塩田千春展を詠む
転げ落ちまたよじ登る秋の空
吾見つめ葛藤描く暮れの秋
故郷とは心ある場所星月夜
身に入(し)むや不在の中の存在よ
晩秋や墓の中から父の息
天高し自然と宇宙繋がれり
■あの本、読みました?
名著に美食あり…小説に出てくる料理&レシピ本ランキング
小説で描かれてきた食 物語に与える彩りとは?
「ランチ酒」「古本食堂」の著者 原田ひ香が創作の裏側を語る
第8回未来屋小説大賞にノミネート 話題の小説「カフネ」
著者阿部暁子が印象的な料理で描いた世界とは?
名著に美食あり
鈴木保奈美 角谷暁子
原田ひ香
食にまつわる作品が多い理由
「ランチ酒」創作のきっかけ
ランチでお酒 その意味合いは?
街と食の関係性
神保町を舞台にした理由
神保町という街の魅力
「感に堪えぬようにつぶやいた」池波正太郎
文豪が愛した味でつながる昔と今
話題小説「カフネ」阿部暁子が描く料理と「生」の物語
河北壮平 講談社
印象に残る料理
レシピ冊子が付いている
料理が鍵となる物語を書くきっかけ
「豊かな旨味」
料理の描写でのこだわり
鈴夏
「栄養とか摂っても意味なくない?異常気象だし、少子高齢化だし、
物価高だし、電気代どんどん上がってるし、うち貧困家庭だし、
もう未来終ってるじゃん。いいことなんか何もないよ。
だったら生きてく意味ないじゃん」
(中略)
せつな
「かなり未来って暗いじゃないですか。小学5年生にして
ちゃんとわかってるって立派ですよ。彼女たちは、私たちよりも
しんどい世の中で生きていかなきゃいけない。隠したって
しょうがないです、それが事実ですから」
(中略)
「でも栄養が意味ないっていうのはいただけない。死ぬまでは
生きなきゃいけないし、健康じゃないと生きるのはますます苦しくなる。
なるべく快適に生きるためにも栄養は必要。あとね、
おにぎりを作れるようになると、人生の戦闘力が上がるよ」
食べることを無駄にしたくない 鈴木保奈美
小野寺せつなのキャラクター モデルはいるのか❓
薫子の父
「小野寺さんの手料理を食べてみたいな。
春彦にも作ってやっているんだろう?」
薫子の母
「そうね。私もプロの方のお料理、ぜひ食べてみたいわ」
(中略)
せつな
「かまいませんが、三千円いただきますよ」
(中略)
「それが私の時給なので。本当は交通費もいただくんですけど、
ご挨拶にうかがった身ですから、今回はおまけしておきます」
父も母も絶句していたが、母のほうが、立ち直りは早かった。
鉄壁の笑顔を忘れ、噛みつかんばかりの形相になった。
薫子の母
「あなた、私たちからお金を取る気なの?」
せつな
「プロの料理が食べたいと、今お母さんがおっしゃったのでは」
(中略)
「それなら、私とお母さんの常識は違いますね。私はそもそも、
プロの料理人を休日にただ働きさせようとは思わないのでは」
平然と言ってのけた小野寺せつなは、作法の行き届いた手つきで
母が出したお茶を飲み「玉露ですね、おいしい」
と何事もなかったかのように感想を述べた。
せつなは自分のルール、ロジックがある。
人生観、価値観は他人に左右されない。 鈴木保奈美
林祐輔プロデューサーの印象に残った表現
ぼうっとしたままマグカップを受け取り、息を吹きかけてから、
そっとお茶を含んだ。リンゴの香りがふっと鼻の奥に抜けていく。
蜂蜜の優しい甘みが、ささくれ立った神経をなだめてくれる。
すごい、と思った。人間はこんなに打ちのめされている時でさえ、
おいしいと感じてしまうのだ。そして、美味しいと感じた途端、
体中の細胞が息を吹き返していく。
「おいしいと感じること」のチカラ
❝名前をつけられない❞薫子とせつなの関係
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