冬銀河闇に身を置き安堵せり
雪は死を闇は命を育まん
寒き夜や光と闇と風の音
皮膚で感じる不安と歓喜夜長
瞬間を感じた気配冬日没(い)る
■10min.ボックス現代文 武蔵野(国木田独歩)
半ば黄ろく半ば緑な 林の中に歩いて居ると、
澄みわたった大空が 梢々の隙間からのぞかれて
日の光は風に動く 葉末〱に砕け、その美しさ言ふつくされず。
日光とか碓氷とか、天下の名所は兎も角、
武蔵野の様な広い平原の林が隈なく染まって、
日の西に傾くと共に 一面の火花を放つ
というも特異の美観では あるまいか。
「武蔵野」1898年(明治31)に発表
国木田独歩(1871―1908)
新しい見方を新しい文体で表現しました
新しい自然美の発見
楢(なら)の類だから黄葉する。黄葉するから落葉する。
時雨が私語(ささや)く。凩が叫ぶ。一陣の風小高い丘を襲へば、
幾千万の木の葉 高く大空に舞ふて 小鳥の群れかの如く
遠く飛び去る。木の葉落ち盡(つく)せば、幾千里の方域に亘(わた)る。
林が一時に裸になって、蒼ずんだ冬の空が
高く此上に垂れ、武蔵野一面が一種の沈黙に入る。
空気が一段澄みわたる。
此茶屋の婆さんが 自分に向て、「今時分、何にしに来たゞア」
と問うた事があった。自分は友と顔見合わせて笑て、
「散歩に来たのよ、たゞ遊びに来たのだ」と答えると
婆さんも笑って、それも馬鹿にしたような笑ひかたで、
「桜は春咲くこと知ねえだね」と言った。
小金井は桜の名所、それで夏の盛に其堤をのこ〱歩くも余所目には
愚かに見へるだろう、しかし其れは未だ
今の武蔵野の夏の日の光を 知らぬ人の話である。
をり〱落葉の音が 聞こえる計り、四辺(あたり)はしんとして如何にも淋しい。
落葉を踏む 自分の足音ばかり高く、時に一羽の山鳩 あわたゞしく飛び去る
羽音に驚かされる計り。
日が落ちる、野は風が強く吹く、林は鳴る、武蔵野は暮れむとする、
寒さが身に沁む、其時は路をいそぎ玉へ、顧みて思はず新月が
枯林の梢の横に寒い光を放てゐるのを見る。
海外文学の影響
ツルゲーネフ 著 二葉四迷 訳 「あいびき」
この中には今まで描かれたことのない自然美が描かれていた
樺(かば)の木立ちも、降り積ッた儘で また日の眼に逢はぬ雪のやうに、
白くおぼろに霞むーと小雨が 忍びやかに、怪しげに、
私語するように バラバラと降ッて通ッた。
自分がかゝる落葉林の 趣を解するに至ったのは奇妙な叙景の筆の力が多い。
これは露西亜の景で而(しか)も林は樺の木で、武蔵野の林は楢の木、
植物帯からいふと 甚だ異て居るが落葉林の趣は同じことである。
武蔵野に散歩する人は、道に迷ふことを苦にしてはならない。
(中略)
武蔵野の美はたゞ其 縦横に通ずる数千条の路を当もなく歩くこと
に由って始めて獲られる。春、夏、秋、冬、朝、昼、夕、夜、
月にも、雪にも、風にも、霧にも、霜にも、雨にも、時雨にも、
ただ此路をぶら〲歩て思ひつき次第に右し左すれば随所に
吾等を満足さするものがある。
■プレバト纏め 2024年11月28日
撮影の休憩で一句
永世名人 千原ジュニアのお手本 俳句史に残る句集作り
冬の暮子役がくれるガム硬し
(子役を入れるだけで撮影現場であることがわかる
硬しという描写が季語を補強している 永世名人らしい一句)
昇格試験 的場浩司
冴ゆる夜や野の石拾う老殺陣師
(冬の季語:冴ゆ 寒さが一層極まった様子 かなりの情報量
17音に入れ込む 説明はできないできない説明を
老殺陣師という下五を置くことで読者に全部想像させている
演者が怪我をしないよう思いを持ってやっている)
1位 野村麻純
缶コーヒー壷装束(つぼしょうぞく)の日向ぼこ
(冬の季語:日向ぼこ 壷装束:平安時代の公家や武家夫人の外出姿
缶コーヒーと壷装束の距離がめちゃくちゃ良い 季語に全てを託している)
2位 松下由樹
足袋重ね自製みそ汁暖を取る
添削(冬の季語:足袋 防寒用の履物 素材がリアル 不要な言葉が1つ
暖を取る状況にある 「撮影の現場」とわかる言葉を入れると良い
上五を字余りにしたので中七下五でリズムを取り直す 俳句の定石の1つ)
ジャーにみそ汁足袋重ね履くロケ現場
3位 西村真二
敵役と輪になりすする粕汁や
添削(冬の季語:粕汁 「すする」無くていい 理由をほのめかす 心遣いの粕汁)
敵役と輪になり晴れ待ちの粕汁
4位 純名里紗
チャルメラの湯気立つ夜空降る笑顔
添削(冬の季語:湯気 ストーブに乗っているやかんから立っているのが湯気。
ラーメンの湯気ではない。)
ラーメンの振舞い極寒のロケ地
5位 石井正則
江戸を出て髷(まげ)で珈琲時雨傘
添削(冬の季語:時雨傘 俳句は文字が全て 「で」は散文的な助詞)
髷のまま珈琲飲みに出て時雨
次回のお題は「銭湯」
2024年11月29日金曜日
2024年11月28日木曜日
スベトラーナ・アレクシエービッチ&モネ&「饅頭」&「奇妙」&松本隆氏の言葉
ストーブと扇風機置く十一月
寒北斗俊敏力の衰えん
冬ざるる個々の価値観垣間見ん
北吹くやおかきに負けて歯科医院
俳句にも好き嫌いあり冴ゆる夜
■こころの時代
2015年ノーベル文学賞受賞作家
スベトラーナ・アレクシエービッチ女史の言葉
私が耳を澄ますのは 心の歴史 暮らしの中にある魂です
「大きな物語」が見下し 素通りする声です
私はこの演壇に 一人で立っているのではありません
私の周りには声 たくさんの声があるのです
■新美の巨人たち【モネ「睡蓮の庭」】
私は水と反映の風景に取りつかれてしまいました
老いた身には荷が重すぎますが
どうにか感じたまま描きたいと願っています
~1908年 モネの手紙より~
その日46人の男女が訪れたが そのうち44人までもが
人気のない場所を求めるカップルだった
ジョルジュ・クレマンソー元首相(モネの部屋を訪れた時)
フランスの天才の最高傑作のひとつ
これは印象派のシスティーナ礼拝堂だ
アンドレ・マッソン
■漢字ふむふむ 饅頭(まんじゅう)にはなぜ頭があるの?
饅頭はもともと中国の食べ物
日本に伝わった時は肉が中に入っていた
日本に伝わってから中に入れるものが小豆に変わった
「饅頭」の文字に「頭」という漢字が使われているのは
三国志・諸葛亮。残酷な風習をなげき、うまれた知恵がこの漢字を生んだという。
■漢字ふむふむ 信長が息子に“奇妙丸”と名付けたわけ
奇妙は中国では並外れて優れているという意味
聖徳大使が活躍した飛鳥時代お経の中の言葉として日本へ来た
「容顔甚奇妙」とは「仏様のお姿・お顔は大変すばらしい」という意味
日本に入ってきたときの奇妙の意味はすばらしいだった
別のニュアンスが含まれてきた
鎌倉時代 仏教が庶民に広まった 仏教は”新たな役割“を持つこととなった
”人知を超えた力“を強く信じることとなった
奇妙に1並外れて素晴らしい 2不思議なこと
織田信長は息子に「奇妙丸」と名付けた
すばらしい息子との願いを込めて付けたのでは
なのに3不気味なニュアンスまで加わった
珍寳珍品奇妙奇てれつ(像・ラクダ)⇨不気味で怖い
江戸川乱歩が作った「奇妙な味」が大きな契機となった
「奇妙な味」とは不思議な後味を残す小説のこと
言葉の意義決定には著名な作家の役割が想像以上に大きい
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「星の入東風(いりごち)」
7音というちょっと長めで 使いにくい季語かもしれませんが
非常に綺麗な季語ですね
東から吹く風「東風」という言葉が 春の季語としても
存在するんですが この「星の入東風」は
初冬の季語になります
元々漁師さんたちの使う舟言葉でありまして
江戸中期の方言辞書「分類称呼」に この記述があるそうです
畿内および中国地方の船人の言葉として 陰暦10月の風を
「星の入東風」というとあります まだ冬の冷たさと
この星という文字 そして夜空に輝いている星の存在
そんなものがイメージの中で重なってくる
ただ東から吹いてくる風というだけではなくて
俳人の連想力を刺激してくれる
そんな季語になっていますね
■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな 2人
【松本隆登場!50年以上にもなる作詞家人生について語る】
昭和の大先輩 松本隆の言葉
「風をあつめて 松本隆」
ミュージシャンであり天才作詞家。日本語ロックの先駆けとなった
伝説的バンド「はっぴぃえんど」のメンバーとして活躍。
作詞家として2,000以上の作品数。前身バンド「エイプリルフール」結成から
「はっぴーえんど」解散後の作詞活動が本格化した頃のお話。
代表曲「風をあつめて」の知られざるエピソードなど、50年以上にもなる
作詞家人生を語ってくださいました。
寒北斗俊敏力の衰えん
冬ざるる個々の価値観垣間見ん
北吹くやおかきに負けて歯科医院
俳句にも好き嫌いあり冴ゆる夜
■こころの時代
2015年ノーベル文学賞受賞作家
スベトラーナ・アレクシエービッチ女史の言葉
私が耳を澄ますのは 心の歴史 暮らしの中にある魂です
「大きな物語」が見下し 素通りする声です
私はこの演壇に 一人で立っているのではありません
私の周りには声 たくさんの声があるのです
■新美の巨人たち【モネ「睡蓮の庭」】
私は水と反映の風景に取りつかれてしまいました
老いた身には荷が重すぎますが
どうにか感じたまま描きたいと願っています
~1908年 モネの手紙より~
その日46人の男女が訪れたが そのうち44人までもが
人気のない場所を求めるカップルだった
ジョルジュ・クレマンソー元首相(モネの部屋を訪れた時)
フランスの天才の最高傑作のひとつ
これは印象派のシスティーナ礼拝堂だ
アンドレ・マッソン
■漢字ふむふむ 饅頭(まんじゅう)にはなぜ頭があるの?
