2026年9月9日水曜日

100分de名著 ブルトン❝シュルレアリスム宣言❞④

(森重昭氏)オバマ氏に抱きしめられた原爆忌

広島忌高市帰れ叫ぶ人

平和祭防弾ガラスに守られて

非核三原則堅持はする秋

広島忌30秒の慰問せり

戦争観を異にする原爆忌

 

100de名著 ブルトン❝シュルレアリスム宣言❞④

シュルレアリスムと未来

伊東順二 松尾スズキ 伊集院光 阿部みちこ

 

シュルレアリスム 超現実主義

1969年 シュルレアリスムの終焉 ウルトラマンと闘っていたのはブルトン

 

「シュルレアリスム宣言」後

1924年 28歳で「シュルレアリスム宣言」を発表

1929年 シュルレアリスム第二宣言 メンバーと決裂

1936年 ロンドンで第一回シュルレアリスム国際展 開催

1938年 パリで第二回シュルレアリスム国際展 開催

1939年 第二次世界大戦勃発

1941年 ブルトン アメリカに亡命(1946年に帰国)

1966年 ブルトン70歳パリで死去

1969年 シュルレアリスム解散宣言 発表

 

1920年代 共産主義の台頭

共産主義は人間の解散 社会の変革を目指しブルトンたちと重なる所があった

政治に関わる姿勢にそれぞれ違いがあった

ブルトンは分裂を防ぐために自分たちの原点を見つめ直そうと第二宣言を出した

 

これまでまさしく、人生の姿そのままの害にもならぬ楽しい仲間、

出来高払いで金をもらい、点数かせぎで勝利をねらう人間どもの

仲間をかたち作るにふさわしい顔ぶれではなかろうか。くそくらえ。

「シュルレアリスム宣言集」守本和夫訳

 

私は、シュルレアリスムの深遠にして真正な秘教化を要求する。

私は、この点に関しては、絶対的な厳格さへの権利を宣言する。

現世への譲歩もないし特赦(とくしゃ)もない。恐るべき否か応(おう)かなのだ。

呪われたパンを鳥たちに配るような連中よ、くたばれ。

 

つまり、私が言おうとしていたのは、たとえ人間が最初は 

自分自身のうちにおこされた旋風について われわれを

恨むことになろうとも、自分の気づかぬうちに、人間の精神の

奥底で織りなされるものを、ますますはっきりと見とどけようと

努めることが、われわれの仕事だということだったのである。

 

美術界でのシュルレアリスムの広がり

マルセル・デュシャンが空間構成 ブルトンが企画 ダリは作品を出品

1938年 パリで第二回シュルレアリスム国際展 開催

真っ暗で懐中電灯で照らしながら見る

全体の展示で一つのメッセージを出す 今で言うインスタレーション

 

1939年 第二次世界大戦勃発 ヨーロッパが戦場になった

ブルトンを始め多くのメンバーがアメリカに亡命した

アメリカのアーティストたちはヨーロッパの本物の芸術家たちと

直接触れ合った シュルレアリストたちとの交流により 

アメリカ美術 現代美術が始まった 

 

「秋のリズム:ナンバー30(1950)ジャクソン・ポロック

ドリッピング:床置きしたキャンバスに絵の具を

垂らしたり飛ばしたりして描く

20265月 作品が史上最高の価格で落札

 

1946年 ブルトン パリへ帰国

20年をかけて活動は徐々に終息し ブルトンの死後

1969年 シュルレアリスム解散宣言 オワコン化してしまった

 

長いあいだ地表をかなり勢いよく流れる川だった

シュルレアリスが、ここ何年間というもの、

ずっと地下水流となっているのは事実だとしても、()

お生憎さまですが、

シュルレアリスムのエネルギーの本源は

無傷であることを、私は力説しておきます。

「ブルトン、シュルレアリスムを語る」稲田三吉 佐山一訳

 

自分たちのエネルギーは衰えていないんだ

実感としてシュルレアリスムの影響で変わった世の中が見えていた

 

日本にも同じ考えの人がいました

岡本太郎(1911-1996) 対極主義独自の思想を生み出した

善と悪 美と醜 秩序と混沌

その象徴が1970年大阪万博(日本万国博覧会)

