2026年5月11日月曜日

兼題「短夜」&テーマ「窓から見えるもの」

夏未明調理するのは好きだけど

色と香が芝生を覆うクローバー

蝶と蜂シロツメクサへご挨拶

山肌に明かり灯した躑躅かな

夏の月視力聴力落ち行かん

 

NHK俳句 兼題「短夜」

選者:星野高士 レギュラー:松井玲奈 司会:柴田英嗣

年間テーマ「虚子の近代俳句」高浜虚子(1874-1959)

 

5月 始まりは「台所俳句」

俎板の染()むまで薺(なずな)打ちはやす   長谷川かな女

この句のポイントは打ちはやす

打ちはやす:包丁で大きな音をたててただ打つのではなくはやしたてる

(お祭りの)お囃子のようなもの 「なずな打つ」は新年の季題(季語)

正月がきて自分の気持ちも晴ればれ うきうきしている感じ

それが「打ちはやす」ということばになった

当時はことばの選択が画期的 女性はあまり俳句の参加できなかった

俳句は男の文学だった 高浜虚子が「台所俳句」を始め

女性も表現者になろうと門戸を開いた

「ホオトトギス」対称5(1916) 「台所雑詠」を始め女性に門戸を開いた

虚子は俳人であり作家でもありいろいろなことをやったけど

経営者としての力も持っていた

分かりやすいことばで短く伝える(コピーライターの能力に)長けていた

 

打ちあけしあとの淋(さび)しさ水馬(あめんぼう)   阿部みどり女

さびしさとか男性は直接的に言わない 女性だからこそ言えた

それが余情につながった 活字になるということにやる気が出てくる

現代の俳句の会は女性8割 男性2

虚子が女性に俳句の門戸を開いたから今があると言っても過言ではない

 

杉田久女(1890-1946)

花衣ぬぐやまつはる紐いろ〱 杉田久女(大正八年)

花見へ行ったときの着物が花衣 花を見た興奮に包まれている

花衣を脱いで自分は束縛から解放された

自分は解放されたという思いが「紐いろいろ」に出ている

精神的に縛られたという意味の「紐」

 

女性しか詠めない句

短夜や乳()ぜり泣く児()を須可捨焉乎(すてっちまおか)   竹下しづの女

短夜:夏の夜の事 冷房設備もなかった 暑い中で子育てをしなければならない

育児ノイローゼになった 逃れたい気持ちから出た強い言葉

漢字を使ったお経みたいなことば 逆に言えば子どもへの愛情

愛情の裏返し 

こういう句が無ければ女性の俳句は後世に残らなかったかもしれない

虚子は女性が俳人になる道を作ってくれた女性も言いたいことを言えた

 

短夜:夏至の頃 6月の末ぐらいを詠む事

 

特選句 兼題「短夜」

短夜や朝が来るから夜が好き   白川あんみつ

短夜に告げたきことの矢継ぎ早   樋口淳一郎

短夜や海の近くの安ホテル   天野有子

目覚ましを三個並べて明易し   白井道義

(明易:夏の夜明けが早い事)

短夜やこれより酒場眠りつく   圓山多津美(まるやまたつみ)

短夜や足音ふたり声ふたり   佐伯道子

 

特選三席 兼題「短夜」

一席 短夜や羽あるものは羽休め   柚木(ゆずき)みゆき

二席 短夜や築百年の軋む音   大塚きみ子

三席 明易し火勢強まる登り窯   押領司雅俊(おうりょうじまさとし)

   (陶窯とうよう)

 

・松井玲奈 今月の一句

短夜や窓に残れるひとの声   松井玲奈

添削

短夜や窓にまだあるひとの声

「まだある」だと時間が短縮される

季題(季語)はほっとけばいい ことばで季題(季語)を補充してはいけない

季題(季語)を説明しないで現状を詠む それが俳句

 

・今月のポイント

「季語を説明しない」

 

・はみだせ!教室俳句

滋賀県 長浜市立びわ中学校

岡﨑隆祥(たかよし)先生

 

自己分析シート 俳句 春の朝はじめてやいた卵焼き

一番伝えたい事 わくわくした気持ち

どんな言葉を選んだか 春の朝

まだうまくいっていない所 自立したイメージを伝えたい

代案 春の朝ひとりでやいた卵焼き

 

自己分析ポイント

   季語はこれでいいか

   意味が重複しているところはないか

   伝えたいことが表現できているか

 

バレンタインあの子にあげるチョコレート⇩添削

バレンタインあの子を待ってる正門で

 

