冬星座押し潰された小さき人
Positiveに考え動き日向水
Negativeが襲い来る日や隙間風
冬の暮風呂で日々泣く燐の子
真夜中の洗濯ものや冬の雨
■あの本、読みました?
東大生・京大生はどんな本を読んでいる?生協ランキング
鈴木保奈美 角谷暁子 吉田真理 高野知宙(ちひろ) 林祐輔プロデューサー
新川帆立
「新装版 京都 ものがたりの道」の一文 彬子女王/毎日新聞出版
寺町通。京都市内を南北に走る通りで、豊臣秀吉が京都の街の防衛のために、
通りの東側に自院を集めたことから この名がついたと言われている。
今出川通より北は本当にお寺ばかり。住宅街の中にお寺や神社がさりげなく
溶け込みながら点在しており、お祭りのお神輿の担ぎ手の集合時間を
知らせるチラシなどがそこかしこに 貼ってあったりする。
観光客がたくさん訪れるお寺ではなく、本当に京都に住む人たちのためのお寺。
そんな「日常」の雰囲気がとても心地良い。
「センスの哲学」の一文 千葉雅也/文藝春秋
「絵を描くセンス」というと、白紙の上に線を走らせて、
ゼロから作り出すセンスが、問われていると思うかもしれません。
けれども、何もない状態から作ることは、美術でも音楽でも、ありません。
知っている作品とか、見たこと聞いたことがあるもの、
なにか印象などの素材があって、それを記憶から何となく選び、
組み合わせて変形し、そこから飛躍させて作品にするわけです。
創造行為の根底には、「選ぶ」ということがあります。
「いちおう東大です」の一文 祐樹真一郎/角川書店
渕上くんたちはどういう関係なの?」女性陣の一人に尋ねられ、渕上が
「あ、いちおう東大の同級生で」と答えた瞬間、
四人のうち三人の目の色が変わったのが見て取れた。
(中略)―またか。悪い気はしないものの、どこかうんざりする自分もいる。
ひとたびそのフィルターを通した瞬間、俺という人間を構成するあらゆる要素は
根こそぎ搦(から)めとられ、最終的に残るのは“東大の人”というラベルだけだから。
「片面の恋」の一文 辻堂ゆめ/角川書店
東京とそれ以外。女子高と共学校。名門中高一貫校と、
地元でしか名を知られていない普通の高校。
だからどうというわけではないのだけれど、彼女たちとの間に無視しようのない
差があることは、自分たちのシンプルで機能性重視の服装を顧みただけで明らかだった。
親にかけてもらった教育費の差、以上の何かが。
黒髪ロングの清楚系美人で、おっとりとした口調が周囲を惹きつける百合絵ちゃん。
明るい茶髪にパーマをかけていて、
パステルイエローのミニスカートがよく似合う愛理ちゃん。
こういう子たちが現実にいるんだ、と入学早々カルチャーショックを受けた。
東大生が東大で感じるカルチャーショック
現役東大生作家 浅野晧生とは
「責任」浅野晧生/角川文庫 横溝正史ミステリ&ホラー大賞優秀賞受賞作
「息のかたち」いしいしんじ/講談社
ひょんなことからひとの「息」が見えるようになった京都の高校生・夏実の物語
東大出身作家 新川帆立の頭の中
小説家を目指したキッカケ
新川帆立が小説家になるまで
「競争の番人」新川帆立/講談社
「競争の番人」の一文 新川帆立著/講談社
「僕だよ。僕の脳みそだ。九〇七号室の宿泊者、
年間三百人だとして時効が成立していない 五分間で千五百人。
宿泊カードを見れば住所と職業も分かるかな。
明日の朝まで時間はたっぷりある。僕なら、これら全てを暗記して、
無傷で外に持ち出せますよ」小勝負は平然と言った。
(中略)
ほんの数時間で、小勝負は全てを覚えた。白熊は小勝負の脇で、
宿泊カードを一枚ずつ渡していくだけだった。小勝負は宿泊台帳を
数秒見て、宿泊カードを数十秒見ると、すぐに脇に置いた。
すると白熊がまた別の宿泊カードを渡す。この繰り返しだ。
「人間コピー機みたいだね」素直な感想を口にすると、珍しく小勝負は笑った。
新刊「ひまわり」の取材
描く世界と伝えたい事
「ひまわり」の一文 新川帆立著/幻冬舎
二人がかりで私の体を押さえ、リクライニングをあげていく。
どっと息苦しくなった。突然、水中に投げ込まれたみたいだ。
頭がくらくらする。めまいがして、呼吸が浅くなる。
息ができなくて苦しい。ほんの何十センチ、目線があがるだけなのに、
脚がすくむような感じがした。高い山頂のグラグラと
揺れる岩の上に、頭だけぽんと置かれているようだ。
マサおじさんは母のはとこにあたる人だ。
中学卒業以来、鳶職をしており、かなり稼いでいるらしい。
「勉強なんて、一生で十時間もしたことない」と豪語する肉体派だ。
高校三年生のとき、法事で顔を合わせた。
私はちょうど大学受験を終え、第一志望の学校に合格したタイミングだった。
マサおじさんは親戚の中でもひときわ大げさに、
「すごい!」と言って私の手を握った。
(中略)
でも私はそのとき、何ともいえず嫌な気分になったのだ。
マサおじさんは勉強も受験も経験していない。
社会に出たら勉強なんて役に立たないと思ってるんじゃないだろうか。
受験一つで皆に褒めそやかされる私を、冷たい目で見ていたのではないか。
あなたは、言葉のプロ 法律家になるんでしょう。
言葉の力を信じなさい。
言葉があるかぎり僕たちはつながれる。
交渉するんです
勉強することは
積み上げた知性によって主人公は助けられた。
学ぶこと勉強することは大事。
「優しくあるためには勉強しなくてはならないと思っている」新川帆立女史
「言葉の力の強さを最後に感じた」鈴木保奈美女史
「みんな違ってみんないい、までは合意が取れている
これで終わると無関心で終わってしまう
私は読者さんと繋がりたいので主張しています
という自覚をもって小説を書いています」新川帆立女史
■私感 新川帆立女史の大ファンになってしまいました。
遂に出会えたかも…。(嬉々❣)
■私感 高野知宙女史の活舌が悪すぎて
何を言っているのがほとんど聞き取れませんでした。
字幕スーパーを入れて欲しかった。
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