2024年3月13日水曜日

100分de名著 forユース1シュリーマン「古代への情熱」

春の風見えなきものを描き込まん
龍天に昇る娑婆即寂光土(しゃばそくじゃくこうど)
水温む長田の人の励ましよ
縁ありて山古志村に桜咲く
春の月行く先々で災害に

■100分de名著 forユース1シュリーマン「古代への情熱」
学び続けることの意味
教育学者 齋藤孝

トロイア戦争
「お父さんの話はまちがっているよ!
イェラーはトロイアをきっと見たんだ。
でなくちゃ、こんなふうに描けるはずがないもの」
「これは創造で描いた絵にすぎないんだよ」
しかし、昔のトロイアにあの絵にあるような堅固な城壁が
ほんとうにあったのかと私が尋ねると父はそうだと答えた。
「お父さん、そんな壁がほんとうにあったのなら、それがすっかり
なくなってしまうはずはないよ。
何百年も塵やがらくたの下に埋もれているんだ」
そのころもう私たち二人の間では大人になったらすぐ結婚し(略)
トロイアの都を発掘しようという計画がはっきり決まっていた。
そうやって過去の遺物の探求をして一生を送ること
以上にすばらしいことはとうてい考えられなかった。
関楠生 訳

著者 考古学者・商人 ハインリヒ・シュリーマン(1822-1890)
2部構成 
第1章「少年時代と、商人としての人生行路」
第2章以降は、シュリーマンの死後 発掘の業績を友人たちがまとめた

内容 古代ギリシャの詩人ホメロスの「イーリアス」と
「オデュッセイア」という叙事詩に出会い
古代都市トロイアを発見する、と決意した
シュリーマンの少年時代と、その後の人生を振り返る書

憧れに憧れるのが教育の基本

そのとき私は、ミンナがまだ
私を愛していることを確信したのである。
この確信が、私の功名心を燃えあがらせた。
このときから私は自分の内に無限のエネルギーを感じ
これからはたゆまぬ努力を続けて立身し
ミンナに値するものになって見せようと
堅く心に期するようになったのである。
私が当時 神様にお願いしたことは
ただ一つ、私が独立独歩の地位を築きあげるまで
彼女が結婚しないでいてくれることだけだった。
あの晩のことは私には終生忘れられないであろう。
語句の意味は一つも解らなかったものの
この響の美しい言語にこのうえない深い感銘を受け
そのため私は、わが身の不運を思って熱い涙を流した。
私は三回もくり返しこの崇高な詩句を聞かせてもらった。
このときから私は、神のお恵みでいつかギリシャ語を
学べる幸運が与えられるよう祈ることをやめなかった。
トロイアをいつかはきっと発掘するという
父やミンナと取り交わした一八三〇年の約束に
思いを致すことを決して忘れはしなかった。

勉強にエネルギーをつぎ込んだ
全てをPositiveに発想を転換していった
一念発起のきっかけは美しい言語ギリシャ語だった

シューリーマンの外国語勉強法
① 大きな声でたくさん音読する
② ちょっとした翻訳をする
③ 毎日一回は授業は受ける
④ 興味ある対象について常に作文を書く
⑤ それを先生の指導で訂正する
⑥ 前の日に直した文章を暗記して次回の授業で暗唱する

これはアウトプット勉強法
仕事をしながら学び続けていったのが夢の実現につながった
勉強は喜びだった 勉強がMotivationになった

一目見たとき、私にはこの平野が細長過ぎるように思われたし(略)
もしピナルバシがほんとうにこの古代の都の区域内に建設されている
とすれば、トロイアが海からへだたり過ぎているように思われた
「ここが知識欲さかんな未来の若者たちすべての
巡礼地になって彼らを学問に、とりわけすばらしい
ギリシャの言語と文学に熱中させんことを」

才能とは、エネルギーと粘り強さであり
それ以上のものではない
シュリーマン

トロイア発掘成功のわけ
没頭力に優れた人物だった
ミッション パッション ハイテンション
この本から受け取りたいmessage

物語の力 真逆の方向に進んで成功したシュリーマン
勇気づけられる一冊

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