人類の進歩と譲歩 異彩を放つ存在となる

生命の樹

「未来を誇張するのもよいが人間そのものは❝はらわた❞で生きている」

「ウルトラマン」第17話「無限へのパスポート」四次元怪獣ブルトン

怪獣三原則 バルタン星人

シュルレアリスム 日本へ 1980年代の広告

「おいしい生活」(1982)糸井重里

シュルレアリスムは文化の一つになった

 

芸術作品=製品 製品のデモンストレーション

現代のシュルレアリトの一人 明和電機

便器を芸術作品とした芸術家 マルセル・デュシャンの考え

明和電機 代表取締役社長 土佐信道

デュシャンは工業製品を芸術とした

アートを工業製品とすることは誰もやっていなかった

目指すのは ナンセンス=超常識

新しい常識を作ることで今の常識を変えていきたい

今すでにあるものの意外な合体によって新しい価値を生み出す

理想はそれで世界平和になればいい

 

こういう時代にちょっと無駄 無駄こそがユーモアであり

無駄こそが余裕であり 余裕とユーモアは世界平和である 伊集院

 

「夢十夜 第一の使者―境界の水鳥」(1982)撮影:宮沢正明

赤外線を感知する特殊なフィルムを使って撮影したもの

常識的な目では見えないものが見えている 伊集院光

 

時代の叫び どこの時代でも共通している時代の叫び

として捉えて欲しい 伊東順二

 

「シュルレアリスム宣言」巌谷國士訳

シュルレアリスムはいつの日か敵にうちかつことを

私たちにゆるす「不可視光線だ」

「おまえはふるえてなんかいない、わが痩躯(そうく)よ」。

この夏、薔薇は青い。森、それはガラスである。

緑の衣におおわれた大地も、

私には幽霊ほどのかすかな印象しかあたえない。

生きること、生きるのをやめることは、想像の中に解決だ。

生はべつのところにある。

 

私感

糸井重里氏がシュルレアリスムの最先端を

走っておられたということは理解できました。

あの時、糸井重里氏に惹かれていた自分を褒めてあげたい…。

難しかったけど、最後の最後で岡本太郎氏と糸井重里氏を

出してくださったことでシュルレアリスムを近くに感じることができました。

2026年9月8日火曜日

村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 旧古河(ふるかわ)庭園

秋日和大人になって「パインミー」

川渡る雲と戯(たわむ)る鮎の群れ

花カンナ落花戻らず青き空

渡り鳥破鏡写らずいらっしゃい

各自仕様の津軽鋏や夜長

 

■村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 旧古河(ふるかわ)庭園

村雨辰剛

 

東京北区 約1万坪 

古河虎之助 1887-1940

この家は自分の住居としてはぜいたくに過ぎるが

何かの場合にはお役に立てるつもりだからおごりになれてはいけない

「古河虎之助伝」より

 

旧古河庭園サービスセンター長 樋口直行

バラの開花時期 4月下旬-6/10-12月上旬

 

フランス式:左右対称に木々や花壇を配置して幾何学的な模様を描く

イタリア式(テラス式):傾斜地などに高低差をつけて庭を造る

 

旧古河庭園技能主任 久留宏二

 

ジョサイヤ・コンドル 1852-1920 設計

鹿鳴館 ニコライ堂などの名建築を残し「日本近代建築の父」と呼ばれています

河鍋暁斎はコンドルを描いている

河鍋暁斎の日本画の弟子になったジョサイヤ・コンドル

コンドルは庭園に込められた日本の文化や構造 精神性をリスペクト

この古河庭園の洋館はコンドル最晩年の作品

日本文化への敬意が現れています。

 

洋館の外壁には真鶴の新小松石(江戸城にも使用されている)が使われている

日本で大切にされてきたものを象徴的に使っている

コンドルの日本文化への敬意の表れ

 

庭園最大の秘密 グラデーション

和風庭園で見る刈り込み 曲線です

たしなみポイント

洋風庭園から日本庭園への移行スペースを設けた 中間エリア

グラデーションの仕掛けがもう一つあります それは階段です

洋風庭園の階段は 切石階段 から 日本風の階段に切り替わる

 

