欲もなく生き存えて春疾風
春の泥疑え規範、価値観を
常識の向う側こそ春時雨
春の暮多面性もつ人生よ
春潮や苦しきことの多かりき
■NHK俳句 スペシャル はみだせ!教室俳句
出演 夏井いつき
第1回全国教室俳句コンテスト
夏のベンチあついさくらんぼたねでかい
どこに行く山に湖冬の雨
長縄の八四回冬の朝
・山本巧先生
Step1 思い出表でオリジナリティ
Step2 思い出表から五・七・五
パンケーキ積んで積んだら青嵐
月見草ゴルフで飛んだ一〇〇yd(ヤード)
春寒しテレビが来たから真面目にね
ころがって大人になるぞ雪だるま
雪つもり溶けるか監視地面見る
風光る心のことば手渡せば 山本巧(先生)
学級経営の柱に俳句を据えれば言葉が育つ心が育つ
・山本純心(すみと)先生
助詞の表現
(手話は)一つの動作で「雨が降る」という事を意味して
(手話は)助詞を使わなくても豊かな表現方法がある
俳句の場合はどうしても助詞を使わないといけない部分があるので
ある意味困りだった
「の」なのか「は」なのか「が」なのか
迷ったら(俳句が)嫌になっちゃうので
困ったら「の」「の」から入ろうよって
助詞「の」にこだわった俳句づくり
聞こえずに目の合図して秋の風
国語の毎時間メイクの勉強
モデルがない状態でやれって言っても難しいので
こんなことも あれもいいんだ ということを
知る装置でもあるのかなと
春の風邪声(かざごえ)を飾りてゐるやうな 髙橋順子
かざ かざ
似ている音を入れてくっていうことで
音の調節してるって意味がある
「へぇ」とか「なるほど」率が高い 授業はやりたいなと
知る・わかる・できるっていう順番で「知る」がないと
「わかる」も「できる」も繋がらない 聴覚に障害を
持っている子供たちだけれども気づきとして同じ「音」を使う
韻を踏むという事を圧倒的に教えている
知っておくという事は(表現の)幅を広げるためにも
必要じゃないかなと
名句を味わうという事はテクニックとか言葉 季語とか
そういうもの全部 一緒に学べる 名句を自分の創作の
糧にしていく とても大事 芭蕉あたりから若い人まで
ランダムに名句として教えている 先生が目的を持って
選んでいるような気もする 隙間時間で応募作品作りをしている
いつき先生
賞に入る事はゴールでは全く無いけれど自分を全く知らない人が
選んでくれるっていう経験は意味があるのかなとは思っていて
ある時を境に言う事を聞かなくなる時がある 俳句の“第二次反抗期”
大人に言われた事に「違うんだよ」って言える その時に
私の一つの役目が終わる 自分の力でやっていくことが
出来るようになったら それは生きていく中でも決して損ではない
俳句を作り終わった後 気持ちがいい感覚があります
(俳句で)自分の考えを表現したい 生徒
後れ毛をさわる年頃夏はじめ 高3女子
鳥のため扉を開く春の空 高2女子
十五夜のうさぎの声は静かかな 高1男子
青空の嘘ばかり言うトマトかな 高3女子
「の」は曲者 先生の指導が実っている
青空が嘘ばかり言うトマトかな
生徒から先生へ
冬風やともに歩んでありがとう
あなたから教わり忘れずに葉月
(葉月は山本先生の誕生月です)
冬日和恩師に感謝告げる猫
教壇に立つ担任の目の合図
(ろう学校は”目”がとても大事なので見ること=信頼)
知る事が彼らの世界を広げる基礎なのでいろんな事を
伝える事は彼らの生きる事には繋がると思っています
最初から「はみ出す」事が意図じゃなくて 後々結果として
はみ出ちゃった 結果として「はみ出ちゃう」事が
ゴールなのかな
あの子たち一人一人が先生の事を心の中に置いて
どんなふうに歩み出していくのか
追跡ビデオが見たいです いつき先生
■NHK短歌 スペシャル「46人のことばのバトン」
枡野浩一 青松輝(あきら) 宮田愛萌(まなも) 司会 尾崎世界観
つなぐときバトンはしっぽだったから 岡野大詞(歌人)
つかみそこねて仰ぐ青空 岩下尚史(作家)
神様の盃にぬる燗注ぎ足して 金井真紀(文筆家)
会議室との通信を切る 桜井あらん(会社員)
ひび割れたメガネで明日をのぞいてる 藤井渚央(高校三年生)
春夏秋冬咲け山桜 池野弘葉(高校二年生)
あの歌も羽根もいっしょに埋めました 梅﨑実奈(書店員)
「希望」と名付けた木の根本へと 小坂井大輔(中華料理店店主)
ブランコをこいで足から陽を受ける 上本彩加(会社員)
苦しくても今ぼくらは始まる 高山邦男(タクシー運転手)
区役所で出生届型破り FUNI(ラッパー)
過去退(の)けたるは春筍か 井口五郎(音楽書籍編集者)
竹の秋触れては破れ土筆水母 ドゥーグル・リンズィー(海洋生物学者)
午後のおやつはいちご大福 矢沢𠮷見
もちもちで包んだ幸せほおばって 小宮山碧生(中学三年生)
盤駒がある生まれたる家 先崎学(棋士)
上の空グラスホッパーならばただ 短歌AI&浦川通(開発者)
触角で穴をあければ雷雨 涌田悠(ダンサー・振付家)
闇のなかただとんでみるとんでみる 初瀬勇輔(視覚障害者柔道家)
