2026年9月2日水曜日

100分de名著 ブルトン❝シュルレアリスム宣言❞③

秋の潮一人興じるPlayかな

無限に変化成長を遂ぐ秋気

単純な世界から複雑な秋

複雑で不確実シンプルな秋

流れ星日に日に髪の薄くなり

 

100de名著 ブルトン❝シュルレアリスム宣言❞③異質なものを並置せよ

伊東順二 松尾スズキ 伊集院光 阿部みちこ

 

解剖台の上でのミシンと雨傘の偶然の出会いのように美しい

二つの項のいわば偶然の接近から、ある特定の光、イメージの光が

ほとばしったのであり、私たちは、これに対して、

これに対してかぎりなく敏感なところを見せている。

 

これこそシュルレアリスムの究極の表現手法デペイズマン

デペイズマン:位置転換

物と物が組み合わされないような順番で出てきて

それが一緒にあることによって 違った感覚が生まれる

 

シュルレアリストたちのバイブル 

散文詩集「マルドロールの歌」から一文

解剖台の上でのミシンと雨傘の偶然の出会いのように美しい

普通は解剖台の上には「メス」と「チューブ」

「ミシン」と「雨傘」になるからおかしい

そこにあり得ないものが一緒にあることによって

「知る」「感じる」ということを自分の中で活性化していく

一つ一つのイメージはできるが一緒になると不気味な感じがする

あるべき所にない あるべき物がない 自分は常に常識に

とらわれていることを感じさせる 違和感が日常的に生まれてくると

何か新しい感覚を手に入れることができる

違和感が日常的に生まれてくれと何か新しい感覚を手に入れることができる

散文詩集「マルドロールの歌」

主人公が好きな10代の少年 その彼の姿が「例えようもなく美しい」

 

小さく赤く美しいリンゴ⇔黒く長い髪の恐ろしい貞子

「シュルレアリスム宣言」巌谷國士訳

イメージは精神の純粋な創造物である。

それは直喩から生まれることはできず、

多かれ少なかれたがいにへだたった二つの現実の接近から生まれる。

接近する二つの現実の関係が遠く、しかも適切であればあるほど、

イメージはいっそう強まりーいっそう感動の力と

詩的現実性を持つようになるだろう」

イメージの価値は、得られた閃光の美しさにかかっており、

したがって、二つの伝導体間の電位差の関数なのである。

それらのイメージにはこばれて、精神は先へ進んでゆく。

これこそは夜のなかでもいちばん美しい夜、稲妻たちの夜であり、

これにくらべれば昼のほうが闇夜である。

「シャンパンのルビー。」

「教会が鐘のように炸裂しながらそびえていた。」

「ローズ・セラヴィの眠りのなかには、井戸から出てきた

ひとりの小人がいて、夜になるとパンを食べにやってくる。」

「橋の上で雌猫の頭をした露が身をゆすっていた。」

「燃えさかる森のなかで、ライオンたちは涼しげだった。」

 

「不可思議はつねに美しい、どのような不可思議も美しい、

それどころか不可思議のほかに美しいものはない。

 

意図せぬ偶然 最高のものは偶然から出てくる 

行為を起こすことが大事

 

デペイズマンと俳句

二物衝撃

季語となる主なイメージに無関係な事物のイメージを組み合わせる手法

「取り合わせ」ともいう

「閑(しずけ)さや岩にしみ入る蝉の声」松尾芭蕉

読んでみると素晴らしいと感じるのが人間の可能性

 

Japonisme 日本趣味・文化の流行

浮世絵と同じように俳句も紹介されていた

ブルトンは俳句を学び 芭蕉に惹かれていたようです

ブルトンが感動した逸話 お気に入りのエピソード

弟子の宝井其角(きかく)が「いい句ができた見てください」

「赤とんぼ羽をとったら唐がらし」宝井其角

「唐がらし羽をつけたら赤とんぼ」松尾芭蕉

 

ルネ・マグリット(18981967)

「これはパイプのイメージ」よって「これはパイプではない」

常識を疑え

マルセル・デュシャン(18871968)

 

デペイズマンと芸術作品

マグリット自身は一般的な人物

日用品はすべてアートになりうる なぜなら芸術だと作家がみているから

作品は撤去された 

デュシャンの行動はきっかけであってすべてではない 

人々が何が芸術か自問自答することが大事

理解を求めていない 考えてもらう 一緒に考えようと云うような芸術

そうすることで すべての分野は繋がる

 

デペイズマンに挑戦!

