人生もあと少し夏の暁
百合の花強き香りの立ち込めん
夏の日や餃子の羽とパンの羽
残された者に勇気を雲の峰
愚痴こぼし弱音を吐かん夏の月
■あさイチ 西加奈子の乳がん経験に生きるヒント
乳がん宣告されるも、コロナの為、カナダで自分の体と向き合うことになった
「女性って何だろう」乳房がないから女性ではないのか
自分が何であるか 自分で決める 言うこと聞かない体
その体をいちばん愛しているのは自分 いちばん分かってあげられるのも自分
読者の声
弱さも強さもまとめて自分で愛す、ここから先を生きるための指標です。
お守りのように、何度も大切に読み続けます。
めっちゃ幸せな気持ちで寝るけど起きたらすごく怖い 寂しい 不安
(不安を)とにかく見つめる 乗り越えない
カナダで新たな挑戦をしています それが柔術
私が賞を取っているかどうか知らない
その人たちとマットでボコボコにされたら すがすがしいくらい何者でもない
わ~私って何でもないんや~
東京の自宅に飾ってあるのは クリムトの「接吻」凄く好き
レプリカをこの大きさで飾るのもどうかなと
自分で描いてみようと思ってダンボールを足して描いた
この家を買って最初にこれを飾った
著書の表紙は殆ど、西さんご自身が描かれたとか…。
私と同じ大きさ 子どもに縁どってもらった 人間を裏返したら
例えばこれは膵臓で あらゆる人間がいてみんな違う
ひとりひとり違うけれど 「せやな一回ひっくり返してみよう」
そうしたら誰か分からない みたいにしたかった
27歳でデビューし 2015年直木賞受賞
これまで一貫して伝えてきた事は
「自分がどうありたいかは自分が決める」
代表作「サラバ」より
「あなたが信じるものを 誰かに決めさせてはいけない」
女性だから おじさんだから おばさんだから お母さんだから
何とかだから 社会の役割に右往左往させられていた
「あなたはこうあるべき」を一回取って「ごめん返して私だからそれ」
私がちゃんと私になりたい
「もちろん。決めるのはカナコやで。」
サラは、わたしの目をまっすぐ見つめていた。
「あなたの体のボスは、あなたやねんから。」
当たり前すぎて僕ら忘れがちだけれども
人生は一回 たった一回しかないんだ
医者がいちばん 自分のことを考えてくれている
自分は体だけ見せたらいいと思っていたけれど
主体的に「私はこの体のボス」「私が決める」
すごく責任を感じるようになった
両乳房を切除した後胸を再建しないことを決めました
その過程で考えたのが「女性とは何か」「胸とは何か」
(女性の胸は)体の一部に過ぎないけれどすごく大切なもの
特に性的なものとして扱われてきた 他者からの矢印(評価)が
あってこその私になっていた気がして 治療して
体の中も外も変わったけれど 自分は何も変わっていない
乳房に感謝している 愛着もあったけれど なくなったからって
私じゃなくなった瞬間は一回もない ず~っと私 私のまま死ぬ
自分自身が自分をどう認めるか という答えにたどり着いた
もしかしたら私は、他の人から見れば
「かわいそうな女性」なのかもしれない
でも私は、自分のこの体を、心から誇りに思っていた。
人生で一番自分の体を好きになった瞬間かもしれなかった。
生物学的には女性の特徴である臓器を失ったとしても
(ちなみに今私は坊主頭だが)、それでも私は女性だ。
それはどうしてか。私が、そう思うからだ。
西加奈子著「くもをさがす」
読者から届いた手紙
「自分もがんです」「いついつ手術です」できるかぎり返事を書いている。
この時代に手紙を書くのは大変 手書きで それをしてくれて
むちゃくちゃうれしい 返事を書いたら「(手術が)無事終わりました」
そういうのを聞くとすごくうれしい お会いしたことはないけれど
ひとりひとり恐怖は違うけれど 少しでも何かできることはないか
(私も)本当に力をいただいている
再発を恐れ、卵巣を切除 体調不良 急な不安 に襲われることも
それは更年期なのか?がん治療の後遺症なのか?年齢なのか分からない
本当に急に不安になる 幸せな気持ちで寝るけど
起きたらすごく怖い寂しい不安 説明できない
とにかく見つめる 乗り越えない 何かがあったら
これは「何だろう」ってずっと見る作業 それが私の場合 恐怖が多い
奥に行ったら怖かった 「あ 怖いんか 怖いんやな」
「そっかこ怖かったな」「大丈夫 大丈夫 大丈夫」
自分を抱きしめている
いま夢中になっているものが柔術です
カナダで始めたときは英語もままならない マジで弱い
みんな屈強で 私は本当にガリガリ 彼らは私が賞を
取っているとか知らない 彼らからしたら英語がままならない
細いアジア人女性でしかない その人たちにマットでやって
ボコボコにされたら すがすがしいくらい何者でもない
「わ~私ってな何でもないんや~」
本当に人間としてゼロの所にいることは凄い大切
私は本当に弱かった
自分が自分を認めるのは いちばん難しい 無料なんですよね
賞をもらったら うれしい 何かを達成したら うれしいけれど
それがなくなっても 自分を愛せるか 今 体力を使っている
もう書けなくなっても自分を愛せるか
その日を愛せても 翌日愛せない 一生かかる修行
今そっちにシフトしてます
何もなくなっても自分を愛せるか 一生懸命やっています
