丁寧に老い受け入れて春うらら
知性ある体・筋肉春の空
風光る体感じて冴える勘
春光やいくつでも増す可動域
春の夜や心の声に耳澄ませ
■あの本、読みました?金原ひとみ大特集!
朝井リョウ&村田沙耶香が語った魅力&素顔
金原ひとみ 朝井リョウ 村田沙耶香 鈴木保奈美 山本倖千恵 林祐輔P
朝井リョウ
金原さんの魅力は文体、1行読んだだけで「金原ひとみ印」頭の中の流れた
速度そのままで書いている ドライブ感が唯一無二
村田沙耶香
言葉が音楽性がある 本当に凄いな
直木賞朝井リョウ 芥川賞村田沙耶香が作品性を絶賛
朝井と村田が特に気に入っている作品は
「アンソーシャル
ディスタンス」金原ひとみ著/新潮文庫
金原ひとみ
人は小説から自分に何が起こっているのか 消化したがる生き物
だからこそずっと書き続けている
村田沙耶香
「アンソーシャル
ディスタンス」のインパクトが強い
その中の「ストロングゼロ」
朝井リョウ
最後の終わり方も含めてかっこよ~
金原
コロナ禍のの問題が大きくなったら世界も変わるし人間も変わって
本なんか読めなくなっちゃうかもしれない
その過渡期を絶対に書き逃したくない
綿矢りさ(当時19歳) 金原ひとみ(当時20歳)
2004年芥川賞受賞
あれから20年現在はどんな心境に?
いま自分を支配しているものについて書かないとこの支配から逃れられない
「デクリネゾン」金原ひとみ著/集英社文庫
仕事、家庭、恋愛のすべてが欲しい女たちを描いた長編小説
「YABUNONAKA-ヤブノナカ」2025年4月出版 金原ひとみ著/文藝春秋
出版界のハラスメントを描いた作品
出版界を舞台にした理由
複数の登場人物の視点で描かれている
小説家・長岡友梨奈と恋人・一哉の会話
「YABUNONAKA-ヤブノナカ」の一文 金原ひとみ著/文藝春秋
「え、マッチョって、本当にそんなマッチョな感じなの?」
「まあさすがにゴリマッチョって感じじゃないけど。
夫婦別姓とか、現代の働く女性が担わされている責任の重さ問題語って、
時代摑んでますよ感出そうとして自らの愚かさを露呈して自爆って感じ。
味噌汁の出汁なんてとる必要ないんだみたいなこと言って、専業主婦
侍らせた家事一切できないゆとりオヤジがなんかみつをみたいなこと
言い始めたよって馬鹿にされてた」
「みつを?」「だしの素使ってもいいじゃない、人間だもの。的な」
一哉は箸を止めて声をあらげて笑った。私は豚バラをタレにつけ、
やっぱ黒酢にごま油が一番美味しいな、食べてみこれ、と小皿を差し出す。
「まあ彼の場合ルサンチマンも悪意もないナチュラルボーンな愚かさ、
って感じだけど。でも現代日本の抱える病は無自覚な愚かさが
招いてきたからとも言えるから、十年くらい前までには許容されてたかも
しれないけど、これからは淘汰されていくだろうね」
みつをは相田みつを
ルサンチマンは「恨み・妬み・憎悪」など感情を内面に抱く状態を指す哲学用語
喋りが止まらない長岡友梨奈
芥川龍之介の「藪の中」は意識したのか?
小説家・長岡友梨奈の娘・伽耶が資本主義に対して疑問を述べている
「YABUNONAKA-ヤブノナカ」の一文 金原ひとみ著/文藝春秋
二十から六十歳くらいまでの ほとんどの人類が平日の起きている
時間の半分以上を労働に費やさなければ社会が回らないような状況に、
本当にこの世は陥っているんだろうか。
だとしたら、設計ミスがすぎないだろうか。エッセンシャルワーカーは
給与以外も超好待遇、働きたい人は趣味で働いて大金を稼ぎ、
働きたくない人はベーシックインカムで衣食住エンタメに過不足内
生活、出産した人は養育費教育費無償、もうこの世界いいやと
なった人は安楽死、そんなもんでバランスは取れないものだろうか。
労働ホリックな人たちは「いやこの仕事がなければ云々かんぬん!」
と憤るだろうけど、私はイケる気がする。
フランス移住が転機に?