「優美なる死骸」

複数人で互いに隠して文章や単語をかいてできたものを繋げる

「優美なる死骸は飲むだろう、新しい酒を」

 

こんなふうに実例を ふやしてゆけるだろう。

演劇も、哲学も、科学も、批評も、さらにそこから

利益を得ることができるだろう。

いそいでつけくわえておくが、将来におけるシュルレアリスムの

技法など、私にはどうでもいいことなのである。

私にとって はるかに重大に思われるものは、

すでにじゅうぶん おわかりいただいているように、

シュルレアリスムの行動の適用ということである。

 

ブルトンが目指したもの

最初の目的は悲惨な戦争を起こした社会や近代への抵抗

芸術とはもっとすごいものだ ということを言いたい

芸術は人間の生き方を問う

作家の生き方 それに感動した人の生き方 そのすべてを問う 

2026年9月1日火曜日

こころの時代 宮沢賢治⑥

藤原?麻生?秋の企み錯誤!

国勢(総務省)のスパムメールや秋黴雨(ついり)

午後三時愛でたき秋のお薄かな

こんもりと泡点てました秋茶碗

秋澄むや重さの先の軽さかな

 

■こころの時代 宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる⑥「デクノボー」として生きる

 

方十里 稗貫のみかも 稲熟れて み祭三日 そらはれわたる

病喩ゑにも朽ちん いのちなり みのりに棄てば うれしからまし

 

「雨ニモマケズ」

雨ニモマケズ

風ニモマケズ

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク

決シテ瞋ラズ

イツモシヅカニワラッテヰル

一日ニ玄米四合ト

味噌ト少シノ野菜ヲタベ

アラユルコトヲ

ジブンヲカンジョウニ入レズニ

ヨクミキキシワカリ

ソシテワスレズ

野原ノ松ノ林ノ※(「「蔭」の「陰のつくり」に代えて「人がしら/髟のへん」、第4水準2-86-78)

小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ

東ニ病気ノコドモアレバ

行ッテ看病シテヤリ

西ニツカレタ母アレバ

行ッテソノ稲ノ朿ヲ[#「朿ヲ」はママ]負ヒ

南ニ死ニサウナ人アレバ

行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ

北ニケンクヮヤソショウガアレバ

ツマラナイカラヤメロトイヒ

ヒドリノトキハナミダヲナガシ

サムサノナツハオロオロアルキ

ミンナニデクノボートヨバレ

ホメラレモセズ

クニモサレズ

サウイフモノニ

ワタシハナリタイ

 

南無無辺行菩薩

南無上行菩薩

南無多宝如来

南無妙法蓮華経

南無釈迦牟尼仏

南無浄行菩薩

南無安立行菩薩

 

宮澤清六「兄のトランク」

賢治が心配したのは、肥料の注文が無くなる冬の間の工場経営のことであった。

そこでその年の九月には、石灰岩とセメントで大理石のような感じのタイルを

花巻でつくらせて、その見本をトランクにつめて上京した。

病後でもあり、あまり重いものを持って、上京するのはあぶないと、家中で

心配して引きとめたが、工場としてもどうしても上京しなければ

ならないと言って出かけたのであった。

そして東京の駿河台の八幡館という宿で高熱を出して臥床してしまった。

そこでもう死ぬ覚悟をきめて、両親と私共に宛てて遺言状を書いたのであったが、

奇しくもそれは二年後に死んだ月日と同じ九月二十一日であった。

 

