2024年12月20日金曜日

あの本、読みました?~海が舞台の名作~凪良ゆう&伊与原新

生まれ持つ美的感覚日向ぼこ
冬苺悠然とした存在感
手足荒る買うたび量の減りゆかん
尾竹竹坡(ちくは)梅描き終えて筆を置く
人知れず春待ち続け(尾竹)竹坡(ちくは)逝く

■あの本、読みました?
~海が舞台の名作~凪良ゆう&「宙わたる教室」伊与原新の新作
鈴木保奈美 角谷暁子
汝、星のごとく 凪良ゆう/講談社 河北壮平
八日目の蝉 角田光代/中公文庫
望郷 湊かなえ/文春文庫 石井一成
村上海賊の娘 和田竜/新潮社 田中範央
宙わたる教室 伊与原新/文藝春秋 
最新作 藍を繋ぐ海 伊与原新/新潮社
共通点 瀬戸内の海 今回のテーマは名著に海あり~瀬戸内編~

理系作家 伊与原信が描く海の小説とは?
黒潮は大きな物語のテーマ 注目し着想した

『人生は「気分」が10割最高の一日が一生続く106の習慣』の一文
キム・ダスル著/岡崎暢子訳/ダイヤモンド社
心がぐらついたときに無視すべき3つのこと
(中略)
1他人のうわさや悪口
(中略)
2他人からの嫉妬
(中略)
3自分の弱さを否定すること
(中略)
メンタルが揺らいでも、崩れないで。
揺らいだって、その度に立て直せばいい。
気分は何度でも整えることができる。

林祐輔P 河北壮平
「汝、星のごとく」の一文 凪良ゆう/講談社
「海がこんなに静かやって、この島きて初めて知ったわ」
ふいに櫂が言った。
「瀬戸内は穏やかなんだよ」
「波の音もせん」
「夕方は特に凪ぐから」
(中略)
太陽はもう水平線近くまで落下していた。
海が静かに姿を変えてゆく。
猛々しいほど煌めいていた海面は暗く沈み、まったりとしたうねりを
見せはじめ、その下にとんでもない深さがあることをわたしたちに気づかせる。
「引きずり込まれそうや」
「怖いね」
「おまえは見慣れとるやろ」
「見てても慣れないよ。海はわからんって、お祖父ちゃんがよく言ってた。
知ってるつもりで油断したら持っていかれるって。
(中略)
この島で生まれ育ったからこそ、海が怖いものだと知っている。
日によって、季節によって荒れ狂う。世界に平穏はない。
人生に嵐は避けられないと教えるように。

瀬戸内の海は自分たちを閉じ込める檻?

「ライオンのおやつ」小川糸著/ポプラ文庫
瀬戸内の海を舞台にした理由
主人公・雫にとって瀬戸内の海は?自分の小ささを意識できるもの

「ライオンのおやつ」の一文 小川糸著/ポプラ文庫
こちらにいらっしゃる折には、ぜひ舟に乗ることをおすすめします。
今はもう、陸路でも来られるようになりましたが、船からの眺めは格別です。
穏やかな瀬戸内の風景を、どうぞ心ゆくまで味わってください。

村上海賊の娘 和田竜/新潮文庫 田中範央(新潮社)
日本に海賊は実存した?
小説より脚本を先に書き上げた

村上海賊の娘(四) 和田竜著/新潮文庫
潮は明石の瀬戸から難波海に流れ込み、友ヶ島水道へと抜けていく。
すなわち北から進軍してきた村上海賊に順潮で、真鍋海賊にとっては逆潮だった。
海上はまだ穏やかに見えるが、海中はそうではない。
うねりにうねって安宅の舳先を押し戻しているはずだった。
村上元吉とやらは、潮目を読んだ上で行軍経路も決めていたのだろう。
潮流をまともに受けている。
(中略)
安宅は関船二艘に押し返されていく。討ち抜きは完全に封じられていた。

海の戦いだからこそ女性でも活躍できた

田中範央氏から鈴木保奈美さんへお薦めの本
星夜航行 飯島和一著/新潮文庫
徳川家を追われた沢瀬甚五郎の話 刊行まで九年の歳月を費やした

伊与原新 登場 最新作「藍を継ぐ海」瀬戸内の海が舞台の小説
(宙わたる教室 伊与原新/文藝春秋 ドラマになる)
徳島の田舎町で祖父と暮らす中学2年生の沙月(さつき)
姉が家を飛び出した寂しさもありウミガメの卵を孵化させようとしていた
彼女の思いはやがて思わぬ出会いを生み出す
寂れた集落と黒潮に乗って太平洋を回遊するウミガメとの対比が鮮やかな小説
伊与原信氏は元々地磁気を研究していた
地磁気とは地球が持つ磁性 地球により生じる磁場のこと
黒潮を描いた理由は? 黒潮なのになぜ「藍」?
黒潮は透明度が高く太陽の光が水中であまり反射しない
光りが行ったきり戻ってこないので黒く見える
「ウミガメ」と「姉妹」の関係性

「藍を繋ぐ海」の一文 伊与原新/新潮社
この子ガメは、紗月ちゃんー。佐和の言葉が耳の奥でいつまでも響いて、
紗月は小さく震えた。震えているのは、九歳の自分だ。
姉に置いていかれて、誰もいない浜に一人立ちつくし、
涙をためた瞳を揺らしている。
それを今初めて、十三歳の自分が抱きしめる。
あのとき誰かにそうして欲しかったように。
沙月はやっとわかった気がした。
なぜあのとき、子ガメを持ち帰ったのか。そしてなぜ今また、
卵を盗んでまでそれを孵そうとしているのか。
姫ケ浦のウミガメを保護したいわけではない。
数を増やしたいわけではない。ただ、自分の子ガメをこの手で海に
放ちたいだけなのだ。そしてその子ガメは、沙月の代わりに姫ケ浦を出ていく。
黒潮にのって、果てしなく広い海へ。想像もつかないような、遠い世界へ。

沙月にとって「瀬戸内の海」はどういう存在?
ネイティブアメリカンの祖先は日本人?

「藍を繋ぐ海」の一文 伊与原新/新潮社
遠い遠い昔、ハイダ・グワイの北にある島に、
遠い遠い海から人々が流れ着いた。人々のリーダーは、姉妹でした。
お姉さんのグループは島に残って、トリンギット族になった。
妹のグループはハイダ・グワイにやってきた。それがハイダ族の祖先です」
(中略)
「母は言いました」ティムが続ける。
「その姉妹たち、日本から来たに違いない」
(中略)
「ハイダ・グワイのビーチ、ほんとにたくさん、日本のもの流れ着くからです。
私のビーチコーミングのコレクション、日本のものばかり。
漢字の看板、漁の道具、片仮名のボトル」「へえ、ほうなんやね」佐和が言った。

「森と氷河と鯨 ワタリガラスの伝説を求めて」星野道夫著/文春文庫
アラスカに伝わる神話を追い求めた紀行文

専門的な知識はどう調べる?

伊与原信さんが鈴木保奈美さんにお薦めの本
「海に降る」朱野帰子著/幻冬舎文庫
女性として初めて〈しんかい6500〉のパイロットを目指すストーリー
ジャムステックの全面協力のもとに記されている
https://www.jamstec.go.jp/j/

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