寒暖差ついて行かれず春の風邪
北野テラスで味わう五感春の朝
二郎イチゴのコンフィチュールや山笑ふ
ストーブの柵に吊るしたボールペン
植木鉢我がもの顔の春の草
■NHK俳句 兼題「蓬」
選者 山田佳乃 ゲスト 笹公人(きみひと) 司会 柴田英嗣
年間テーマ「俳句とエコロジー」
短歌は「七・七」が多い分
自分の思いをストレートに述べられる
俳句は風景に自分の思いを託す
短歌は「風景+思い」
いろいろ言いたいことがある人は
短歌の方が向いている
兼題「蓬」
古くから薬草として重宝され
邪気払い・美容・健康(もぐさ・蓬茶)に用いられる
▪名句de穴埋めクイズ
籠あけて蓬にまじるを塵(ちり)選る 高浜虚子
短歌の方が韻律を気にする
頭韻や押韻を合わせる
▪特選六句発表 兼題「蓬」
軒先に吊るす蓬の風とゐる 斉藤美翔
日の先に日のまた先に蓬摘む 古関聰(あきら)
子と吾(われ)のまあるき影や蓬摘む 鈴木正芳
しばらくを蓬探しの家出かな 北村修
そよそよと野の真ん中に蓬摘む 中田かおり
擂(すり)鉢の音に遅れて蓬の香 板倉富士夫
▪特選三席発表
三席 子の摘みし蓬と蓬らしきもの 須坂大寒
二席 蓬生(う)や風に掠(かす)れる五時の鐘 木原真一郎
(蓬生=蓬が生えている野原
「か」と「か」で韻を踏んでいるところが良い)
一席 夕映えへめくれゆく空蓬摘む 上木三子(みつこ)
もう親父は亡くなったんですけど
父が認知症になって僕のことを「兄貴」と言うようになった
フィクションを超えたな現実で詠んだ方がいいな
それ以降現実のものも詠むようになった
「やっと目覚めたか」と偉い人から言われた
笹公人氏
▪夏井家伝来 家藤正人&中西アルノ
0から俳句
ご挨拶句
招かれた土地や人物へプレゼントする気持ちで読む俳句
伊月庵 句座を囲むための場所
俳句は座の文学 集まった場所で句を詠む
俳都・松山 江戸・明治・昭和 句座を囲む庵
1749-1814 江戸時代中期-後期の俳人。
寛延2年生まれ俳人・栗田樗堂(ちょうどう)がいます。
樗堂が松山に庚申庵を結んだ
明治時代には正岡子規や夏目漱石が愚陀仏庵で共同生活をした
昭和時代には種田山頭火が一草庵を結んだ
そして平成・令和に俳人たちが
句座を囲むために伊月庵を夏井いつきが作った
伊月庵でご挨拶句
ステップ① 誰へ何へプレゼントするかを決める
ステップ② 句材は何にするか決める(フレーズを決める)
ステップ③ 季語を選ぶ
▪笹さんにも一句
蓬餅フォークで喰らう破壊僧 笹公人(きみひと)
(破戒僧の癖にスケールがせこい)
▪柴田の歩み
妄想で詠んでみよう
■NHK短歌 テーマ「なぜか忘れられない人」
選者 山崎聡子 ゲスト 中野信子 司会 ヒコロヒー
年間テーマ「伝えられなかった思い」
牛の目玉の水晶体を手のひらで光らせていた教師よ、射光
山崎聡子
記憶は「記銘」「保持」「想起」3つのプロセスがある
覚えて キープして 思い出す
「思い出す」を何度もやると記憶が強くなる
短歌は記憶の外付けハードディスク
▪つぶやきを短歌に
奪っては生き存(なが)らえるこの生に獣の匂いのスウプ分け合う
山崎聡子
▪てれび歌会
入選九首 テーマ「なぜか忘れられない人」
二席 肖像画互いに描き合う授業にてわが顔の痣(あざ)描かざりし友
しなもん
にんげんのこころはたぶん青いよ、と言ってた子の絵今も脈打つ
佐藤研哉
お土産のスノードームが好きだった水が濁ってしまった今も
飯盛のぞみ
眉毛だけ描いて深夜のタクシーに飛び乗る切り傷は小さく見える
牧野冴
若き日の母が泣いてる白生地に紫の花散した寝巻きで
伊従あゆみ
恋愛は特になかったひとと夜、溶けてなくなるように歩いた
砂崎柊
眼鏡下げ胸の奥まで見るような今はもうない本屋の店主
藤平怜
一席 さう、確か深爪だったホスピスの亡母(はは)に装束(しょうぞく)着せてくれしひと
東真理子
三席 ぬばたまの黒髪揺らしつみつる君ばかり当ててた古典の先生
本那榮子(ぬばたま 「髪・黒・夜・夢」などのかかる枕詞
▪中野さんの「なぜか忘れられない人」
まどひける吾にしるべせしとつくにのうるはしきひとのほほえみめぐし
中野信子(とつくに【外っ国】外国・異国)
▪ことばのバトン
とける陽を呼ぶまばたきの人
写真家 南阿沙美
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声が射す鋼宿(はがねやど)せし心根に
浪曲師 天中軒すみれ
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