2026年5月21日木曜日

わたしの日々が、言葉になるまで こっちのけんと&綿矢りさ

夏の朝体操になるシモエナガ

夏の陽や蜆獲れたよ吉野川

保護されたアオウミガメよさようなら

迷ったら難しき道夏の星

夏の月AI作と疑われ

 

■わたしの日々が、言葉になるまで❝怒り❞を言葉にしてみると

怒りそれは時代と共に形を変える

杏 こっちのけんと 綿矢りさ 桐山照史 劇団ひとり 

 

叱るは俯瞰している自分がいる 怒りの方は感情的 ひとり

そりゃ怒るよ人間だもの 杏

コミュニケーションが取れないことへの怒りでなんでやねん けんと

後からふつふつと怒り始めて小説に書くタイプ 

ちょっと陰湿かも知れない りさ

ためて昇華させる ひとり

 

今と昔では変わる 怒りを表す言葉 

時代と共に変化した怒りの表現の紹介

昭和後半 プッツン 平成前半 キレる 平成後半 激おこぷんぷん丸

令和 ピキる 

 

けんと

Z世代は常にインカメで自分を見ている

怒っている状態を俯瞰で見ているのがピキる

オレまだキレてないけどピキっているからな

ピキる:コントロールができている

みんなSNSをしているからこそ観察されている感覚

他人を見るように自分を見ている

怒っている状態をカッコ悪いと思っている

 

大正時代を生きたあの詩人は「怒り」をどう表現したのか❓

無視無欲を説いた「雨ニモマケズ」宮沢賢治

知られざる一面がわかる手紙

突然ですが。私なんかこのごろは毎日ブリブリ憤ってばかりゐます。

(中略)机へ座って誰かの物を言ふのを思ひだしながら急に身体全体で

机をなぐりつけさうになります。

いかりは赤く見えます。あまり強いときはいかりの光が

(しげ)くなって却(かえ)って水の様に感ぜられます。

遂には真青(まっさお)に見えます。

―宮沢賢治の手紙(大正9)

 

「滋く(しげく)」とは、霧などの濃度が濃い様子のこと。

「風の又三郎」など宮沢賢治の作品で「滋く」はよく使われる

 

怒っている時の色を表現したことない 

ないけど怒っていることがわかる 

青まで行くと血がひいた感じ 桐山

炎も最初は揺らめいていて赤い 

さらに高温に青くなると揺らめきもなくなる 杏

絵本に出てくる鬼とかも赤とか青だったりする

鬼のイメージに寄せられる けんと

 

VTRで紹介した手紙の枠外には「いかりは智慧にみちびか()るべし」とあり

いかりがちだった宮沢賢治は、怒りに支配されるのではなく、

怒りをより良い方向へ昇華していくべきだと思っていた

 

怒りはコントロールするべき源 杏

 

雨ニモマケズ

風ニモマケズ

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク

決シテ瞋ラズ

イツモシヅカニワラッテヰル

 

綿矢りさ「インストール」河出書房新社

まだ怒っている強い瞳の光、まぶしすぎて目を細めるが

そらさずに、なんとか見つめ返す。

 

怒っている人のパワーは目に出るイメージがある

怒っているけどちょっと魅力的に感じている 綿矢

怒りは愛情 けんと

強い意志を持っているとか前向きな人ほど起こりやすいイメージ 

怒りとパワーは表裏一体 ひとり

怒りはエネルギーを使う 

今の若い人は他人のためにエネルギーは使いません 桐山

 

綿矢りさが描く「怒り」という感情

ポップな文体で人間の欲望に迫っていく

プチ整形を明かしたことで職場から執拗にいじられた時に抱いた「怒り」

綿矢りさ「嫌いなら呼ぶなよ」河出書房新社

怒ったり鳴いたりは美学に反する。怒りは古い油の臭いがする。

胸やけるドーナツを二、三個揚げ終わったあとのような、肋骨の内の油釜。

 

美味しくって可愛かったはずなのに… 疲れとストレスの感じが

怒りに似ているイメージ 綿矢

自分の身体に何が起こるか言語化して覚えている? ひとり

言語化のヒント

自分の体を観察して、疲れやストレスを描くことで怒りを表現する

 

