主なき家の草木や秋を伸ぶ
秋惜しむ大樹となりた楸(ひさぎ)かな
三階を越えて伸び行く楠よ
秋の雨重き荷を持ち駐車場
憎めない俺様加減空高し
■100分de名著
ロフティング❝ドリトル先生航海記❞(3) ナチュラリストの条件
福岡伸一 伊集院光 阿部みちこ
鳥はほとんど翼を動かさずに滑空して、
私のいかだの上をのんびりと二度ほどまわりました。
私はと言えば、これほど悲惨な状況だというのに、
ゆうべ、この鳥はどこで過ごしたのだろう
などと考えていました。(中略)
そう考えて、私はさまざまな生き物の
さまざまな生き方に気づきました。
体が大きいとか、力が強いことだけが
すべてではないことにも気づきました。
私よりはるかに小さくて力もない、
羽でおおわれた小さな生き物である
この海ツバメなど、海がひとたび牙を剥けば
ひとたまりもないかのように思えます。
けれど実際は、いくら海が何かをしかけても
海ツバメは悠然と翼をはためかせるのです。
私は心の中で、そんなドリトル先生と海ツバメを
比べずにはいられませんでした。(中略)
海ツバメと同じように、ドリトル先生ならどんな天気の
海ともうまくつきあっていけるはずです。(中略)
先生と一緒にいるだけで、誰もが明るい気分になって、
安心できるのです。(中略)
船が難破したせいで、ドリトル先生は剃刀(かもそり)以外にも、
想像もつかないほどたくさんのものを失ったはずです。(中略)
それでも、ドリトル先生はこの世にほしいものなどひとつもない、
かのように、いつもと変わらずにこにこしています。(中略)
やはりドリトル先生は偉大です。
まぎれもなく、不思議の人なのです。
こうして彼らをのせたいかだはークモサル島に到着
嵐の出来事を読み解く
スタビンズくんはナチュラリストにもうなりかかっている
ナチュラリストの条件は「a good noticer(注意深い観察者)」になること!
ドリトル先生の強さというか懐の深さ 不思議 ある意味変人?
自然に対する畏敬の念としなやかさ
自然は人間のコントロールの中に入らない
失敗や困難も1つのレッスンだと受け入れていく
アルゴリズムだけではできていない自然
自然との相対し方を具現化している
世の中大きく分けると 虫を通ってきた人と
通ってきていない人とは違う
ドリトル先生を見ていると自然の時間軸と自分の時間軸が一緒
ドリトル先生たちが上陸するとー不穏な空気に包まれる
島の住民たちがやって来て威嚇
ひとまずジャングルの山へ逃げることにー
それはこの世で一番美しい昆虫といってもいいほどでした。
腹は薄青色で背中は艶やかな黒。そこに真紅の斑点が散っています。
「今日のわたしと入れ替われるなら、世界中の昆虫学者は誰だって、
全財産を差し出すはずだよ」
Question この手紙の意味は❓枯葉に書かれた手紙の謎
ナチュラリスト同士の信頼に基づくSuperCommunication
茶色のインク=血⇨それしか書くものがなかった
まもなく、何かが軋むような、こすれるような音がしました。(中略)
山肌から岩が離れると、その向こうから聞いたことのない言葉で
歓声があがりました。(中略)
ついには、轟音とともに岩が地面に倒れると、周囲の山々を
揺るがすほどの地響きがして、岩はぱかっと真っ二つに割れました。
出てきたのはロング・アローでした。
「はじめまして」とまずは犬語で話しました。
「お会いできて光栄です」と今度は馬が使う身ぶりで言いました。
「どのくらいのあいだ、洞くつに閉じこめられていたんですか?」
とシカ語で尋ねました。
それでも、ロング・アローはどれも理解できなかったようで、
ピクリとも動かずに、背筋をぴんと伸ばして
じっとその場に立ったままでした。(中略)
ついに、先生はワシの言葉を使いました。
「偉大なる赤い肌の人よ(中略)生きているあなたを見つけられた
今日という日は、わたしにとって人生最良の日です」
その瞬間、ロング・アローの無表情だった顔に、
わかったと言いたげな明るい笑みが浮かび、
ワシ語で返事が返ってきました。
「力強い、白い肌の人よ、あなたは命の恩人だ。(中略)」
ロング・アローとの対面
家畜やペットの言葉では通じなかった
ロング・アローは野生の思考を持った人なので
野生のワシ語で言ったら通じた
ロング・アローはワシと交流できるライフスタイル
「ナチュラリスト」ロング・アロー
笑い豆 食べると浮かれ騒ぎたくなる 大量摂取すると笑いが止まらなくなる
赤い根 砂糖と塩を加えてスープにして飲めば猛烈な勢いで踊る続けられる
ブドウの油 ひと晩で髪がつやつやになる
黒い蜂蜜 スプーン一杯でぐっすり眠れる
木の実 美声になる
水草 傷口の血を止める
コケ ヘビに噛まれた傷に効く
地衣類 船酔いを抑える
自然が無限のデザイン・リソース
西洋的な近代科学に対するアンチテーゼ
西洋近代科学主義は薬の成分が含まれていれば
原因物質を抽出生成して取り出そう
単一の要素還元主義
自然を操作すべき対象物とは捉えない
人間も生物の一員なのであらゆる他の生物が
人間のために用意されていると思わない
福岡伸一先生もネズミの実験をすることで
生物を機械とみなし過ぎていたことを知ることとなった
機械は部品を一つ取り除けば壊れてしまいますが
生命というのは部品が1つなければないなりに
なんとかバランスを取り直して新しい状態を作って
何事もないように行動できる
そのことに驚かないといけない
ドリトル先生も自然界を虚心坦懐に見て
その自由自在さに評価していたはず
ナチュラリストに戻ろうという転換があったと福岡伸一先生
福岡伸一にとって大切な一冊となっておられるとか…。
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