2024年4月26日金曜日

ふるさとで一句&家藤正人の俳句道場「桜餅」

確信歩きの大谷さん春日
春の空ライトの選手見送らん
打った瞬間確信持ちて春の空
風光るボールの行方見届けん
春陽やゴジラをも超え通過点

■プレバト纏め 2024年4月25日
第4弾名人・特待生限定「凡人ワード」ふるさとで一句

名人・特待生一斉査定
犬山紙子
生家のこでまり甘やかな退屈
(足して17音になる破調の調べ 構成も考えている
 こでまりのアップから自分の心理の方に入っていく
 両親がいて心遣いに甘える時間である
 映像と心理とのバランスも良い⇩映像の効果が変わる
 陰りのある心が表現されている)
添削 こでまりの生家甘やかな退屈

永世名人 藤本敏史
「乗りますか」ふるさと経由春の雲
(誰のセリフなのか分かりにくい ファンタジーに徹した方が良い
 行きたいのはふるさと 自分の思いはふるさとに向かっている)
添削 ふるさとってゆくかと春の雲

永世名人 千原ジュニア
故郷の苜蓿(もくしゅく)の香は濃かりけり
苜蓿(もくしゅく・うまごやし)春の季語 クローバー・シロツメグサの俗称
(故郷にまっすぐに挑んでいる 褒めるべき
 「は」助詞 故郷のこの苜蓿の匂いは取り出して指さすような
 強調するような働き 「けり」の使い方もちゃんと勉強している
 「けり」の詠嘆 この状態は元々ずっとあったのに今気が付いてみたら
 「濃いじゃないか」ハッと気づくそういう種類の詠嘆 
 見事に使い熟している 福知山に句碑建ててもらいたい)

次回のお題は連休の混雑

■家藤正人の俳句道場
兼題「桜餅」(春の季語)
佳作 桜餅綻ぶ牧野博士かな   ファイトこうにゃん
佳作 マドンナとターナー島と桜餅   朝日雫
(松山の挨拶句「坊っちゃん」に出てくる二つの紹介)
こし餡か粒かで諍うさくらもち   緑由
桜餅漉しか粒かで一論争   達津庵
桜餅葉っぱ食べよか食べまいか   花の首飾り
葉は食む派葉は食はぬ派や桜餅   梅鶏
(食はぬ⇨食(は)まぬor食(く)わぬ)
佳作 桜餅葉が残る皿空の皿   さっちゃんはね
佳作 葉に付く餅と餅に残る葉桜餅   あいむ李景
佳作 指の香と少し塩味桜餅   うふふとおほほ
(嗅覚と味覚を使って表現)
佳作 桜もち彼はコーンも捨てにけり   宮本隆邦
(「も」助詞に工夫がみえる 葉も捨てているに違いないと読める
葉を表現せずに葉の存在を示唆している)
秀作 葉脈のちりつと舌に桜餅   鈴白菜実
(ちりつとという微妙な舌の感覚の表現が良い)
秀作 葉脈は塩田の罅(ひび)さくらもち   細川鮪目(ゆうもく)
(塩田の罅は味覚の比喩 お見事)

▪正人のもったいない
推敲前 新天地ベンチで食べる桜餅   高橋寅次
推敲後 佳作 新天地ベンチで桜餅ふたつ   高橋寅次

もったいないポイントは「食べる」
季語を信じる 桜餅は食べるものだと言わなくても分かる

▪ギュッと特選
桜餅きれいさびとはゆかぬ娑婆(しゃば)   すがりとおる
ポイントは味覚から発想を広げていく
きれイさびとは茶道の言葉で
物静かな世界にもあか抜けたものがあることを言う
意味
私の理想とする世界は「きれいさび」ではあるが
現実に生きる現世は何とも思うようにはいかないことぞという嘆きと
桜餅が上手くかみ合っている

▪次回の兼題は「鮎(あゆ)」夏の季語
鮎は食べるものと同時に生き物でもあるので
生きた鮎を観察するのも俳句作りのヒントになる

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