怒りを俯瞰してしまうのが小説家の性(さが)

 

なんか嫌な事があったら何かネタにできないかなって思っちゃう 

転んでもただじゃ起きない 嫌な事があってネタにできたら

自分の中ではプラスになるから 怒りは芸の肥やし 

まだこれだとネタにならないって意識もある 

「もう一言ちょうだい」は芸人の性 ひとり

 

「インストール」では思春期の怒り 2001

「勝手にふるえてろ」では抑圧からの怒り 2010

「嫌いなら呼ぶなよ」では暴走からの怒り 2022

「グレタ・ニンプ」では発散する怒り 2026

デビューから25年 綿矢りさが捉える「怒り」の変化とは?

 

初めの方に書いてた怒りは頑張って世間に合わせようとしている主人公が

他人から理不尽な事をされてたまりたまった怒りが爆発するものを書いていた

自分勝手な理由で怒っている主人公を書いた方が読者受けがいいな

というのが分かってきて わがままに振る舞ったうえでさらに怒る

最悪な性格の主人公を書くようになってきた

喜んでもらえると 小説家はエンターテイナーだ!

コロナ禍で主人公がより怒るように

 

怒りを曲にのせる時こっちのけんとの拘り

怒りの感情で終わらないようにする リズミカルにしたり

音色を明るくしてみたり 

言語化のヒント

聞き終わった後、内容は怒りだが楽しかったなで終われる工夫をする

 

杏 主演の話題作!怒りをパワーに数々の問題を解決 勧善懲悪ストーリー

杏は演じていた時「怒り」についてどう感じていたのか❓

人のために怒る お言葉を返すようですが!

杏にとって怒りは願いでありPerformance 

こうなって欲しいなのになんでこうならない

怒りはコントロールしたいなあって思っている

「花咲舞が黙っていない」池井戸潤著/中央公論新社

 

大先輩の俳優が現場をあえてピリッとさせた瞬間があった

「もっとちゃんとしようぜ」目が覚める瞬間があって

あえての「怒り」で士気を高めた

 

未来への怒りとは?

ディストピア小説に描かれた近未来の「怒り」

倫理観が組み変わる未来を描いたディストピア小説

自分が信じる「正義」をSNSで発信 賛同者を募る白藤

主人公・空子の心情

 

村田沙耶香著「世界99(上・下)/集英社

「怒り」などという、乱暴で汚い感情を撒き散らし、

その汚れた感情で誰かと繋がろうとし続ける

白藤さんの姿は、異常に思えた。

 

「世界99」主人公が所属するコミュニティーによって

異なるキャラクターを作っていく様子を描く

 

SNSだけの関係 違う自分を演じることが容易 

押さえ込んで(違う自分で)出すこともできる

昔より今の方がしやすくなっている 杏

 

これからの社会って会社では怒りの部分を出せない

怒りを出せる担当の自分がどっかで出してくれる

そうしないと生きて行けない ひとり

 

自分の思ったことと同じ意見があった時にちょっと安心する けんと

 

怒りには周りと繋がる力がある ひとり

 

劇団ひとりに怒りとぶつける

杏 悪気ないとかほんとそーゆーのいいんで。

桐山 いい意味でね いい意味で聞こえたことがない

ひとり 「お言葉を返すようですが」気が悪くなります

けんと キッチンに置いてたおいしそうな「パン」どこいった!?

綿矢 選びすぎるから孤独(ひとり)になるんだよ!

   大人になるといろんなことを選べるようになる

   自分用にカスタマイズしすぎるとどんどん孤独になっていく

桐山 喜怒哀楽は備わっているから何かを伝えてもいい

ひとり 喜怒哀楽って絶対的本能 必要な機能のはず 必要な感情

けんと SNSの普及もあって人類みなクリエーター時代

    怒りが1つのコンテンツになれば汚くなくなる

    怒りの感情をクリエイティブなものに変えていく事を

みんながすれば新しい怒りという何かができる気がする

ひとり ラップのバトルとか怒りはエンタメになる

杏 怒り慣れていない事への怖さ

綿矢 自分なりの怒りの個性を見つけていく事が大事

   「怒り」を取り除くにはあまりにも勿体ない感情 

2026年5月20日水曜日

あの人に会いたい 吉行和子

聞き上手今日も和顔施夏の朝

いつもの如く切に生き抜く五月

忘己利他(もうこりた)慈悲の極みや夏きざす

薫風や見返りなしに突き進む

今日は今日未来に期待雲の峰

 

