亀鳴くや悲しみ不安作る人
価値感を押し付けられし春の暮
朧月人それぞれの価値あらん
休刊日過行く時間長閑なり
春の空もがき苦しみ陽を求め
■源氏物語の女君たち(8)紫の上(後編)
藤井由紀子教授
二条院 光源氏の邸宅で紫の上は育つ
光源氏は明石の君と仲良くなり子供も生まれるが
その娘も引き取って自分の養女として育てる
ずっと正妻っぽいポジションにいた
明石の姫君(=明石の中宮) 東宮の元に入内
この時光源氏は40歳 女三宮は14,5歳 紫の上は約30歳
孫 匂宮(におうのみや)
明石の姫君に手を握られ紫の上は亡くなる
年ごろ、さもやあらむと思ひしことどもも、
長年、そんなこともあるかもしれないと思っていたことも
今はとのみもて離れたまひつつ、
今はそんなことから(光源氏も恋愛事から)遠のいている
さらばかくにこそはと、
うちとけゆく末に、ありありて、
このまま仲良く過ごせると安心した末に結局
かく世の聞き耳も
なのめならぬことの出で来ぬるよ。
世間の人たちが聞き耳を立てるとんでもないことが起こってしまった
思ひ定むべき世のありさまにも
あらざりければ、
私たち大丈夫と決めてしまうことができる夫婦仲ではなかったから
今より後もうしろめたくぞ思しなりぬる。
今後のことまで心配になってくる
信頼感の喪失が記載されている
明石の君には焼きもちも焼いていたが女三の宮にはそれすら無理
光源氏から女三宮との結婚を打ち明けられた時にも
「私でよければ仲良くして頂きたいと思います」としか言えない
心苦がたたり紫の上は病気に倒れる
知らせを聞いた光源氏はすぐに帰宅するも…。
もののけが出現。そのもののけは六条御息所だった
六条御息所とは光源氏の愛人 生霊となり正妻 葵の上をとり殺した
おっとりしていない女性の例として六条御息所の名をあげたことがあった
光源氏には仏の加護が強くて近づけないので紫の上にとりついた
「いかに思さるるにか」とて、
「どういうご気分ですか」と言って、
宮は御手をとらへたてまつりて
明石の中宮は手をとって
泣く泣く見たてまつりたまふに、
泣きながら見ている
まことに消えゆく露の心地して
本当に消えていく露のように
限りに見えたまへば、
お亡くなりになった
明石の中宮に手をとられて亡くなる
最期を看取るのは光源氏じゃない
光源氏が近くにいるのは確かだけれど どこにいるかわからない
紫の上の残した遺言とは❓
匂宮=明石の中宮の息子 を呼んで
私がいなくなったら悲しい?って聞くと
お父さんよりお母さんよりおばあちゃんが好きだから
機嫌が悪くなってしまうよ という
庭の梅と桜をあげるから私が死んだ後も大切にして
時々は仏前に飾ってねってというと
匂宮は解ったといって 涙が出るからその場をはなれた
千年前に書かれたフィクションにみな感動…。
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