冬紅葉音の欠片を受け取らん
冬ぬくし泉谷(しげる氏)に次ぐふうかちゃん
人肌を感じるダンス冬星座
特許より拡散で勝つ冬銀河
■100分de名著❝百人一首❞(1)「外から」見た魅力と謎
ピーター・マクミラン(日本文学研究者) 伊集院光 阿部みちこ
五七 紫式部
めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜はの月かげ
恋 自然 人間の性を詠んだ
本当は「百人百首」ではないか 一首入魂のものだから
選者は藤原定家?
最近の研究では藤原定家が編んでいないという学説が主流
男女比 男性79 女性21
和歌のテーマ 恋43 四季32 旅・離別・その他25
歌人の身分 天皇・新王・貴族 僧侶 女房
当時和歌は欠かせない「たしなみ」だった
通い婚 男女が別々に暮らしていてまず和歌を送って贈答歌をして
和歌が書けなければ彼女はゲットできない
仕事場で重要なコミュニケーションの道具でもあった
宮中の儀礼 歌合せの会
SNSは絵文字を使ったり違う表現方法だけど
(和歌と)通じるものがあるのではないか
間接的に気持ちを表現するのは和歌もSNSも同じような世界観を感じる
四〇 平兼盛(たいらのかねもり)
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
人に知られないよう心中に秘めていたのに、顔色にでてしまったことであるよ、
私の恋心は。「もの思いをしているのですか」と 人が尋ねるほどまでに。
四六 曽禰好忠(そねのよしただ)
由良の門(と)を 渡る舟人 梶(かぢ)を絶え 行方も知らぬ 恋の道かな
由良の流れの速い瀬戸を 漕ぎ渡っていく船頭が、櫂をなくして行方も知らず
流されていくように、どこへどう進むかも分からない、わたくしの恋の道であるよ。
他の人でも同じ体験したと意外と普遍的だなと
百人一首を読むと私ひとりじゃないとすごくわかる
恋をした時だけが自分のコントロールが利かなくなる
普遍的に詠んでいる歌のひとつ
「百人一首」は普遍的なテーマで歌を詠んでいるので
世界のどこの方でもどんな年でも理解しやすい歌が非常に多い
西洋のポエムも和歌は比較すると伝わる
九 小野小町
花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身よにふる ながめせしまに
美しい桜の色は、もうむなしく 色あせてしまったことよ、
春の長雨が降っていた間に。自分の花のように美しかった容色も、
むなしく衰えてしまったことだ、男女の間のことで物思いにふけっていた間に。
アイルランドの詩 アイルランド神話に出てくる女神
私はベアールの老婆、かつてはいつも新しいドレスを着ていた
今日―みすぼらしい姿になってー私は捨てられたドレスさえまとっていない
五月祭がやってくると乙女たちは喜ぶ私にとっては悲しみが日常私は惨めな老婆
自分の老いていく姿を冬とたとえ 自分の若さを夏とたとえる
時の残酷さが出ている
西洋の詩と和歌の違いは❓
和歌は集団行為 みんなで一緒に詠む 敷居が低い
海外では魂を極める
自分の孤独を見つめていって自分だけにしかない世界観を詠んでいく
メランコリーとか孤独感を求めていく
社交のために使われていることと自分の人生をオリジナルに書いていくことの差
和歌は書きやすい 31文字になっていれば大丈夫
敷居は低いけど大勢いるからその中にとんでもないヤツもいる
31文字で世界観が全部表現されている
縁語とか掛詞(かけことば)によって両方の世界を同時に詠んでいる
小野小町の歌は百人一首の中で一番巧みな歌
制限と自由だと自由が上だって感じが若い頃はする
制限があるがゆえに考え抜いたものは自由を超える
想像力の幅を持たせながら大事なことが入っている
制限があるからこそ優れた世界観を生み出して完成していった
秋をテーマにした和歌は十六首ある
二三 大江千里(おおえのちさと)
月見れば 千々(ちぢ)に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
月を見ると、様々にもの悲しい。私ひとりのための 秋ではないけれども。
秋とももの悲しいが結びついたのは平安時代のころから
この句では千々にとひとつのが対句になっている
四 山辺赤人(やまべのあかひと)
田子の裏に うち出でてみれば 白たへの 富士の高嶺に 雪は降りつつ
田子の裏に出て眺めてみると、真っ白な富士山の高嶺に 雪が降りしきっていることだ。
九九 後鳥羽院(ごとばいん)
人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
人が愛しく思われ、また恨めしくも思われることだ。
つまらなくこの世の中を思うために、いろいろと物思いをする私は。
数を使うということは詩的ではない 対比に意外性があり論理的
千々を使うのは斬新的
富士山の山頂で雪が降っていることを同時に頭の中で再生できる
自分が見た景色を自分の心に映した鏡として書き残すと一番ベスト
人を愛すると同時に恨めしい 複雑な矛盾な気持ちを詠んでいる
四季の移ろいとか自然かと思っていましたが人の愛憎が一番普遍的だったとは
世界では四季の感じ方は違う
しかし恋愛や人間の深い愛情はどんな方でもどこの国でも同じです
人間として孤独じゃなくなる
国に対しての壁がなくなったり 人類に対しての壁がなくなったり
そういうことも含んでいる それは文学の力
世界の文学として非常に普遍性のある作品
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