■あの人に会いたい 吉行和子2025(令和7)年 90歳没

 

面白そうっていうのがないと やる気がしないっていうのかしら

役の大きさ 小ささじゃないんです 

「なんかこの役やりたいな」っていうのが見つかったらやっていた

父 エイスケ 母 あぐり 兄 淳之介 妹 理恵

 

体が弱かったから 本ばかりいつも読んでいたんですよ

本の中に出てくる人物と友達になって遊んでいたんですけど

本の中の人たちが舞台で動いて喋って 本をめくるみたいに

話が進んでいくっていうのを見て こういう世界があるんだって

初めて思った 

劇団民藝付属水品演劇研究所へ 衣装係りとして

22歳で「アンネの日記」主演に抜擢

 

アンネ役の方が(公演開始後)1週間か10日ぐらいに 

声が出なくなっちゃったの 風邪で 朝 電話がかかってきて

「ちょっと劇団にすぐ来なさい」って お芝居の稽古には

ずっと勉強で行っていて 私も時々 代わりにやらされたり

してたんですけど 突然 舞台に出てしまったんです

 

これを機に舞台に立つようになった吉行和子さん 落ち込んだ時には

宇野重吉の言葉が支えになったそうです。

「思えば出る」っておっしゃったんですね。

「役について人の何倍も100倍も200倍も思いなさい」って

なんかやっぱり思っていると役がだんだん自分の中に入ってきて

ひとりでに動けるようになる あっちへ行こう こっちへ行こう

っていうのが 振付でやるんじゃなくて 自分の中から

出てくるっていうのは 確かにありましたね 

 

唐十郎からの出演依頼

唐十郎さんが自筆で書いたよ横書きのペラペラの「少女仮面」

っていう台本で 読みづらいどころか なんだかよく分からない

把握できない物語だったんですけれども なんか新しい風が

吹いてきたような気がしてしまって 「やります」って言って

しまったんですよ 

 

劇団民藝を退団

1969年「少女仮面」に出演 その後、未知の分野への挑戦が続く

「愛の亡霊」(1978)原作 中村糸子 脚本・監督 大島渚

 

なんか40歳を過ぎていると だんだん女優っておもしろい役が

なくなるんですよ「もう女じゃない」みたいな感じの役が多くて

つまらないなと思っていた時だったものですから ちょうど恋もする

うんと年下の男の人に恋をしてしまう おかみさんの役がとても

面白いような気がしてやりたかった

 

この映画で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞

テレビドラマでも「3B組金八先生」で家庭科の教師を演じる

連続テレビ小説「ごちそうさん」(2013)では見る人を驚かせた

死んだあとはゆか床となり主人公の孫を見守ることに

 

最初は朝ドラのナレーションって(スタッフが)おっしゃったものですから

「私のこのガラガラ声で朝っぱらから皆さん 嫌な気持ちに

なってしまうから無理ですよ」って申し上げたら 「いや実は」

ちょっと言いにくそうにね 「ぬかみそがしゃべっているんですよ」

っておっしゃった じゃあ私の声はとても ぬかみそっぽくて

いいんじゃないかなと思って 喜んでやらせていただきました

凄い自由でね だって誰もいないんだから ぬかみその人なんてこの世に

勝手にできるでしょ だからすごく楽しかったです

 

クッキングとかしたくなくて 冷蔵庫から出したらそのまま食べるって

いうのをモットーとしていたんです 本当に働き者の役が多いんですよ

私 お茶も茶筒で急須やかんジャーとか(家には)何もないから

お茶入れながらしゃべるっていうのが もう大の苦手で 

「どうするんだ」とか思って もうセリフも間違えちゃったりして

一つ一つ本当に大変なんですよ 

 

作家の父を持ち 兄と妹が芥川賞作家という吉行さんは文筆活動でも活躍

「どこまで演()れば気がすむの」で日本SFクラブ賞を受賞

俳句好きとしても知られています

 