父上様 母上様

この一生の間 どこのどんな子供も 受けなうやうな厚いご恩をいただきながら、

いつも我儘でお心に背き、たうたうこんなことになりました。

今生で万分の一もついにお返しできませんでした。

ご恩はきっと次の生 又 その次の生で ご報じいたしたいと

それのみを念願いたします。

どうか信仰というのではなくも お題目で私をお呼び出しください。

そのお題目で 絶えずお詫び申しあげ お答ヘいたします。

清六様

たうたう一生なにひとつお役に立てず ご心配ご迷惑ばかり

掛けてしまひました。どうかこの我儘者をお赦しください。

 

カノ肺炎ノ虫ノ息ヲオモヘ 汝ニ恰モ相当スルハ タダ カノ状態ノミ

他ハミナ過分ノ恩恵ト知レ

快楽もほしからず 名もほしからず いまはただ

下賤の廃駆を法華経に捧げ奉りて 一塵をも点じ 許されては

父母の下僕となりて その億千の恩にも酬へ得ん

病苦必死のねがひ この外になし

凡ソ 榮譽ノ アルトコロ 必ズ 苦禍ノ 因アリト 知レ

窮すれば通ず 窮すれば通ず さりながら こころひとつぞ 頼みなりけり

 

筆ヲトルヤ マヅ道場観奉請ヲ行ヒ 所縁仏意ニ契フヲ念ジ 

然ル後ニ全力之ニ従フベシ

断ジテ教化ノ考タルベカラズ!タゞ純真ニ法楽スベシ。

タノム所オノレガ小才ニ非レ。タゞ諸仏菩薩ノ冥助ニヨレ。

 

當に知るべし 是の處は 即ち是道場なり 諸佛 此に於いて 三菩提を得

諸佛 此に於いて 法輪に轉じ 諸仏 此に於いて 般涅槃したまふ

 

あるひは瓦石 さてはまた 刀杖もって追れども 

見よ その四衆に具はれる 佛性なべて 拝をなす 不軽菩薩 

 

我深敬汝等 不敢軽慢 所以者何 汝等皆行 菩薩道 当得作仏

而是比丘 不専読誦経典 但行礼拝 乃至遠見四衆 

亦復故住 礼拝讃歎 而作是言

四衆之中 心不浄者 悪口罵詈言 我等不用 

如是虚妄授記 常燈被罵詈 不正瞋恚 常作是言

衆人或以 杖木瓦石 而打擲之 避走遠住 猶高声唱言 

我不敢軽於汝等 汝等皆当作仏

 

宮澤清六「兄のトランク」

あまり苦しそうなので、私はその晩二階の兄のそばで、

寝むことにしたのだが、「今夜の電燈は暗いなあ。」と言ったり、

「この原稿はみなおまえにやるから、若し小さな本屋からでも

出し度いところがあったら発表してもいい。」

と言ったり、悲しいことを話したのであった。

翌日の二十一日の昼ちかく、二階で「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経」

という高い兄の声がするので、家中の人たちが驚いて二階に集まると、

喀血して顔は青ざめていたが合掌してお題目をとなえていた。

父は「遺言することはないか。」と言い、賢治は方言で

「国訳妙法蓮華経を一千部おつくり下さい。表紙は朱色、

お経のうしろには「私の生涯の仕事はこの経をあなたの手もとに届け、

そして其中にある仏意に触れて、あなたが無上道に入られますことを。」

ということを書いて知己の方々にあげて下さい。」と言った。

父はその通りに紙に書いて それを読んで聞かせてから

「お前も大した偉いものだ。後は何も言うことはないか。」と聞き、

兄は「後はまた起きてから書きます。」といってから、

私どもの方を向いて 「おれもとうとうお父さんにほめられた。」と

うれしそうに笑ったのであった。

 

