宮脇綾子女史へ
陽炎や想い集めてアプリケへ
一針に祈りを込めて風光る
亀鳴くや嫌な思いはさせませぬ
うららけし優しさくれた母でした
春の月された意地悪許すまじ
■あの本、読みました?
祝!直木賞・伊与原新をたっぷり1時間「宙わたる教室」秘話
伊与原新 鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔P
科学と人間ドラマの織りなす物語
5つの話をおさめた短編集
日本各地を舞台にその土地特有の歴史や自然に科学を融合させた作品
第172回直木賞「藍を継ぐ海」で受賞
「八月の銀の雪」伊与原新著/新潮文庫
2020年第164回直木賞候補作に選ばれる
直木賞を受賞した気持ちは❓
家族はどんな反応だった❓
鈴木保奈美女史が好きだった作品
山口県の島で萩焼に絶妙な色味を出す伝説の土を探す元カメラマンの物語
林祐輔Pが好きだった作品
星隕つ駅逓
北海道の小さな町が舞台 年老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る女性の物語
「いや、だからって」慌てて首を横に振る。
「そんな大それた嘘、ついていいわけない」
「見つけた場所をそのとおりに伝えたら、この隕石は
「白滝隕石」になっちゃう。そんなこと、させない」
目を見開いた涼子が、喉を絞るようにして言う。
「これは私が『野(や)知内隕石』にする」「――だめだ、絶対」
「あたしやる。信吾が何と言おうと。あそこにお父さんの郵便局が、
野知内郵便局があったってことを、この隕石に残す」「無茶言うな!」
「怖いのよ!」涼子は小さく叫び、椅子にへたり込んだ。
「お父さん、掃除してないだけじゃなくて、洗い物も、洗濯物も
たくさん溜めてた。汚れた下着を何日も着たりして、だんだん
身の回りのことに構わなくなってる。気力がなくなっているんだと思う」
(中略)
「せめてそれぐらい、いいじゃない。ずっと頑張ってきた
お父さんから、全部取り上げてしまわなくたって、いいじゃない。
野地内の名前ぐらいどうにかして残してあげないと、
お父さんまで消えちゃう気がして、怖いのよ」
「藍を継ぐ海」はなぜ直木賞を受賞できた❓
加藤彩子 川上祥子 宮本貴史 長尾洋一郎(講談社)
「十角館の殺人」綾辻行人著
ミステリーではこの作品が最高峰だと伊与原新氏
「お台場アイランドベイビー」で作家デビュー
(その時に尊敬する綾辻行人にかけられた言葉に支えられた)
「お台場アイランドベイビー」伊与原新著/角川文庫
椚(くぬぎ)のそばに、二階から黒い物体が降ってきた。
それは黒装束に身を包んだ男で、柔らかく膝を折って着地すると、
その反動を利用するようにして、左端にいた協力隊員に向かって
伸び上がる。フックのような軌道を描いてしなやかに伸びた
黒い男の右手でナイフが一閃(いっせん)したかと思うと、次の瞬間、
兵士はくぐもった呻き声を上げ、
頸の右側を手で押さえながら片膝をついた。
隣りの隊員が慌てて機関銃を男に向けたが、男の右腕は返す刀で
さっきと逆方向にしなり、刃渡り二十センチほどのナイフが
兵士の頸を右から左にかき切る。
細かい描写が多い理由は❓
「東大に名探偵はいない」の一文
伊与原新・市川憂人・新川帆立・辻堂ゆめ・結城真一郎・
浅野皓生/KADOKAWA・イッセー尾形・小林虎之介
「アスアサ5ジ ジシンアル」より
地震というのは、地下の震源断層の破壊すべりが引き起こす現象だ。
そのすべり始めからすべり終わりまでの地表の揺れを、
地震計は地震波形として克明に記録している。地震波の研究が
進んだ現在、ある考え方が広く受け入れられつつある。
地震の大きさは、破壊すべりの開始時点では“まだ決まっていない”
可能性が高いのではないか、というものだ。事実、M9の
巨大地震の地震波形とほぼ同じ場所で起きたM5の波形を比べても、
最初のコンマ数秒だけを見れば両者に明確な違いはない。
専門的な表現を使うこだわりは❓
「ブルーネス」43歳で出版
津波についてのメカニズムとか対応策が詳細が記されている 必読本
「月まで3キロ」の一文 伊与原新著/新潮文庫
「知ってました?」運転手が三たび言った。ハンドルをきちんと
両手で握り、視線は正面を向けている。「月ってね、だんだん地球から
遠ざかってるんですよ。」月が遠ざかる。ぼんやりした頭で
うそみたいな話だと思った。「びっくりでしょ。でも本当なんです。
月は一年に三・八センチずつ、地球から離れていってるんですよ。」
(中略)
「ですから、太古の月は、もっと大きく見えたんです。やっぱり、
人間なんてまだいない時代の話ですけどね。今、月までの距離は
だいたい三十八万キロです。それが、四十億年前より昔、
つまり地球と月が生まれて間もないころは、その距離は今の半分以下
でした。地球から見える月の大きさは、なんと今の六倍以上」
登場する音楽はイメージしている❓
「オオルリ流星群」大人の青春物語
ジャコビニ彗星が鍵 ジャコビニ彗星の日/松任谷由実
「宙わたる教室」伊与原新著/文藝春秋
ドラマは科学だ!イッセー・尾形
科学から照射された人間関係
科学好きの心を消さずにくすぶり続けさせてくれます
「宙わたる教室」の一文 伊与原新著/文藝春秋
悪いけど、今日は帰ってくれ。俺たちこれから、実験やるんだよ」
「あ?」さすがに三浦の目つきも険しくなる。「何なのガッくんまで」
すると後ろの朴が、「いいよ、もう行こう」と言った。
三浦は舌打ちして藤竹をひとにらみし、勢いよく原付を発進させる。
去り際にまた朴が振り返り、真顔で「ヒムネ、ガッくん」と言った。
その後ろ姿を見送りながら、藤竹が訊く。「『ヒムネ』というのは、
どういう意味ですか」「『頑張れ』だよ、確か」
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