秋の日や西(加奈子)の喋くり愛おしく
秋の空一言一句忘れまじ
秋高しさんま主語だとみな笑顔
秋麗心にいつも大切な人
嫌です!と朝井(リョウ)連発残暑かな
■NHK俳句 兼題「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)」
選者:星野高士 レギュラー:松井玲奈 司会:柴田英嗣
年間テーマ「虚子の近代俳句」
8月 黄金期4S しいえす
大正から昭和に移る時期にすごく活躍した高浜虚子の弟子
男性4人の俳人が黄金期を築きあげた
俳句雑誌「ホトトギス」明治30年(1897)創刊
水原秋櫻子(1892-1981)(しゅうおうし)
高野素十(1893-1976)(しゅじゅう)
阿波野青畝(1899-1992)(せいほ)
山口誓子(1901-1994)(せいし)
その時代(4は)「しい」と言った
方丈の大屁(おおびさし)より春の蝶 高野素十
方丈:僧侶が住居に使う建物
本来「春の蝶」は俳句では違反の表現
「蝶」だけで春を意味するから ダメ押しになる
だけどこの句は高浜虚子は大絶賛した
蝶が春という景色を運んできた
「季節の推移を見事に言った」と虚子は褒めた
「春の蝶」は調べがいい 「蝶来たる」や「蝶飛んで」ではダメ
俳句は大小を対比することも多い
大きいもの(方丈)と小さいもの(蝶)を見事に捉えている
高野素十は虚子が唱えた写生句を忠実に継承した人
素十は医者だった 解剖学の医者だったので観察力が凄かった
俳句の題材もじっくり穴が空くほど見ようとした
感情を出したいのを押さえている 言葉を省略して詠んでいる
滝落ちて群青世界とどろけり 水原秋櫻子
自分のことを言いたいということで 主観写生 自分の気持ちを出す
「群青世界」とか美学的な表現が秋櫻子は凄い 美しい広がりのある言葉
自分もそこに投影されている 弟子が違う所へ行くのは嫌な事ではない
自分で新しい表現を発見したからいい それが評価されれば
虚子は秋櫻子を高評価していた 秋櫻子は虚子の「ホトトギス」を離れた
「馬酔木(あしび)」大正7年に創刊された俳句雑誌 昭和3年に秋櫻子が
「馬酔木」に改題し現在に至る アンチ「ホトトギス」の立場で俳句を詠んだ
継承⇨高野素十 客観写生
高浜虚子
離脱⇨水原秋櫻子 主観写生
素十と秋櫻子は関東の俳人 誓子と青畝は関西の俳人
かりかりと蟷螂(とうろう)蜂と皃(かお)を食む 山口誓子
実際には聞こえない音を表現している それは完璧な主観
これは人間模様を描いていると思っている 弱肉強食
人間模様をこういう場面で言ったそれでこの句は有名
山口誓子は主観が強い 自分の気持ちが強く句に出る
簡単な言葉よりも強い印象の言葉を使う 強い印象を
自分の言葉で発表した人 新しい主観の世界
誓子と秋櫻子は人間社会を詠う 虚子は花鳥諷詠 自然の世界を詠う
大事なのは季語 それが生きていないとダメ
さみだれのあまだればかり浮御堂(うきみどう) 阿波野青畝
調べがいい 俳句で大事な事 内容も大事だけど 聞いている人が
心地よくなる 青畝は素十に近い写生句 どこかほっとする句
それはゆすさがあるから 言葉がゆったりしている 素十は
直接物を見るが 青畝は少し斜めから物を見る 俯瞰してみる
雅さもある 雅な感じ 他の3人にはない
客観写生
阿波野青畝 高野素十
関西 関東
山口誓子 水原秋櫻子
主観写生
虚子が4人を導いた 虚子は両方の俳句を認めている 大らかな導き方
虚子の偉大にところは自分が見出した俳人が活躍したこと プロデュース
・特選句 兼題「曼殊沙華(彼岸花)」
ポイント 花のイメージが人を思う 人を偲ぶ
人を思うイメージを自分に引き寄せて俳句にするのはポイント
雨粒を絡めとりたる曼殊沙華 岸来夢
古墳へと道は一本曼殊沙華 長長(とうなが)邦明
日向には日向の顔の曼殊沙華 須田真弓
曼殊沙華言い訳ばかりうまくなり 田中麦
金色の光の中の曼殊沙華 尚山和桜(なおやまかずおう)
遠ざかる錫杖(しゃくじょう)の音曼殊沙華 柏瀬(かしわせ)眞理子
特選三席
