2024年3月3日日曜日

読書の森 本の道しるべ(4)町田樹

一切は空 清浄である春日和
ニヒリズムの克服北窓開く
憧れの即身成仏卒業
春まけて可笑しきことこそめでたし
(森山開次氏)春動く研ぎ澄まされた肉体へ

■読書の森へ 本の道しるべ(4)町田樹

キャラクターのるつぼ
スポーツとアートの狭間にある
アーティスティックスポーツという文化を研究対象としている
アーティスティックスポーツとはフィギュアスケート 新体操など
スポーツとアートの両義性をもつ競技を考察している
いろんな学問の知見を勉強しないと研究できない
本には傷ひとつ付けたくない

ソメコは五つだ。ソメコは まいにち タイクツしていた。
おとなたちは、なんてつまらない まいにちを おくっているんだろう。
ソメコのように、いっしょうけんめいに あそんだり、
いきたりしているものは、だれもいない。
「ソメコとオニ」斎藤隆介

氷上だったら自分の心を素直にアウトプットできる
そこからアイススケートにのめりこんでいった

本は精神安定剤
心の支えとなった本はミステリー小説
海堂尊の大ファンでした
自分の中をキャラクターのるつぼにする
お気に入りのキャラクターは「ブラックペアン」シリーズ
海堂尊(講談社刊)の研修医 世良雅志

「俺には外科医として渡海先生のようなさいのうはありません。
だけど俺にはこの道しかない。この道の果てで、
いつか必ず渡海先生をこてんぱんにしてみせる」
「新装版ブラックペアン1988」海堂尊

小説の登場人物は心の支え
自分というものを相対化し気付かせてくれる存在

(本を読むことで)心身を落ち着かせたり精神統一した

創作の源となった本
ドン・キホーテやエデンの東 独自の解釈で表現しました
文学からフィギュアスケートに翻案する試みはあまりなかった

「白夜行」東野東吾(集英社文庫刊)
桐原亮司というひとりの男の人格を表現しよう
というのが着想の源だった
邪悪なれど純粋無垢な自己犠牲 
この精神を表現したいと思った
その葛藤を動き踊りで表現する
守り抜きたい人は誰の人生の中にもいる
普遍的な何かを伝える

読書の森の歩き方
プライベートな部分と研究をする部分が融解している

作り手と受け手のCommunication これが芸術の醍醐味

早稲田大学大学院に進学
学術の力で問題を解決したい
研究者として目標となった本
「舞台芸術 芸術と経済のジレンマ」
ウィリアム・J・ボウモル/ウィリアム・G・ボウエン著
池上惇/渡辺守章訳 芸団協出版部刊

フィギュアスケートがより良く
そして末長く未来へと継承できるのか
改めて研究者として考えたいと思った一冊

5年後遂に本を出版
アーティスティックスポーツ研究序説 町田樹

最近は古書も読んでいる
フィギュアスケートの100年以上前の教則本

本は町田樹の強さの源

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