饅頭はもともと中国の食べ物
日本に伝わった時は肉が中に入っていた
日本に伝わってから中に入れるものが小豆に変わった
「饅頭」の文字に「頭」という漢字が使われているのは
三国志・諸葛亮。残酷な風習をなげき、うまれた知恵がこの漢字を生んだという。
■漢字ふむふむ 信長が息子に“奇妙丸”と名付けたわけ
奇妙は中国では並外れて優れているという意味
聖徳大使が活躍した飛鳥時代お経の中の言葉として日本へ来た
「容顔甚奇妙」とは「仏様のお姿・お顔は大変すばらしい」という意味
日本に入ってきたときの奇妙の意味はすばらしいだった
別のニュアンスが含まれてきた
鎌倉時代 仏教が庶民に広まった 仏教は”新たな役割“を持つこととなった
”人知を超えた力“を強く信じることとなった
奇妙に1並外れて素晴らしい 2不思議なこと
織田信長は息子に「奇妙丸」と名付けた
すばらしい息子との願いを込めて付けたのでは
なのに3不気味なニュアンスまで加わった
珍寳珍品奇妙奇てれつ(像・ラクダ)⇨不気味で怖い
江戸川乱歩が作った「奇妙な味」が大きな契機となった
「奇妙な味」とは不思議な後味を残す小説のこと
言葉の意義決定には著名な作家の役割が想像以上に大きい
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「星の入東風(いりごち)」
7音というちょっと長めで 使いにくい季語かもしれませんが
非常に綺麗な季語ですね
東から吹く風「東風」という言葉が 春の季語としても
存在するんですが この「星の入東風」は
初冬の季語になります
元々漁師さんたちの使う舟言葉でありまして
江戸中期の方言辞書「分類称呼」に この記述があるそうです
畿内および中国地方の船人の言葉として 陰暦10月の風を
「星の入東風」というとあります まだ冬の冷たさと
この星という文字 そして夜空に輝いている星の存在
そんなものがイメージの中で重なってくる
ただ東から吹いてくる風というだけではなくて
俳人の連想力を刺激してくれる
そんな季語になっていますね
■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな 2人
【松本隆登場!50年以上にもなる作詞家人生について語る】
昭和の大先輩 松本隆の言葉
「風をあつめて 松本隆」
ミュージシャンであり天才作詞家。日本語ロックの先駆けとなった
伝説的バンド「はっぴぃえんど」のメンバーとして活躍。
作詞家として2,000以上の作品数。前身バンド「エイプリルフール」結成から
「はっぴーえんど」解散後の作詞活動が本格化した頃のお話。
代表曲「風をあつめて」の知られざるエピソードなど、50年以上にもなる
作詞家人生を語ってくださいました。
2024年11月27日水曜日
あの本、読みました?本郷和人&池井戸潤&道尾秀介
冬茜家事のできない女(ひと)でした
冬ぬくしコンマ一秒助けられ
冬の草我が人生を回顧せり
満たしてもまた満たしても冬日没る(いる)
冬の月茶道華道を極めても
■あの本、読みました?
東野圭吾&池井戸潤&村上春樹…どれから読む?読む順特集!
本郷和人 三宅香帆 道尾秀介 鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔プロデューサー
・あの人気作家の本 どれから読む?
東野圭吾(秋月透馬)
容疑者Xの献身⇨クスノキの番人⇨天空の蜂
池井戸潤(内藤淳)
下町ロケット⇨俺たちの箱根駅伝⇨オレたちバブル入行組
角田光代(東條律子)
八日目の蝉⇨源氏物語⇨方舟(はこぶね)を燃やす
青山美智子(光英麻季)
お探しの物は図書室まで⇨リカバリー・カバヒコ⇨鎌倉うずまき案内所
村上春樹(林祐輔P)
海辺のカフカ⇨ノルウェーの森⇨IQ84
村上龍(林祐輔P)
半島を出よ⇨希望の国のエクソダス⇨コインロッカー・ベイビーズ
・「源氏物語」現代語訳の前にどれを読む?
この2年間で約200冊が発刊
本郷和人 三宅香帆
「源氏物語」紫式部著
平安時代中期 紫式部によって書かれた日本最古とも言われる長編小説
主人公・光源氏の生涯と恋模様
息子・薫の成長を綴った70年に及ぶ全54帖(巻)からなる3部作の物語
795首の和歌が詠まれており多くの歌人に影響を与えた
本郷和人氏お薦め本
「紫式部と男たち」木村朗子著
源氏物語はセレブの話 日本の人口は1100万人 そのうち貴族は500人
BSテレ東社長 加増良弘お薦め本
解説本は『平安人の心で「源氏物語」を読む』山本淳子著/朝日新聞出版
『いま読む「源氏物語」』角田光代・山本淳子/河出出新書
・三宅香帆女史のお薦め本
「愛する源氏物語」俵万智著/文春文庫
和歌を俵万智が名訳 「愛する源氏物語」
袖ぬるるこひぢと かつは知りながら 下り立つ田子のみづからぞうき
六条御息所
(俵万智訳)
泥沼の恋と知りつつ自分から踏み込んでゆくことの悲しさ
(返歌)
浅みにや人は下り立つわが方は 身もそぼつまで深きこひぢを
光源氏
「愛する源氏物語」の一文 俵万智著/文春文庫
(俵万智訳)
踏み込めるほどの浅さよわたくしは全身泥に使っています
和歌の中には古い和歌を使って遊んでいる
・「源氏物語」って現代語訳 何からオススメですか?
個人的には現代語訳の前に「入門書」を読んでからの方が
絶対楽しめる
現代語訳の前に入門書を読むべき!
「30日de源氏物語」三宅香帆著/亜紀書房
1日10分から始める「源氏物語」入門書
巧みな伏線の読み解き方から実際あったゴシップネタまで
あらすじはもちろん物語りを深く味わうコツが満載
オススメの読み方 推しキャラを見つける
「六条御息所 源氏がたり」林真理子著
六条御息所ひとり語りを林真理子がアレンジし再構築
角田光代が現代的で歯切れがよく生き生きとした会話文に訳した全8巻
「源氏物語」角田光代訳/河出文庫
「新源氏物語」田辺聖子著/新潮文庫
著者の言葉
「原文の中で日本語としてきれいな言葉好きな言葉、わかりやすい言葉は
そのまま残しましたけれど出来るかぎり新しい現代の言葉を使いました。」
「源氏物語」瀬戸内寂聴訳/講談社文庫
天台宗の尼僧で小説家の瀬戸内寂聴が気品あふれる現代語に訳した
たおやかに書かれていて、女性として読んでさらに深く入り込めた。(角谷暁子)
・大垣書店麻布台ヒルズ店月間総合ランキング
「わたしは、海」の一文 カツセマサヒコ著/光文社 5位
あまり投稿してなくてすみません。本当にSNSが苦手です。
みんな、何をそんなに書くことあるの❓
三年もの間、何をしたかというと、基本的にずっと、
闘病生活を送っていました。癌です。
(中略)
結構しんどくて、ここまでかなり頑張ったと思うので、
あとは自宅で緩和ケアを受けながらゆっくり過ごすことにしました。
(中略)
不意に、潮田の言葉を思い出した。
(中略)
―海も涙も、しょっぱいじゃん。だからさ、実は海は、
たくさんの生き物や、人間や、もしかするとこの星自体が流した涙が、
流れ着いて集まった場所なのかもしれない。
この星は涙でできていて、海は乾くことはない。
だからみんな、海に泣きに行くのかもしれないな。
・「N」道尾秀介著/集英社
コピーは「読む順番で世界が変わる」その読み方は720通り
「一冊の本」の概念を変える物語
全6章 読者が読む順番を決めていい
本書は六つの章で構成されていますが、読む順番は自由です。
どの章から読み始めるのか。次にどの章を読み進めるのか。
最後はどの章で終わらせるのか。このページをめくると、
それぞれの章の冒頭部分だけが書かれています。
読みたいと思う章を選び、そのページに移動してください。
読んだあとは、また冒頭部分の一覧から、次の章を選んでいただきま。
慎重に選んでいただいても、ランダムに選んでいただいても構いません。
① 名のない毒液と花
② 落ちない魔球と鳥
③ 笑わない少女の死
④ 飛べない雄蜂の噓
⑤ 消えないガラスの星
⑥ 眠らない刑事と犬
順番が変わることである生き物が全く違う姿に見える
この仕掛けを考えたキッカケ
小説を盛り上げ今一度読者を取り戻したかった
体験型小説
どの順番で書いた❓3から書き始めた
今後も体験型小説を書く❓暫く続けたい
体験型小説「I」を執筆中
読み方次第で亡くなる人の数が変わる
冬ぬくしコンマ一秒助けられ
冬の草我が人生を回顧せり
満たしてもまた満たしても冬日没る(いる)
冬の月茶道華道を極めても
■あの本、読みました?
東野圭吾&池井戸潤&村上春樹…どれから読む?読む順特集!
本郷和人 三宅香帆 道尾秀介 鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔プロデューサー
・あの人気作家の本 どれから読む?