私がいまも見えるようなのは、八月になると「困ったなあ。

日が出ないかなあ。暑くならないかなあ。」といっていた兄の顔である。

開花期に、寒かったり雨ばかり続けば、必ず不作となるので、

「サムサノ夏ハオロオロアルキ」という言葉そのままのように

兄は見えたのであった。

私は永い間兄の傍にいて、ある人には立派な資格だと言われ、

或る人々にはどうしても理解されないで、

この世ではまことに不幸でもあったこの持って生まれた性格を

弟として何とも出来ず全く気の毒でしかたなかったのである。

しかし賢治の性格も生涯も、他からの批判や同情などと

全然無縁の、そうしか出来得ない必然的な事実であり、

結果でもあったと思う。

私の気がかりになるのは、兄が遺言した後で父の問いに答えた言葉である。

「それはいずれ後でまた起きて詳しく書きます。」その言葉についてである。

私にはあのときの兄の目の色などから考えあわせると、

あの言葉にはもっと深い意味が籠められていたように思われ、

賢治の将来への悲願とか誓願が籠められていると考えていいと思うのである。

「また起きて」という言葉の奥には「また生まれ変わって」

という意味があるように私には思われ、

もう案外賢治はあこがれの土地に生まれ変わって、

「また起きて詳しく書きます。」という言葉を実行に

移しているのではないかと、子供の考えるようなことを思うのである。

2026年8月31日月曜日

村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 東福寺

秋の朝水筒抱え買い物へ

さぎそうへ微笑みかける秋の陽よ

日々日焼ブルーベリーの収穫よ

誤魔化せぬ子どもの心良夜

トランプと高市等価秋の声

 

■村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 東福寺

村雨辰剛

京都屈指の紅葉の名所 東福寺 京都市東山区 国宝三門 京都五山の一つ

独創的で謎めいた庭園 東福寺本坊庭園 八相(はっそう)の庭

       南庭⑤京都五山

東庭⑦北斗七星   方丈     西庭③三尊石

       北庭⑤隠れ市松(五石)

東西南北に配置された四つの庭

昭和を代表する作庭家 重森三玲(みれい) が作庭

三玲にとっての庭園はモダンアート 芸術というイメージで捉えていた

隠されたさまざまな謎 四庭に隠された数字

 

作庭家 重森千靑(重森三玲の孫)

 

本坊庭園を読み解く鍵となるのはー

数字にこだわった 仏教や神道における重要な数字

隠された数字を読み解くと庭園の意味が浮かび上がる

 

南庭 重森三玲 独自の石組み 横石は約6m

 

たしなみポイント

視点によって石の表情が変わる 正面から見ると堂々とした印象

横から見ると立石が鋭利な印象

重森三玲は学生の頃 日本画を勉強していた 

キュビズム:パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックが提唱した

複数の視点を一枚の絵に集約する美術表現 庭園はキュビズムである

 

たしなみポイント

独自の石組みは抽象画の影響

 

重森三玲は画家のジャン=フランソワ・ミレーに影響を受けて

戸籍から改名した

重森三玲は1936年から3年間 全国の庭園200以上を実測調査した

実測調査によって職人の経験と勘を図面に落とし込む

日本庭園の基礎を知ったうえで西洋絵画の手法を取り入れる

日本画 茶道 生花など 日本の伝統文化に精通していた

彫刻家イサム・ノグチも石の選び方を教わっていた

重森三玲の荒々しい砂紋を再現

四つの神仙島(仙人の住む島)を表現

仙人の島には簡単に立ち寄れない荒波で表現

苔の山は京都五山を表現 京都五山の「五」が謎の数字

大和さ門を仕切るように直線が横切っている

庭園がまだ続くことを示唆する導線としての直線

 

たしなみポイント

斜めの直線が鑑賞者の視点を誘導

 

西庭 田園風景を市松模様で表現「井田(せいでん)の庭」

本坊内の廃材を使い切るという作庭の条件があった 

廃材の再利用が作庭条件

(かずら)石:社寺などの土台に使われている石 

皐月 白川砂で大市松模様

 

たしなみポイント

市松模様は廃材利用から生まれた意匠

 

本坊庭園 西庭の三尊石:三尊仏に見えることから三尊石と呼ばれている

絵画の「遠近法」を利用 

三尊石の「三」が隠された数字として重要

三尊石の「三」が謎の数字

 