旧古河庭園 高低差約11mの斜面

 

日本庭園入り口には「黒ボク石積(いしづみ)

この和風庭園を手掛けたのは 七代目小川治兵衛 1860-1933

植治(うえじ)の庭と呼ばれている

京都・無鄰菴や平安神宮など数々の名園を創り出してきました

 

1918(大正7)日本庭園着工 

小川治兵衛とジョサイヤ・コンドルの夢の競演

 

飛び石の先にあったのは 自然の中にいるような渓谷がありました

景色を見せたいところに平らな石を据えている

視点場=ビューポイント

洋館が見えない別世界への誘い 飛び石の先には見晴台

池泉回遊式庭園 枯滝(一個一個の石が水の流れを作っているかのような感じ)

水落ち石(今に蚯蚓が落ちてきそうに設置されている)

たしなみポイント

対岸の滝を枯滝の効果音に

 

大滝 全長約20m 落差約8m 水受け石

地下水をくみ上げた気をこしらえた

自然をそのまま体験してもらうような狙いがあったと思う

 

沢飛び 

 

崩石積(くずれいしづみ)石同士でバランスを取っている

関東大震災 東日本大震災でも崩れませんでした

完成から百年あり続けるお庭

かつて庭園の一角に温室があったらしいんですけど

1923年関東大震災の時に取り壊した 被災した2千人の人々を

受け入れ救護所も設けました

温室も壊して500人ほどが暮らせるバラックを建てて向かいいれた

 

虎之助の言葉

「この家は自分の住居としてはぜいたくに過ぎるが

何かの場合にはお役に立てるつもりだからおごりになれてはいけない」

 

戦争 財閥解体 進駐軍接収

 

二人の巨匠が西洋と日本の文化を調和させて

共存した庭だからすごく大事にされてきた 樋口直行

 

お互いをリスペクトして力を合わせて

残してくれた奇跡の庭園 村雨辰剛

 

これから次の世代ずっとそういう思いをつないで

いけたらなあと思っています 樋口直行

 

先人が残したメッセージなど日頃感じていることは? 村雨辰剛

 

実際はまだまだわかっていないというか

まだまだ仕掛けが出てくるんじゃないかな 

自分たちの理解を深め成長することによって

見えてくるものがあるんじゃないか 

宝探しみたいな感じで頑張っていきたい 樋口直行

2026年9月7日月曜日

兼題「蛇穴に入る・穴惑」&テーマ「悲しかったこと、嬉しかったこと」

熊本へ光あまねく秋となれ

想像の翼で描く秋茜

渡り鳥今日も探検未知の道

衣被(きぬかつぎ)従兄の愛を頬張らん

夢二忌は父の生まれし日でもあり

 

NHK俳句 兼題「蛇穴に入る・穴惑」

選者:堀田季何 レギュラー:庄司浩平 司会:柴田英嗣

年間テーマ「もっと俳句のコリをほぐします」

 

・コリのお悩み 季語から詠むか、季語を合わせるか

季語から詠む

   泥に降る雪うつくしや泥となる   小川軽舟

雪:冬の季語

作者によると「心に浮かんだ雪景色を詠んだ」

最初から「雪」があってそれをどう表現するか

季語が「絶対」的なもの

 

季語を合わせる

   名山に正面ありぬ干し蒲団   小川軽舟

布団:冬の季語「干布団」は子季語

「名山には正面がある」という発見をした 何を合わせるか

作者本人によれば「景色に血を通わせたかった」

名山の近くに住んでいる人たちの営み

雪をかぶっている山 空気感

 

ツボポイント

「絶対的」または「最善」の季語が不可欠

「最善の季語」を見つけるには?

