2026年9月18日金曜日

わたしの言葉が、言葉になるまで 島本理生 清原果耶

ホルムアルデヒド混入?白菜に?(中国)

秋さびし日に日に増える皺としみ

枯滝を落ちる水の音秋の庭

見聞が記憶力へと星流る

表裏着間違える釣瓶落し

 

■わたしの日々が、言葉になるまで

島本理生 阿部真央 清原果耶 劇団ひとり 桐山照史

 

恋と愛の本当の姿

 

島本理生を好きな理由

誰の人生に対しても否定的でない 許される感覚 清原

 

恋愛の格言

愛という字は真心で恋という字にゃ下心

桑田佳祐「SERSIDE WOMAN BLUES

 

「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。」

恋は奇跡。愛は意思。

尾形真理子

 

恋とはさように、自己本位なものです。

(中略)見返りを求めず、相手本意なのが愛です。

美輪明宏「美輪明宏のごきげんレッスン」

 

恋は受け身 愛は自己決定 ひとり

 

愛は忍耐を伴う 向き合い続ける意志がないと大変 

愛は忍耐 恋は執着

自分自身に不足感があると恋になりやすい

自分の欠けを埋めるために相手を搾取してしまう 阿部

 

【埋める】という表現がしっくりきた

自分の想像力で相手の知らない部分を埋める

恋は想像 愛は生身 島本

 

「でも恋に落ちるというのは あくまで理不尽なものだよ。

それはなにもないところから突然やってきて、

君をとらえてしまうかもしれない。明日にでも」

「スプートニクの恋人」 村上春樹著

 

こんな人に恋させて理不尽だわ by 劇団ひとり

 

村上春樹短編集「女のいない男たち」

人妻への恋わずらいから食べ物がのどを通らなくなり死に至る

美容整形外科医の男性を描いた短編「独立器官」

彼女は「総合的な存在である」

 

〇初恋 ×初愛 〇愛と誓う ×恋を誓う 〇恋敵 ×愛敵 

〇愛欲 ×恋欲 〇恋に落ちる ×愛に落ちる 〇愛憎 ×恋憎

恋には偶然性がある 愛には持続性がある

 

阿部真央「今夜は眠るまで」

あぁ こんなのダメだって分かってはいるけど

心が「貴方しかいないんだ」と叫んでうるさいよ

あぁ 恋はいつだって甘い鎖だね

息も出来ぬほど縛られてるの まだこの手だけは離さないで

 

甘いは怖い ひとり

ラブソングの余韻 島本昔の恋を思い出せないのは今が充実している証拠 

忘れられないものもある 阿部

 

言語化のヒント

シチュエーションはフィクションを交えながら

過去に自分がかみ砕いた感情を曲に投影する

 

有島武郎 自らも女性記者との禁断の恋 恋と愛に生きた文豪

「惜しみなく愛は奪う」有島武郎著 愛のイメージを裏切る独自の表現

私の経験が私に告げるところによれば、愛は与える本能である代わりに

奪う本能であり、放射するエネルギーである代わりに吸引するエネルギーである。

 

クリエイター恋愛あるある 

人に届けるものをつくるには自分ももらわないといけない 

悪気はないけどとっている 

若い頃に結婚して離婚して同じ人ともう一回結婚した 島本

島本理生 

17歳のデビュー作「シルエット」では女子高生の不器用な恋

代表作「ナラタージュ」では忘れられない恋

21回島清恋愛文学賞受賞「Red」では主婦の禁断の愛

なぜ島本は恋愛を見つめ続けてきたのか その原点の迫る!

恋愛は作家にとして大きなテーマなのでしょうか?

人に見せない顔だったり 意外な一面や過去 立ち現れてくるのが恋愛

恋愛小説でしか見えない人間の本質 人前に見せられない姿

恋愛小説なら描ける 

 

どんな人でもエキスパートになれないのが恋愛 

恋愛作品を書く人は恋多き人? ひとり

 

一人のイメージを追い続けるタイプの人もいる

初恋や最初の恋人を創作の源にする人 シビアに観察して上書きする人 島本

 

「書くことないわ」って時に「恋しなきゃ」思っちゃいませんか ひとり

 

