横尾忠則氏へ
運命に従いて生く春の月
春の雨老化現象受け入れて
春あしたお洒落施し病院へ
朧月抱える病気増えにけり
春の宵痛みと共に年重ね
■NHK俳句 兼題「石鹸玉(しゃぼんだま)」
年間テーマ「俳句の凝りをほぐします」
選者 堀田季何(きか) レギュラー 庄司浩平 司会 柴田英嗣
▪意気込みの一句
彼岸西風(ひがんにし)高く木伸びろと掘り植える 柴田英嗣
(添削 木はいらない)
俳諧の路を歩けし馬の仔や 庄司浩平
(添削 歩けし⇨歩きし・歩ける・歩きてなど)
前年は発想法を学びました
今年はその発想を実際に表現するためのテクニックを学びます
▪俳句の凝りをほぐします
春の暮自転車の錆丘の上
輪になつてじつと見守る夏の花
上記の句は意味が解らない
凝った句 俳句の凝り ああ、そうですか
① おでん煮る母の背中は小さくて 類想
② きらきらと夜の花火が咲いてゐる 季語の説明
③ 蝉の声やかましいぞイヤホンす 原因と結果
④ 反戦の誓ひ忘れず春寒し 標語
⑤ 朝食はバナナ三本テストの日 報告
凝りがほぐれた句とは?
③閑さや岩にしみいる蝉の声 松尾芭蕉
読者を反応させる句 ツボポイント
喜怒哀楽 考えさせる
▪クイズ
まるいつまでも働きつづけ蟻の列
💮はからずもタイヤを廻る蟻の列
睡蓮を好みしモネや夏夕べ
💮睡蓮なんてみなモネの模倣です
▪若手俳人探査隊長 俳人 黒岩徳将
新池や蛙(クロイワ)飛び込む水の音
俳句やろうぜ
ネクストブレイク俳人 大阪在住14歳 俳号 幸の実
阿見果凛
阿見果凛さんの好きな俳句
飛ぶのは痛い飛ぶのは痛い蝶の羽 夏井いつき
黒岩徳将さんの好きな俳句
ピッコロのトリル朝顔ふるわせて 阿見果凛
▪今週の兼題「石鹸玉(しゃぼんだま)」凡の句
薄きこと地球のごとし石鹸玉 松原正憲
シャボン玉儚い運命飛んでいけ 柏原祥通
戦争や飛ばすのならば石鹸玉 榎並しんさ
▪特選六句 兼題「石鹼玉」
石鹼玉われたヒーローいなかった 益木(ますき)うから
しゃぼん玉割れない神に嫌はれて 葉村直
井戸端や母が手で吹く石鹼玉 東島(とうしま)雄二
面接へ行く石鹼玉避(よ)けながら 塗野尊人(ぬりのたつと)
角ばった世界へ放つ石鹼玉 笑松(わらいまつ)
すぐ怒る母の分厚き石鹼玉 ひなた和佳(わか)
▪柴田・庄司の歩み
柴田 紙一重
庄司 たまにはシャボン玉やってみようかしら。
■NHK短歌 題「プラスチック」
選者 川野里子 レギュラー 内藤秀一郎 深尾あむ 司会 ヒコロヒー
入門コース「❝私❞に出会おう~2年目の飛躍~」
▪飛躍の扉 固有名詞
普通名詞 物事のごく一般的な名称を表わす名詞 山・木・子どもなど
固有名詞 たったひとつしかないものを表わす名詞 地名や人名など
富士山・東京・与謝野晶子など
固有名詞を短歌にどう生かすか学ぼう!
地名
鬼くるみ月山の夜を太り来てことりと置けばよき顔をせり
川野里子「五月の王」
人名
ナポレオンは三十歳でクーデターほんのり派手なネクタイでぼくは
辻聡之「あしたの孵化」
よく知られた人名はみんなが情報を
共有しているので対話で複雑な心が表現できる
知られていない人名
売月の夜蜜の暗さとなりにけり野沢凡兆その妻羽紅(うこう)
高野公彦「雨月」
短歌に固有名詞を入れることは物語のイメージや呼び込み効果がある
▪入選六首 題「プラスチック」
ロボットに愛を打ち明けられえからプラスチックの食器が怖い
鋤柄(すきがら)杉太
一席 昨日まで我だった子と月光のプラスチックを隔てて眠る
アメリカ メリーランド州 毛糸
理科室のプラスティックの心臓に夕陽が刺さりドクッと鳴った
川田ゆかる
プラスチックの底のミッキー洗っても洗っても来る夜泣きの夜が
江原冬莉(ふゆり)
私 おくやみの言葉は途方もなく軽くプラスチックの数珠玉ひかる
古澤茅世加(ちよか)
一回や二回は君にもあるだろうプラモで町を蹂躙した事
中里正樹
赤字はきらりポイント
▪秀一郎 あむの飛躍のカギ
飛躍のカギは「下の句」
起きてすぐ思い浮かべる人がいる あむ
キャンドルの火揺れ動く影 秀一郎
今日私春始めました あむ
僕の家うるさい音は排気音 眠れぬ僕はぐずってる子供 秀一郎
この家の(添削)
エンジン切って沈む湯船へ あむ
交換して感じられた下の句は全然別のイメージ
もうひとりの自分を用意しておく
いろんな可能性を考えながら膨らませていく
下の句がとっても深くなったりぐんと飛躍する
▪ことばのバトン
何度でも「はじめまして」を言いたくて
枡野浩一 歌人
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