「遊べやと黄泉に誘う昼の月」吉行和子

妹と4歳違いなんですけど 先に逝かれてしまいまして

お墓に行ってなんかちょっとこう昼間の青い空に

白い月がぽ~んと出ていたので妹が「遊ぼう」って

言ってるみたいな気がして作りました

もうちょっとうまくなったらいいと思うんですけど

あまりそういうことを考えず句会に行って

みんなで楽しくっていうのが好きなんです

 

50台後半 さらに挑戦をし続けます 一人芝居

MITSUKO ミツコ~世紀末の伯爵夫人」作・演出 大間知靖子

青山光子(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%95%E5%85%89%E5%AD%90)

 

実在した日本人初の国際結婚女性、

クーデンホーフ光子の生涯を描いた舞台作品。

明治期にオーストリア伯爵と結婚し、

欧州へ渡った光子の数奇な運命を描いている。

吉行和子の一人芝居が1993年初演以降、

ヨーロッパツアーも行われるなど大きな反響を呼んだ。

13年間上演した。

お客様が何百人の方が全部そこしか見る所がないでしょ

何が客席で起きても びくともしないっていうぐらいの気持ちで

出て行くわけですよ 大変なのと同時に終わった時の「やったぞ」

っていう気持ちっていうのは これはちょっと1人じゃなきゃ

独り占めって感じね 

 

若くて元気がいい時だけではなくて 今の私を必要としてくれる

役があるっていうことは すごい喜びでなにしろ創作劇が好きな

もんですから 今この世にないものが生み出されなきゃいけない

それを待っています

2026年5月19日火曜日

小泉八雲&外国語HAIKU&寺山修司の短歌

ニトリ創業者を詠む

弱点を強みに変えた茂(しげり)かな

特性を逆手に取りて夏の富士

営業ができなかった土用鰻

夏の月虐めにあったことさえも

行動力と発想力で花火

 

■偉人の年収How much?作家 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)

ハーンが初めて日本に就いたときに放った言葉

この神々の国では、樹木は人間から大切に育てられ、

可愛がられてきたので、木にも魂が宿り、愛される女のように

樹木はさらに美しさを増して、人間への感謝を示そうとするのであろうか。

「知られぬ日本の面影」より

 

巫女舞

その一挙一動が、詩のように優雅で美しい。

その舞いは、西洋人のいうダンスという言葉では

とてもいい表せるものではない。

「知られぬ日本の面影」より

 

日本人はなぜ悲しい時でも笑顔なのか?ハーンが導き出した答え

この笑いが意味しているのは、「あなた様におかれては、

私どもに不幸な出来事が起こったとお思いになりましても、

どうぞ、お気に煩わされませんようお願いいたします。

失礼をも顧みず、このようなことをお伝えいたしますことを、

お許しください。」という内容なのである。

「知られぬ日本の面影」より

 

日本の文化は道徳面では進んでいた

1894年 ハーン44歳 「知られぬ日本の面影」出版

日本の風景と心を世界に伝える紀行文学

初版 26回増版 大ベストセラー

❝未知の国❞日本の心を世界に伝えた最初の作家

ハーンは日本人の情愛を詩的に描くことにあった

 

「雪女」「耳なし芳一」「むじな」「ろくろ首」など17編を収録

1904年アメリカで出版「怪談」

怖いよりも美しく悲しい

世界で読み継がれるロングセラー

 

セツ「私に学問があればもっとお役に立てたでしょうに」

ハーン「誰のおかげで生まれた本ですか?学問のある女性だったら

    幽霊の話もお化けの話もばからしい話と言って笑うでしょう

    この本 みんなあなたの良きママさんのおかげで生まれた本です

    世界一のママさんです」

 

小泉八雲1904(明治37)54歳 心臓発作のため

 

1人のアメリカ軍人の心を動かす

マッカーサーの側近 ボナー・フェラーズ

戦後の日本の在り方について考えた

日本人の世親の根幹には先祖を大切にする心があること

天皇の祖先神をまつる信仰 天皇や皇室への敬愛の念として根付いている

 

フェラーズからマッカーサーへの提案

天皇の責任を問えば日本は混乱します

天皇の力を民主的に生かすべきです

 

象徴天皇制に影響を与えたとも言われています

 

八雲が愛し書き残した日本の心は日本の未来へと響き続けているのでは…?