書くために恋したら不純 越えちゃいけない一線 

小説のネタ探しはバーで聞き込み 

飲みに行ってたまたま居合わせた常連さんお話を聞く 

婚活の話を聞いたり フラれた話を聞いたり 恋愛相談聞いたり

インスピレーションをえたりしている 島本

 

島本理生が描く切ない❝愛❞の定義

原点に立ち戻って闍いた「ノスタルジア」

「自分にとっての愛とは、指先が触れたと思った瞬間にはもう離れていて」

「はい」「なにか、一瞬の点滅のような、常に失われていく、ノスタルジア

みたいなものかもしれません」

 

清原

「優しいな」島本さんが 正解ではなく ゆとりを設けてもらっている

 

島本理生がたどりついた愛とは決めないようにしようと思っている

自分の幻想を外した現実をその都度見ていく 島本

幻想を抱いている段階だとまだ恋? ひとり

幻想や想像力に助けてもらうのが恋 島本

現実を見る勇気を持つのが愛 島本

愛までいっちゃうと相手の弱点も受け入れられる 愛おしさに変わる ひとり

手放せる強さ 愛とは手放すもの 愛は離れていく強さ 

自分の中で完結させようとする強さ 阿部

恋は相手に向かう 愛は自分の中にある 

 

恋 愛 自分なりの言葉にしてみよう

桐山照史 恋は「自分が」愛は「ゆるせるか」

清原果耶 恋な導き 愛は余白

阿部真央 恋は相手に向かい 愛は己の中に

島本理生 恋は想像力を育てて、愛は現実を育てる。

劇団ひとり 恋は花束を購入し愛は保険に加入する

2026年9月17日木曜日

Antway前島恵&旧奈良監獄&夫と書いてつま&「虫籠」

秋の朝まず吾の顔と向き合わん

PositiveSkillを持ちて天高し

いつも背に武器はPositive秋の草

秋霖や本を開きて歩む山

秋の夕体を覆うパピエ・コレ

 

MIRAI JAM Antway 代表取締役CEO 前島恵

佐々木蔵之介

出来たての味が冷蔵で!手料理サブスクスタートアップ

宅配食の常識を変える2つの画期的なシステム

メニューの数は約1000種!

手料理の定期宅配サービス ツクリオ

冷蔵で届くので温めて盛り付けるだけ

コンセプトは手間をなくす

容器に窒素を充填することで作りたての鮮度をキープ

 

社長の金言

母のお手伝いが夢のきっかけ

小学校の時に「起業家になりたい」と書いている

母の家事を手伝うようになって しんどそうな母を手伝うと

思った以上に喜んでもらえて 家事の負担を減らすと喜んでもらえる

あらゆる家庭から義務をなくす サービスの原体験に触れた

アメリカのシリコンバレーに行く機会があり

ビジネスのダイナミズムやスピード感を学んだ

このスピード・規模で実現できるビジネスの領域でチャレンジしたい

起業家の卵が集まる街で夢を膨らませる

面接で「辞めてもいいですか?」

リクルート在職時は国内最大級の「美容サロン検索・予約サービス」

の立ち上げに従事

便利だが労働環境改善までは解決できなかった

課題はリアルな領域で生まれている

大流行を生んだ光と影 

始まりは2畳のキッチン

起業した時に何のサービスをやるかは決めていなかった

背水の陣でのぞむことが重要だと まず辞めて会社を作った

最初は売れないSNSサービスを作ってしまいました

大きな反省として誰が何を困っているかを起点にしていなかった

社会に求められているものを作らないと起業ではない

失敗して気づいた原体験

自分自身も料理に携わりながらサービスを開始していった

現在は製造拠点は全国10か所 海外進出も果たす

4月からシンガポールでサービス開始

日本食のメニューをそのまま持っていっているが

現地の人にも受け入れられている 日本風インターナショナルフード

 

やる気★メシ

Antway 前島代表の❝至高の一品❞とは?