斜めの直線が引かれているように皐月も切れている

皐月で表現されている斜めの直線は導線的役割

 

北庭

市松模様がだんだん消えている? 次第にまばらになり薄くなっていく

絵画のぼかし表現を庭園の中に取り込んだ

 

たしなみポイント

消えていく市松模様は絵画のぼかし表現

参照:長谷川等伯「松林図屏風」

隠れ市松の「五」が謎の数字

 

東庭

北斗七星をモチーフに東庭全体で宇宙を表現

東司(とうす):日本で現存する最古かつ最大級の禅宗式お手洗い

 

たしなみポイント

北斗七星の円柱は東司の廃材

 

作庭記:平安時代に書かれた日本最古の庭園書

北斗七星は天のひしゃくと言われている

ひしゃく:あまねく人を救う

 

七五三は縁起の良い数字 南周りでも北回りでも「七五三」を表現

「七五三」を足した 十五は「完全」を表す数字

 

本坊庭園は八相の庭と呼ばれていた

四庭の中にデザイン要素が八つある

南庭の四つの神仙島と京都五山⑤ 西庭の大市松模様⑥

北庭の小市松模様⑦ 東庭の北斗七星⑧

八つのデザインと「釈迦八相成道(しゃかはっそうじょうどう)」を繋げて命名

 

「八つの意匠」と「釈迦八相成道」を重ねて「八相の庭」と命名

2026年8月30日日曜日

あの本、読みました?原田ひ香

幾重にも着馴れた重ね秋うらら

手仕事よ人の気配よ椋鳥よ

秋の夕手仕事並べ気忙しく

手仕事たちに力いただく夜長

手仕事よ思いのままに秋の星

 

■あの本、読みました?人生を豊かにしてくれる本を特集!お金&美味しそう?

原田ひ香 鈴木保奈美 山本倖千恵

 

「三千円の使いかた」「財布は踊る」「ランチ酒」

「はじまらないティータイム」「#台所のあるところ」原田ひ香著

今の時代を豊かに生きる考え方を紐解く

 

「三千円の使いかた」の一文 原田ひ香著/中公文庫

「美帆はいったい、いくらあるのよ貯金」

「…三十万…くらい?」

「え!?それだけ?」

真帆はまじまじと美帆の顔を見た。

「じゃあ、根本的な改革が必要ね。固定費を見直したら?

 出て行くお金をセーブするの」

「固定費?」

「家賃とかスマホ代とか絶対にかかるお金のこと」

「でも、文字通り固定費だから変えられないじゃん」

「食費や電気代を見直したってたかが知れてるのよ。

 固定費をまず削って、節約するのが一番簡単」うーん、と考えてしまう。

(中略)

「じゃあ、まず、一日百円貯めてみよう」

「百円て…」

なんかちょっとバカにされたような気がした。

あんたにはそれくらいがお似合いよ、と言われたような。

「百円なら、ちょっとしたお茶代とか

コンビニのスイーツとかで節約できるでしょ?

 一ヶ月貯めたら三千円じゃない?それを月々、

投資信託にいれてみるのは?」

「投資信託。それ、銀行でするの?」

「銀行でもできるけど、証券会社に口座作りなさい。

インデックス型のできるだけ

 手数料がかからないのがいいわね。三千円できたら持ってきなさいよ。

 教えてあげるから。あ、証券口座を開く前にも相談して。

 紹介したら、紹介料くれるところあるから」

 

お金の話を書いた❝小説❞ お金は幸せになるための道具

 

「#台所のあるところ」原田ひ香著 作品誕生のきっかけは?

