村芝居那賀の宝ぞ秋の晴
秋高し伝統繋ぐ北川座
秋日和小集落を脈々と
青き空阿波路疾走秋の風
炭水化物食べて激走小春
■知恵泉 宇野千代(1897-1996)
ゲスト 綿矢りさ 篠原ともえ 金井景子
恋して咲かせた幸せの花
人間なにかすがりつくものが一つあると生きていられるものですね
私が小説を書かなかったら ただの不良少女でしかありません
「私あなたが好きです」って言うの百発百中うれしそうな顔をします
心から愛した男
作家・尾崎士郎 画家・東郷青児 新聞記者・北原武夫
大正10年(1921)「脂粉の顔」新聞の懸賞小説一等入選
二等が尾崎士郎だった
大正15年(1926)尾崎士郎と結婚
とことん尽くすんですよね お料理でもあの人こんなものが
好きそうだなと思うと それをこさえるし 相手を愛しているから
尽くすように見えますけども 尽くすのがおもしろいの
自分にとって愉快でおもしろい
作家生活の基盤を築くために、最も重要な時期であった。(中略)
私に文学眼をひらいてくれたものは宇野千代女史であった。
尾崎士郎「小説四十六年」より
川端康成 梶井基次郎 萩原朔太郎と知り合い刺激を受けた
千代と梶井基次郎との仲を噂される
昭和5年(1930)尾崎士郎と離婚
千代4歳の時、心中事件間もない東郷青児と出会う
出会ったその日に一夜を共にする
夜が更けて、さあ寝よう、と言うときになって、
「こんな布団しかないが」と言って、押し入れから出してきた布団には、
血痕がこびりついて、がりがりになっていた。
二人の男女の頸(くび)から流れ出した夥(おびただ)しい血のかたまった
ものだと分かったとき、私はそれを気味が悪いと思っただろうか。
そうは思わなかった、と言ったら、人は信じるだろうか。
私と東郷青児とは、その夜から一緒になった。
宇野千代「生きて行く私」より
昭和5年(1930)東郷青児と同棲開始
東郷青児が画を描きさえすれば、金は湯水のように湧いて出る。
そう思っていたのに、そうは行かなかった。東郷青児は毎日毎日、
贗札(にせさつ)を作るように画を描き、私はそれを風呂敷に包んで売り歩く。
宇野千代「生きて行く私」より
昭和10年(1935)「色ざんげ」刊行
恋をするなんて、俺は全くそんな柄じゃないからな。
恋をするような振りをすることの巧い
西洋仕込みのただのならず者なのだからな。
宇野千代「色ざんげ」より
昭和11年(1936)ファッション誌の編集長に就任
昭和14年(1939)北原武夫と結婚
昭和16年(1941)太平洋戦争勃発
昭和20年(1945)終戦
倒産
昭和32年(1957)「おはん」刊行
昭和39年(1964)北原武夫と離婚
私は別れた人を「あの人は憎らしい」とか
「あの人は私にこんなことをした」とか
そういう感情は皆無なんです 未練もあるしもっと追いかけたくてもね
私は追いかけるのをやめるの それが恋愛の武士道だな
篠原ともえの知恵
恋愛に限らず出会いが人を変える
「自分の心が動く」っていうことが次の創作に間違いなくつながる
発掘お宝映像!千代90歳の「初挑戦」
恋愛という行為はもうしませんけど 毎日の行動が恋愛と同じみたい
退屈イチバン嫌いです 何もしないというのがイチバンいけない
何にもしないと ろくでもないこと考えます
夏も冬も秋も桜を平気で使っている
美しく咲き 潔く散る そしてまた咲く 千代は何度でも人生を
やり直した自身と桜を重ね合わせて愛しました
71歳の時 気になる話を聞きました
「樹齢1200年を誇る桜の老木が岐阜にある」
昭和45年(1970)淡墨桜を見にいく 先頭に立って保護活動を始める
枯れかけていた桜は復活
昭和60年(1985)復活した桜を再訪した千代
見るたびに思いが深くなりますね 圧倒されるようだな
昭和58年(1983)「生きて行く私」刊行
花咲婆さんになりたい
幸福も不幸も、ひょっとしたら、その人自身が作るものではないのか。
そして、その上に、人の心に忽(たちま)ち伝染するものではないのか。
とすると、自分にも他人にも、幸福だけを伝染させて、生きて行こう。
宇野千代「生きて行く私」より
みなさんの中に私は運がとても悪いって思う人はありますか?
そんな人はダメですよ 私は運がとてもいいと思ってお暮しになってください
こんなに運のいい女があるだろうか 思っているんです
今日のすべての経験が生まれて初めてのことばかりでございました
あともう10年で100歳でございますが 100歳になって
こんなものを書いたというね 後世の人に吃驚させるような
仕事を残したい
陽気は美徳 陰気は悪徳 人には陽気だけを移しましょうね
好きだと思うことでなければしなかった
平成8年(1996) 宇野千代死去98歳
篠原ともえさんの知恵
生き方は作品に映る華やかな部分も隠している部分も
しおらしい部分も 作るものに全部表れる
赤裸々で素直であること 作品に嘘をつかないこと
自分の人生に嘘をつかないこと
宇野千代さんの好物は「かにかま」だった
偽物だっていいじゃない 美味しければ