[読みたいと思ったもの]曲がりくねった道

[五七または七五の形にする]モネは曲がった道が好き

 

A睡蓮やモネは曲がった道が好き

B夏料理モネは曲がった道が好き

C夏の川モネは曲がった道が好き

D夏シャツモネは曲がった道が好き

 

最善の季語を見つけよう 

日常の中で気になった 印象に残った「句材」

 

歯形のついた積み木 柴田

やる気のないコイン乾燥機 庄司

 

五七または七五のフレーズに仕立てる⇩

十二音に対して「最善の季語」合わせる

 

歯形のついた積み木かな 柴田⇨夜食とる歯形のついた積み木かな

色んな生活の情景が浮かぶ 取り合わせとしては素晴らしい

添削 お夜食と歯形のついた積木かな

 

気だるげなコイン乾燥機  庄司⇨鰯雲気だるげなコイン乾燥機 

1つの情景として描いた方がいい 同時に見ている感じがしない

添削 気だるげなコイン乾燥機夜食とる

 

纏め 「最善の季語」を合わせ世界を広げる

 

・今週の兼題「蛇穴に入る・穴惑」

蛇:夏の季語 蛇穴に入る:秋の季語 蛇眠る:冬の季語 蛇穴を出ず:春の季語

穴惑:秋彼岸が過ぎてもまだ穴に入っていない蛇

 

特選六句発表 兼題「蛇穴に入る・穴惑(あなまどい)

La vida es sueno 穴へ穴惑   伊藤映雪(えいせつ)

(ラヴィダエススエノ スペイン語で人生は夢)

蛇穴に入る東京は天へ伸ぶ   すずきなずな

穴惑メメントモリへいふ余白   きのえのき

(メメントモリ ラテン語で「死を想え」)

無言館少し離れて穴惑   都丸浩美(とまるひろみ)

シェルターもガマも選ばず穴惑   柳田孝裕(たかひろ)

穴惑アウシュビッツの逆さB   白沢ポピー

(ARBEIT MACHT FREI 「働けば自由になる」)

 

・柴田・庄司の歩み

最善を見つけて喜びを味う   柴田英嗣

最善の季語を夜食ととりながら探す   庄司浩平

 

NHK短歌 テーマ「悲しかったこと、嬉しかったこと」

選者:横山未来子 レギュラー:菊池銀河 横田真子 司会:ヒコロヒー

年間テーマ「三十一、次の扉へ」

今回のテーマは「形容詞に頼らない表現」

 

□□白犬の仔犬のテオが家に来たる日

佐佐木頼綱「テオが来た日」

 

ひと目見てきみに決めたよ白犬の仔犬のテオが家に来たる日 銀河

我がデステニー白犬の仔犬のテオが家に来たる日 真子

私よりしっぽを振った白犬の仔犬のテオが家に来たる日 ヒコロヒー

 

あおぞらを燕がすべり

白犬の仔犬のテオが家に来たる日

佐佐木頼綱

形容詞を使わずに情景や感情を表現することで広がりがある一首になっている

 

一度だけ待ち合わせした改札を今でもたまに夢に見るんだ

本条恵「星とアスパラ」

読み手が様々な感情を想像する余白が生まれている

人間の感情には形容詞の一語では言えない感情がたくさんある

 

父親の背(せな)に眠れるをさなごの靴の片方脱げゐるが見ゆ

横山未来子「とく来りませ」

形容詞の代わりに自分が感動したポイントを具体的に描くと

読み手もその場面を共有することができるので感動が伝わる歌になる

 

・入選六首 テーマ「悲しかったこと、嬉しかったこと」

水底に夕暮れの街あるごとき堀ながめつつ君と歩めり

徳永逸夫

一席 話したいことがあふれて左手に水となりたる炭酸残る

山田麦

父の日の似顔絵眺む(母の日の方が丁寧だったよなぁ)

古橋直人

私にもあなたと同じ歳の子が居ましてねえと言う父と呑む

高久(たかく)芳樹

できるまでつき合ってくれた友だちの笑顔が反転する逆上がり

三宅節子

ここだよ、の電話の声が前からも聞こえて噴水の前だった

佐藤研哉

 

・歌人への道

山頂で笹から出した鮭むすびほんのり母の体温のまま

菊池銀河 添削

山頂で笹から出した鮭むすびほんのり母のぬくもりのまま

 

人混みの中に響いたしゃがれ声たどって行けば変わらぬ君が

横田真子 添削

人混みの中に響いたしゃがれ声たどって行けば笑顔の君が

人混みの中に響いたしゃがれ声たどって行けば微笑む君が

どんな所が変わらないと思ったのか 具体的に描くと場面が目に見える

 