一席 さよならを云へずに曼殊沙華の道 坪田恭壱
二席 曼殊沙華虚空(こくう)につかむ もの探し 砂山恵子
三席 その色に雨は染まらず曼殊沙華 鈴木允子
・松井玲奈 今月の一句
曼殊沙華しわの手のせし砂糖菓子 松井玲奈
添削
三盆にしわの手伸ばし彼岸花
和三盆に手を伸ばした先に彼岸花を置くことで
彼岸花がどこにあるかがわかる
今月のポイントは「季題(季語)が見えるようにする」
・はみだせ!教室俳句
千葉大学教育学部付属中学校 大澤由紀先生
ポイント 具体的な体験をかき出す
推敲する時のアドバイス 推敲する時は消さずに残す
入場券小の字消えた花は葉に 古賀優佳
鉛筆を卒業したる夏の空 堀田龍世
楽しんで作ることを目標にしたい 言葉と戯れる喜び
言葉とピッタリ合った気持ちの時に
「この言葉に出会えてよかった」という
そんな時間に出来たらと思っています 大澤先生
遊びから学ぶ楽しさ
■NHK短歌 テーマ「あの夏」
選者:千葉聡 ゲスト:千葉聡 司会:ヒコロヒー
年間テーマ「きょうの放課後 いつかの放課後」
ハヤシミドリシジミ:学名Favonius ultramarinus
西の風 春来たり 瑠璃色の遠く彼方より海を越えて
をご紹介くださいました 何とロマンティックな蝶の名でしょう
一つ残しボタンをはづすポロシャツは夏の領域増やしゐるなり
佐藤モニカ
涼しさを感じて夏を実感する ゲ
・入選九首 テーマ「あの夏」
部室から汚いTシャツ出土して我のと言えずただ黙ってた
岩崎純史(じゅんし)
二席 傷病兵が立ってた夏を知らぬ子がギターで歌う町の陸橋
西村真千子
三席 南国の装いをしたスナックが手書きでバイト募集している
筒居桃子
浮かんでもスクロールされ消えていく夏#パガサス雲
高木秀俊
笑みながら母に抱かれし終戦のあの夏の日の写真が残る
大和嘉章
プールにも錆びた夜にも飛び込めた制服着れば無敵になれた
上野りな
私 水面に白熱灯が煌めいて私は金魚の命で遊ぶ
八号坂唯一(金魚と目が合っちゃった
生物学は命を奪わないと完結しない学問 ゲ
白熱灯の白と金魚の金 命を照らしてくれる存在
照らされながら消えていこうとする命 より切ない 千葉)
「空襲!」に母の待たせし晴れ着着る租界の六歳何思ひしか
林邦子
一席 「先輩」と甘える男子パッと咲く花火のように夏が眩しい
阿部希
・ちばさとの放課後短歌部
千葉聡さんの「あの夏」
南硫黄島でコダマ(コダマキバサナギガイ)と会った思い出
天空に刺さった幹に、枝に、葉に、パニュキスのごとく棲むカタツムリ
千葉聡
童話「パニュキス」エリナー・ファージョン(1881~1965)
手が届きそうで届かない憧れの存在が〈パニュキス〉
ちばさとの短歌づくりのポイント
視点を意識して詠む!
自分がどこにいるのか 何を見ているのか 視線が感じられる
歌になると 独特の光を帯びる
短歌づくりのヒント
視点を意識して詠むと臨場感のある歌になる
・新たなアイディアの生み出すには?
間違えること 新しいものと間違えるから出てくる
競争を意識していると結局人と同じことを考える
競争を意識しないで余裕を持つことが大事
ヒコロヒー
他人と被ることが大嫌い 常に人とは違うところを探している
ゲスト
研究者の生き方とそっくり
自分の新しい考え方を探すために論文を読む
すぐれた研修者と似ている
・いちご摘み
チェンジアップをおしえてくれる手のひらにつつまれている小さな地球
貝澤駿一
⇩
手のひらの朽ちたるごとき花のあとを泰山木の樹下に踏みゆく
小原奈美(好きな歌人 葛原妙子)
第70回現代歌人協会賞 受賞
老いてわれは窓に仕(つか)へむ鳥来なばこころささげて鳥の宴を
「声影記」港の人より
私は短歌を高校からやっているので 仕事だけだったら自分が
日常の中で何をやっているのか 見失ってしまっていただろうな
木の下に実際に行ってみると 花は咲いている盛りのものは見えなくて
落ちている花びらによって間接的に知ることができる
摘んだのは「手のひら」
落ちて、なお、輝く白い花びら…。
字幕が出ないと全く分からない滑舌でした。なんだかなあ…。