学校の勉強は一回やって終わりになってしまいがち

テストは教科書にはない文章から出てきたりする

2回同じ解き方でやるというのを経験させたいなと思っていて

数学みたいに公式に当てはめたら問題が解けた

国語でもそうなんだよ やり方を教えてあげたいと

いうのがあるので何回も繰り返すようにしています。

 

 

NHK短歌 テーマ「窓から見えるもの」

選者は千葉聡 ゲスト:平野紗季子 司会:ヒコロヒー

年間テーマ「きょうの放課後 いつかの放課後」

 

「大人はお金のある方へ行く」コンビニのブンさんの言葉

ブンさんが泣きながらくれた大福を抱けば春は加速していく

千葉聡

 

スカートが短すぎると子を叱りゐる間()も窓の夕雲すすむ

小島ゆかり

 

・入選九首 テーマ「窓から見えるもの」

明け方のサービスエリア 白線は無数の音叉のごとくあらわる

野分のわ

二席 青空や蒲鉾店の看板の「谷」の二画目すこし欠けをり

秋本哲(さとし)

一席 人間になれるだろうか 幾千の体温を知る白いベンチは

常田瑛子

音もたてず椿は毎朝開くけど春が手からすり抜けてゆく

磯谷祐三

嵌め殺し窓にガザの子頬寄せて見つめる空は何色だろう

藤田晋一

どれだけを忘れて生きてゆくだろう学校までの車窓のすべて

千坂(ちさか)ころも

面会ができない叔母とガラス越し手製の手話を使ひて話す

新村亮三

三席 一瞬を逃がさんとする撮り鉄と中でにっこり手を振る子供

笠井陽菜(はるな)

ドロシーが部屋の外から見る果てにオズはいまでもあるのだろうか

中里正樹

 

・ちばさとの放課後短歌部

夕空にお菓子の神がましまして街の家みなキャンディーにする

千葉聡

ちばさとの短歌づくりのポイント

自分ではなく他の人が そう思ったことにする

自分が思っただけだと歌は小さなものになってしまう

神様が作ったんだというふうに主語のところを変えてみる

(短歌は)自分の事だけではなく

誰かに心を寄せることもできるし

誰かになることもできる

短歌づくりのヒント

他者の視点から詠むと光景に新たな色が加わり

誰かと自分が一緒になれる歌になる

 

・味の表現はどんなことに気をつけていますか?千葉

自分が感じた事を言葉にすることが大事

「風のビリヤニ」

 

・いちご摘み

夜のに寄りてしばらく聞く雨に月砕かるる音の混じれり

船田愛子

ゆるめれば観覧車めく花束よ見ようとするとはあらわる

霧島あきら(好きな歌人 服部真理子)

 

まずカメラそしてわたしが透きとおる手応えのあるインタビューでは

「正しい椅子」より

制限があるからこそ本当に伝えたいことが自分の中でも研ぎ澄まされるし

余白とか省力することによって本当は凄く豊かな事なんだなと感じます

光を感じられたりする言葉「窓」を摘む

見えないものを想像してみた 音の世界から観覧車へ

2026年5月10日日曜日

知恵泉 川路利良

てんこ盛り夏の三陸海の幸

心あるもてなしを受く夏の久慈

眼福と口福の夏の駅弁

夏の旅乗って眺めて味わわん

大船渡温泉浸かり夏の月

 

■知恵泉 川路利良

下級武士から警察の父へ西郷との決別を終えて

 

日新公いろは歌

道にただ身をば捨てむと思ひとれかならず天のたすけあるべし

(正しい道のために身を捨てる覚悟をせよ 

そうすれば必ず神の助けがあるだろう)

 

治安維持

聲無キニ聞キ形無キニ見ル

規律 公共に奉仕する人民のための組織

常人の忍び難いところを忍び勉めて

常に自分の涙と汗によって人民に尽くさなければならない

1日の睡眠時間は4時間

部下の元に手土産を持って慰問

 

江戸時代は卑しい仕事として警察的な仕事の人は扱われていた

(明治に入ると)エリートは軍隊に生かされて 元々武士で

身分が低かった人が警察に入った中で 誇りを持って使命を

全うできる仕事として意識づけを頑張ったのが大きかった

 

西郷は征韓論を主張 大久保や岩倉具視は反対

明治六年 西郷が下野

 

私情まことに忍び難いが国家行政の活動は

一日として休むことは許されない

大義の前に私情を捨てあきまで警察に献身する

神川武利「大警視・川路利良」より

 

大警視に任命される

御上の御慈悲

権利としての安全と安心を守る警察とは違う お奉行所と警察の違い

末は博士か大将か 西郷に警察へ行けと言われたことがショックだった

川路はその時「ならば最高のものを作ってやる(警察)

ハングリー精神の強さ 置かれた所でどう咲こうか

警察とは何か 日本にとってどうあるべきかを考えて

(警察主眼の)言葉の中に❝国民の母である❞と言っている

 

ミッションは理念を仲間と共有し実現せよ!

