2024年4月2日火曜日

源氏物語の女君たち(7)女三の宮

一糸乱れぬV字旋回鳥帰る
大麻で卵温む鸛(こうのとり)
春の月猫はうとうと膝の中
木瓜(ぼけ)の花客の出迎え見え隠れ
冴返る手先足先小刻みに

■源氏物語の女君たち(7)女三の宮
藤井由紀子教授

第一部(光源氏誕生から栄華を極めるまで)
第二部(光源氏の晩年)
第三部(光源氏の子どもや孫の物語)

女三の宮は第二部(光源氏の晩年)から登場
女三の宮の父は朱雀院 母は女御 三番目の娘
朱雀院と光源氏は異母兄弟

40歳だが光源氏の妻にしてもらおう と朱雀院
女三の宮が藤壺の宮の姪と分かり承知する
制裁として迎え六条院へ入れた
しかし幼稚すぎて深く失望
六条院とは光源氏が35才の時に建てた大邸宅
垣間見た女三の宮にうっとりする柏木
柏木の子を女三の宮は妊娠
因果応報の恐ろしさを知る
恐れおののく柏木
申し訳なさでいっぱいの女三の宮
女三の宮は女の子を出産
朱雀院に出家を申し出る女三の宮 そして出家

藤壺の宮と女三の宮はおばと姪にあたる
紫の上も藤壺の宮の姪
女三の宮は14,5歳で結婚適齢期

姫宮は、げにまだいと小さく
姫君は本当にまだたいそう小さく
片なりにおはする中にも、
未成熟でいらっしゃる中でも、
いといはけなき気色して、
本当に幼い感じがして
ひたみちに若びたまへり。
ひたすら子どもっぽくていらっしゃる。

平安時代の貴族の女性は男性に姿を見せなかった

平安一口メモ~六条院~
東京ドームと同じくらいの広さだった
原文
六条京極のわたりに(中略)四町を占めて造らせたまふ
光源氏は六条京極のあたりに四町を占めて信邸をお造りになられる
六条院の面積は63500㎡ 東京ドームは46755㎡

六条院で起きた事件
垣間見事件 犯人は猫
柏木は光源氏の親友の長男
垣間見によって女三の宮への想いが再燃した
思ひ乱れぬ…心が乱れる と原文にも記されている
柏木の女三の宮へあてた文を見つける
そこで密通の事実に気づく
怒りが収まらないけれどハッと気づく

故院のうえも、かく、御心には知ろしめしてや、
桐壺院も(私と同じように)心の中ではお分かりになっていて
知らず顔をつくらせたまひけむ、
知らぬ顔をなさっていたのだろうか
思へば、その世のことこそは、
思えば私と藤壺の宮との密通は
いと恐ろしくあるまじき過ちなりけれ、
本当に恐ろしくてあってはいけない過ちであった

本文では書かれていないが
(この原文で)もしかしたら知っていたのでは?

藤壺の宮と光源氏の間には冷泉帝
女三の宮と柏木の間には薫
対応している
藤壺の宮と光源氏が強かったから罪は隠せた
女三の宮は泣くことしかできなかった
柏木は家から出られなくなる
女三の宮が出家したと聞いて
生きる望みをなくし柏木は死んでしまう
2番目の密通はバッドエンドとなってしまった
光源氏に因果応報を知らせるため
女三の宮は重要な役割を負っている人物
今の言葉で言えば伏線回収
強烈なエピソードがないからニックネームもない
一部で紫式部はおそらくそこで1回筆を置いたのでは❓
光源氏は第一部では男性として
第二部では女三の宮によって人間として書かれた

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