冷蔵庫は人を表す BSは全国どこでも

同じ時間に放送しているのでBSを選んだ

ドラマのタイトルに「#」をつけてSNSで感想を共有するのが作品の象徴

自分も#をつけて呟きながらテレビを観る?リアルな料理描写

 

「#台所のあるところ」の一文 原田ひ香著/文藝春秋

ゴミ出しを終えると、テレビをつけて

朝のニュースを観ながら自分の朝ご飯を作る。

バターを塗ったトースト、コーヒー、フルーツ、ヨーグルトなどの

組み合わせが一番多いが、時にはその日の気分でご飯と味噌汁、

納豆の和食にしてみたり、目玉焼きとベーコンを焼いてみたり、

ピザトーストやサンドイッチを作ったり、いろいろやっている。

(中略)

溶けかかったパンを出してトーストし、

卵とハムを焼いて中濃ソースをかけて食べた。

敦子は目玉焼きに、ご飯に合わせる時は、醤油を、

パンに合わせる時はソースをかける。

冷蔵庫に入れていたコーヒー豆を出して少し丁寧に淹れた。

 

「料理なんかしないから、いいじゃないか。俺はこれ食べるし」

彼は完全栄養食と銘打った。パンのようなものをほとんど毎食食べている。

(中略)

蓮は確かに家事や料理を強要したりしない。だけど帰宅した時、

陽愛乃が料理をした痕跡が残っていて、

自分の分がないと露骨に嫌な顔をする。

(中略)

「…もう風呂入って寝るわ。身体の調子が悪いし。仕事で疲れたし。

 こっちは九時五時で終わる仕事じゃないんでね」

私だって…言い返したくなったが、もう無駄な気がして口を閉じた。

蓮は風呂に入って寝てしまった。ドラマが終わったあと、陽愛乃が

風呂に入ってキッチンを見たら、余分に作ってあったパスタは

残らず食べられていた。

蓮のために残しておいたからいいのだが、トマト色に汚れた皿と

フライパンだけが乱暴に置かれているのを見て、ため息が出た。

 

人生を豊かにする3つの考え方

   ちょっとだけ変化させる

   自炊は副業

   いい加減でいい

 

    

会社の仕事でたまたま商店街の中を歩いていると、

「保険診断(無料)」と書いてある紙が貼ってある小さな店…

というより事務所のようなものがあった。

(中略)

なぜ、そこが陽愛乃が立ち止まってしまったかというと、

「投信」と書いてあったことが理由かもしれない。

たまたま、前日に、今付き合っていて同性までしている彼、中原蓮と

投資について話しており、蓮が勧める「レバナス」「FANG+」と

いった銘柄が本当に正しいのか、誰かに相談したい気持ちがあったのだ。

(中略)

「ご相談ですか」「いえ、あの」その時、

自動ドアがゆっくりと閉まっていった。

いいえ、と首を振って去ればそこで終わりのはずだったのに、

なぜか陽愛乃はぴょんと足を踏み入れて、

閉まる寸前のドアの中へ入ってしまった。

普段なら、絶対に入るはずのない、ちょっと怪しげな店の中に。

 

・本好きさんと本屋さんぽ

今回のテーマは「美味しそうな本」

 

BUTTER」柚木麻子著/川出文庫

「キャベツ炒めに捧ぐ」井上荒野著/角川春樹事務所

 黒荒野:人間関係のグロテスクさを描く

 白荒野:穏やかな日常を描く

「なにたべた?」伊藤比呂美・枝元なほみ著/中公文庫

 

料理エッセイ

「料理上手の頭ん中のぞいてみました!」池田暁子著/扶桑社

「そこに定食屋があるかぎり」大平一枝著/難波雄史写真/扶桑社

「ふたたび歩き出すとき 東京の台所」大平一枝著/毎日新聞出版

 

料理本コーナー

「シンプルだから悩まない!ワンパターン献立」長谷川あかり著/ダイヤモンド社

「仕事終わりの20分フランスごはん 一流シェフの、おうちワンプレート」

中村和成著/KADOKAWA

 

👑2人が読みたくなった一冊

原田ひ香選

「あたらしいきほんの料理」長谷川あかり著/オレンジページ

 

鈴木保奈美選

「なにたべた?」伊藤比呂美・枝元なほみ著/中公文庫 往復書簡

2026年8月29日土曜日

大好きな芸能人で一句&今敏&葛飾北斎&「新豆腐」

終わらないトラブルはない秋の声

大きい絵ほど理解されない秋気

ここかしこフレネミーをり月の暈(かさ)