名歌鑑賞

亡き子来て袖ひるがへしこぐとおもふ月白き夜の庭のブランコ

五島美代子「そらなり」

 

・いちご摘み

ドア引けばはずみに揺れるカーテンの、その一瞬をかたき布地は

福山ろか(好きな歌人 薮内亮輔)

穴のあいたカーテンを買い替えるとき人生が始まったとおもう

山中千瀬(ちせ)(好きな歌人 寺山修司)

 

前の歌の好きだったところがカーテンにどんどんクローズアップ

していくところだったので逆にカーテンからすごく大きい

ところにいったら 楽しいかなを思って作りました

 

摘んだのは「カーテン」新しい自分を探してスタート

 

第一歌集は社会運動として出そうっていう自分なりの

コンセプトがあったので それ以外のことをこれから

やっとやれるぞっていう感じもします

 

「死なない猫を継ぐ」山中千瀬著 第一歌集出版

あたしたちは死なない猫を継ぐ種族本棚の本まじらせながら

「死なない猫を継ぐ」典々堂より

 

歌集がフェミニズムとかセクシュアルマイノリティの権利について

読んだ人が考えざるをえない形にしようと思って意図的に作りました

自分は何も考えてないと思ってて 定型があってその中で

遊ぶのができたら それだけでいい ただその中で本として

形にしたり発表するのであれば せっかくだから社会はより

良くあるべき そのために(短歌を)使ってみようみたいな

2026年9月6日日曜日

わたしの日々が、言葉になるまで 西加奈子

秋気澄む努力またもや裏切られ

秋の夕静かな笑い受け取らん

秋の夜や絵本百科のページ繰る

星月夜あらゆるものの繋がりが

秋の夜に感謝「四角形の歴史」

 

■わたしの日々が、言葉になるまで ゴッホの名画でSNSの描写力をアップ

西加奈子 高橋久美子 宇垣美里 劇団ひとり 桐山照史

 

言語化への道 ~描写力編~

目で見たものを「自分なりの言葉」で表現

 

ゴッホの名作「星月夜」絵画を愛する小説家はこう表現!  

 

原田マハ 美術館の学芸員として活躍

名画・画家の生涯を題材にした作品 「楽園のカンヴァス」「リボルバー」

ゴッホの生涯を描いた「たゆたえども沈まず」の中で「星月夜」の描写

 

「明るい、どこまでも明るい夜空。

それは、朝を孕んだ夜、暁を待つ夜空だ。

 地球を含む星ぼしの自転、その軌跡が白く長くうねり、

 夜空にうずまく引き波を作っている。

 太った三日月は煌々と赤く輝き、空を巡る星たちは、

 やがて朝のヴェールの中へと引き込まれていく。」

原田マハ「たゆたえども沈まず」

 

ゴッホは、精神病に悩まされ闘病生活の末に

37歳という若さで自ら命を絶った

 

澄んだ星空の一端が新宿辺の電燈のせいで

火事のようにあかるくなっている

太宰治「彼は昔の彼ならず」

 

住めば都だよ どこへだってらららのら

渋谷駅 甘栗って名物と? 新宿は 黒服の行進

「闘うばい!」作詞:高橋久美子

 

描写力向上のヒント

実在する地名や物を入れることで

読み手にわかりやすいイメージとして伝わる

 

バースデーケーキの上を歩いて帰った

マンションの向こうまでろうそくは続いて

(中略)

月もない環七通りを歩いて帰った

マンションの向こうまで街頭は続いて

―チャットモンチー「バースデーケーキの上を歩いて帰った」

 

花火があがる空の方が町だよ    尾崎放哉

 

風景描写のポイント

周りのディテールから書いてだんだんと全体像を浮かび上がらせる

自分の心情を通して風景がどう見えるのかを描写する

 

「モナ・リザ」のほほえみ あの文豪はこう表現!