菜食美 つき朋() 東京・品川区

前島代表が創業前から通う惣菜店 ビジネスの原点の一つ

たっぷりお野菜の白和え 鳥の照り焼き

 

金言REPLAY 蔵之介に一番刺さった社長の言葉

「社会で求められているものを作らないと起業ではない」

 

■新美の巨人たち 「旧奈良監獄」

旧奈良監獄アーカイブス⇩

https://hoshinoresorts.com/nara-prison-museum/research-info/ja/architecture/architect/

設計者は山下啓次郎氏。ジャズピアニスト山下洋輔氏はは孫にあたる。

 

従来のイメージの否定

山下啓次郎氏の言葉

幽暗惨憺(ゆうあんさんたん)たる所の監獄の建築と云ふものは

今日は最早(もはや)無くなって仕舞って居る

そうして其の建築たるや総て罪人を改善させる所の目的を以て建てられて居る

 

言葉の背景と意味

従来のイメージの否定:「幽暗惨憺(薄暗く、

見るも無残で気味が悪い様子)」は、それまでの江戸時代から続く

「罪人を懲らしめるための暗く冷たい牢獄」を指しています。

近代化への転換:明治政府は不平等条約の改正に向けて、

「日本は受刑者の人権にも配慮した近代的な法治国家である」

と欧米に示す必要がありました。

改善・更生のための空間:山下は欧米の監獄を視察した上で、

「これからの監獄は、罪を悔い改めて再出発を促す

『希望の場所』でなければならない」と考え、

たっぷりと光が差し込む明るい赤レンガ造りの

監獄(明治五大監獄など)を設計しました。

 

旧奈良監獄のモチーフは「時計」

午後五時十分とは受刑者たちの夕食時間

 

山下啓次郎:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E5%95%93%E6%AC%A1%E9%83%8E

山下洋輔:

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E6%B4%8B%E8%BC%94

奈良監獄ミュージアム:

https://hoshinoresorts.com/nara-prison-museum/ja/

 

■夏井いつき俳句チャンネル

【一句一遊】お便り紹介【「夫と書いてつま?」の話】

   女性にとって夫、恋人の男性

   男性から見た女性の配偶者

   男女の区別なく夫婦、恋仲の相手

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「虫籠」

 

前回配信した「虫」は動物のジャンルだったんですが

この「虫籠」という季語はジャンルの扱いに注意が必要です。

この「虫籠」は人事の季語になっているんです。

あくまで「虫」はそこに存在している生き物であって

「虫籠」はそれを捕まえてきて飼って鑑賞して楽しむ

そういう人間の営みに根差したものである

ここに違いがあるわけなんですね

現在は「虫籠」といったら色んな所で安価にプラスチック製のものが

買えますが 昔は竹や木で作ったような「虫籠」というものも

よくありましたよね そういったものも含めて

風情のあるものとして鑑賞を楽しんでいたわけなんですねぇ

2026年9月16日水曜日

あの本、読みました? 新井素子 高梨通夫

青き空ゴミ堆積の吉野川

干潟では小さき青蟹吉野川

強き陽よ先祖見守る百日紅

鹿威し(ししおどし)余白持たせた構図かな(北斎)

秋の夕下駄弄ぶ花魁よ(北斎)

 

■あの本、読みました?

生誕百周年【星新一】ショートショートの神様の魅力大解剖

新井素子 高梨通夫 鈴木保奈美 山本倖千恵

 

作家 星新一の魅力に迫る

 

平明な文章をお書きになるし難しい言葉も使わないので

誰でも書けると思って描き始めると 難しい言葉を使わないで

お話を作るのは難しい言葉を使ってお話を作るよりも何倍も難しい 新井

 

少し前に小学生の女の子から「星さんの作品面白く読ませていただきました」

「頑張って執筆活動を続けてくださいね」 高梨

 

時代を超えて愛される理由にはある強い拘りが

 

作家 星新一(19261997)

1957SF作品「セキストラ」で作家デビュー

「ショートショート」数ページの短い文章のSF作品

ダブルミリオンセラー(200万部以上)

「ボッコちゃん」277万部 「気まぐれロボット」255万部

ミリオンセラー(100万部以上)

悪魔のいる天国 ノックの音が エヌ氏の遊園地 マイ国家

未来いそっぷ ようこそ地球さん 妄想銀行 ブランコのむこうで

宇宙のあいさつ 午後の恐竜 妖精配給会社 おせっかいな神々

声の網 地球から来た男 ちぐはぐな部品 盗賊会社

おのぞみの結末 ご依頼の件 ねらわれた星 ひとにぎりの未来

 

高身長の紳士 星新一の趣味(松田聖子・山口百恵 および芸能界好き)