黒沢(くろぞう)を舞うように咲く鷺草よ

天高し喋る、食べると調べると

 

■プレバト纏め 2026827

「大好きな芸能人」で一句

『チーム特待生』VS『チーム名人』俳句団体戦

<チーム名人> 

梅沢富美男 千原ジュニア 村上健志 中田喜子

<チーム特待生>

Aマッソ・加納 三宅香帆 安藤和津 矢柴俊博

 

合評:自分の句をより良くするための議論

 

安藤和津 好きな人は緒形拳

76点 ロケ待ちの無骨なる手にチョコアイス

村上健志 好きな人はピース又吉

72点 一頁目に戻る読後や夜長

添削 読後の火花一頁目に戻る夜長

 

矢柴俊博 好きな人は志尊淳

73点 俳優(わざおぎ)の黙してなおも秋澄めり

添削 俳優の黙せる背筋秋澄めり

   俳優の黙せる息よ秋澄めり

梅沢富美男 好きな人は研ナオコ

71点 真風(まじ)のごとため息は歌ナオコ節

(真風のごと:夏の季語 ナオコ節は無粋!)

添削 真風の日の鴎(かもめ)ため息は歌に

 

三宅香帆 好きな人永野

72点 青シャツの長髪毒舌星涼し

(作品としての詩的な奥行きがない)

千原ジュニア 好きな人は斉藤和義

79点 物腰の柔し歌うたいの晩夏

 

Aマッソ・加納 好きな人は前田敦子

71点 追憶のカチューシャの君雲の峰

(君と書けば追憶と書かなくても十二分に伝わる)

センターはカチューシャの君雲の峰

中田喜子 好きな人は渡哲也

75点 (渡哲也様へ)新春一献軍団の要なり

(前書きで相手を明示した俳句 前書きとして外にお名前を書く)

 

・清水麻椰チャレンジ

「大好きな芸能人」で一句 浜田雅功へ

五万人沸かす薫風のアマジャンよ

 

■あの人に会いたい 今敏(漫画家・アニメーション監督)

今敏(1963-2010)

「これはもう傑作になる 誰も見たことのない最高傑作だ」

「やっと出会える」と思って始めるんだけれど

作りながら自分も成長するわけです

そうすると最初に思った最高傑作のイメージは

成長した自分がまた考えると

最高傑作が遠くに行ってしまうんです

それはきっと生き方も同じでね

こういうふうな自分になれたらなと

思いつつも ちょっと成長した頭で考えれば

昨日までの理想というのは 

実はね 今日の理想ではないんだよ

追いつくか追いつかないかじゃなくて

追いつこうとする たどりつこうとする

態度が大事であると 

 

■新美の巨人たち 葛飾北斎

「富嶽百景 初編」跋文

私は6歳から物の形を写生する癖があり

50歳の頃から数々の画図を本格的に発表してきたが

70歳以前に描いたものは実に取るに足らないものばかり

 

80歳でますます向上し 90歳になれば さらにその奥義を極めて

 

天があと10年 いや あと5年の命をくれたなら本物の絵師になれるのに

 

享年90

東京・元浅草「誓教寺」

 

葛飾北斎作「雪中美人図」

たをやまの(手弱女) あたたかさうに 見えたるは

空にしられぬ 雪のはたえ歟

 

引っ越し 93回 改名 約30

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「新豆腐」

 

もう現代ではスーパ-に行ったらいついかなる時でも

豆腐というものは並んでいるわけですけども

此の「新豆腐」は秋の季語になってきます

その年に収穫した新しい大豆を使って作られた豆腐

新しい大豆だけで作ったものが「新豆腐」と言われているようです

水分が多くて固めにくいといったような特徴もあるようです

歳時記を見てみるとお豆腐の綺麗さだけでなくって

そこに使われた水のことも詠み込んだ例句が沢山みられています

「新豆腐」の新の一文字この新しいという

ここの力がポイントになってくる季語かなあと思います