東野圭吾(秋月透馬)
容疑者Xの献身⇨クスノキの番人⇨天空の蜂
池井戸潤(内藤淳)
下町ロケット⇨俺たちの箱根駅伝⇨オレたちバブル入行組
角田光代(東條律子)
八日目の蝉⇨源氏物語⇨方舟(はこぶね)を燃やす
青山美智子(光英麻季)
お探しの物は図書室まで⇨リカバリー・カバヒコ⇨鎌倉うずまき案内所
村上春樹(林祐輔P)
海辺のカフカ⇨ノルウェーの森⇨IQ84
村上龍(林祐輔P)
半島を出よ⇨希望の国のエクソダス⇨コインロッカー・ベイビーズ
・「源氏物語」現代語訳の前にどれを読む?
この2年間で約200冊が発刊
本郷和人 三宅香帆
「源氏物語」紫式部著
平安時代中期 紫式部によって書かれた日本最古とも言われる長編小説
主人公・光源氏の生涯と恋模様
息子・薫の成長を綴った70年に及ぶ全54帖(巻)からなる3部作の物語
795首の和歌が詠まれており多くの歌人に影響を与えた
本郷和人氏お薦め本
「紫式部と男たち」木村朗子著
源氏物語はセレブの話 日本の人口は1100万人 そのうち貴族は500人
BSテレ東社長 加増良弘お薦め本
解説本は『平安人の心で「源氏物語」を読む』山本淳子著/朝日新聞出版
『いま読む「源氏物語」』角田光代・山本淳子/河出出新書
・三宅香帆女史のお薦め本
「愛する源氏物語」俵万智著/文春文庫
和歌を俵万智が名訳 「愛する源氏物語」
袖ぬるるこひぢと かつは知りながら 下り立つ田子のみづからぞうき
六条御息所
(俵万智訳)
泥沼の恋と知りつつ自分から踏み込んでゆくことの悲しさ
(返歌)
浅みにや人は下り立つわが方は 身もそぼつまで深きこひぢを
光源氏
「愛する源氏物語」の一文 俵万智著/文春文庫
(俵万智訳)
踏み込めるほどの浅さよわたくしは全身泥に使っています
和歌の中には古い和歌を使って遊んでいる
・「源氏物語」って現代語訳 何からオススメですか?
個人的には現代語訳の前に「入門書」を読んでからの方が
絶対楽しめる
現代語訳の前に入門書を読むべき!
「30日de源氏物語」三宅香帆著/亜紀書房
1日10分から始める「源氏物語」入門書
巧みな伏線の読み解き方から実際あったゴシップネタまで
あらすじはもちろん物語りを深く味わうコツが満載
オススメの読み方 推しキャラを見つける
「六条御息所 源氏がたり」林真理子著
六条御息所ひとり語りを林真理子がアレンジし再構築
角田光代が現代的で歯切れがよく生き生きとした会話文に訳した全8巻
「源氏物語」角田光代訳/河出文庫
「新源氏物語」田辺聖子著/新潮文庫
著者の言葉
「原文の中で日本語としてきれいな言葉好きな言葉、わかりやすい言葉は
そのまま残しましたけれど出来るかぎり新しい現代の言葉を使いました。」
「源氏物語」瀬戸内寂聴訳/講談社文庫
天台宗の尼僧で小説家の瀬戸内寂聴が気品あふれる現代語に訳した
たおやかに書かれていて、女性として読んでさらに深く入り込めた。(角谷暁子)
・大垣書店麻布台ヒルズ店月間総合ランキング
「わたしは、海」の一文 カツセマサヒコ著/光文社 5位
あまり投稿してなくてすみません。本当にSNSが苦手です。
みんな、何をそんなに書くことあるの❓
三年もの間、何をしたかというと、基本的にずっと、
闘病生活を送っていました。癌です。
(中略)
結構しんどくて、ここまでかなり頑張ったと思うので、
あとは自宅で緩和ケアを受けながらゆっくり過ごすことにしました。
(中略)
不意に、潮田の言葉を思い出した。
(中略)
―海も涙も、しょっぱいじゃん。だからさ、実は海は、
たくさんの生き物や、人間や、もしかするとこの星自体が流した涙が、
流れ着いて集まった場所なのかもしれない。
この星は涙でできていて、海は乾くことはない。
だからみんな、海に泣きに行くのかもしれないな。
・「N」道尾秀介著/集英社
コピーは「読む順番で世界が変わる」その読み方は720通り
「一冊の本」の概念を変える物語
全6章 読者が読む順番を決めていい
本書は六つの章で構成されていますが、読む順番は自由です。
どの章から読み始めるのか。次にどの章を読み進めるのか。
最後はどの章で終わらせるのか。このページをめくると、
それぞれの章の冒頭部分だけが書かれています。
読みたいと思う章を選び、そのページに移動してください。
読んだあとは、また冒頭部分の一覧から、次の章を選んでいただきま。
慎重に選んでいただいても、ランダムに選んでいただいても構いません。
① 名のない毒液と花
② 落ちない魔球と鳥
③ 笑わない少女の死
④ 飛べない雄蜂の噓
⑤ 消えないガラスの星
⑥ 眠らない刑事と犬
順番が変わることである生き物が全く違う姿に見える
この仕掛けを考えたキッカケ
小説を盛り上げ今一度読者を取り戻したかった
体験型小説
どの順番で書いた❓3から書き始めた
今後も体験型小説を書く❓暫く続けたい
体験型小説「I」を執筆中
読み方次第で亡くなる人の数が変わる
2024年11月26日火曜日
兼題「眼」&テーマ「ごめんね/すみません」&投句募集!
紫式部を詠む
吾と会えた跳ねのけられた紫の時
夫の死苛めに耐えた紫記
娘(こ)の成長を旨とした実紫
創造と嘘との違い玉紫
嘘ついて地獄に落ちた紫式部
■NHK俳句 兼題「眼(め)」
年間のテーマ「語ろう!俳句」
選者 高野ムツオ ゲスト俳人 生駒大祐 高田正子
ゲスト 小坂大魔王 レギュラー 中西アルノ
眼は顔にあるパーツの中で一番持っている本人の感情を引き出すところ
眼が輝く 眼が暗い 眼が一番多様で深いものを表現する題材
一 流星を数ふ眼の青むまで 高田正子
(「眼の青むまで」とは時間経過を表現している 時間と色と季節全てを内包している)
二 秋彼岸目をぎゅっとつむって「もういいかい」 中西アルノ
(彼岸は昼と夜の長さが同じになる 陽が真東から上り真西に沈む
一番あの世と近くなる時 なのでお墓参りや供養をする 作者に呼び掛けてくれた瞬間
「もういいかい」の後に あの世から「まあだだよ」と
いう声を聞いた作者という物語が見えると小坂大魔王氏)
三 ぬと頭ぎろと眼玉やセーターより 高野ムツオ
(セーターより布団・どてらのほうが良かったかな❓とは高野ムツオ氏)
四 夜長しやスマホゴロゴロ眼ショボショボ 小坂大魔王
(語順を変えると良かった)
五 天体いま眼を渡りゆく冬の街 生駒大祐
(天体とそれを見ている人を詠った句だった)
眼は見るものなのに 思える所に眼のすごさを感じた 小坂大魔王氏
・特選三席発表 兼題「眼」
一席 まず眼から近づいて来るいぼむしり 樫の木
いぼむしり:カマキリの別名
二席 ガザの子のカメラ射る眼よ秋探し 大内菅子(すがこ)
三席 ドナーより賜りし眼や初明り(はつあかり) 梅田康恵
特選
龍淵に潜む電車に眼の数多 夏風かをる
冬夕焼(ふゆゆやけ)歳を重ねて変わらぬ眼 石橋正比古
無言館出で秋天が眼に痛い 邑松美智子
眼に映る冬銀河とてひと握り 野田茂樹
みどり児とまだ眼は合はぬ冬銀河 千葉水路
スカジャンの龍の目ん玉大枯野 丹下京子
参照:https://www.nhk.jp/p/ts/6Q6J1ZGX37/blog/bl/pLvva3ZRZL/bp/pzN12gYg0q/
■NHK短歌 テーマ「ごめんね/すみません」
年間テーマ「あなたへの手紙 かなたへの手紙」
選者 枡野浩一 ゲスト BASE 司会 尾崎世界観
「じゃあまたって言いかけてから切れたからまたかけちゃったゴメンじゃあまた」
枡野浩一
・31音の手紙
入選九首 テーマ「ごめんね/すみません」
「すみません」たとえあなたが許しても私が私を許せないので
峯瀬品子(みねせかずこ)
払いのけた夜をあなたは忘れてもわたしはずっと悔やんでおくね
へそごま
三席 私 生きていてごめんなさいと言いながらおやつを食べてお昼寝もする
五月雨薊(あざみ)
気づかないふりをしておくごめんねとやっぱり思えなくてごめんね
星川郁乃
一席 ごめんねの代わりに夫(つま)がくれた薔薇これっぽっちじゃ足りないってば
スワロフ好き代
二席 荒された花野へあわてて駆けてきてごめんと言うからゆるさなければ
中村杏(あん)
私 たぶんもう渡せないけど十九から冷凍保存してるごめんね
和田直樹
ごめんなさい今朝もあなたを覚えてた私も早く忘れたいのに
れいこ
部屋の隅に誇りが積もる毎日の汚れみたいな君のごめんね
渡邉理紗
・改悪添削
ごめんねの代わりに夫(つま)がくれた薔薇これっぽっちじゃ足りないってば
⇩
ごめんねの代わりに夫(つま)がくれた薔薇これっぽっちじゃ足りないわたし
短歌は意味が面白いだけじゃダメ
口に出した時に気持ちがいいとか覚えてしまうとか
音・響きがとても大事
歌の歌詞の場合はその人の本当のことだなと感じるような部分があるとグッとくる
・Boseさんの短歌「ごめんね/すみません」
その頃の僕らと言ったらこの調子言うとりますけどまだまだ若手
Bose
