2025年3月13日木曜日

竹中半兵衛&おくのほそ道&こころ

踏まれても陽射しに向かう菫草
役に立つ人でありたく春の雲
亀鳴くやDITをよく咀嚼
視覚的音楽創る春陽かな
創られた命の息吹春の草

■敗北からの教訓 第82回「竹中半兵衛・秀吉を支えた名軍師の誤算」
謀叛(むほん)を起した理由
①龍興(たつおき)を改めさせるため「武家事記」
②自分の名を高めるため「竹中家譜」
③龍興の重臣から屈辱を受けたため「竹中先祖旧記」
④龍興の重臣が半兵衛の義父失脚させようとしたため「竹中家旧記」

西美濃三人衆 安藤守就 稲葉良通 氏家直元

竹中半兵衛 敗北の伏線
張切り過ぎてオーバーワークに要注意!

竹中半兵衛 敗北の瞬間
後輩の危機を命がけでカバーするのも先輩の役目と心得ること

竹中半兵衛の敗北から学ぶ教訓
自分の職掌を限定しない

■10min.ボックス古文・漢文 おくのほそ道(松尾芭蕉)
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。
舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらへて
老をむかふるものは、日ゝ旅にして旅を栖(すみか)とす。
古人も多く旅に死せるあり。

漂泊の俳諧師
旅の始まりは1689年(元録2年)春 芭蕉46歳 江戸を出発

扨(さて)も義臣すぐつて 此城に籠り、功名一時の草村となる。
国破れて山河あり、城春にして草青みたりと、
笠打敷て時のうつるまで なみだを落し侍(はべ)りぬ。

夏艸(くさ)や兵共(つわものども)が夢の跡
立石寺(りっしゃくじ)
岩に巌を重(かさね)て山とし、松栢年ふり、土石老て、
苔なめらかに、岩上の院ゝ扉を閉(とじ)て、物の音聞こえず。
佳景寂莫として、こゝろすみ行(ゆく)のみ覚ゆ。

閑(しずか)さや岩にしみ入(いる)蝉の声

十七文字の芸術
発句五七五は明治以降「俳句」と呼ばれるようになる
芭蕉は十七文字を極めるために旅に出た
推敲は旅が終わっても数年間続けられた

山寺や石にしみつく蝉の声(推敲前)⇩
さびしさや岩にしみ込(こむ)蝉のこゑ⇩
閑(しずか)さや岩にしみ入(いる)蝉の声

さみだれをあつめて早し最上川
荒海(あらうみ)や佐渡によこたふ天河(あまのがわ)

旅の途中大阪で息を引き取った五十一歳でした

芭蕉辞世の句
旅に病(やん)で夢は枯野をかけ廻(めぐ)る

■10min.ボックス現代文 こころ(夏目漱石)
私はその人を常に先生と呼んでいた。
だから此処(ここ)でも ただ先生と書くだけで
本名は打ち明けない。
これは世間を憚る遠慮というよりも、
その方が私に取って自然だからである。
私はその人の記憶を呼び起こすごとに、
すぐ「先生」といいたくなる。
筆を執っても心持は同じことである。

私は最初から先生には近づきがたい
不思議があるように思っていた。
それでいて、どうしても近づかなければ
いられないという感じが、何処かに強く働いた。
人間を愛し得る人、愛せずにはいられない人、
それでいて自分の懐に入ろうとするものを、
手をひろげて抱き締める事の出来ない人、
―これが先生であった。

夏目漱石 小説を発表したのは1905年~1916年(明治35~大正5)
「こころ」1914年(大正3)発表 47歳の時に書いたもの

先生の謎
「私は世間に向かって働き掛ける資格の
ない男だから仕方がありません」
「恋は罪悪ですよ、よござんすか。そうして神聖なものですよ」
「平生はみんな善人なんです、
少なくともみんな普通の人間なんです。
それが、いざという間際に、
急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです」

「私は死ぬ前にたった一人で好(い)いから、
他(ひと)を信用して死にたいと思っている。
あなたはそのたった一人になれますか。」
「あなたははらの底から真面目ですか」

私は暗い人生の影を遠慮なく
あなたの頭の上に投げかけて上(あげ)ます。
しかし恐れては不可(いけま)せん。暗いものを凝(じつ)と
見詰めて、その中から貴方の参考になるものを御攫(つか)みなさい。

友人K
彼の重々しい口から、彼のお嬢さんに対する切ない恋を
打ち明けられた時の私を想像して見て下さい。
その時の私は恐ろしさの塊りといいましょうか、または
苦しさの塊りといいましょうか、何しろ一つの塊りでした。

私は先ず「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」
と言い放ちました。
これは二人で房州を旅行している際、
Kが私に向かって使った言葉です。
私は彼の使った通りを、彼と同じような口調で、
再び彼に投げ返したのです。
私はその一言(いちごん)でKの前に横たわる
恋の行手を塞ごうとしたのです。

私の眼は彼の室(へや)の中を一目見るや否や、あたかも
硝子で作った義眼のように、動く失いました。
私は棒立ちに立竦(たちすく)みました。
もう取り返しが付かないという黒い光が、私の未来を貫いて、
一瞬間に私の前に横たわる全生涯を物凄く照らしました。

私は何千万といる日本人のうちで、ただ貴方だけに、
私の過去を物語りたいのです。
あなたは真面目だから。
あなたは真面目に人生そのものから
生きた教訓を得たいといったから。

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