 

伝えることと共有することで大きな力になって目標達成できるはず 迫田孝也

彼なりのコンプレックス 葛藤 分析があってのことだった 

裕福な人だったらしなくていい経験を山のようにしている

その中で育まれる理念は説得力を持っていた ヤマザキ

理念なき組織は形にならない 加来先生

 

情勢分析

川路が西郷の暗殺計画が疑われる

西郷を暗殺に行くというのは絶対ない 警察組織を強固なものにする

大義名分があるので もし西郷が挙兵したなら自分は討ちに行く

それが変なふうに広がってしまったのが悲しい部分ではある

 

明治10年 西南戦争勃発

悪戦苦闘していた幕府隊に

川路が作った❝警視抜刀隊❞が送り込まれた

追い詰められた西郷は切腹し 戦は政府軍の勝利に終わりました。

そのことで川路は「裏切り者」「悪者」と評されることとなった。

親族が殺されるという悲劇も起こった その後視察のため再びパリを

訪れるも病に倒れ帰国後すぐに倒れます。

明治12年 逝去 西南戦争からわずか2年後のことでした

 

川路の大切な人と対峙しても守ったこの国の治安

その理念は「警察官は人民の為に…。」警察主眼として残され

今も大切に残されています

 

自分が構築して正しいと思う正義を譲るわけにはいかなかった ヤマザキ

守らなきゃいけないのは最初に立てた理念 迫田

俯瞰で見た時にどっちが自分のいるべき場所か ヤマザキ

 

Q.川路による西郷の暗殺計画はあったか?

資料を見る限りなかったと思いますね

川路も大久保も西郷も堂々としている

川路は警視抜刀隊を率いて実際に戦いに行っている

真正面から受けて立つタイプ それと公明正大であることが

警察の職務だと思っている そんなことはしないと私は思う 加来先生

 

「郷土教材 かごしまの心」鹿児島県教育委員会発行

努力する心 自分にきびしくするということ

川路利良が取り上げられています

教科書に取り上げられたということは 

鹿児島で川路利良の評価が変わってきたようです

 

鹿児島では「西郷さん」「大久保 川路」は呼び捨て

 

今の日本で作るうえで大事な理念を築いた人 ヤマザキ

 

私感

自分の思い通りにならないと気のすまない人がおられます。

妥協点を見いだせない人は如何なものかと思っていました。

何でもかんでも思い通りに事が運ぶ訳はありません。

今回の米大統領もそのうちに一人です。

あの人こそ自己中心的思考ど真ん中の人ですよね。最低…。

2026年5月9日土曜日

日曜美術館50年 世界一ミュージアム

雲の峰老いに朗報セノリシス

万緑や老化除去せりセノリシス

(セノリシス)夏の空健康寿命伸ばしけり

病的な老化に別れ青嵐

堂々と街を疾走夏の熊

 

■日曜美術館50年 世界一ミュージアム

世界一長く放送している週間テレビ美術番組

 

・パブロ・ピカソ 1881-1973

ルールより「自分のスタイル」

スペイン美術は世界一「自由」

❝見て 面白いでしょ❞目指したのは子どものような絵

 

・サルバドール・ダリ

反抗期のティーンエイジャー

岸惠子曰く

「あまりにもガラのことを描きすぎ言いすぎ神格化しすぎている

それがひとつの男としてのプライドであった ガラのように

非常に奔放な女性と出会って逃げていく女っていうのは

絶対に捕まえなくてはならない 捕まえならないなら絵の中に

神聖化して描いていかなければならない「執念」に変わっていった

マハ=伊達女 El lele❝操り人形❞ 

天海祐希曰く

自由であるためにはちゃんと責任を負わなきゃいけない

ある種の覚悟をもって自由であるべきだ 自由でいいんだ

 

・ピカソも憧れていたポール・セザンヌ

「水浴」画家・土田麦僊(ばくせん)がパリで購入し愛蔵

以来100年日本で大切にされてきた!

