雨上がり陽光受くる燕子花(かきつばた)
燕子花薄紫の水辺かな
映り込む大泉水へ夏の雲
そそり立つ大泉水の巨石かな
色調を浮かび上げます石洗い
■100分de名著 ディケンズ❝大いなる遺産❞②立身出世の物語?
チャールズ・ディケンズ(1812-70)
河野真太郎 伊集院光 阿部みちこ
「ほんの最近まで、僕は鍛冶屋の徒弟だった。
じゃあ、いったい今の僕は何なんだろう?」
主人公ピップ 姉 姉の夫ジョー エステラ ミス・ハヴィシャム
われわれの町から都までは約5時間の旅だった。(略)
当時すべての英国民は、わが国こそが世界一であり、わが国が世界一のものを
何でも持っているということを疑うのは反逆罪に相当する、と思い込んでいた。
でなかったら、巨大なロンドンを前にして怖くなった時、私はこの都市は
かなり醜く、歪んで、狭苦しく、不潔だと考えたかもしれない。
「ロンドンでは普通ナイフは口に持ってこないんだよ
ー事故が起こるといけないからーで、口に持ってくるのは
フォークなんだけど、これは必要以上に奥深く入れないこと。
取り立てて言うほどでもないけど、まあ、ほかの人たちのやり方に
ならう方がいいだろう?」
私は礼を言い、謝った。彼はいいんだよと答えて話を続けた。
Gentleman:生まれながらにして上流階級の男性
Gentlemanの新しい定義:深い学問による教養 上品さ 立派な人間性
サミュエル・スマイルズ「自助論」(竹内均訳)
「天は自ら助くる者を助く」(略)
外部からの援助は人間を弱くする。
自分で自分を助けようとする精神こそ、
その人間をいつまでも励まし元気づける。
人のために良かれと思って援助の手を差し伸べても、
相手はかえって自立の気持ちを失い、その必要性をも忘れるだろう。
自分で努力をする それによって成長し階級を上げる
現代に通ずる能力主義社会 メリト
クラシー(業績・能力)(体制)
個人同士が競い合うような社会
「俺とお前はロンドンで一緒にいるようにはできてない。
俺たちだけで、俺たちになじみの、俺たちが友達で
いられる場所じゃないとだめなんだ。
変に威張ってるわけじゃないぞ。俺はただ、まともでありたいだけだ。
(ピップに対するジョーの警告の言葉)
「お前が俺に会いたいと思うんなら、田舎にやってきて鍛冶場の窓から
覗き込んで、鍛冶屋のジョーがいつもの焼け焦げたエプロンを着て、
いつもの鉄(かな)床で、いつもの仕事をしているのを見ておくれー
そしたら、俺ももつとはまともな姿をしているはずだ」
「エステラを養女にしたのは あの子が人に愛されるため。
愛されるために彼女を育て、教育を与えた。愛されるために
今日の姿にまで作り上げたのよ。彼女を愛しなさい!」
本来のコミュニティと階級上昇
遺産相続プロット
自分のコミュニティから脱して上を目指すしか手段のない人たちもいる
社会全体にあったジレンマを悲劇として描こうとした
「ああ、ピップ。俺はお前をGentlemanにしてやった!俺がやったんだ!
俺はひどい暮らしをした。それはお前が楽な暮らしをするためだった。(略)
こんな話をするのはお前に恩を売るためか?いや、とんでもねぇ。
お前が命を助けてくれた あの追いつめられた犬ころがGentlemanを
作り上げようと胸を張って頑張ったってことを知ってもらいたいからだー
そのGentlemanがお前なんだよ、ピップ!」
ミス・ハヴィシャムが私のために考えてくれていた計画など、
ただの夢にすぎなかった。エステラと私を結婚させる予定など
存在しない。(略)都合よく利用されていただけだった。
それが最初に感じた痛みだった。
しかし、もっと深刻で強烈な痛みは、囚人のために
ジョーを見捨てたという意識だったー
階級上昇に目がくらんで自分の所属先を失ってしまったと気づく
遺産の背景にあるもの
オーストラリアでは1850年代からゴールドラッシュ
移民が流入した
19世紀の繁栄は国内の自助努力だけによるものではない
植民地の搾取によって支えられていた
アンダークラス(社会の外側の存在)