 

「ボッコちゃん」の一文 星新一著/新潮文庫

「名前は」「ボッコちゃん」「としは」「まだ若いのよ」

「いくつなんだい」「まだ若いのよ」「だからさ…」「まだ若いのよ」

この店のお客は上品なのが多いので、だれも、これ以上は聞かなかった。

「きれいな服だね」「きれいな服でしょう」「なにが好きなんだい」

「なにが好きかしら」「ジンフィーズ飲むかい」「ジンフィーズ飲むわ」

酒はいくらでも飲んだ。そのうえ、酔わなかった。美人で若くて、

つんとしていて、答えがそっけない。お客は聞き伝えてこの店に集った。

 

鈴木保奈美 思い出の作品「椅子」

「ボンボンと悪夢」収録 「椅子」星新一著/新潮文庫

彼のかけている椅子。その古びた大きな椅子は、やわらかな曲線と

ふっくらした感じを持ち、あたりのみすぼらしさと奇妙な対照を

示していた。「いい椅子じゃないか」聞かずには、いられなかった。

彼はうなずき、ひじをのせる部分を目を細めてなでながら答えた。

「これはドイツに行っていた時、田舎町の古道具屋でみつけて

買ったものだけど、じつに、すわり心地がいいんだ」「ドイツというと、

きみはそこを最後に、会社をやめたのだったな。なぜ、やめたんだ。

まだ働き盛りなのに」「なぜなのか、なんだか働く気が、しなくなってね」

と答えながらも、彼は椅子にかけ満足そうだった。

 

古さを感じない理由 言葉をアップデート 流行語は一切使わない

固有名詞を使わない 

ロケット⇨宇宙船 空飛ぶ円盤⇨飛行物体 高層アパート⇨高層マンション

タバコに火をつけた⇨自分に言いきかせた

 

新井素子のオススメ「包囲」

「ボッコちゃん」収録 「包囲」星新一著/新潮文庫

「さあ言え、おれになんのうらみがあるん」私は万年筆をポケットにおさめ、

こんどは両手で相手の服のえりをつかんだ。「あなたに、

うらみなんかありません。第一、あなたと会ったこともないじゃありませんか」

「それなら、なぜ、背中を押した」まだ男が答えたがらないので、

力を加えて彼をゆすった。「たのまれたのですよ」そうか、たのまれたのか。

それなら私がこの男を知らなくても、ふしぎはなかった。

 

ショートショートを書くのが難しい

 

高梨通夫のオススメ「鏡」

「ボッコちゃん」収録 「鏡」の一文 星新一著/新潮文庫

「さあ、時間だ」彼ののぞきこんだ腕時計の長針と短針は、十二時のところで

重なりはじめた。「やっぱり本当だった」彼の低いつぶやきの通り、鏡の奥に、

小さく遠く、黒い影がにじむように浮かんだ。「やってくるぞ」

その黒い影は、一秒にひと足ずつ、並んでいる鏡を超えて、近づいてきた。

彼は聖書を開き、身がまえして待った。「あと、五つ、四つ、三つ…」

小さな悪魔は、なおも歩きつづけた。「それっ、つかまえたぞ」

 

新井素子のオススメ「声の網」の一文 星新一著/角川文庫

電話の普及はすばらしいものだった。フロリダだろうがどこだろうが、

世界中どことも一瞬のうちに連絡し、空間なるものを消してしまう。

距離がまるで無になるのだ。そしてコンピューター。

これは時間というものを消してしまう。三年前だろうが一時間前だろうが、

その記録の正確さにはなんの差もないのだ。

こんな時代になるとは、むかしの人は想像もしなかったろうな。

いや、いまだって完全に、それになれているといえるかどうか。

空間と時間とを消し、人びとは自由にそれを利用している形ではある。

しかし、ここにいる津田の目には、逆のようにも見えるのだ。

人間たちがコンピューターのために働いているかのように。

 

高梨通夫のオススメ「ボッコちゃん」収録

「おーい でてこーい」 星新一著/新潮文庫

穴は都会の住民たちに、安心感を与えた。つぎつぎと生産することばかりに

熱心で、あとしまつに頭を使うのは、だれもがいやがっていたのだ。

この問題も、穴によって、少しずつ解決していくだろうと思われた。

 