ご自身の歌詞の本歌取り
「彼方からの手紙」(1993年)スチャダラパー
地平線の意味 ありとあらゆる単位 空気の密度 火そのもの
しあわせの構造 音 うわの天 石のドラマ 正気の沙汰
記憶の彼方 諸悪の根源 点と線 原点 じゃんけん 人間
それらすべてがついさっきつながった ぼくはすべてを把握した
ここにこなけりゃぼくは一生 わからずじまいで過ごしていたよ
あんがい桃源郷なんてのは ここのことかなってちょっと思った
君もはやく来たらと思う それだけ書いて 筆をおく
最初に手紙というのが1つのテーマで 手紙の書き出しで
「お元気ですか いかがお過ごしでしょうか」みたいな感じで
始まるラップはないから おもしろそうだなと思って…。
意味が何個も重なってくるようにできていたんだなと思って
一緒に年を取れる曲とそうでない曲がある
・言葉のバトン
母さんがここにいるからここは故郷で
気仙沼高校・文芸部 昆野永遠(部長)
⇩
真っ白な帆が風に広がる
杜崎ひらく 歌人
ひたすらに海はまだかというように歩き続けるこの日常を
(けっこう無理して働いていたんですよ それで体を壊したり
そこにコロナが重なって 歌集「自転車修理屋」杜崎ひらく を作った)
自転車を直す仕事に就きました人の翼を直せるように
自分が忘れたくないことを短歌にして残している気がします
■夏井いつき俳句チャンネル
【投句募集!】かがわの大名庭園俳句コンテスト
「かがわの大名庭園俳句コンテスト」詳細はこちら♪↓
【募集期間】 令和6年7月1日(月)~令和7年 1 月5日(日) ※郵送の場合は当日必着
【内容】 各庭園をテーマにした俳句 ○栗林公園部門 ○中津万象園部門
【応募対象】 ○小学生以上でご来園いただいた方
【応募上の注意】 ○応募作品は自作・未発表のものに限ります。
○応募は1人1庭園につき3句までとします。
【応募方法】 ○両庭園の受付で応募用紙をお配りします。
お帰りの際に、受付に設置した投句箱に投函してください。
○来園時に句が詠めなかった方は、応募用紙に必要事項を記入していただき、
下記の 応募先まで、郵送、FAX、E-mail のいずれかの方法で応募してください。
[応募先]かがわの大名庭園俳句コンテスト事務局
〒763-0054 丸亀市中津町 25-1 中津万象園内
FAX:0877-23-6379
E-mail:haikucontest01@gmail.com
【問合せ先】 ○上記事務局 TEL:0877-85-8860(9:30~17:00)
【結果発表】 ○令和 7 年 1 月(予定) ※入賞・入選作品は作者本人にご連絡します。
吾と会えた跳ねのけられた紫の時
夫の死苛めに耐えた紫記
娘(こ)の成長を旨とした実紫
創造と嘘との違い玉紫
嘘ついて地獄に落ちた紫式部
■NHK俳句 兼題「眼(め)」
年間のテーマ「語ろう!俳句」
選者 高野ムツオ ゲスト俳人 生駒大祐 高田正子
ゲスト 小坂大魔王 レギュラー 中西アルノ
眼は顔にあるパーツの中で一番持っている本人の感情を引き出すところ
眼が輝く 眼が暗い 眼が一番多様で深いものを表現する題材
一 流星を数ふ眼の青むまで 高田正子
(「眼の青むまで」とは時間経過を表現している 時間と色と季節全てを内包している)
二 秋彼岸目をぎゅっとつむって「もういいかい」 中西アルノ
(彼岸は昼と夜の長さが同じになる 陽が真東から上り真西に沈む
一番あの世と近くなる時 なのでお墓参りや供養をする 作者に呼び掛けてくれた瞬間
「もういいかい」の後に あの世から「まあだだよ」と
いう声を聞いた作者という物語が見えると小坂大魔王氏)
三 ぬと頭ぎろと眼玉やセーターより 高野ムツオ
(セーターより布団・どてらのほうが良かったかな❓とは高野ムツオ氏)
四 夜長しやスマホゴロゴロ眼ショボショボ 小坂大魔王
(語順を変えると良かった)
五 天体いま眼を渡りゆく冬の街 生駒大祐
(天体とそれを見ている人を詠った句だった)
眼は見るものなのに 思える所に眼のすごさを感じた 小坂大魔王氏
・特選三席発表 兼題「眼」
一席 まず眼から近づいて来るいぼむしり 樫の木
いぼむしり:カマキリの別名
二席 ガザの子のカメラ射る眼よ秋探し 大内菅子(すがこ)
三席 ドナーより賜りし眼や初明り(はつあかり) 梅田康恵
特選
龍淵に潜む電車に眼の数多 夏風かをる
冬夕焼(ふゆゆやけ)歳を重ねて変わらぬ眼 石橋正比古
無言館出で秋天が眼に痛い 邑松美智子
眼に映る冬銀河とてひと握り 野田茂樹
みどり児とまだ眼は合はぬ冬銀河 千葉水路
スカジャンの龍の目ん玉大枯野 丹下京子
参照:https://www.nhk.jp/p/ts/6Q6J1ZGX37/blog/bl/pLvva3ZRZL/bp/pzN12gYg0q/
■NHK短歌 テーマ「ごめんね/すみません」
年間テーマ「あなたへの手紙 かなたへの手紙」
選者 枡野浩一 ゲスト BASE 司会 尾崎世界観
「じゃあまたって言いかけてから切れたからまたかけちゃったゴメンじゃあまた」
枡野浩一
・31音の手紙
入選九首 テーマ「ごめんね/すみません」
「すみません」たとえあなたが許しても私が私を許せないので
峯瀬品子(みねせかずこ)
払いのけた夜をあなたは忘れてもわたしはずっと悔やんでおくね
へそごま
三席 私 生きていてごめんなさいと言いながらおやつを食べてお昼寝もする
五月雨薊(あざみ)
気づかないふりをしておくごめんねとやっぱり思えなくてごめんね
星川郁乃
一席 ごめんねの代わりに夫(つま)がくれた薔薇これっぽっちじゃ足りないってば
スワロフ好き代
二席 荒された花野へあわてて駆けてきてごめんと言うからゆるさなければ
中村杏(あん)
私 たぶんもう渡せないけど十九から冷凍保存してるごめんね
和田直樹
ごめんなさい今朝もあなたを覚えてた私も早く忘れたいのに
れいこ
部屋の隅に誇りが積もる毎日の汚れみたいな君のごめんね
渡邉理紗
・改悪添削
ごめんねの代わりに夫(つま)がくれた薔薇これっぽっちじゃ足りないってば
⇩
ごめんねの代わりに夫(つま)がくれた薔薇これっぽっちじゃ足りないわたし
短歌は意味が面白いだけじゃダメ
口に出した時に気持ちがいいとか覚えてしまうとか
音・響きがとても大事
歌の歌詞の場合はその人の本当のことだなと感じるような部分があるとグッとくる
・Boseさんの短歌「ごめんね/すみません」
その頃の僕らと言ったらこの調子言うとりますけどまだまだ若手
Bose
ご自身の歌詞の本歌取り
「彼方からの手紙」(1993年)スチャダラパー
地平線の意味 ありとあらゆる単位 空気の密度 火そのもの
しあわせの構造 音 うわの天 石のドラマ 正気の沙汰
記憶の彼方 諸悪の根源 点と線 原点 じゃんけん 人間
それらすべてがついさっきつながった ぼくはすべてを把握した
ここにこなけりゃぼくは一生 わからずじまいで過ごしていたよ
あんがい桃源郷なんてのは ここのことかなってちょっと思った
君もはやく来たらと思う それだけ書いて 筆をおく
最初に手紙というのが1つのテーマで 手紙の書き出しで
「お元気ですか いかがお過ごしでしょうか」みたいな感じで
始まるラップはないから おもしろそうだなと思って…。
意味が何個も重なってくるようにできていたんだなと思って
一緒に年を取れる曲とそうでない曲がある
・言葉のバトン
母さんがここにいるからここは故郷で
気仙沼高校・文芸部 昆野永遠(部長)
⇩
真っ白な帆が風に広がる
杜崎ひらく 歌人
ひたすらに海はまだかというように歩き続けるこの日常を
(けっこう無理して働いていたんですよ それで体を壊したり
そこにコロナが重なって 歌集「自転車修理屋」杜崎ひらく を作った)
自転車を直す仕事に就きました人の翼を直せるように
自分が忘れたくないことを短歌にして残している気がします
■夏井いつき俳句チャンネル
【投句募集!】かがわの大名庭園俳句コンテスト
「かがわの大名庭園俳句コンテスト」詳細はこちら♪↓
【募集期間】 令和6年7月1日(月)~令和7年 1 月5日(日) ※郵送の場合は当日必着
【内容】 各庭園をテーマにした俳句 ○栗林公園部門 ○中津万象園部門
【応募対象】 ○小学生以上でご来園いただいた方
【応募上の注意】 ○応募作品は自作・未発表のものに限ります。
○応募は1人1庭園につき3句までとします。
【応募方法】 ○両庭園の受付で応募用紙をお配りします。
お帰りの際に、受付に設置した投句箱に投函してください。
○来園時に句が詠めなかった方は、応募用紙に必要事項を記入していただき、
下記の 応募先まで、郵送、FAX、E-mail のいずれかの方法で応募してください。
[応募先]かがわの大名庭園俳句コンテスト事務局
〒763-0054 丸亀市中津町 25-1 中津万象園内
FAX:0877-23-6379