文豪 夏目漱石

文鳥・夢十夜・永日小品 「ほほえみ」の表現

薄い唇が両方の端で少し反り返って、

その反り返った所にちょっと凹(くぼ)みを見せている。

結んだ口をこれから開けようとするようにもとれる。

または開いた口をわざと、閉じたようにもとれる。

夏目漱石「永日小品」

 

書く時間よりも書いていない時間の方が大事 

観察する 夏目漱石めっちゃ見たんやな 高橋

 

描写の一歩目は見たことのない人に対してどう伝えるか

 

西加奈子が描く主人公のまなざしから生まれる描写表現

「白いしるし」西加奈子著 新潮文庫

アーモンドの形をしているとても大きな目は、

黒目と白目の境が曖昧にぼやけ、少し青みがかっている。

はっとするほど綺麗だったが、眩しい光に触れると

壊れてしまいそうな危うさがあった。

鼻が信じられないくらい綺麗な線で伸びている。

それははっきりとした意志としてこちらに訴えかけ、

彼を達観した老人のように見せていた。

でも、その下にある薄い上唇と、ぽってりとした

下唇のアンバランスさが、彼を、幼く見せた。

 

賢いと思われる言葉を使ったら全部ボツ 西

 

エドヴァルド・ムンク作「叫び」

さけんでるのか、うったえてるのか 

聞き手にとってはむずかしかったのか

絵のゆがみから大きな声だったのかだけは分かる。 桐山

 

人間に見える何かが、声を発しようとしている。

叫びなのか、あるいは悲鳴なのか分からない。

空は赤く燃え。川はどうどうと流れ、

その「何か」はほとんどは崩壊しそうだ。 西

 

人間に見える何か崩壊しそうだ 謎を残している 高橋

 

橋の向こう 干し柿をつぶしたような夕やけがカーテンをおろします。

川を渡り切ってしまった少年は

「さーよーなーらー」とシャウトするのであった。高橋

 

まっすぐに立っていられない程の衝動。

不安にさいなまれた人影の声にならない叫びが、空を大地を歪ませる。

赤銅色の燃える空とのたうつ闇色の川はどこまでいっても

交わらなくて目も口もどんなにひらいても、くすぶる焦りは

出しきれなくて、だから まっすぐ立ってはいられない。 宇垣

 

中央の人物が叫んでいると思われがちだが、実は叫んでいない!

これは叫び声を聞いた人物が、耳を塞いでいる絵とも言われている

 

心象風景だった 西

絵画と言えば風景や表情のほかにも複雑な色彩表現も魅力のひとつ

 

描写力をもっと豊かに!色の名前の世界

新橋色(水色) 萌葱色(もえぎいろ) 萌黄色(もえぎいろ) 

憲法色 瓶覗(かめのぞき) 勝色 肉色 古代紫 丼鼠(どぶねずみ)

丼鼠:ドブなどにいる黒っぽいネズミの色で江戸時代からある呼び名

薄鼠(うすねず) 濃鼠(こいねず) 浪速鼠(なにわねず) 今で言う「くすみ」

江戸時代では鼠色は庶民に身近な色でさらに縁起もいいものとして

ネズミはペットとしても大人気だった

 

劇団ひとりの描いた絵を表現

あの日見たアーティストの歌 何人にひびいたかは分からないが

自分には夢になったあの日のあの時 桐山 とんでもない成長仕手いる 西

 

ここに辿り着くまでに たくさんのものを捨てた

例えば繊細さ、例えば愚直さ、人生と大切な人。

聞いているかは分からないけど

届けばいいな、と思って歌う。あの頃のギターを片手に。

客席は見たくないからサングラスは外さない。 宇垣

 

「あれって、劇団ひとりじゃない?」私はふり返った。

トムヨークのライブを見に武道館に来ていたときのことであった。

それからはもう、気になって、ななめ45°を見てしまうようになった。

だって、だって、ずっと シャウトして泣きっ放しなのだよ! 高橋

 

知らない人が知らない歌を歌っている。

知らない人に囲まれて、私も誰かの知らない人だ。 西

 

楽しんでいない が実は正解 

「楽しみにしていた曲がアコースティックバージョンで

がっかりしているところ」 劇団ひとり

 

何か描写するって内側のものを取り出す作業 宇垣

めちゃくちゃ時間をかけないとわからない 検索するのを止めて

とにかく時間をかけて何かを見ることを心がけている

空のことを素敵だなと思って言語化しようと思ったら

誰よりも長くみないとダメ 一瞬で何かを考えることが作家は苦手 西 

2026年9月5日土曜日

夏休み明けで一句&「虫」&文春記事

AIが回す社会や秋深し

秋さびし重き記憶と向き合わん

秋日和記憶の間(はざま)染めゆかん

秋空よ野草の色を作品へ

地虫鳴く逃げる恥より生きてこそ

 