新井素子のオススメ「殿様の日」

「殿様の日」収録 「殿様の日」の一文 星新一著/新潮文庫

八時。殿さまは食事のための座敷へ移る。だが、料理がさっと

運ばれてくるわけではない。いちおう、つぎの間に控えている。

毒見役の前に運ばれ、そこで点検をうける。その係はきちんとすわり、

ひととおり箸をつけ、しかつめらしく自分の口に入れている。

たしかに口に入れたかどうか、それをみとどける小姓もそばにいる。

殿さまはそれを見ながら思う。毒見役はどんな気分であの仕事を

やっているのだろう。なにも考えず事務的にやっているのだろうな。

そのたびごとに、万一の場合を心に浮かべたりしていたら、

気が疲れてどうにもなるまい。戦場で死ぬのならはなばなしさがあるが、

毒見で倒れるのはぱっとしないな。任務をまっとうして点では同じなのに。

 

高梨通夫のオススメ「午後の恐竜」

「午後の恐竜」収録 「午後の恐竜」の一文 星新一著/新潮文庫

午後の陽ざしが傾くにつれ、恐竜の数もへり、植物のようすも変化していった。

「もう、これでおしまいなのかしら」妻に聞かれ、男は言った。

「いや、そうじゃないだろう。気温の変化のため、恐竜の時代が

終わったということなのだろうさ。ほら変な形だが、羽毛らしきものを

つけた鳥が飛んでいる。ぶかっこうで大型のリスというか、

小さな小さな鼻の短いゾウといった感じの動物が歩いている。

ホニュウ類の先祖だ。寒さにたえられる種類だよ」「あら、べつに

あたし寒くないわよ」「いや、この幻の進化のドラマ。

それが氷河期に入りかけたということさ」

 

新井素子女史にとって星新一氏は「恩人」「人生を決めてくださった方」

高梨通夫氏にとって星新一氏は「人生の友 

人生ずっと星新一氏を読み続けるんだろうな」

2026年9月15日火曜日

万平ホテル 久米権九郎&わたしの日々が、言葉になるまで 朝井リョウ・西加奈子

盆の月気絶5分が復活へ

秋出水対応急ぐ谷津(やづ)地形

地震後の家の片づけ盆休み

秋の日や命静かに腕の中

秋の声不要になった人間は?

 

■新美の巨人たち 万平ホテル・アルプス館

久米権九郎

建築物はその地にはえたものだ

即ち その土地にマッチしたものでなければならない

 

1970年代後半 ジョン・レノンは毎年家族で万平ホテルに宿泊

ジョン・レノンがロイヤルミルクティーの作り方を伝授

 

昭和30年の宿帳 三島由紀夫 「美徳のよろめき」

堀辰雄 「風立ちぬ・美しい村」

 

堀辰雄「美しい村」

誰かがピアノを稽古しているらしい音が聞こえてきた

(中略)

バッハのト短調の遁走曲(ふうぐ)らしかった(原文ママ)

 

1957年 ❝テニスコートの恋❞ 昭和天皇と美智子妃

1972年 ヘンリー・キッシンジャーと田中角栄

 

1977年から79年の間に3度万平ホテルに滞在したジョンは

仕事としての音楽からも離れ自然に囲まれた環境の中で

一目を気にすることなく散歩やサイクリング食事を楽しみ

一般人として家族と自由な時間を堪能しました

 

万平ホテル名物カクテルの名は軽井沢の夕焼け

 

■わたしの日々が、言葉になるまで 言語化力アップ!

朝井リョウ 西加奈子 莉子 高橋久美子 宇垣美里 こっちのけんと

劇団ひとり 桐山照史

 

出来事から距離をとれていることが大事 朝井

 

・オノマトペは意味と音の橋渡しをしてくれるので頼っている 高橋 

恋のオノマトペ

ことん 小川洋子

ごっとんごっとん 井伏鱒二

ふわりと思い 茨木のり子

もちゃもちゃ 寺井奈緒美

 

小野正弘

PositiveなオノマトペはNegativeなオノマトペより数が少ない

 

ふぬふぬふぬ 西

ほぬす ひとり

 

・言語化への道 ~描写力編~

目で見たものを「自分なりの言葉」で表現

 