絶望を全てぶつけた
プロットの立て方は?
「デクリネゾン」の一文 金原ひとみ著/集英社文庫
老害予備軍の中肉中背中年男性編集者を面白おかしく
露悪的に描いた短編すら発表したけれど、
2025年7月出版
「マザーアウトロウ」
作品を描いたキッカケ
名前は呪いでもある
破天荒な義母を描いた作品
「マザーアウトロウ」の一文 金原ひとみ著/U-NEXT
だってもし波那が子供を産んだとしても、その子と私が
フィーリンググッドかどうかは分からないじゃない。
波那とその子供もそうよ。そもそも子供を作るとか作らないとか、
そういうの傲慢だと思うわよ。第一に身体は機械じゃないから、
作ろうと思って作れるもんでもない。さっきの合理性の話じゃないけど、
個人的には人間のそういう不確実なところこそ、尊ぶべきだと思うわ。
それに子供って一言に言ったって色々あるでしょ。
育てやすいにくい、合う合わない、男か女かも分からないし。
子供作ろうかどうしようかって 悩んでも、実際に生まれてくるものは、
自分の想定してる子供でないってこともあり得るわけよ。なんか子供って
ふわふわ、かわいい、ギャン泣きする?子育て大変かも、
くらいのイメージでしょ?でも出てきてみたら妖怪かもしれない、
エイリアンかもしれない、ゾンビかもしれない。
出産が転機に
その二人にしか作れない関係性を築いていくのが母娘のベターな関係
結果論としての母子関係があっても良いのではないか
高校3年生の長女に6年間お弁当作ったんですけど、
この間が最後のお弁当だったんです。
最後だしとメッセージカードつけておいたら、
お昼に7,8人の女の子たちが机を囲んで
「ママ、6年間お弁当ありがとう」って
一斉に言っている動画が返ってきました。
カードに動画で、しかもみんなで一気に返すっていうのも
面白かったし、今の時代でも誰もお父さんは作ってないのかな、
などといろんな思いが一瞬にしてわき上がりました。
「朝日新聞デジタル2026年1月8日付」
2024年10月 出版
「ナチュラルボーンチキン」
作品を描いたキッカケ ちきってる(ちきんやろう)
ルーティーン生活を送る45歳の浜野とパリピ気質な20代平木の会話
「ナチュラルボーンチキン」の一文 金原ひとみ著/河出書房新社
「楽しいことがない、楽しいことを求めようとしない人って、面白いですね。
それって、幸せじゃない、幸せを求めないってこととは違うんですか?」
「そうですね。幸せじゃないってことでは、ないです。もちろんそれは、
幸せである、ということとも違うんでしょうけどね。
そもそも皆多かれ少なかれ、三十代後半くらいになってくると
楽しいことがちょっと重くなってくるんだと思いますよ。
霜降り牛みたいに、少々過剰すぎますねって感じで。心が動かない
平穏な状態を求めている人は少なくないはずです」
「心が動かない、揺らがない、のがいいんですか?
それってなんか、ゾンビ的な、ってことですか?」
「例えばクラブで馬鹿騒ぎとかしたら、翌日の疲労とか、二日酔いも
すごいだろうし、そもそも馬鹿騒ぎしてる間もどこかで
俯瞰しちゃってるだろうし、まあそもそも馬鹿騒ぎが自分にできるのか
不明だし、周りからしたって、クラブで四十女が踊り狂っていたら、
ちょっと怖いですよね?」
(中略)
「あ、すみませんなんか。私そういうの、私の祖父母世代とかで
終わったのかと思ってました」
「え、そういうのって、どういうのですか?」
「年齢とか、人にどう見えるのかとか気にして、
小さいところに収まる感じです」
2020年36歳 コロナ禍 大きな転換点だった
大きな過渡期を書き逃したくなかった
ので急遽書きだした「アンソーシャル
ディスタンス」
スピード感・ライブ感が満載の作品