春の空やりたくないと言えばいい
愛されて愛した時間春の雨
懸命を書く人をりて春の闇
亀鳴くや歳などあらん青春に
今日もまた動詞で綴る春の朝
■100分de名著 フロイト「夢判断」(2)夢形成のメカニズム
精神分析医 ジークムント・フロイト(1856~1939)
19世紀最後の年に刊行
京都大学教授 立木康介
願望充足としての夢
便宜の夢
この簡単な夢の誘因は、目を覚ましたときも
なお感じている喉の渇きである。
この渇きという感覚から、
水が飲みたいという願望が生ずる。
そして夢はこの願望を充たしてくれる。
睡眠を守る役目を果している 睡眠願望を充たす
普段思いも浮かばないような願望が元になって(夢は)作られる
夢は抑圧された願望の偽装された満足
「肉屋の美人細君の夢」「夢判断」第4章に登場
そのせいで自分の願望も叶えられない
なぜ夢は願望を「歪曲」する?
神経症の本質はアクセルとブレーキを一緒に踏むこと
局所論 心の中に3つの異なる場(=審級)を区別する理論
① 意識 現実と接している心の表面
② 前意識 無意識から意識に侵入する思考を「検閲」
抑圧し続けようとする働き
③ 無意識 意識の外に追いやられた「抑圧されたもの」の場
無意識の願望は常に意識に侵入しようとする
思い出そうとする心の動きに「抵抗」するものがある
無意識を「ビジュアル化」する夢
表現可能性への顧慮 ドラマ(演劇)化
精神分析家 ヘルベルト・ジルベラー(1882~1923)の夢を取り上げている
ダジャレのような夢
魚の鯉が恋愛の恋とかかっている
ダジャレみたいなものを夢は動員する
フランス語だと警察を表現するのにツルツルとした花瓶が出てくる
花瓶ポ(pot)+滑らかなリス(lisse)=警察ポリス(police)
4つの夢作業(潜在思考を顕在内容へと置き換えること)
① 圧縮 複数の要素を重ねる
② 移動 核心をずらす
③ 表現可能性への顧慮(ビジュアル化)
④ 二次加工 添加・整える
④ 本書では夢のファサードと表現されている
科学者 アルフレッド・モーリの夢が紹介されている(疑問)
無意識的空想が見せる夢
血気盛んな若者が革命に憧れて渦中に自分がいたと空想
モーリ自身が知らないところででき上っていた空想があって
覚醒刺激をきっかけに前意識に浮上
無意識の空想は固有のリアリティを持っている
空想のリアリティに患者は固執する
客観的だと思っている現実と無意識の中の現実が葛藤を起こす
心的現実 フロイトは心の可能性を提示した
どんなにうまく解釈しおおせた夢にあっても、
ある個所は未解決のままに放置しておかざるを
えないこともしばしばある。
それは、その箇所にはどうしても解けないたくさんの
夢思考の結び玉があって、しかもその結び玉は、
夢内容になんらそれ以上の寄与をしていないということが
分析にさいして判明するからである。
これはつまり夢の臍(へそ)、夢が未知なるもののうえに、
そこにおいて座りこんでいるところの、その場所なのである。
「夢の臍」~夢分析の終わりとは❓
フロイトが何を浮き彫りにしようとしたのか
夢がいかに無意識の願望の上に成り立っているのかということ
シェークスピア戯曲「テンペスト」
我々は、夢がその上に作られるような、そういうものである。
我らは夢と同じ糸で織られている(福田恆存 訳)
「我々」とは「願望」
■100分de名著 選 源氏物語(1)「光源氏のコンプレックス」
桐壺の更衣死去⇨臣籍降下⇨葵の上と結婚⇨葵の上の死⇨須磨へ下る
⇨都帰還⇨実子・冷泉帝即位⇨太政大臣に⇨娘・明石の君入内⇨准太上天皇
「なほにほはしさはたとへむ方なく、
うつくしげなるを、
世の人光る君と聞こゆ。」
(「源氏物語」桐壺)
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