2024年4月23日火曜日

100分de名著 フロイト「夢判断」(3)エディプス・コンプレックスの発見

花曇エンジン載せたグライダー
春かなし不確実かつ不安定
花筏ゆるりゆるりと風まかせ
春風や町のケーキ屋またひとつ
風光る成瀬一本取りに行く

■100分de名著 フロイト「夢判断」(3)エディプス・コンプレックスの発見
ジークムント・フロイト 立木(ついき)康介
エディプス・コンプレックス
男児が無意識のうちに母親に愛着を持ち
自分と同性である父に敵意を抱くことで発生する複雑な感情。
父と知らずに父を殺害し、聖母と結婚した
ギリシャ神話のオイディプスにちなんでフロイトが提唱した用語。
「広辞苑」第7版より

劣等コンプレックス 心理学者アルフレッド・アドラーーが提唱
コンプレックス 複合的なもの・複合体(情動の複合体)
夢の研究の中でエディプス・コンプレックスという概念が出てきた

テーバイの王 ライオス 王妃 イオカステ
生まれてくる子は父を殺すだろうという神託を受けたので
直ちに捨てた
コリントス国王夫妻に拾われた子はエディプスと名付けられた。
立派に育ったエディプスに神託が下りました。
いずれ父を殺し、母を娶るだろうから故郷を避けよ
城を即座にでたエディプスはライオスを殺す
怪獣スフィンクスに投げかけられた謎を解くと
イオカステと結婚 悪疫(悪性の流行病)を治めるための神託を乞うと
ライオス殺しの犯人をテーバイから追放すれば悪疫は止むだろう

フロイトの解釈
ひょっとすると、我々の誰もが、
最初の性的な心の動きを母親に向け、
最初の憎しみと残忍な願望を父親に向けるべく
定められていたのかもしれない。
我々が見る夢は、そのことを我々に得心させてくれる。
父ライオスを打ち殺し、母イオカステを娶ったエディプス王は、
我々の幼年時代の願望充足にすぎないのである。

普遍的なエディプス王の運命
「夢判断」ではシェイクスピアの「ハムレット」も参照される。
「源氏物語」の主人公・光源氏は義理の母である藤壺の宮と密通

人間関係の基本~エディプス理論
幼児期のセクシュアリティの発達の頂点
二次性徴
性と心のバランスが一番おかしいのは「中2」
幼児期のセクシュアリティとは❓
狭い意味で「セクシャリティ」という言葉をフロイトは使っていない
人間的な関係を築いていけるようになると
身体を手に入れるのに必要なこと
空腹が満たされると満足感を背景に唇自体に快感が生まれる
唇の快楽を再現するために空腹でなくても乳房を求める
口づけまで到達する

「性理論三篇」(1905年刊行)
セクシュアリティをテーマにした著作

エディプス理論への批判
「男の子モデル」優先
「夢判断」から25年後の論文で
男女のエディプス・コンプレックスの非対称性を理論化
シスジェンダー 性自認と出生時の性別が一致している人や状態
エディプス・コンプレックスが幼児のセクシャリティを
方向付けることを規範・標準型と見ることは難しくなってくる
フロイトはセクシュアリティの基本形は
アナーキー(無法・無秩序)だと思っていた
フロイトは性的多様性の支持者だった
多形性倒錯

〔性器外の性的満足を倒錯として禁じること〕のうちに表明されている、
万人が同じ種類の性生活を送らねばならないとする要求は、
人間の生得的・後天的な性的体質の不平等を飛び越してしまっており、
かなりの数の人々から性的享楽〔の可能性〕を奪うことで、
甚大な不公平の源泉になる。
1930年出版「文化の中の居心地悪さ」より

両性性 バイセクシュアリティ
異性愛者 ヘテロセクシャル
エディプス・コンプレックスと向き合う(人生最大の課題)
エディプス・コンプレックスはおぞましいもの
精神分析はおぞましき樹海を這いずり回るプロセス
エディプス・コンプレックスから解放することが重要

「ヒステリー研究」(1895年刊行)
運命的な惨めさをありふれた不幸に変えることだ
運命的だと思っていた症状の惨めさが
ありふれた不幸の変われば自分で対処できる

50歳の記念に弟子からメダルが送られた
表にはフロイトの肖像 
裏にはスフィンクスに対峙するエディプスの姿と
エディプス王の作者ソポクレスの言葉が添えられていました
「名高き謎を解き大いに権勢を誇りし者」
このメダルを渡されたフロイトは青ざめた
誰がこんなことを思いついたのか❓

「夢」の実現に怯えたフロイト
自分の願望が不意に目の前で実現されると人間は感激せず怯える
ある種の願望は夢の中だけで充足しておくのが良いのかもしれない

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