2024年4月22日月曜日

兼題「菜の花」&題「アクセサリー」

赫赫(かくかく)と春陽新芽へ降り注ぐ
真実を見極め動く春の空
観察を重ね重ねて春の色
究極の真実見抜く春の月
春光や(74年間)眠り続けた雲と空

■NHK俳句 兼題「菜の花」
選者 木暮陶句郎(こぐれとうくろう) ゲスト 益子直美 司会 柴田英嗣
年間テーマ「器に季語を盛る」
陶句郎さんの器に季語から発想した料理を盛り
季語の新たな一面を発見する試み

群馬県渋川市伊香保町在住 O型 てんびん座
1961年10月21日生まれ62歳 身長170㎝弱
明治時代に伊香保焼きがあったのですが
途絶えてしまいました。
陶句郎さんが独自に研究を重ね復活させた。
現在、伊香保焼きは陶句郎さんしか焼いていません。
伊香保焼きを受け継いだのは陶句郎さんです。

菜の花の名句
菜の花や月は東に日は西に   与謝蕪村
地球という器に菜の花という季語を盛り込んだ壮大なスケールの俳句
太陽が沈みかけて反対側から月が昇ってきているという瞬間を詠んでいる
満月なんです。反対側から太陽が月を照らしている
天文学を意識して直感的にこの句を詠んだ
この句は250年前の句 日本には地動説が伝わっていなかった

菜の花の「野」のイメージ 
流れる雲の影や青空をイメージしつつ
筆を動かしこの器ができました

今回の器にはみずみずしい月が表現されていましたが、
菜の花は盛られていませんでした。
しかし菜の花の映像が脳裏に表れました。
嗅覚や味覚から触発されて出てきました
そんな季語の見つけ方もあります

▪特選六句発表 兼題「菜の花」
菜の花やダンプは土をこぼしつつ   平山仁彦(きみひこ)
菜の花の角を曲がって同棲す   旅音(たびね)にこ
(新しい景色というのは「菜の花のような明るい未来」)
一輪の菜の花に笑むオートマタ   生野浩久
(オートマタとは自動人形 
菜の花を一輪添えたことによってオートマタがほほ笑んだ
メルヘンの世界 俳句はここまで言っていい)
傷心の日や菜の花の真つ盛り   君島忍
(一番悲しい日 菜の花の明るさに耐えられない
あの時の傷心が癒えない 菜の花をいつも見ている
勇気づけられるとかえって辛い)
退職の空の青さや花菜風(はななかぜ)   佐藤実
(退職した淋しさと華々しさを応援してくれている)
菜の花の蕾の中の水の玉   三日月なな子
(「の」が5つある 「の」の丸みが水の玉に見える)

▪俳句やろうぜ 黒岩徳将
ネクスト俳人 俳句マニア大学生 藤井万里
花束に底なかりけり鳥の恋   藤井万里

▪益子直美さんに一句詠んでもらいました
菜の花と代表を誓う背比べ   益子直美
添削(読み手に想像する部分を残す)
菜の花と夢を語りて背比べ

▪特選三席 兼題「菜の花」
一席 口笛のかすれつぱなし花菜風   小熊なが子
(中七に情が込められている子の練習を見守る母へエールの風)
二席 菜の花やあだ名の決まる帰り道   水蜜桃
(本人も満足したあだ名だと想像できる)
三席 歯ごたえはジャズ菜の花の辛子和(からしあえ)   二木雅弘
(切れとジャスの雰囲気があっている)

▪柴田の歩み
名前も作品

■NHK短歌 題「アクセサリー」
選者 大森静佳 ゲスト 植本一子 司会 尾崎世界観
年間テーマ「❝ものがたり❞の深みへ」

自分の考えていることが定型とせめぎ合うことで深められる
アクセサリーとは約束の証だったり元々あるイメージが強い
自分だけの❝ものがたり❞とか具体がいい働きをするテーマ

イヤリング垂らせば夜の両耳に祖母の聴きたる雨音が鳴る
大森静佳

▪歌に❝ものがたり❞あり
入選九首 テーマ「アクセサリー」
実家へと赴く白いブラウスの心臓としてレッドオニキス
伊島笑美
宴会のたびにタイピンなくしても若草山に星はかがやく
和田康
三席 ネックレスを作業着の下に光らせて野田さんは今日も怒られている
田中佳(よし)
主なき棺(ひつぎ)の出土図勾玉(まがたま)の散らばるあたりが胸だとわかる
久藤さえ
バス停の瞳見つけて手を上げるピアスも指輪もつけない人に
えんりこ
一席 私 銀色のピアスを真珠に付け替える人のかたちの兄に会うため
水須ゆき子
大好きなピアスだったよあなたからもらったからじゃなくて色とか
大野博司
二席 アジャスターチェーンゆっくり緩めつつ月は夜空に居場所をさがす
山崎杜人(もりと)
数珠玉で母と作った首飾り握りしめてた防空壕に
橋本美知子

▪ものがたりの深みへ
フェルメール 真珠の耳飾りの少女

植本一子
目にひきつけられた
生身の人間と同じように撮る
振り返りを撮りたかった
若いエネルギーを感じた

大森静佳
ふたつめの真珠を唇(くち)に光らせてきみがわたしを呼びやまぬ春
下唇の反射が気に入っている
1990年の修復でよみがえった輝き

写真も短歌も一瞬を切り取るという言われ方をします
一瞬の前後にちゃんと時間が流れている
植本一子さんの写真も光で被写体を包むみたいな感じを受けています
短歌には光は無いけれど言葉やリズムが絡み合って時間が流れている
それがものがたりっていうことなのかな❓
一瞬の中に前後まで見えてくるように思います

植本一子
下北沢で「天然スタジオ」一般家庭向けの写真館をしています
https://tennenstudio.tumblr.com/about
1年に1回写真を撮りに来てくれている人がいます
家庭の日に写真を通して関われることがすごくありがたい
けう(希有)な仕事だと思っています

▪ことばのバトン
しばし眠って春を待ちます
日本女子大学短歌会 竹田紗紀子

暖かな風とスカートたわむれて
高橋花歩
放課後の部屋は僕らの秘密基地お菓子も笑いも悩みもここで
たくさんの行事がコロナで消えたって関係ないね好きだよみんな

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