 

根幹に根付いている本当に大事にしている精神性 そこを蔑ろにしたら

国として成り立たなくなる 立ち行かなるっていうことを側近が言ってくれた

そしてその大元になっているのが ハーンが残した文学だった

日本の文学の本質を理解してくれていたからこそ西洋の文化に人に

本質として伝えることができた

 

■ギュッと!四国 愛媛HAIKUで向き合う心

外国語HAIKU

cloudy sky

occluded by

cloud pines

雲のよな松の隠せし空の雲 ホリー・エヴェレット(30歳 イギリス出身)

 

外国語俳句は3行である事 季語はなくて良い 英語でなくても良い

 

地衣類発見

大切にしている事は探しているのは

見過ごしてしまいそうな存在に目を向ける事

あくまでも私の考えですが「普通じゃないもの」に

目を向けることが大事だと思うんです 小さいものとか

俳句を考えるとき私の体は花や蜂 トカゲでいっぱいになります

人との関わり方に難しさを感じていました

自然のはかなさ 移ろいに心を動かされる

俳句は物事の移ろいを評顔します 自然を相手にしますから

俳句をつくる時は感情が整理されます

私はこれまで自分を人間だとは感じられませんでした

私以外の人はみんな ❝ゲームのルール❞を知っているのに

私だけ教えられていないような気分でした

「これもまた過ぎ去る」楽しみも悲しみもいつかは過ぎさるのです

日本にやってきた時、痛みや疲労を感じる難病を発症 

杖が離せなくなりました 

毎日 痛みで目が覚め 痛みとともに眠りにつきます

病気そのものの痛み できない事が増える さらに「若さを失った」

という感覚もあります 

塞ぎこむ中、出逢ったのが正岡子規(1867-1902)

 

エヴェレットさんの右腕には 「私が一番好きな俳句です」英語で

again and again I ask how high the snow is

いくたびも雪の深さを尋ねけり

家族に雪の深さを何度も尋ねる様子を詠んだ句

 

子規は衰弱していて窓の外を見ることもできませんでした

それでも雪を見たかったのです 彼にとって「自然」が

どれほど大切だったか示しています ユーモアがあります

母親の立場で想像すると「どれくらい積もった?」と

繰り返す聞かれる訳ですから 彼は早世しましたが 最後まで

ユーモアを持ち合わせていました 障害があっても悲観することなく

奏した姿勢を持ち続けることの大切さをこの句は示していると思います

 

May you liken

言うなれば

The lichens

地衣類の中に

To enlightenment

悟りのこころ   ホリー・エヴェレット

 

(この句のテーマは)「平穏」ですね

私の病気に治療法はありませりまんが 

(俳句が)心の回復をもたらしてくれています

体は常に痛いですがだからといって

常に苦しんでいるわけではないのです

 

May you liken

The lichens

To enlightenment

言うなれば地衣類の中に悟りのこころ   

ホリー・エヴェレット

 

■寺山修司の短歌

かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭 

2026年5月18日月曜日

兼題「更衣(ころもがえ)」&題「表」

夏の空背徳感に支配され

手は腰にグリーンコーラ夏を飲む

蒼空よ樫の新芽の染める山

新緑や若き命のそこかしこ

目を閉じん酢橘の花の甘き香

 

NHK俳句 兼題「更衣(ころもがえ)

選者:小川軽舟 ゲスト:吉岡更紗 司会:柴田英嗣

年間テーマは「暮らしを思い出す」

 

紫草:むらさきと読む 表面から出ている時は紫の色はない

この時期に咲くのですが 花は白 根は紫っぽい色をしている

そこから色を出して染める 記録上は奈良時代ぐらいから

 

「日本の色」吉岡幸雄著/紫紅社

「あさぎいろの空」という言い方をする

「あさぎ色」って浅い葱の色と書く 綺麗な水色

浅葱色 水浅葱 水色 甕覗

基本的には藍染め 蓼藍という葉から青い色素を取り出す

いろいろ濃淡を染め分ける 30色ぐらい藍系の色はある

昔の方は位によって切る色が決まっていた

「浅葱色」は低い目の位の方がお召しになる色

位の中では一から九の一番低い方 一の位は紫

 