■プレパト纏め 202693

「夏休み明け」で一句

 

・特別永世名人締めの一句 梅沢富美男

大間々(まま)や未だ蕾の菊人形

添削(大間々とは群馬県大間々町(現:みどり市) ただの観光の句

あゝ祖母の家()に帰らねば

 

永世名人 藤本敏史 傑作50

先生の先生らしくない日焼

(シンプルな言葉しか使っていない 季語:日焼けが主役に生きている

 話し言葉を使うリアリティー 語順も大したもの 藤門さんの真骨頂)

 

1位 本髙克樹

掃除用ロッカーに声きりぎりす

(声で一回意味が切れて映像も切り替わる 映像の作り方も巧い)

 

2位 由女(ゆめ)

残像の竹下通り柿青し

添削(夏休み⇨夏休み明け 原宿⇨和歌山 上五で空間が仕切れる)

残像の原宿柿青きふるさと

 

3位 菊川怜

残暑かなまたずり落つる白靴下

添削(映像から始まる方が読者は解り易い)

白靴下またずり落ちている残暑

 

4位 未唯mie

覚えたて母恋う夕餉ささげめし

添削(ささげ:秋の季語 小豆に似たマメ科の植物)

恋う夕餉拙き(つたなき)ささげめし

 

5位 伊藤俊介

夏終えて結局お揃いソフトモヒカン

添削(野球部と書かないと意味が解らない 髪を覗き込む視線は作れる

   残ったのは夏一文字だけだった)

野球部らの果て髪の伸び具合

 

・清水麻椰チャレンジ

朝顔の鉢より小さき小学生

添削

小学生朝顔抱え登校す

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「虫」

 

何々虫ってついた「虫」は世の中に沢山いるわけですが

季語においてこの「虫」という一文字だけで表現した場合

これが秋の季語 そして色んな鳴く虫の総称として

「虫」という季語になっているわけです

非常に伝統的な季語でもありまして

鳴き声に対する哀切だったり命の営みあるいは儚さ

みたいなものとして昔から詠まれてきた

そういう句材になっております 歳時記の記述を確認してみると

色々論考も重ねられているのが面白いところです

かつては「虫」の一文字で表されていたものが

この「虫」だったんだけど時代が変わるとともに

指す「虫」の種類が変わってきたりとか 

この辺りを知識深めていくのも面白いですよ

 

■自分は天皇陛下より上と勘違いした高市早苗…。

昭和100年を祝う会の高市早苗の振る舞いは、天皇皇后を無視するかのごとく、

ノリノリの体で、その尊大な姿は見るに耐えず、看過もできない醜態でした。

また、天皇御臨席を先導するのは時の総理大臣だが、

高市早苗はこの慣例も無視し、木原官房長官に代行させた行いも、

私自身、目を疑ったが、高市早苗の判断で実行された。

 

細川氏はこう語る…。

「記念式典はまるで昭和の音楽祭とも言われたが、高市氏がガッツポーズや

合いの手を入れるなどノリノリな様子だったのは周知の通りだ。

恐らく天皇陛下の前で、高市氏は今この場での

最高権力者は自分だと思っていたのではないか。それは危険なことである。

日本史を読み解けば、自分は天皇より上だと考えた英雄は幸せな末路を辿っていない。

権力者には常に自分を謙虚にしてくれる上位者が必要だ。

ヨーロッパの王たちには、それはキリスト教の神であった。

高市氏の振舞には、単にマナーとか品位を超える

大きな問題が潜んでいるように思われる。」と。

 

思えば高市早苗の支持率に翳りが生じたのは、この時からのように思えます。

早く終焉を迎えてほしい高市政権。その没落を祈念いたします。

 

「日本史で自身が天皇より上と考えた英雄は…」細川護熙元首相が見た、

高市政治の“深刻な危うさ”(文春オンライン)

 

楚人冠@312Z5CVgus3uTje 2026.9.2