帰り花今一瞬を大切に
アマツバメ冬空悠々着地下手
アマツバメ巣の直前を撃沈す
冬の空虐げられし小さき人
物言わぬ人いつも踏み台冬の雨
■プレバト纏め 2024年11月21日
お土産で一句
永世名人 藤本敏史のお手本 俳句史に残る句集作り
初霜の駅土産なしの帰郷
添削(切れ字を使うと一句に背骨が立つ
詠嘆「や」上の言葉を強調する「!」のような効果)
初霜の駅や土産のなき帰郷
特待生昇格試験 蓮見翔
一升瓶マフラー包んでリュックから
添削(大人から大人へのお土産 親しさの度合いもわかる
時間軸が小さく混乱)
マフラーに包む酒瓶リュックから
1位 三宅香帆
冬ざれの砂丘踏む音や置き土産
(冬ざれ:冬の季語 草木が枯れて山や川も荒涼となる様子
上五中七に詩がある 冬ざれと砂丘の取り合わせ 音への感動
置き土産では説明になっている 残してきた感を表現すると良い
思いを残して去って行く 余白に読者も思いを感知する)
冬ざれの砂丘すな踏む音残し
2位 MIU
成績表眺める祖母や冬ぬくし
添削(誰の成績表か?俳句はその場面を描ける)
成績表持って祖母んち冬ぬくし
成績表持って祖母んち冬休み
3位 小島健
土産持つ両手塞がる秋の海
添削(季語を知らなすぎ 減点したい)
土産持つ両手や秋の海の駅
4位 みやぞん
甥っ子がまんじゅうくれた雪の球(たま)
添削(雪玉:冬の季語 甥っ子に拘るより描写に拘る これが俳句)
おまんじゅうあげると雪玉くすくす
おまんじゅうあげると雪玉ぶつける
5位 薬丸裕英
家苞物(みやげもの)笑顔溢れる冬苺
添削(家苞いえづと:自分の家に持って帰るおみやげ
お土産に温室栽培の綺麗な冬の苺 冬苺と冬の苺は違う)
子ら待つや冬の苺を家苞に
祝❣千原ジュニア氏の故郷福知山に句碑が建立されました。
「故郷の首蓿の香は濃かりけり 千原ジュニア」
■10min.ボックス現代文 サーカス(中原中也)
幾時代かがありまして
茶色い戦争ありました
幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました
幾時代かがありまして
今夜此処での一(ひ)と殷盛(さか)り
今夜此処での一(ひ)と殷盛(さか)り
サーカス小屋は高い梁(はり)
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ
頭倒(さか)さに手を垂れて
汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん(おのまとぺ)
それの近くの白い灯が
安値(やす)いリボンと息を吐き
観客様はみな鰯
咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
野外(やぐわい)は真ッ闇(くら) 闇の闇
夜は劫々と更けまする
落花(らくか)傘奴(かさめ)のノスタルジアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
葛藤を生きた詩人
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
「汚れつちまつた悲しみに…」より
私は希望を唇に嚙みつぶして
私はギロギロする目で諦めてゐた…
噫(ああ)、生きてゐた、私は生きてゐた!
「少年時」より
音の響き
秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があって、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射してゐるのでありました。
「一つのメルヘン」より
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