ゴッホの「星月夜」を描写

「たゆたえども沈まず」原田マハ

明るい、どこまでも明るい夜空。

それは、朝を孕んだ夜、暁を待つ夜空だ。

地球を含む星ぼしの自転、その軌跡が白く長くうねり、

夜空にうずまく引き波を作っている。

太った三日月は煌々と赤く輝き、空を巡る星たちは、

やがて朝のヴェールの中へと引き込まれていく。

 

太宰治「彼は昔の彼ならず」

澄んだ星空の一端が 新宿辺の電燈のせいで

火事のようにあかるくなっている。

 

描写力向上のヒント

実在する地名や物を入れることで

読み手にわかりやすいイメージとして伝わる

 

風景描写のポイント

直接書かず周りのディテールを書く 高橋

 

描写力向上のヒント

周りのディテールから書いてだんだんと全体像を浮かぶ上がらせる 高橋

自分の心情を通して風景がどう見えるかを描写する 言いすぎない 西

 

尾崎放哉

花火があがる空の方が町だよ   

 

言語化のヒントSP

朝井リョウ

世の中になる言葉を借り物で使って表現している時は歯応えがない

自分自身のカロリーを使っていない感じ 自分の体に何が起きたか

言語化のヒント

自分の体で手にした言葉を使えばありきたりな

締めになったとしても自分らしい表現になる

 

言語化のヒント

町田そのこ

私が「好き」と思ったのはどこなのか 視線を流したのか

笑った所にキュンとしたのか 

言葉につまった所が可愛いと思ったのか分析します

細かくどこが私は好きなのか どこにキュンときたのか

言語化のヒント 具体性を持つ

何ページの何行目が死ぬほど泣いた それでも伝わる

 

こっちのけんと

言語化のヒント 食リポだと思う

「あなたのここがかっこよかった」じゃなくて

「あなたのかっこよさによって自分がこうなりました」

全米が泣いた 作品のことは言ってないのに 凄いんだろうなは伝わる

全米が泣いたの自分なりの言葉を作っていくといい

 

西加奈子

言語化のヒント 過去の似た経験を思い出して例えに使う

 

朝井リョウ

しょうもないことを大仰に書くのが好み

テンションは落ち着いていた方がおもしろい

西加奈子から教えてもらった言葉 画家って絵が完成した後に

遠くから見て確かめる 文章書くときも出来事から距離をとれて

いることが大事 その一生懸命ささえも笑えるくらい距離をとる

仕上げる時に出来るだけ遠くにして 物事が仕上がっているか確認する

文章も同じなのでは

 

西加奈子

エリフ・シャファク:イギリス在住のトルコ人女性作家 

多様性や女性の権利をテーマにした作品を多く執筆

 

一歩下がった方が全体が見える 

言語化のヒント

文章も物事も離れて見た方が状況を客観視できる

 

劇団ひとりは日記を30年つけているが本音をさらけ出せない

町田そのこ

すごく悲しくて気持ちが持ち上がらない時はメモ帳とかとにかく

紙を持ってきて

言語化のヒント

思いつく理由をどんどん広げていく

怒っているのか 悲しいのか 事実に傷ついているのか 分析する

今八つ当たり?無力感か?やり続けていくとこの感情に近いとか

客観的にわかるようになる

 

朝井リョウ

何を恥ずかしいと思うかは人によって違う InstagramPR投稿する方が

100倍恥ずかしい 他人が読んだら全然カッコついていない

それかっこいいと思っているんだ かっこつけていると思っている可能性もある

 

西加奈子

鏡に向かって自分に言う 

本音 言語化のヒント 嫌な感情などを鏡に映る自分に対し言う

それを褒めてあげる めちゃくちゃ自分と喋る 

 

桐山照史

書いたり言ったりして成仏させる 

2026年9月14日月曜日

兼題「蜻蛉」&テーマ「私のなかのもう一人の私」

秋の寄付詐欺師の肥やす私腹かな

秋湿り使途不明あり赤い羽根

秋黴雨テレビ募金の抜き取りが

横領や着服重ね秋渇き

中抜きされる善意の資金残暑

 

NHK俳句 兼題「蜻蛉(とんぼ)

選者:星野高士 レギュラー:松井玲奈 司会:柴田英嗣

年間テーマ「虚子の近代俳句」

 