 

フランス美術は世界一❝日本に愛されている❞

クロード・モネ エドゥアール・マネ エドガー・ドガ 印象派

 

・池波正太郎 1923-1990

日本人がルノワールに惹かれる理由は「失われた過去」

ルノワールは本当にいろんなものに喜びを感じる描き方で絵を描いた

今の時代では特に都会ではみんな青白く痩せこけて今はもう失われている

太陽の光線とか自然の恩恵とか人間が一緒になって享受していた時代

だから自然にルノワールの絵に引きつけられる

 

・松任谷由実

アンリ・マティスをミュージシャンの視点で語る

色だけで心打たれますし 画面のリズムが

いろんな画家のなかで いちばん音楽的

マティスが❝自分の手が勝手に歌い出す瞬間❞っていうふうに

言っているんですけど❝勝手に動き出す❞ってところに

至るまでがすごく努力…訓練鍛錬を自分に課して

楽しめる所まで織り込む

❝これでよし❞っていう瞬間が訪れるからだと思う

 

・ロダン「考える人」

頭だけで考えるのではなく肉体的に考える

フランス語には「木漏れ日がない」ので

ピエール=オーギュスト・ルノワールは

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」を描くしかなかった

 

エドゥアール・マネ「エミール・ゾラの肖像」

クロード・モネ「ラ・ジャポネーズ」

ジャポニスムの誕生

 

・イギリス美術は世界一❝高い❞

フィンセント・ファン・ゴッホ「ひまわり」落札1987

美術マーケットの中心

ダミアン・ハースト 1965- 野心が高い 高い包容力

ダミアン・ハーストを超える存在… フランシス・ベーコン1909-1992

20131113日 フランシス・ベーコンの作品 役42億円で落札

美術品史上最高(当時)

 

・大江健三郎 1935-2023

グロテスクであると思いますけど 美しくもあると思います

全体に浮かび上がってくるユーモアとかがあって ベーコンは

この絵を描くことによって救われているという気持ちを僕は持つ

ベーコンの絵を見る僕らが現実から目をそらせないでいながら

暗いものを見ながら明るいものに対する希望を持ちうる 

 

ベーコンの正直さ ベーコンは同性愛者 

 

・天海祐希曰く

見た時に自分が何を感じるのか 

何に着目するのかで「その時の自分」を知る

作品以外の所で評価されたくないでしょうけど

 

・坂本美雨の❝イチオシ❞世界美術

大江健三郎の言葉

現実のなかでベーコンの感じているユーモア おかしさ 陽気さ

我々が勇気を持って生きていることには意味がある

そういう人間として絵を描いている

非常に苦しい時代で だから 家で悲しんでいようというよりは

ベーコンを見ることが どんなに励ましになるかと僕は思っている

 

・とびきり面白い回

谷川俊太郎 19312024

覚えていない わからない 質問をはぐらかし続けていた

その理由は フェルメールの時は感想を持たない

好きな人の顔を見つめている時と同じように他のことは考えられないから

絵そのものを見つめる体験

 

・日本美術は世界一

①奇想

縄文土器 火焔型土器

井浦新 曰く

40005000年という時空を飛び越えても いま 

こんなにも感動できるって すごいと思う

信濃川の水の流れ

縁にある突起が「水面」でそこから「魚」が跳ねているようにも見える

水を表すような造形のものを精密に作って 物を創って乗り越える力

お前たちも頑張れよ と言われているような気がしてくる

 

曾我蕭白(そがしょうはく)「群仙図屏風」

大野一雄 1906-2010 が大先生といったのは 曽我蕭白

宇宙を見せられているような感じがした

即興の踊りは30分に及んだ 

どっちかというと 見たよりも話をしながら そのなかにずっと

いつのまにかはいって ひきつけられて こうして感動を受けて

いままであじわったことない 原点にふれることができた

芸術家同志の会話でした

 

②超越技巧

師匠から弟子へ受け継がれる職人技 全く分からない技

Q.鎌倉時代から江戸時代まで鉄製の何を作っていた❓

鎧を作っていた

 

・天海祐希 曰く

戦いに必要な道具を作るより誰かを楽しませたり

「わぁ!」って思ってもらえるものを作っているということに

ちょっと幸せを感じたかもしれない

 

・❝イチオシ❞日本美術

画家 石田徹也

「燃料補給のような食事」

最後の作品「無題」つながれる

何を描いているのか⇨自分は何を感じているのか

「飛べなくなった人」窮屈な場所に閉じ込められてもそれでも飛びたい

「社長の暈の下」

 

Final Stage ❝世界一の名画❞が持つ力

パブロ・ピカソ「ゲルニカ」1937

 