E-mail:haikucontest01@gmail.com
【問合せ先】 ○上記事務局 TEL:0877-85-8860(9:30~17:00)
【結果発表】 ○令和 7 年 1 月(予定) ※入賞・入選作品は作者本人にご連絡します。
2024年11月25日月曜日
10min.ボックス 現代文 短歌&ギュッと!四国 俳句道場「案山子」
冬景色米の選挙を騒ぐ過疎
閑静な過疎も賑わう冬の米
冬の朝いのしし闊歩小松島
チョコレート食べる時期あり冬銀河
独り身に寄り添う毛布夜明け前
■10min.ボックス 現代文 短歌
三十一音で表現する詩「短歌」
五七五七七。
わずか三十一音の短い言葉で表現する短歌は、日本の伝統的な詩の形です。
四季折々の美しさや、恋心、そして喜びや悲しみなどがつづられてきました。
かつて、日本の伝統的な歌は、「漢詩」に対し、「和歌」と呼ばれていました。
わが国で初めて作られた勅撰(ちょくせん)和歌集である『古今和歌集』。
ここに収められている歌のほとんどは短歌でした。
和歌は大切な教養の一つ
当時の歌の作り手のほとんどは貴族たちです。
彼らにとって、和歌は日々の暮らしや行事、恋愛などに欠かせない大切な教養の一つでした。
「月見れば ちぢに物こそかなしけれ わが身ひとつの秋にはあらねど/大江千里」
―秋の月を見ていると、心は複雑に乱れ、ものがなしさに包まれます。
秋は私だけの季節ではないのに。
さまざまな言葉の技巧
貴族のたしなみとしての和歌ではさまざまな技巧を凝らし、
間接的に想いを伝えることが好まれました。
「つれづれの ながめにまさる涙川 袖のみぬれて逢ふよしもなし/藤原敏行」
―あなたに逢えない寂しさで私の涙川も、長雨であふれる川のようになりました。
その涙で袖がぬれるばかりですが、お逢いする手立てもありません。
一つの言葉にいくつもの意味を重ねることで、募る気持ちを表現しています。
新しい短歌の幕明け
社会の仕組みや人々の考え方が一変した明治時代、短歌の世界にも大きな変化が起こります。
明治30年ごろ、古い慣習にとらわれず、
自分自身の心情や感動をありのままに表現しようとする歌人が登場したのです。
そうした変化を象徴する歌集が明治34年に発表されました。
『みだれ髪』です。若さや美しさ、そして性を大胆に取り上げ、注目を集めました。
「若さ」を誇らしく詠む
若い女性の美しさを誇らしく詠んだ歌です。
「その子二十 櫛にながるる黒髪の おごりの春のうつくしきかな」
―その子は今、娘盛りの二十歳。櫛通りのよい豊かな黒髪は、
ほこらしいほど青春の美しさにあふれている。
「春みじかし 何に不滅の命ぞと ちからある乳(ち)を手にさぐらせぬ」。
あっという間に過ぎていく青春を情熱的に生きる若い女性の姿が詠まれています。
古い価値観にとらわれない与謝野晶子
『みだれ髪』の作者は、与謝野晶子です。
彼女が目指したのは女性の自立。
「女性は男性に従い、つつましくあるべき」という古い価値観と戦い続けました。
『みだれ髪』に収められた大胆かつ率直な短歌の数々は大きな反響を呼びました。
のちに夫となる男性への恋心を詠んだ歌です。
「やは肌の あつき血汐にふれも見で さびしからずや道を説く君」
―恋する私の若い肌にもふれずに、ただ理想ばかりを言うあなた、それでさびしくはないのですか。
新しい短歌、新しい歌人の登場
明治から大正、そして昭和にかけて、新しい短歌や歌人が次々と登場します。
作者自身の貧しい暮らしぶりを詠んだ歌です。
「はたらけど はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり ぢつと手を見る/石川啄木」。
日常生活の些細な出来事をスケッチするように詠んだ歌です。
「ただひとつ 惜しみて置きし白桃(しろもも)の ゆたけきを吾(われ)は食ひをはりけり/斉藤茂吉」。
一つだけ大事にとって置いた大好物の桃。
それを食べ終えたときの満足感が伝わってきます。
思いを伝えるさまざまな試行
「自分の思い」を伝える。そのための挑戦がいろいろな歌人によって行われてきました。
作者が長野県を訪ねたときに詠んだ歌です。
「あの光るのは千曲川ですと、指差した、山高帽の野菜くさい手。/北原白秋」。
案内してくれた人が地元の名所を誇らしげに指差して言った言葉を、そのまま歌に取り入れています。
五七五七七の形式にさえとらわれない自由な短歌も登場します。自由律短歌です。
「自然がずんずん体のなかを通過する――山、山、山/前田夕暮」。
作者が初めて飛行機に乗ったときの驚きを大胆に表現しています。
三十一音に込められた「伝えたい思い」
最近では、携帯電話やパソコンを使って短歌を作り、
ラジオやインターネット上で発表する若い人たちも増えています。
10代の若者がNHKのラジオ番組に寄せた短歌には、
身のまわりの出来事や日々感じたことが表現されています。
短歌は時代を表す鏡でもあるのです。
「本当の 自分の心見つけたい 仮面ばかりでうんざりだから」。
「しゅわしゅわと とけるブルーのシャーベット そういうふうにあなたは消えた」。
「あの上で きみが待ってることにして 上着を脱いでペダルを踏むよ」。
三十一音に込められた「伝えたい思い」。それが短歌です。
参照:https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005150045_00000
■ギュッと!四国 家藤正人の俳句道場
第11回かがわ「里海」づくりシンポジウム
家藤正人の句会ライブ In かがわ国際会議場
小島まで泳ぐ洗礼夏休み 太田牧子
「案山子」にまつわるお話。
徳島県三好市は“かかしの里”として知られ、
300体以上が地区に点在し、多くの観光客が訪れている。とか…。
知らなかった…。
ギュッと!特選
海風や案山子の襤褸(ぼろ)に帆の記憶 沼野大統領
背景が伝わる。言葉の経済効率に優れていた。奥行きのある俳句。
襤褸は以前は帆に使われていたことが巧く表現されていた。
季語「案山子」のもつ、希望のある哀れともいうべき独特のニュアンスが活きている。
兼題「案山子(かかし)」秋の季語
霊山をおりて不思議な案山子村 みやこ
田を守る案山子の衣装ハイセンス 如月弥生
児童らの手作り案山子誇らしげ 小手川とし
佳作 公民館案山子作りの105人 小物打楽器
佳作 三十度傾(かし)ぐ案山子とツーショット 井上きうい
今ちょっとリアクション無理案山子かな 田頭京花
秀作 豪農に生まれ案山子の子沢山 西田月旦
佳作 親知らず抜かれ目のあう案山子かな 辻和音 取り合わせの句
AIでしゃべる案山子や休耕田 どいつ薔芭
秀作 大谷が投げ大谷が打つ案山子 佐藤志祐
案山子にも手を振りゆくは選挙カー もちのくも
秀作 神降りてこぬやうに描く案山子かな ギル
正人のもったいない
荒田護る朽ちし案山子や斜め十五度 空郷阿房人
17音の小さな器には入りきらない情報量。季語に任せる。
最後「に」でリズムを整える。
推敲
荒田護る案山子や斜め十五度に
閑静な過疎も賑わう冬の米
冬の朝いのしし闊歩小松島
チョコレート食べる時期あり冬銀河
独り身に寄り添う毛布夜明け前
■10min.ボックス 現代文 短歌
三十一音で表現する詩「短歌」
五七五七七。
わずか三十一音の短い言葉で表現する短歌は、日本の伝統的な詩の形です。
四季折々の美しさや、恋心、そして喜びや悲しみなどがつづられてきました。
かつて、日本の伝統的な歌は、「漢詩」に対し、「和歌」と呼ばれていました。
わが国で初めて作られた勅撰(ちょくせん)和歌集である『古今和歌集』。
ここに収められている歌のほとんどは短歌でした。
和歌は大切な教養の一つ
当時の歌の作り手のほとんどは貴族たちです。
彼らにとって、和歌は日々の暮らしや行事、恋愛などに欠かせない大切な教養の一つでした。
「月見れば ちぢに物こそかなしけれ わが身ひとつの秋にはあらねど/大江千里」
―秋の月を見ていると、心は複雑に乱れ、ものがなしさに包まれます。
秋は私だけの季節ではないのに。
さまざまな言葉の技巧
貴族のたしなみとしての和歌ではさまざまな技巧を凝らし、
間接的に想いを伝えることが好まれました。
「つれづれの ながめにまさる涙川 袖のみぬれて逢ふよしもなし/藤原敏行」
―あなたに逢えない寂しさで私の涙川も、長雨であふれる川のようになりました。
その涙で袖がぬれるばかりですが、お逢いする手立てもありません。
一つの言葉にいくつもの意味を重ねることで、募る気持ちを表現しています。
新しい短歌の幕明け
社会の仕組みや人々の考え方が一変した明治時代、短歌の世界にも大きな変化が起こります。
明治30年ごろ、古い慣習にとらわれず、
自分自身の心情や感動をありのままに表現しようとする歌人が登場したのです。
そうした変化を象徴する歌集が明治34年に発表されました。