鼓動のリズム「此処にいるよ」と 真山りか(私立恵比寿中学)
目を閉じて戦いに揺れる無窮の野 ガリーナ・シェフツォバ
(キーウ国立建設・建築大学教授)
誰のバトンも落とさず走れ 久永草太(獣医師)
打ち水に一瞬架かる虹だった 岡本真帆(歌人)
朝目が覚めてもそこにいるサボ 岩手県立盛岡第一高校文学研究部
ぷるぷるぷるつれない君の河鹿鳴く 尚学館高等部
ぼくらの隙間を抜けてゆく風 高田高等学校
君の目が掃いたところはより緑 筑波大学付属高等学校
仰いだ空に光彩の舞う 富山県立伏木高等学校如意ヶ丘
黒板に「・」だけ残る昼休み 岐阜県立飛騨神岡高校文芸部
ざわめきながらしんとしている 池松舞(作家・野球短歌)
貨物列車聴く僕たちのアナキズム 工藤ひすい(高校一年生)
車道爆走津軽のかっちゃ 斉藤新吾
あおられてよろめくはずみ第一歩 寺嶋由美(アイドル)
⑩分前にここに来てくれ 吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)
幕上がり扇子を置けば別世界 桂蝶の治(落語家)
我らは創る夢の架け橋 内堀克利(俳優・殺陣師)
アレの日玉子を割れば黄身ふたつ かまちよしろう(漫画家)
ひとしずくの夢足音ははずむ 篠原香代
(みなかみまるごと短歌プロジェクト実行委員)
勢車付きの玩具のあった頃 田村吉廣(みなかわ町牧水会会長)
仮面の男の返信を待つ 村井光男(ナナロク社代表)
雪の夜踊る男と飲む麦酒 宮城マリオ(エアギタリスト)
とける陽を呼ぶまばたきの人 南阿沙美(写真家)
声が射す鋼宿せし心根に 天中軒すみれ(浪曲師)
真に活きるは闘うことだ ビナ(ラッパー)
何度でも「はじめまして」を言いたくて 枡野浩一(歌人)発句
しばし眠って春を待ちます 竹田紗紀子(日本女子大短歌会)
暖かな風とスカートたわむれて 高橋花歩(日本女子大短歌会)
エグい花粉も聴こえない庭 ほきゅみ(東京農工大短歌会)
ほこり立つ突風に散る梅の花 枯芝(東京農工大短歌会)
毒をはぐくむ桜木の陰 三々凪四葩(同志社大短歌会)
舌のうえ炭酸の味うすれつつ 不凍港(同志社大短歌会)
胸が背中がどこまでも向く 府田確(神戸大短歌会)青松推します
工場の煙が遠く立ち上る 奥村鼓太郎(神戸大短歌会)
空のあなたはどうしてますか 本間大智(妙円寺住職)
愛しぬく想いを継いで歌詞にする ガールズトーク(ラッパー)
野原が花で満ちてくように コールレイ(ラップ歴3年)
青々と匂う木々たちリズム風 長沼七海(書店員)
バンドをやろうか還暦だもの 國兼秀二(短歌研究編集長)枡野推します
ブラボーが降りそそぐようなステージに ファブリ(イタリアン歌人)
今日はじめての私がいます 藤田衣里子(東洋大学コンクールスタッフ)
初夏に聞く蝉の歌声初々しい 神田日陽里(高校三年生)
命の限り歌えよ恋を 田村裕(高等学校教諭)
制服の内ポケットが光りだす 伊藤敏恵(NHKJアナウンサー)
岸に寄すさざ波のように幾たびも娘をなでる我海になる 伊藤敏恵
乱反射せよ呪(まじな)いのペン ニコ・ニコルソン(漫画家)
まっさらな白紙を前に全能感 金子崇(漫画編集者)
きみの香りが残る窓際 文月悠光(詩人)
〈アリア〉というハンドルネームの友だちは 青松輝(歌人)
大気の奏でる曲のような娘 青森県立八戸西高校文芸部
詩奏行く先々に幸せを 秋田県立大曲農業高校太田分校
風船葛の中に込めて 星野高校文芸部
Twilightよい子は家へ帰りましょう 興南高校俳句部
ママのカレーの香りにつられ 富山県立伏木高校
母さんがいるからここは故郷で 気仙沼高校文芸部
真っ白な帆が風に広がる 杜崎ひらく(歌人)
はじめての海にほほえむ君の頬 中前安弘(スムージー・サラダ店店主)⇩青松流れ推し
脊柱起立筋のサメを見ろ 上野俊彦(日本ボディビル・フィットネス連盟)私
赤胴の漁師の顔と瓶ビール 肥沼和之(ジャーナリスト・バー店主)
燃える夕日に連なるカワウ 田向健一(獣医師)
鵜のいろの空に朝日をのぼらせる 谷口奈月(フリーアナウンサー)
生きる輝き背中を押され 松田茂(コピーライター)
走りたい足がはいてたハイヒール 宮田愛萌(作家・タレント)⇩枡野流れ推し
プライド脱ぐから置いてかないで 律月ひかる(いぎなり東北産)
見た目より脱ぐとすごいゼメンチカツ 那波秀和(スーパーマーケット社長)尾崎推します 私
八ツのフモトでげん氣売るかナ まつむらまさこ(絵本作家)
志望校俺だけ落ちて歯を見せる 麻布競馬場(小説家)宮田推します 私
あらたな道へ心機一転 八木冨美子(江北氷川神社名誉宮司)
掛けなおすボタン緋色の春が立つ 小川優子(歌人)
墓石がにやり「あんじょうやりや」 大西里枝(扇子店四代目)私
「あい、わかりました」と払う大きな手 池上規公子(葉ね文庫)
あるけば花びらも踏むだろう ねべとびすこ(歌人)
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