2024年3月31日日曜日

100分de名著forユース3ロビンソン 思い出のマーニー

亀鳴くや恥の文化の続きをり
永き日を恥の概念すり込まれ
罪と恥文化の違ひ暮れかぬる
春の泥歴史の違ひ愛と恩
黒北風(くろきた)の愛のなき日をだた生きて

■100分de名著forユース3ロビンソン 思い出のマーニー
生きづらさに向き合う
河合俊雄(臨床心理学者)河合隼雄の息子 加藤シゲアキ 阿部みちこ

生きづらさを乗り越えるためのヒントになる作品
アンナは、なんにも考えずに ただ、あたりをながめて
物音に耳を透かしていました。
しめっ地と、海と、空との、おおきな、静かなからっぽさを
胸いっぱいにすいこみながらじっと、立っていました。
そのからっぽさは、今、アンナの心の中にある、
小さなからっぽさととてもよく似合うように思われました。
そのとき、とつぜん アンナはふりむきました。
だれかにじっと見られているような不思議な感じがしたのです。
アンナは、そのやしきを見ました。
見たとたんに、アンナには、これこそ自分がずっと
さがしていたものだ ということがわかりました。
―これは夢だーとアンナは思いました。
「あなた、ほんとの人間?」
とうとう、アンナはささやき声でききました。
「ええ。あなたも?」
ほんとうに、女の子は、生きているほんとうの人間でした。

アンナのキャラクター
誰にも心を開いていない
無気力・無表情で「何もやってみようとしない」

みんな、「内側の人」
なにか、目に見えない魔法の輪の内側にいる人だからです。
でも、アンナ自身は、その輪の「外側」にいました。

親友=チャム 親友関係=チャムシップ
チャムシップ:双子的関係
他者とつながってはじめて自分自身とつながれる

「ね、おねがい。約束して。あなたも、わたしのこと
 だれにも話さないって。ね、永久に、話さないって。」
「ええ、話さないわ。だれにも、永久に!」

「死ぬ前にお母さんはわたしをおいてったわ。」(略)
「おばあちゃんも、わたしをおいてったわ。」
「わたしをつれずにどこかへ行ったわ。
 そして、帰ってくるって約束したくせに帰って来なかった。」
「わたしを、ひとりぼっちにして行ったから
 おばあちゃんなんかきらい。(略)」
「あたしを、おいてきぼりにするなんて、ひどい。ぜったい
 ぜったいゆるせない。おばあちゃんなんか、きらい。」

良い変化のためには「怒り」などネガティブな感情が必要

マーニーへの感情の変化
羨望から同情へ

「あなたにいいたかったのー。
 さよならをいいたかったのー。
 でも、外へ出してくれなにのー。
 アンナ!!」
「ごめんなさい!
 あんなふうに、あなたをおいてきぼりにするつもりはなかったの。
 ねえ、アンナ、おねがい!ゆるしてくれるって、いって!」
まるで、その言葉はアンナ自身の中から聞こえてくるようでした。
風車小屋事件の意味とは
二度目の裏切りが起こった
マーニーを許すことができた
それによって心の傷を克服できた
ポジティブによって人間は救われない
つらい状態を乗り越えることで克服できる
マイナスをもう一回体験することでプラスに転じる
(いわゆるワクチン接種)

「ね、きいて、」
と、アンナがゆっくりといいました。
「あたし、マーニーなんて人はいないんだと、思う。
 マーニーは…、一種の、…そう空想の中の女の子なんだと思うわ。
 あたしが、向かい、空想で作りあげた…。
 一人ぼっちで、さびしかったから。あたし、いまじゃ、もう
 ほんとに思い出せないの。何もかも、ずうっと昔のこと見たい…」

「おばあさんが亡くなって、世話をしてもらえなくなった
 その小さな女の子はある子どものためのホームへ送られました。
 それから二、三ねんして、一組の夫婦がそのホームで
 その子をみつけました。(略)二人はマリアンナを
 引き取って家へ連れて帰って育てることにしました。」
「その人は、どうしても、その子を自分の本当の子どもだと
 思いたかったのでその子の名前をかえました。
 いいえ、すっかりかえてしまったのではありません。
 後ろの半分だけを、使うことにしたのです。」
プリシラが叫びました。
「アンナ!マリア・アンナ!」
「あたし?」アンナがいいました。
「あたしですって?」

イマジナリーコンパニオン:想像上の友達

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