれる

 

それからひと時

昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして

あなたの機関はそれなり止まつた

写真の前に挿した桜の花かげに

すずしく光るレモンを今日も置かう

 

山巓(さんてん)=山頂

 

爆弾 詩の象徴 生の象徴

どうしてレモンはこんなにモチーフとして使われる?

レモンは余白でストーリーに寄り添う果物

 

レモンを使って今の気持ちを表現

「レモンのような大人」になりたい。 桐山

青いレモンのまま。きっと色づいても酸っぱいレモンのまま。 久保

この中のレモンになれただろうか。 松居

あの日から私は勝手にレモンをかけなくなりました。

あなたの言葉が私の中に生き続けていることに

レモンをかけないたび気づかされます。金原

レモン黄色は注意 ひとり 意味は後付け?