初っ切りへ拍手喝采真っ赤な手
手に力燃える観客大相撲
笑顔溢れる地方巡業過疎の秋
助けたり助けられたり相撲取
■NHK俳句 兼題「渡り鳥」
年間テーマ「俳句の凝りをほぐします」
選者 堀田季何 レギュラー 庄司浩平 司会 柴田英嗣
今週のテーマ「オノマトペ」
主に擬音語と擬態語の総称 擬音語:地齋に出る音 擬態語:様子を表す音
俳句は音が重要
・コリポイント 「よくセットになる言葉」と「通常の方法」で使う
ぱちぱちと皆手を叩く秋の風
猫たちがニャーニャーと鳴く秋の暮
無駄な言葉を省く オリジナリティーを出すことが必要
1.よくセットになる言葉
2.通常の方法
①ツボ押しポイント
「よくセットになる言葉(特に動詞)」を省く
ぞろぞろと子猫出てくる月夜かな
黒猫の子のぞろぞろと月夜かな 飯田蛇笏
②ツボ押しポイント
「変わった使い方」をする
こきこきと缶詰切れば渡り鳥
鳥わたるこきこきこきと缶切れば 秋元不死男
空しさが表現できている
③ツボ押しポイント
「意外性のある言葉」とセットにする
古き扉(と)のぎいと廻りぬ秋の昼
大鯉のどつしり廻る秋の昼
大鯉のぎいと廻りぬ秋の昼 岡井省二
「ぎい」を鯉につけることで驚きが出る
他のものに使うようなオノマトペを挟み込むと意外性のある句になることがある
ひらひらと月光降りぬ貝割菜 川端茅舎(ぼうしゃ)
月光と言えばきらきらですが蝶々の舞っているようなひらひらを取り合わせた句
④ツボ押しポイント
オノマトペを創作する
句の残りの部分と合うオノマトペを創る 説得力が必要
ちょぼちょぼといふ水の音あたたかし
ぽちょぽちょといふ水の音あたたかし 今井杏太郎
重要なのはオリジナリティーと説得力
マポーン パポパポ とぱぱぱ ちたぽり
オノマトペをあたりまえにしない
・特選六句発表!兼題「渡り鳥」
北から日本に来て冬を過ごす鳥 名詞だと「渡り鳥」動詞だと「鳥渡る」
スフィンクスへ豪快に糞(ま)る渡り鳥 平野芍薬
燐寸(まっち)擦るやうな舌打ち渡り鳥 堀雄貴(ゆたか)
(「一本のマツチをすれば湖(うみ)は霧」富澤赤黄男 を彷彿とする)
惑星の引き合ふちから鳥わたる 椋本望生(むくもとぼうせい)
(二物衝撃 イメージとイメージの衝撃)
ザビエルの心に突起鳥渡る 亘航希(わたりこうき)
渡る鳥先頭はアニしんがりオレ 青木章子
渡り鳥口内炎の小さき穴 丹下京子
・柴田の歩み ちたぽりのように
庄司の歩み オノマトペで俳筋力❝はりころ❞ゲット‼
■NHK短歌 題「飛行機」テーマ「自分以外の何かになる」
年間テーマ「❝私❞に出会おう~2年目の飛躍~」
選者 川野里子 レギュラー 内藤秀一郎 深尾あむ 司会 ヒコロヒー
・飛躍の扉 自分以外の何かになってみよう
哀しめば青葉をすこし食みこぼし青葉を忘るる象亀われは
川野里子「天窓紀行」
ゾウガメになってみると私が哀しいですというよりずっと伝わる
猫柳そろりとコップに根を出しぬなんぼなんでもここでは死ねんわ
浦河奈々「マトリョーシカ」
自分だけの気持ちでいるよりずっと自分の気持ちが表現できる
わたくしの赤あかとせる魂がアステカ遺跡に掘り起こされる
大滝和子「銀河を産んだように」
何かになることで自分を広げていく 自分を発見していく
・入選六首 題「飛行機」
あなたへの気持ちは飛行機こんなにも重たいものがどうして飛ぶの
美戸茅夜子(みとちよこ)
しらすほどの飛行機ひとつ渡りをる窓まつすぐに受験票を置く
滝野放図(ほうず)
虹はいくつ入るのだろう飛行機を吐き出し終えた格納庫には
葉村直(なお)
秋空を横切るブルーインパルス戦地を知らず僕たちのよう
五月雨薊(さみだれあざみ)
私 わたしという紙飛行機をゆっくりとひらいてくれた君の手のひら
雪野まい
一席 鳥人間コンテストみるリビングの静謐いつかは誰もがひとり
西鎮(しゃんちん)
・秀一郎あむの飛躍のカギ
【エアコン】
ふと見るとブルブル君が震えてる自分の無力さを思い知る僕
内藤秀一郎 添削
ふと見るとブルブル君が震えてるエアコンの僕はまたやりすぎて
一分でコンビニ弁当あたためます。あなたの心は何分ですか?
深尾あむ
畑を耕しそこへ種を植えていく。心を言葉に置き換えていく…。
・言葉のバトン
風船葛(かずら)の中に込めて
星野高校(埼玉県) 文芸部 金子舞
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Twilightよい子は家(うち)に帰りましょう
興南高校(沖縄県)俳句部 知念ひなた
題「恋」題14回牧水・短歌甲子園 優勝
人間は濡れたらきれいゆるやかに恋は樹林のように果てるの
(忘れかけていた景色が思いだされる)
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