2024年11月16日土曜日

古文入門 古文の世界へ

「森の芸術祭 晴れの国・岡山」を詠む
冬の森絶対的答えなし
冬の洞未来かすかに響きけり
冬の雲掬って飲んで無味無臭
柿落葉虫食いの跡凛とせり
鬼気迫る独立独歩冬の虫

■古文入門 古文の世界へ
第1回 古文に親しむ
学習のポイント
一 「言語文化」って何?
二 名文選を読み、古文の読み方に慣れる
三 古語と現代語の違いを理解する

百人一首
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

中古(平安)
竹取物語
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
名をば、さぬきのみやつこ となむいひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。
それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。

枕草子
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山際、
少し明かりて、紫だちたる雲の 細くたなびきたる。
夏は、夜。月のことはさらなり、闇もなほ、
蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、
ほのかにうち光りていくも をかし。雨など降るもをかし。

源氏物語
いづれの御時にか、女御、更衣 あたま候ひ給ひける中に、
いとやむごとなき際には あらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。

中世(鎌倉)
方丈記
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。

平家物語
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには滅ぶぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

徒然草
つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)にむかひて、
心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ。

近世(江戸)
奥の細道
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて
老いを迎ふる者は、日々旅にして、旅を栖とす。

■古文入門 古文の世界へ
第2回 宇治拾遺(しゅうい)物語 児のそら寝 (1)
鎌倉時代の初期 説話集
「こぶとりじいさん」「舌きりすずめ」「わらしね長者」

学習ポイント
一 朗読を聞いた後、物語前半の内容を理解する
二 五十音図、現代語訳する際の注意点を知る
三 児(ちご)の心理を追跡する

これも 今は 昔、比叡の山に 児 ありけり。
僧たち、よひのつれづれに、「いざ、かいもちひ せむ。」
と言ひけるを、この 児、心よせに 聞きけり。さりとて
しいださむを 待ちて 寝ざらむも、わろかりなむと思ひて、
かたかたに 寄りて、寝たる よしにて、いでくるを 待ちけるに、
すでに しいだしたる さまにて、ひしめきあひたり。
この 児、さだめて おどろかさむずらむと 待ちゐたるに、
僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。」
と 言ふを、うれしとは思へども、ただ 一度に いらへむも、
待ちけるかともぞ 思ふとて、いま ひとこゑ 呼ばれて
いらへむと、念じて 寝たるほどに、「や、な 起こしたてまつりそ。
をさなき 人は 寝入りたまひにけり。」 と言ふ こゑの しければ、
あな わびしと 思ひて、いま 一度 起こせかしと 思ひ寢に 聞けば、
ひしひしと ただ 食ひに 食う音の しければ、ずちなくて、無期の のちに、
「えい。」と いらへたりければ、僧たち わらふ こと かぎりなし。

ゐ=為 ゑ=恵

■古文入門 古文の世界へ
第3回 宇治拾遺物語 児のそら寝 (2)

学習のポイント
一 児の心理の追跡を続け、児と僧との駆け引きのおもしろさを味わう
二 単語の分類を理解する
三 僧が笑った理由を考える

単語…これ以上分けられない 言葉の最小単位
   単語は品詞に分類される
    ⇩
   単語の意味的・文法的に分類したもの
   品詞(十種類)
   名詞(体言) 動詞 形容詞 形容動詞(用言) 副詞 
連体詞 接続詞 感動詞 助動詞(付属語) 助詞
            語の形が変わる=活用する
文節…単語の次に小さな単位
自立語と一緒になって初めて意味をなすのが付属語
食ひに 食う(強調表現)

元気な笑いこそが説話の一番のおかしみ

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