今月は「俳句から小説へ」

此土手で追ひ剝がれしか初桜   夏目漱石

 

漱石は先に俳句の才能を評価された

夏目漱石(1867-1916) 22歳のとき 

第一高等中学校で同級生の正岡子規(1867-1902)と出会う

漱石の俳句は斬新で奇想天外 芝居がかっているのが多い 星野

この句は映像的 物語が始まるような動きを感じる 松井

自分の境涯が写生句に入っている

初桜:その年に始めてみる桜

子規は「滑稽味がある」と評価

 

挨拶や髷(まげ)の中より出る霰(あられ)   夏目漱石

霰:冬の季語 大事な集まりで挨拶したら髷から霰がポロっとこぼれた

クスッと笑ってしまう句

 

物語には緊張と緩和が大事と監督から教わった 松井

漱石の人と違った目線を子規は評価した 

しかし子規は漱石の3分の2にダメ出しをした

 

高浜虚子(1874-1959)

 

1900(明治33)年 漱石 イギリスへ留学

1902(明治35)年 子規 結核を患い死去

1903(明治36)年 漱石 イギリスから帰国

1898(明治31)年 虚子 雑誌「ホトトギス」を引き継ぐ

 

虚子が漱石に「長いもの(文章)でも書いたら?」

「吾輩は猫である」を漱石「ホトトギス」(1905(明治38)1)でデビュー

最初漱石が考えたタイトルは「猫」 高浜虚子がタイトルをつけた

それが「吾輩は猫である」 登場人物の松山弁(伊予弁)も虚子が直した

虚子は自分が小説家として売れたかった虚子

漱石の小説のお陰で「ホトトギス」は結構売れた

「小説では漱石に勝てない」と虚子も思ったかもしれない

虚子は漱石の亡くなった時、電報で弔電を送った

ワガハイノカイミヤウモナキススキカナ   高浜虚子

虚子句集で唯一カタカナだけの俳句

(吾輩の戒名も無き芒かな)

この句の季語は「ススキ」野ざらし ススキは寄る辺(よるべ)ない

戒名のない猫の生涯をススキに見立てた

 

・今週の兼題「蜻蛉(とんぼ)

とんぼ(3) とんぼう(4) 両方ともOK

とんぼは真っすぐ自由に飛ぶ 過去に戻るより未来形と思う

 

赤とんぼ夕暮れはまだ先のこと   星野高士

赤とんぼと一緒に夕暮れになるのは寂しい

夕暮れはもう少し先に延ばしたい

 

・特選三句 兼題「蜻蛉」

一席 里山へ夕日を運ぶ赤蜻蛉   村上修二

二席 蜻蛉の何も決まつてゐない貌(かお)   眩む凡(くらむぼん)

三席 彷徨へる大東京の赤とんぼ   木下風民

 

・特選句 兼題「蜻蛉」

赤蜻蛉島の灯台灯(とも)る頃   名賀孝惠

(はた)仕事終()へて蜻蛉に見送られ   新藤忠司(ただし)

とんぼうや風を探してゐて多忙   広島じょーかーず

私 集落の五軒が空き家赤蜻蛉   後藤久

とんぼうの通り過ぎたる町の午後   森山明

巡礼の先達(せんだつ)となる蜻蛉かな   榧野実(かやのみのり)

 

・松井玲奈 今月の一句

指先をかすめて蜻蛉空を継(つな)ぐ   松井玲奈

説明っぽい 文章っぽくなってる 散文 エッセイ

俳句は切れをもってきたり余韻をもたせてつなげていく

これは「継ぐ」で止まっている 星野 

添削(散文が俳句に消化できる 空間が出る)

とんぼうの指先からも空継ぐ

 

今月のポイント

「散文からも俳句に昇華させる」

 

・はみだせ!教室俳句

千葉大学教育学部付属中学校 大澤由紀先生

玉を打つリング高しや夏まひる

「し」「や」両方で切れた 「リングの高し」「リングは高し」にすると

「や」を入れなくても「高し」で切れている

 

薫風や変わる自分恐れずに

「に」を「を」に 助詞の使い方練れてくるともっと良くなる

 

俳句手帳」を持ち歩くと外の景色を見るようになった

俳句手帳で1年間に蓄積して行った時に学びの足跡が見える

色んな広がりが見られたのが意外な喜びとなった 大澤先生

 