天海祐希 曰く

恐れ 悲しみ 悔しさ 怒り 何とも言えない思いがばぁーんと

 

現在は様々な感情を起こさせる唯一無二の作品となっています

 

岡本太郎 曰く

歴史的な役割を果たさなければ芸術ではない 無条件であるべきだ

勘定づくで役割を果たすのではなく 無条件に時代をひらいて

展開させるのが芸術の本来のあり方 

 

北野武 曰く

宗教的 達観したような絵になっている

人間そのもの 生き物そのものの本質的な姿

生きていることに対する生き物のはかなさと愚かさ

みんな描いてあるような気がする

 

天海祐希 曰く

文字よりも多くの「色を持った」感情を与えてくれるような

直接見て感じることが大事 生きる力になる

 

私感

素晴らしかった!

以前放送されたものをもっと配信して欲しいと思いました。

2026年5月8日金曜日

100分de名著 ウィトゲンシュタイン④

夏きざす愛でた景色よそのままに

夏浅し背中押されてまた一歩

砂糖抜き作る蕗味噌涎かな

銀行の駐車場には燕の巣

雀の子レッドリストの可能性

 

100de名著 ウィトゲンシュタイン

論理哲学論考”“哲学探究 ④心はどこにある?

伊集院光 阿部みちこ 古田徹也

 

私は、予見不可能が、心的なもののひとつの本質的な性質に違いないと思う。

 

誰かが一秒間だけ、心からの愛や希望を

抱くことなどありうるだろうか。

いま起こっていることには意味がある

ーそれは、この環境においてだ。

いま起こっていることを取り巻く環境が、

そのことに重要性を与えるのである。

そして、「希望している」という言葉は、

人間の生活のなかの現象を指すものだ。

「哲学探究」第1

 

「言葉は生活の流れのなかで初めて意味を持つ」

それが❝心の状態❞の意味にも当てはまる

感情は特定の生活の流れや文脈の中で初めて形をなす

心は秘密の小部屋ではない

コミュニケーションには嘘や演技 誇張の要素を含む

 

子どもは、振りをすることができるようになる前に、

多くのことを学んでいるのでなくてはならない。

「哲学探究」

 

何かが痛みの表出でありうるのは、

それを取り込む特定の環境全体のなかでのみである。

しかし、痛い振りは、

さらにずっと広範な環境全体のさかでのみ存在しうる。

なぜなら、振りをするというのは、

生活という織物のなかの(特定の)パターンだからである。

「ラスト・ライティングス」

 

言語ゲーム=予見し難い実践

虚々実々の言語ゲームをプレイできるようになる

 

予見できないもの

 

私は、予見不可能性が、心的なものの

ひとつの本質的な性質に違いないと思う。

および、表現の果てしない多様性も。

「ラスト・ライティングス」

 

言語ゲームは予見不可能なものであるということを、

よく考えなければならない。

「確実性の問題」

 

それには根拠がない。それは理性的でない(また非理性的でもない)

それはそこにあるー我々の生活と同様に。

 

予見しづらい側面に宿るもの それが心

 

1939年ケンブリッジ大学哲学教授に就任

同年秋に第二次世界大戦

 

尋常でないことが私に起こった。ひと月くらい前から突然、

哲学するのに適した心の状態になったんだ。

それまで私は、もう二度と哲学することはできないと完全に確信していた。

私の脳内の幕が上がることなど、二年以上も絶えて無かったことだ。

―もちろん、それから私は五週間仕事をしているにすぎないし、

明日にも一巻の終わりになるかもしれない。

だが、そう思うと一層張り合いが出てくる。

(亡くなる前夜、看護している人が

あなたの友人たちは明朝には来るでしょうと語りかけると

ウィトゲンシュタインはこう答えました。

素晴らしい人生だった。彼らに伝えて欲しい。」これが最後の言葉となり

翌日62歳で息を引き取りました。)

ノーマン・マルコム「ウィトゲンシュタインーある回想」

 

人は思想に対して値札をつけることができるかもしれない。

値の張る思想もあれば、安い思想もある。

では、思想の代金は何によって支払われるのだろうか。

私の考えでは、それは勇気によってだ。

 

私はもっぱら鏡であるべきだ。

私の読者は、そこに自分自身の思考を

歪んだままの姿で見ることによって、

その歪みを直すことができる。

「文化と価値」

 

私感

田中眠氏の朗読の凄かったこと…。

これが朗読というものなのだとまざまざと魅せつけてくださいました。

このシリーズは多くの人に見て欲しい。

素晴らしかった。心に深く突き刺さりました。