・兼題「更衣(ころもがえ)

「更衣(こうい)」ということばが中国から漢詩の世界で入ってきて

意味は「ころもがえ」ということで

そのまま「更衣」を読むのが伝わってきた

生活の中の一つの区切り目 暮らしの中で実感のある季語

更衣を済ませて身軽になった状態の気分の良さも「更衣」として詠める

使い勝手の良い季語

 

名句鑑賞

「越後屋に衣(きぬ)さく音や更衣(ころもがえ)   其角」

其角は松尾芭蕉の一番弟子

越後屋は日本橋にあった呉服屋 今の三越百貨店の前身

越後屋は呉服商として商いの仕方を革新した店

それまでは武家を対象にお得意様にサービスする商売の仕方

値札をつけて店で買えるシステムに変えた

呉服屋の敷居を下げて大繁盛した

 

「衣をさく」のは裁断している音? 吉岡

鋏で切るのではなく衣を裂く

音から更衣の季節の清々しさを表している 

感覚的にも優れた名句 小川

 

「更衣済ませての妻の逝きにけり   益成栗人」

「更衣」に切なさがある

作者の妻は急に亡くなった

(妻の葬式が終わって)ふと箪笥を開けたら

夏物がきれいに畳んでしまわれていた 引き出しを開けたその瞬間の

作者の驚き そのシーンまで見えるような句

 

「サラリーマンあと十年か更衣   小川軽舟

 

更衣は一年の生活の節目になる 

人生を顧みるそういう気分になるところがある

そういう雰囲気に誘うところがこの季語「更衣」にはある

 

・暮らしの中に俳句のタネを見つけよう!

和紙染めて干す工房や風薫る   小川軽舟

「風薫る」は夏の緑の木々を渡る薫るような風という綺麗な季語

 

・特選句 兼題「更衣(ころもがえ)

教室の眩しき更衣初日   加藤カキコ

ワイパーに合はすハミング更衣   三輪美奈子

年々に脛(はぎ)の細さや更衣   冨田裕明

更衣昼はオムライス一択   石浜西夏(せいか)

更衣ポニーテールは肩を跳ね   相内あみ
娘なき母の一生更衣   加藤且行

 

・特選三席 兼題「更衣」

一席 窓開けて渡る鉄橋更衣   荒井東(あずま)

二席 更衣東京遠くなりにけり   小畑昌司

三席 暑がりと寒がりが住み更衣   竹内美代子

 

・はみだせ!教室俳句

滋賀県 長浜市立びわ中学校 岡崎隆祥(たかよし)先生

交流 俳句というのは表現活動ですので伝えたいことが

相手に伝わらないと勿体ない 交流してもらって「これわかる?」

って聞いたりしながらじゃあどうしたらいいかなって一緒に

確認してもらえたらいいかな?

 

春の宵あの子と同じ帰り道⇩添削

春の宵あの子と話す帰り道

 

秋麗ホールに響く友の声⇩添削

秋麗ホールに響くハーモニー

 

・染色家 吉岡更紗の一句

藍染に黄色重ねて更衣   吉岡更紗

自然界には植物で緑がたくさんあるけれど 緑の色素を持っていない

いったん藍染をしてから「きはだ」という黄色の色素を持っている樹木

それを使って(藍色)に黄色を染め重ねて緑にする

(食物の緑は)葉緑素で形成されている 生命を断つと緑は消えてしまう 吉岡

 

生きているだけの色なんですね 小川

 

「黄色重ねて」というところが気になる 小川

日本の色の名前はたくさんある その中で「黄蘗」を使っている 

分かりやすくするため「黄色」にしたと思う

染色家らしく表現にしては?