言の葉と戯れし子ら泉湧く   大澤由紀

言葉と遊んでたくさんの感覚を磨いて アイデアが湧いて

表現する楽しみも そんな泉が湧いてくるような授業を目指しています

 

NHK短歌 テーマ「私のなかのもう一人の私」

選者:千葉聡 ゲスト:瀧波(たきなみ)ユカリ 司会:ヒコロヒー

年間テーマ「きょうの放課後 いつかの放課後」

 

我という三百六十五面体ぶんぶん分裂して飛んでゆけ

俵万智

自己肯定の歌 千葉 

力強さと優しさを感じる 瀧波

 

・入選九首 テーマ「私のなかのもう一人の私」

どしらそふぁみれどうなったっていい夜にゆっくりくだる螺旋階段

三月とあ

政治などどうでもよかったあの頃の私を守るための声帯

村崎残滓(ざんし)

三席 根っこごと掘らなかったからまたあなたの若葉だけが芽吹いてしまう

三須絵美

 パーソナルベストを超えた社会性をもって顧客の犬と接する

須山暢彦

呼ばれるは名字ばかり下の名で呼ぶ人だけが知ってる私

寺田智樹

本当はそんなに結婚したくない方の私が頼む焼酎

つきこ

プチプチの本名は気泡緩衝材(きほうかんしょうざい) わたしにも名がふたつあります

星野珠青(たまお)

一席 私 海と空たがいの青を染めあってレシピエントとドナーのように

水沢わさび

二席 ドライヤー強にしてから(もう知らない)(関係ないから)叫べ乾かせ

相内(あいうち)あみ

 

・ちばさとの放課後短歌部

瀧波ユカリさんの「私のなかのもう一人の私」

毒リンゴで握力測定してもいい白雪姫よりカラフルな私

千葉聡

心の中は自由で人に合わせすぎない

 

ちばさとの注目ポイント

意外な自分を見いだす!

 

短歌づくりのヒント

新しい言葉や表現に挑戦すると意外な自分が見いだせる

 

・瀧波ユカリさんが思いを作品にする時に心がけていることは?

最初はぼんやりとした輪郭

モヤモヤした状態を濃縮させていく

自分の言いたいことが一文まで収まったところで

4コマとかストーリーとかエッセイとか

どうやって入れていけばいいのかという作業になる

そこで初めて読者の目というものを意識する

切り詰めたものにプラスしていくという作業になっていく

足りないなって思う時 本屋さんとか自分の本棚の前に立って

適当に1冊スッと出す そこに足りない要素を補うようなことが

書かれてあったりする 

自分では思いつかなかった要素がポッと入ってきてカチっと噛み合う

 

いわゆる「誤配」思いかけずに本に出会うとか文章に出会うって

最近ない ヒコロヒー

ヒントをもらった 千葉

 

・いちご摘み

穴のあいたカーテンを買い替えるとき人生が始まったとおもう

山中千瀬(ちせ)(好きな歌人 寺山修司)

その街のはじまりの名はおしよせる潮のひびきのただそれだけの

佐々木朔(さく)(好きな歌人 山中智恵子)

 

摘んだのははじまり 街が始まったのは遠い記憶

 

朗読をかさねやがては天国の話し言葉に至るのだろう

「往信」書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)

 

短歌やってると周りの人とかも 

就職なんて別にいいやとなりがちというか

裏を返せば視野が狭いみたいな感じの 自分だったらもしかしたら

なってたかもなと思うところはあるので そういう意味では

この人生で良かったのかなと思っています

これはもっといろんな人の人生というか 無数のこの世にある人生が

始まるみたいなイメージも膨らんでくる

家を出てひたすら歩いてみたり 来たバスに乗ってみたりして

 

収録歌より

はるのゆめはきみのさめないゆめだからかなうまでぼくもとなりでねむる

いちめんに銀杏つぶれラブコメの最後はかならずラブが勝つこと

関係を名づければもうぼくたちの手からこぼれてゆく鳳仙花

にしんそばと思った幟はうどん・そば 失われたにしんそばを求めて

香港の十分おきに雨が降る映画のなかの雨の香港

参照:https://www.kankanbou.com/books/tanka/0666