『みだれ髪』です。若さや美しさ、そして性を大胆に取り上げ、注目を集めました。
「若さ」を誇らしく詠む
若い女性の美しさを誇らしく詠んだ歌です。
「その子二十 櫛にながるる黒髪の おごりの春のうつくしきかな」
―その子は今、娘盛りの二十歳。櫛通りのよい豊かな黒髪は、
ほこらしいほど青春の美しさにあふれている。
「春みじかし 何に不滅の命ぞと ちからある乳(ち)を手にさぐらせぬ」。
あっという間に過ぎていく青春を情熱的に生きる若い女性の姿が詠まれています。
古い価値観にとらわれない与謝野晶子
『みだれ髪』の作者は、与謝野晶子です。
彼女が目指したのは女性の自立。
「女性は男性に従い、つつましくあるべき」という古い価値観と戦い続けました。
『みだれ髪』に収められた大胆かつ率直な短歌の数々は大きな反響を呼びました。
のちに夫となる男性への恋心を詠んだ歌です。
「やは肌の あつき血汐にふれも見で さびしからずや道を説く君」
―恋する私の若い肌にもふれずに、ただ理想ばかりを言うあなた、それでさびしくはないのですか。
新しい短歌、新しい歌人の登場
明治から大正、そして昭和にかけて、新しい短歌や歌人が次々と登場します。
作者自身の貧しい暮らしぶりを詠んだ歌です。
「はたらけど はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり ぢつと手を見る/石川啄木」。
日常生活の些細な出来事をスケッチするように詠んだ歌です。
「ただひとつ 惜しみて置きし白桃(しろもも)の ゆたけきを吾(われ)は食ひをはりけり/斉藤茂吉」。
一つだけ大事にとって置いた大好物の桃。
それを食べ終えたときの満足感が伝わってきます。
思いを伝えるさまざまな試行
「自分の思い」を伝える。そのための挑戦がいろいろな歌人によって行われてきました。
作者が長野県を訪ねたときに詠んだ歌です。
「あの光るのは千曲川ですと、指差した、山高帽の野菜くさい手。/北原白秋」。
案内してくれた人が地元の名所を誇らしげに指差して言った言葉を、そのまま歌に取り入れています。
五七五七七の形式にさえとらわれない自由な短歌も登場します。自由律短歌です。
「自然がずんずん体のなかを通過する――山、山、山/前田夕暮」。
作者が初めて飛行機に乗ったときの驚きを大胆に表現しています。
三十一音に込められた「伝えたい思い」
最近では、携帯電話やパソコンを使って短歌を作り、
ラジオやインターネット上で発表する若い人たちも増えています。
10代の若者がNHKのラジオ番組に寄せた短歌には、
身のまわりの出来事や日々感じたことが表現されています。
短歌は時代を表す鏡でもあるのです。
「本当の 自分の心見つけたい 仮面ばかりでうんざりだから」。
「しゅわしゅわと とけるブルーのシャーベット そういうふうにあなたは消えた」。
「あの上で きみが待ってることにして 上着を脱いでペダルを踏むよ」。
三十一音に込められた「伝えたい思い」。それが短歌です。
参照:https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005150045_00000
■ギュッと!四国 家藤正人の俳句道場
第11回かがわ「里海」づくりシンポジウム
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小島まで泳ぐ洗礼夏休み 太田牧子
「案山子」にまつわるお話。
徳島県三好市は“かかしの里”として知られ、
300体以上が地区に点在し、多くの観光客が訪れている。とか…。
知らなかった…。
ギュッと!特選
海風や案山子の襤褸(ぼろ)に帆の記憶 沼野大統領
背景が伝わる。言葉の経済効率に優れていた。奥行きのある俳句。
襤褸は以前は帆に使われていたことが巧く表現されていた。
季語「案山子」のもつ、希望のある哀れともいうべき独特のニュアンスが活きている。
兼題「案山子(かかし)」秋の季語
霊山をおりて不思議な案山子村 みやこ
田を守る案山子の衣装ハイセンス 如月弥生
児童らの手作り案山子誇らしげ 小手川とし
佳作 公民館案山子作りの105人 小物打楽器
佳作 三十度傾(かし)ぐ案山子とツーショット 井上きうい
今ちょっとリアクション無理案山子かな 田頭京花
秀作 豪農に生まれ案山子の子沢山 西田月旦
佳作 親知らず抜かれ目のあう案山子かな 辻和音 取り合わせの句
AIでしゃべる案山子や休耕田 どいつ薔芭
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案山子にも手を振りゆくは選挙カー もちのくも
秀作 神降りてこぬやうに描く案山子かな ギル
正人のもったいない
荒田護る朽ちし案山子や斜め十五度 空郷阿房人
17音の小さな器には入りきらない情報量。季語に任せる。
最後「に」でリズムを整える。
推敲
荒田護る案山子や斜め十五度に
2024年11月24日日曜日
没後10年 高倉健にあいたい
モノクローズの果てた鶏頭寒茜
奄美大島異彩を放つノスリかな
モノクローズの枇榔樹(びろうじゅ)の森冬の空
冬陽没る輝き放つアダンの実
一村にとっての宇宙山眠る
■没後10年 高倉健にあいたい
武田鉄矢
高倉健は俳優の絵姿とか映画とかではなく「風景としての日本」を持っている
第一章 迷う
1931年福岡県中間市で生まれる
俳優という仕事がとても嫌な仕事だと思って
生きていくためにはこれしかないと
ほれた女の子と一緒になるには一緒に暮らすには
俳優しかないと思ってなったのですが
生まれて初めて顔にドーランを塗られた日 ポローッと涙が出ました
身を落としたという想いが 胸を衝いたんでしょうか
28歳で人気歌手の江利チエミさんと結婚
姓は横尾で名は忠則 冥土帰りの無宿者「♪横尾忠則賛歌」
「死んでもらいます」とかって 言葉がとても流行ったりして
どの作品やっても毎回ラストには「死んでもらいます」と言う
どうせ嘘のことをやっているんですけど 自分で何か非常に申し訳ないような
お客さんに対してですよ 心がやっていることに乗っかってないと
申し訳ないというような気が すごくしていたんですね
第二章 腹をくくる
武田鉄矢
テーマは「おかえり」なんだよ 人間が生きていく中で
家に帰って「おかえり」と 聞こえることの幸せ
健さんはファーストポジションに立ったっきり じっと立ってるんですよ
4日も5日もですよ 今、暖かい所に行っちゃうと
作った気持ちがきれそうだから 俺やっぱりここで待ってるわ
ファーストポジションにじっと待ってるんですよ
出会う方も初めての方ですし スタッフもみんな初めての人ですし
それは新鮮ですよね
元妻 江利チエミ(享年45)の訃報が届く
その時の住職からの言葉
「往く道は精進にして 忍びて終わり 悔いなし」
この言葉を旨として 高倉健として生きる
佐藤浩市
普段から高倉さんなんですよ 自分がどう思われているのか
それを裏切ってはいけない 唯一無二のスターだった
第三章 人を想う
鳥肌の立つような感動をしたとき ああよかったなって自分で
1本1本やらせていただく作品が とても重くなっている
これから50本60本も絶対できるわけがない もしかすると
今回の作品が最後かもしれない 思いながらやっている
寿命ですか 待ち時間みたいなものを 感じる時期に
なってきているのかもしれないですね
小田貴月(おだたか)さんと出会う
高倉さんが亡くなるまで17年間に渡り私生活を支える
僕は健さんと一緒に仕事ができたことを
一生の誇りとして畑仕事をします
その手紙を嬉しそうに直筆の手紙を読んでいるのを見て
高倉健という人はいろんな人に勇気を与えながら仕事を続けてたんだ
この辺で一度仕事をしておかないと みんな定年でいなくなると聞いて
心を揺り動かされた
「高倉健インタヴューズ」(プレジデント社 刊)
およそ20年ぶりに東映作品に復帰
人生の喜びわ なにかを得る事でわない。
得てから大事にしていく事。「めぐり逢ひ」
一つの約束
「人の心に残る映画を一緒に作りましょう」 チャン・イモウ
真心 思いやり 絆 言葉や国を超えて大切なものを映画で訴えたい
「千里走単騎(単騎、千里を走る。)」
73歳で単身中国へ 日本人出演者はただ一人
中国人は全て素人
お芝居じゃない何かを感じる 非常に新鮮ですね
「お芝居ってなにだったのか」って思う 今頃になって遅いけど
心の栄養をいっぱいもらったね 人を感動させるのはお金ではない
力ではない ものではない 違うものがあるはずなんだよね
何十年経っても「人を想う」」ということが
いかに美しいかってことでしょう 「人間が人間を想う」」
これ以上に美しいものはないよね
人を想い 人の想いに応える ために感性を磨き続けました
2011年3月11日東日本大震災
俳優に何ができるというのだろう?