 

添削

藍染に黄蘗(きはだ)かさねて更衣   

「黄蘗」は色辞典に出ている 色の名前

「藍染に黄蘗かさねて」と遠慮しなくていい

 

来週のゲストに徳島県立城東高等学校の先輩である大高翔さまです。

俄然楽しみです。徳島県立文学書道館で講演を拝聴して以来です。

 

 

NHK短歌 題「表」

選者:大辻隆弘 ゲスト:永井沙耶子 司会:尾崎世界観

年間テーマ「伝統的なことばを生かして」

今月のポイント「文語の小気味よさ」

しゃべり言葉はダラダラしている

文語 今朝雨降りぬ歩みが困った 

短歌は31文字なので長々かけない

文語の小気味よさは短歌を作る時に武器になる

 

あの夏数かぎりなそしてまたたつた一つの表情をせよ

小野茂樹「羊雲離散」

あの夏の数かぎりないそしてまたたつた一つの表情をしろ

祈りみたいなものがストレートに胸に入ってくる

奥深くの芯の強さみたいなものが文語から出てくる

 

・入選九首 題「表」

五段下に君を探した中華屋の廊下に貼ってあるシフト表

大津穂波

うつくしいスイカざくざく切りながら表現の自由とは何者か

青木日向子

二席 表には樫の木裏には花梨の木でも豊かではなかったわが家

笠原誠

私 座礁したクジラの横で夜の海を見るようだったピアノ発表会

麻倉遥

三席 私 夕方の光を浴びた本棚がある日わたしの年表になる

塚柊那(しゅうな)

一席 耳切りて包帯姿の自画像にゴッホは何を表したか

白浜尚子

表札のあなたはとうに色褪せていたのだ これで黄昏になる

赤城条治

煮出されし繭のにおいは家内(やぬち)から沁み出し表へほそく流るる

関口京子

涙湖(るいこ)より溢るる父の無念さを指の表でそっと拭きやる

山口範子

 

・短歌魔改造ラボ

背表紙が色褪せていゆくようにして母が言葉を忘れる夕べ

住吉和歌子

背表紙が色褪せていゆく少しづつ母が言葉を失ふ夕べ

(公式文書やビジネス文書、学術論文などでは「少しずつ」を使用することが推奨。

ただし、「少しづつ」が完全な誤りというわけではない。)

原作でと比喩の歌になっている「背表紙が色褪せてゆく」

という時間の経過を表す情景があるので実景にしてみてはどうか?

2句切れの歌にする

 

「少しづつ」がいいなと思った 尾崎

「色褪せていゆく少しづつ」「少しづつ母が言葉を失ふ」

二つを結びつける役割を果たしている

 

「忘れる」という言葉が強い 永井沙耶子

「少しづつ失ふ」とすることで柔らかさが出る

消えていない 少しずつ失われているけど消えていない

 

・永井さんが歴史時代小説を書く時に言葉遣いで気をつけている点は?

永井

感情を乗せて読んでほしい部分は今と同じ言葉を使う

注目してほしい部分はわざと文語っぽい言葉にする

大辻

程よい形で文語が入っていることで心に響く

「木挽町のあだ討ち」語りの豊かさに惹きつけられた

最初のフレーズでその人物像が立ち上がってくる

「はたらけど はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざりぢつと手を見る

石川啄木」

その人がポツリとつぶやいた独り言が短歌

永井

(短歌は)言葉をカッティングしていく

大辻

短歌は逆に強みもあって凄く余白が多い

(情景を)想像する それを自分の体験と照らし合わせる

永井

短歌は共感してもらえる幅が広い

 

・いちご摘み

ゆるめれば観覧車めく花束よ見ようとすると窓はあらわる

霧島あきら

夕闇に木々は果実をゆるめゆきその音楽に翼はふるふ

金田光世(好きな歌人 永井陽子)

現在スリランカでお住まいになられています

69回現代歌人協会賞を受賞

根をなくした。そして歩けるやうになり、何時となく人知れずたなびく

「遠浅の空」青磁社

もし短歌に出会っていなければ 見ることができなかったり感じたり

表現することができなかったようなものを 詰め込むことが

できたんじゃないかと思っています

スリランカには鳥が物凄くたくさんいる島なんですけれども

動物が果物や木々を思う気持ちということを表現したいなと思って

果物が出している匂いとかエネルギーとか得体の知れないもの

っていうのが 人間が捉えているもので何か表現するとすれば

音楽に近いかもしれない