2024年11月11日月曜日

兼題「梟」&テーマ「数字を入れる」

阿南市へオオヨシゴイがやってきた
オオヨシゴイ十四年ぶりに飛来せり
オオヨシゴイ長旅終えて身を隠す
オオヨシゴイ餌を求めて湿地帯
オオヨシゴイ日陰好んでうぉ~うぉ~うぉ~

■NHK俳句 兼題「梟(ふくろう)」
選者 西山睦 ゲスト 山田牧(ぼく) 司会 柴田英嗣
年間テーマ「やさしい手」

コーヒーの渦の星雲暖炉の火   西山睦
一杯と一服、日々に句読点。山田牧
小満や生地を捏(こ)ねたる手の厚み   山田牧
❝おしゃれな俳句❞を体感!
開店前梅干す日向貸しにけり   山田牧

・俳句三選 山田牧
プリン 立春大吉型よりプリンすつと出(い)づ
コーヒー 秋日濃しドリップの一滴を待ち
(俳句そのもの ネルでこすように雑念がろ過されていって
1滴しずくが出たのが俳句 であればいいな 西山睦先生)
灯台 冬の夜の灯台として喫茶店
(喫茶店の仕事は心の寄り道 街の景色の一つになれたらいいな
街の中の灯台 素敵なコンセプト)

喫茶店と俳句に共通することは❓
定点観測 一点からの写生すること
「人を丁寧に見る」と「待つ」は俳句そのもの

・特選六句発表 兼題「梟」
(鳴き声が怖い感じ すごみがある 
冬の月を背景にして枝に止まっている感じが梟らしい)

ふくろうやわが家は村のどんづまり   高原晴子
梟の瞳に似たる樵(きこり)の目   木村祐子
ふくろふや母のふとんへもぐり込む   髙澤榮子
梟や窯(かま)の火番の三日目に   中川千代
梟や夜の座禅は宙に浮く   毛利尚人
梟やページ欠けたる乱歩読む   宮崎泉

一席 梟の翼の中に森包む   森田久子
二席 影として梟飛ぶや影の中   夏野あゆね
三席 梟の嘴(はし)に抗(あらが)ふものの影   荒井みゆき

柴田の歩み
ベロベロで一句

■NHK短歌 テーマ「数字を入れる」
選者 俵万智 ゲスト 木村達成 司会 ヒコロヒー
年間テーマ「光る愛の歌」
木村達成氏は三条天皇を演じられました。

・入選九首 テーマ「数字を入れる」
起き上がりこぼしのごとく並びおり五歳の書きし太き8の字
鵜川登旨(うかわとし)
「萩の月・10個入り」みたいアパートの窓それぞれにそれぞれの夜
毛糸
 2合炊き、0.5杯の洗剤に君なきことを目盛りで学ぶ
大山城治(じょうじ)
 生きてれば八十歳と母はまた父の年齢一つ進める
藤平怜
 尋ねればあなたは何でも答えてくれる0と1しか知らないくせに
生田大五郎
二席 みすずかる信濃の山の遠けれどホクトのしめじ七十二円
塩本抄(しょう)(みすずかる:信濃にかかる枕詞)
六年がまた一年になったときちょっと弱くなった気がした
見坂卓郎
三席 友に送ったメールの返事を待つ二時間五日は待てた手紙の頃は
村田知子
一席 子を連れて戻ると聞いた君を待つ八年分のドーナツ買って
阿部裕

今回の句はすごかった!私の心にびんびん届きました。拍手を送ります。

・「光る君へ」で短歌を10倍楽しもう!
短歌はラップ ラップバトル
和歌を阿吽の呼吸でやりとりするのは心と心が
通じ合っているのを見せびらかした感じがある

いかにいかが数えやるべき八千歳(やちとせ)のあまり久しき君が御代(みよ)をば
まひろ
(万智訳)いかがして数えましょうか八千歳もつづくであろう君の御代をば
「五十日(いか)の儀」と「いか」をかけている
「八千歳の」は「百万ドルの…」のような
すごく大げさな大きな数字を出して伝える一つのいい方

あしたづのよはいしあらば君が代の千歳の数も数へ取りてむ
藤原道長

「光る君へ」から学べる 短歌づくりのポイントは❓
大げさな慣用句を使うのは現代短歌では難しい
具体的な描写に数字を用いると使い勝手がいい
・具体的な数字を使うことで慣用句ではないよりリアルな描写が可能になる
三秒を静止している重量挙げ選手の四年を思う一瞬
工藤吉生「沼の夢」
数字で決まるスポーツのすごさと残酷さ

百人一首より
心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな
三条院
(万智訳)長生きをしてしまったら思い出すだろう今夜の月の輝き
「心にもあらで」は「不本意にも」ということ
未来から今を見たら恋しいと思うということは
未来から今を見たら恋しいと思うということは未来は今よりずっと悪いはず
今を生きていない人の歌

・言葉のバトン
Twilightよい子は家(うち)に帰りましょう
興南高校(沖縄県)俳句部 知念ひなた

ママのカレーの香りにつられ
富山県立伏木高校 町口晟衣萊(せいら)
通学路君への思い雨になり紫陽花色の恋水流れる

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