日経電子版 2021年3月16日
少年が絶対に負けないと全身で訴えてくるようでした
背中に蹴りを入れられた感じ 強烈でした
毎日新聞 2012年7月18日
小田貴月さん
この子の表情を見ていると 自分が何もできないことを
悩んでいることが恥ずかしいと「やればいいじゃないか」って
言われているようの思うと…。
映画「あなたへ」台本の裏表紙にこの少年の写真を貼り撮影に
佐藤浩市
撮影中であれ カメラが回っていないときであれ
やっぱり高倉健さんなんですよ 生き方、佇まいが
「夕飯ご一緒してもいいですか?」お願いをしまして
「佐藤 飲み過ぎだろ」注意されたことを今でも覚えています
「自分は今日、鳩になりました」「あなたへ」ラストシーン
佐藤浩市さんは高倉健さんと共演した最後の俳優になりました
高倉さんとご一緒させていただいて「佐藤とはまたすぐ会いそうな気がするな」
と言われたので 次の作品も声をかけて下さるんだと思って すごくうれしくて
自分に対する期待みたいなものを持たせていただいた
未完の一作「風に吹かれて」東宝が企画し脚本を完成 撮影を始めていた作品
台本に赤鉛筆で印をつけたセリフがあります
人の生き方を少年に伝えるシーン
「分とは自分が持っている器のことだ。大きければいい訳でも、
でも、小さければダメな訳でもない。」
「大事なのは、自分の器がどんなものかを知ることだ。」
体調不良で病院で検査をすると悪性リンパ腫と判明。
闘病中もトレーニングに励み映画出演への想いを持ち続けました。
小田貴月さん
ずっと映画の話をしていたので担当の先生に「次の映画はね…」と
ストーリー全部話しちゃうんですよ 「先生、今度はあそこに行ってね…」
すごく楽しみにしていた 「この映画に出たいので治して下さい」
このお伝えの仕方を繰り返していましたから
しかし高倉さんの願いは叶いませんでした。
2014年11月10日 高倉健(享年83)
「高倉健、最後の手記」(文藝春秋 刊)
亡くなる4日前に綴った最後の手記
最期の言葉は…。
「往く道は精進にして、忍びて終わり、悔いない」
酒井雄哉大阿闍梨が浮かべる満面の笑みとともに、僕に一つ…。
(ここまでしかTV画面には映っていませんでした…。無念…。)
一つの言葉を貫き通した高倉健さんの人生でした。
奄美大島異彩を放つノスリかな
モノクローズの枇榔樹(びろうじゅ)の森冬の空
冬陽没る輝き放つアダンの実
一村にとっての宇宙山眠る
■没後10年 高倉健にあいたい
武田鉄矢
高倉健は俳優の絵姿とか映画とかではなく「風景としての日本」を持っている
第一章 迷う
1931年福岡県中間市で生まれる
俳優という仕事がとても嫌な仕事だと思って
生きていくためにはこれしかないと
ほれた女の子と一緒になるには一緒に暮らすには
俳優しかないと思ってなったのですが
生まれて初めて顔にドーランを塗られた日 ポローッと涙が出ました
身を落としたという想いが 胸を衝いたんでしょうか
28歳で人気歌手の江利チエミさんと結婚
姓は横尾で名は忠則 冥土帰りの無宿者「♪横尾忠則賛歌」
「死んでもらいます」とかって 言葉がとても流行ったりして
どの作品やっても毎回ラストには「死んでもらいます」と言う
どうせ嘘のことをやっているんですけど 自分で何か非常に申し訳ないような
お客さんに対してですよ 心がやっていることに乗っかってないと
申し訳ないというような気が すごくしていたんですね
第二章 腹をくくる
武田鉄矢
テーマは「おかえり」なんだよ 人間が生きていく中で
家に帰って「おかえり」と 聞こえることの幸せ
健さんはファーストポジションに立ったっきり じっと立ってるんですよ
4日も5日もですよ 今、暖かい所に行っちゃうと
作った気持ちがきれそうだから 俺やっぱりここで待ってるわ
ファーストポジションにじっと待ってるんですよ
出会う方も初めての方ですし スタッフもみんな初めての人ですし
それは新鮮ですよね
元妻 江利チエミ(享年45)の訃報が届く
その時の住職からの言葉
「往く道は精進にして 忍びて終わり 悔いなし」
この言葉を旨として 高倉健として生きる
佐藤浩市
普段から高倉さんなんですよ 自分がどう思われているのか
それを裏切ってはいけない 唯一無二のスターだった
第三章 人を想う
鳥肌の立つような感動をしたとき ああよかったなって自分で
1本1本やらせていただく作品が とても重くなっている
これから50本60本も絶対できるわけがない もしかすると
今回の作品が最後かもしれない 思いながらやっている
寿命ですか 待ち時間みたいなものを 感じる時期に
なってきているのかもしれないですね
小田貴月(おだたか)さんと出会う
高倉さんが亡くなるまで17年間に渡り私生活を支える
僕は健さんと一緒に仕事ができたことを
一生の誇りとして畑仕事をします
その手紙を嬉しそうに直筆の手紙を読んでいるのを見て
高倉健という人はいろんな人に勇気を与えながら仕事を続けてたんだ
この辺で一度仕事をしておかないと みんな定年でいなくなると聞いて
心を揺り動かされた
「高倉健インタヴューズ」(プレジデント社 刊)
およそ20年ぶりに東映作品に復帰
人生の喜びわ なにかを得る事でわない。
得てから大事にしていく事。「めぐり逢ひ」
一つの約束
「人の心に残る映画を一緒に作りましょう」 チャン・イモウ
真心 思いやり 絆 言葉や国を超えて大切なものを映画で訴えたい
「千里走単騎(単騎、千里を走る。)」
73歳で単身中国へ 日本人出演者はただ一人
中国人は全て素人
お芝居じゃない何かを感じる 非常に新鮮ですね
「お芝居ってなにだったのか」って思う 今頃になって遅いけど
心の栄養をいっぱいもらったね 人を感動させるのはお金ではない
力ではない ものではない 違うものがあるはずなんだよね
何十年経っても「人を想う」」ということが
いかに美しいかってことでしょう 「人間が人間を想う」」
これ以上に美しいものはないよね
人を想い 人の想いに応える ために感性を磨き続けました
2011年3月11日東日本大震災
俳優に何ができるというのだろう?
日経電子版 2021年3月16日
少年が絶対に負けないと全身で訴えてくるようでした
背中に蹴りを入れられた感じ 強烈でした
毎日新聞 2012年7月18日
小田貴月さん
この子の表情を見ていると 自分が何もできないことを
悩んでいることが恥ずかしいと「やればいいじゃないか」って
言われているようの思うと…。
映画「あなたへ」台本の裏表紙にこの少年の写真を貼り撮影に
佐藤浩市
撮影中であれ カメラが回っていないときであれ
やっぱり高倉健さんなんですよ 生き方、佇まいが
「夕飯ご一緒してもいいですか?」お願いをしまして
「佐藤 飲み過ぎだろ」注意されたことを今でも覚えています
「自分は今日、鳩になりました」「あなたへ」ラストシーン
佐藤浩市さんは高倉健さんと共演した最後の俳優になりました
高倉さんとご一緒させていただいて「佐藤とはまたすぐ会いそうな気がするな」
と言われたので 次の作品も声をかけて下さるんだと思って すごくうれしくて
自分に対する期待みたいなものを持たせていただいた
未完の一作「風に吹かれて」東宝が企画し脚本を完成 撮影を始めていた作品
台本に赤鉛筆で印をつけたセリフがあります
人の生き方を少年に伝えるシーン
「分とは自分が持っている器のことだ。大きければいい訳でも、
でも、小さければダメな訳でもない。」
「大事なのは、自分の器がどんなものかを知ることだ。」
体調不良で病院で検査をすると悪性リンパ腫と判明。
闘病中もトレーニングに励み映画出演への想いを持ち続けました。
小田貴月さん
ずっと映画の話をしていたので担当の先生に「次の映画はね…」と
ストーリー全部話しちゃうんですよ 「先生、今度はあそこに行ってね…」
すごく楽しみにしていた 「この映画に出たいので治して下さい」
このお伝えの仕方を繰り返していましたから
しかし高倉さんの願いは叶いませんでした。
2014年11月10日 高倉健(享年83)
「高倉健、最後の手記」(文藝春秋 刊)
亡くなる4日前に綴った最後の手記
最期の言葉は…。
「往く道は精進にして、忍びて終わり、悔いない」
酒井雄哉大阿闍梨が浮かべる満面の笑みとともに、僕に一つ…。
(ここまでしかTV画面には映っていませんでした…。無念…。)
一つの言葉を貫き通した高倉健さんの人生でした。
2024年11月23日土曜日
100分de名著❝百人一首❞(2)古典文学への入り口
冬茜心の突起棘のごと
顎上げて視線落として冬を舞う
豊かさを脅(おど)す貧しさ冬の景
冬の空チャリと人生下り坂
冬銀河写生の腕に磨きかけ
■100分de名著❝百人一首❞(2) 古典文学への入り口
七九 藤原顕輔(あきすけ)
秋風にたなびく雲の たえまより もれいづる月の 影のさやけさ
ピーター・マクミラン 伊集院静 阿部みちこ
今回は技法と書くためのルール
技法がわかればわかるほど和歌もより楽しめる
日本独自の美意識「はかなさ」
枕詞
三 柿本人麻呂
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝ん
(山鳥の垂れ下がった尾のような、長い長い夜を、
私は寂しくひとりで寝ることになるのだろうか。)
あしびきのは山・峰にかかる枕詞 この句では山鳥にかかる
十七 在原業平
ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 から紅(くれなゐ)に 水くくるとは
(神代にも聞いたことがない。龍田川の水面に真っ赤な色に紅葉が散り敷き、
その紅葉がつくり出す模様に、川面がくくり染めされたようだ。)
枕詞はちはやぶる。神に対応している。意味は荒々しい様。その意味は
人間の世よりもスケールの大きいい 神々の世ですら聞いたことがない。
掛詞と縁語
掛詞(かけことば)は同音異義語を利用 ひとつの言葉に2つ以上の意味を持たせる
縁語(えんご)は歌の中にある言葉から連想される意味上のつながりのある言葉
八八 皇嘉門院別当(こうかもんいんのべつとう)
難波江(なにはえ)の 葦のかりねの 一(ひと)よゆゑ 身をつくしてや 恋ひわたるべき
(難波江の葦の刈り根の一節(ひとよ)のような、短い旅の仮寝の一夜の契りのために、
我が身を捧げ尽くして、ずっと恋い慕い続けるのでしょうか。)
掛詞はかりね かりねとは「刈り根」「仮寝」
一夜(ひとよ)とは「一節」「一夜」の意味
身をつくしとは「澪標」「身を尽くし」
ここでの縁語は「かりね」「一よ」は葦の縁語
「みをつくし」「わたる」は難波江の縁語
ちはやぶるを使うことで 神々しい世界観に一気に引き込むことができる
連想させる以上に枕詞の力でどっぷり世界観に入ってしまう
他の枕詞
いにしえの⇨奈良
ねばたまの⇨黒・夜 檜扇(ひおうぎ)の黒い実
白妙の⇨真っ白な布・衣
久方の⇨光・空・月・雲・雨
言霊的な時代には相当意味があって「いにしえ」でタイムスリップ
言霊的な言葉の力 魂が持っている強さで
世界観の扉 違う次元の扉が開いてる
日本語という言語の素晴らしさ
同音異義語があるからこそ初めてできる遊び
関連している言葉をつなげる連想ゲーム
枕詞はロケットが発射しているイメージ
世界観が変わった 新しい次元の扉が開く
縁語はバームクーヘン 何層にもなっている 連想の広がりが深まる
縁語は連想ゲーム
リズムとして面白いものを聞きながら自然と風景の中にいる
三分の一以上の歌に使われている技法がある「歌枕」
「名所」を指します 沖の石 鹽竈(しおがま)神社 松島
四二 清原元輔(きよはらのもとすけ)
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは
(固く約束したことでしたね。お互いに幾たびも涙で濡れた袖を絞りながら、
あの末の松山を波が越すことのないように、私たちの関係も、ずっと続くと。
それなのにあなたは…。)
ここでの歌枕は「末の松山」あり得ないことのたとえ
逢坂(あふさか)もよく使われる歌枕
一〇 蝉丸
これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関
(これがあの有名な、行く人も帰ってくる人もここで別れては、
知っている人も知らない人も ここで会うという、逢坂の関なんだだなあ。)
時代によって置き換えられるのも楽しい
もう一つの技法 見立て
二九 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
心あてに 折らばや折らん 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
(注意深く、折れるなら折ろうか。真っ白な初霜と見分けがつかない白菊の花を。)
白をどうやって美しく表現するか 正岡子規は異議を唱えたらしい
見分けがつかないほど美しい白の重なり
六九 能因法師
あらし吹く 三室(みむろ)の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり
(嵐が吹き散らす三室の山の紅葉の葉は、龍田川に流れてゆき、
あたかも龍田川に浮かぶ錦のように美しことよ。)
視覚的に非常に美しいイメージを引き立てている
スピード感の違い場所の違い共通している紅
日本的な美意識「はかなさ」が反映された最も印象的な和歌と言えば桜を詠んだ歌です。
三三 紀友則(きのとものり)
ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらん
(日の光がのどかに差している 春の日に、桜の花は落ち着いた心もなく
散ることよ。どうして静かな落ち着いた心もなく、あわただしく散るのだろうか。)
ひさかたのは光にかかる枕詞 悠久のや不偏のという文脈で使われる)
日本人は儚いものの中に美しさを感じる
西洋では「美は永遠である ウィリアム・シェイクスピア」
永遠であることに価値を見いだしています。
人が呼吸し、目が見える限り、この詩は生き続け、君に命を与え続ける
西洋では人間には死がやってくるが、神と芸術は永遠に生き続けると考えられている。
はかないからこそ愛でましょう 美しく思いましょうという概念
神は永遠 人間が死ぬ 芸術と美術は永遠に生きる 神に近い存在
日本では桜を擬人化している よびかけている
どうして散っていかなくてはいけないのか❓
擬人化していることは自然と一体化していること
日本独自の美学と美意識が感じ取れる
紀貫之の和歌は映画で言うとフェードインみたいなゆっくり見せている
日本の美は不完全さが好き 詫びの世界とか…。
西洋の美は完全さを求める 完璧さがあるからこそ永遠に生きる
顎上げて視線落として冬を舞う
豊かさを脅(おど)す貧しさ冬の景
冬の空チャリと人生下り坂
冬銀河写生の腕に磨きかけ
■100分de名著❝百人一首❞(2) 古典文学への入り口
七九 藤原顕輔(あきすけ)
秋風にたなびく雲の たえまより もれいづる月の 影のさやけさ
ピーター・マクミラン 伊集院静 阿部みちこ
今回は技法と書くためのルール
技法がわかればわかるほど和歌もより楽しめる
日本独自の美意識「はかなさ」
枕詞
三 柿本人麻呂
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝ん
(山鳥の垂れ下がった尾のような、長い長い夜を、
私は寂しくひとりで寝ることになるのだろうか。)
あしびきのは山・峰にかかる枕詞 この句では山鳥にかかる
十七 在原業平
ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 から紅(くれなゐ)に 水くくるとは
(神代にも聞いたことがない。龍田川の水面に真っ赤な色に紅葉が散り敷き、
その紅葉がつくり出す模様に、川面がくくり染めされたようだ。)
枕詞はちはやぶる。神に対応している。意味は荒々しい様。その意味は
人間の世よりもスケールの大きいい 神々の世ですら聞いたことがない。
掛詞と縁語
掛詞(かけことば)は同音異義語を利用 ひとつの言葉に2つ以上の意味を持たせる
縁語(えんご)は歌の中にある言葉から連想される意味上のつながりのある言葉
八八 皇嘉門院別当(こうかもんいんのべつとう)
難波江(なにはえ)の 葦のかりねの 一(ひと)よゆゑ 身をつくしてや 恋ひわたるべき
(難波江の葦の刈り根の一節(ひとよ)のような、短い旅の仮寝の一夜の契りのために、
我が身を捧げ尽くして、ずっと恋い慕い続けるのでしょうか。)
掛詞はかりね かりねとは「刈り根」「仮寝」
一夜(ひとよ)とは「一節」「一夜」の意味
身をつくしとは「澪標」「身を尽くし」
ここでの縁語は「かりね」「一よ」は葦の縁語
「みをつくし」「わたる」は難波江の縁語
ちはやぶるを使うことで 神々しい世界観に一気に引き込むことができる
連想させる以上に枕詞の力でどっぷり世界観に入ってしまう
他の枕詞
いにしえの⇨奈良
ねばたまの⇨黒・夜 檜扇(ひおうぎ)の黒い実
白妙の⇨真っ白な布・衣
久方の⇨光・空・月・雲・雨
言霊的な時代には相当意味があって「いにしえ」でタイムスリップ
言霊的な言葉の力 魂が持っている強さで
世界観の扉 違う次元の扉が開いてる
日本語という言語の素晴らしさ
同音異義語があるからこそ初めてできる遊び
関連している言葉をつなげる連想ゲーム
枕詞はロケットが発射しているイメージ
世界観が変わった 新しい次元の扉が開く
縁語はバームクーヘン 何層にもなっている 連想の広がりが深まる
縁語は連想ゲーム
リズムとして面白いものを聞きながら自然と風景の中にいる
三分の一以上の歌に使われている技法がある「歌枕」
「名所」を指します 沖の石 鹽竈(しおがま)神社 松島
四二 清原元輔(きよはらのもとすけ)
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは
(固く約束したことでしたね。お互いに幾たびも涙で濡れた袖を絞りながら、
あの末の松山を波が越すことのないように、私たちの関係も、ずっと続くと。
それなのにあなたは…。)
ここでの歌枕は「末の松山」あり得ないことのたとえ
逢坂(あふさか)もよく使われる歌枕
一〇 蝉丸
これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関
(これがあの有名な、行く人も帰ってくる人もここで別れては、
知っている人も知らない人も ここで会うという、逢坂の関なんだだなあ。)
時代によって置き換えられるのも楽しい
もう一つの技法 見立て
二九 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
心あてに 折らばや折らん 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
(注意深く、折れるなら折ろうか。真っ白な初霜と見分けがつかない白菊の花を。)
白をどうやって美しく表現するか 正岡子規は異議を唱えたらしい
見分けがつかないほど美しい白の重なり
六九 能因法師
あらし吹く 三室(みむろ)の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり
(嵐が吹き散らす三室の山の紅葉の葉は、龍田川に流れてゆき、
あたかも龍田川に浮かぶ錦のように美しことよ。)
視覚的に非常に美しいイメージを引き立てている
スピード感の違い場所の違い共通している紅
日本的な美意識「はかなさ」が反映された最も印象的な和歌と言えば桜を詠んだ歌です。
三三 紀友則(きのとものり)
ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらん
(日の光がのどかに差している 春の日に、桜の花は落ち着いた心もなく
散ることよ。どうして静かな落ち着いた心もなく、あわただしく散るのだろうか。)
ひさかたのは光にかかる枕詞 悠久のや不偏のという文脈で使われる)
日本人は儚いものの中に美しさを感じる
西洋では「美は永遠である ウィリアム・シェイクスピア」
永遠であることに価値を見いだしています。
人が呼吸し、目が見える限り、この詩は生き続け、君に命を与え続ける
西洋では人間には死がやってくるが、神と芸術は永遠に生き続けると考えられている。
はかないからこそ愛でましょう 美しく思いましょうという概念
神は永遠 人間が死ぬ 芸術と美術は永遠に生きる 神に近い存在
日本では桜を擬人化している よびかけている
どうして散っていかなくてはいけないのか❓
擬人化していることは自然と一体化していること
日本独自の美学と美意識が感じ取れる
紀貫之の和歌は映画で言うとフェードインみたいなゆっくり見せている
日本の美は不完全さが好き 詫びの世界とか…。
西洋の美は完全さを求める 完璧さがあるからこそ永遠に生きる
2024年11月22日金曜日
お土産で一句&サーカス(中原中也)
帰り花今一瞬を大切に
アマツバメ冬空悠々着地下手
アマツバメ巣の直前を撃沈す
冬の空虐げられし小さき人
物言わぬ人いつも踏み台冬の雨
■プレバト纏め 2024年11月21日
お土産で一句
永世名人 藤本敏史のお手本 俳句史に残る句集作り
初霜の駅土産なしの帰郷
添削(切れ字を使うと一句に背骨が立つ
詠嘆「や」上の言葉を強調する「!」のような効果)
初霜の駅や土産のなき帰郷
特待生昇格試験 蓮見翔
一升瓶マフラー包んでリュックから
添削(大人から大人へのお土産 親しさの度合いもわかる
時間軸が小さく混乱)
マフラーに包む酒瓶リュックから
1位 三宅香帆
冬ざれの砂丘踏む音や置き土産
(冬ざれ:冬の季語 草木が枯れて山や川も荒涼となる様子
上五中七に詩がある 冬ざれと砂丘の取り合わせ 音への感動
置き土産では説明になっている 残してきた感を表現すると良い
思いを残して去って行く 余白に読者も思いを感知する)
冬ざれの砂丘すな踏む音残し
2位 MIU
成績表眺める祖母や冬ぬくし
添削(誰の成績表か?俳句はその場面を描ける)
成績表持って祖母んち冬ぬくし
成績表持って祖母んち冬休み
3位 小島健
土産持つ両手塞がる秋の海
添削(季語を知らなすぎ 減点したい)
土産持つ両手や秋の海の駅
4位 みやぞん
甥っ子がまんじゅうくれた雪の球(たま)
添削(雪玉:冬の季語 甥っ子に拘るより描写に拘る これが俳句)
おまんじゅうあげると雪玉くすくす
おまんじゅうあげると雪玉ぶつける
5位 薬丸裕英
家苞物(みやげもの)笑顔溢れる冬苺
添削(家苞いえづと:自分の家に持って帰るおみやげ
お土産に温室栽培の綺麗な冬の苺 冬苺と冬の苺は違う)
子ら待つや冬の苺を家苞に
祝❣千原ジュニア氏の故郷福知山に句碑が建立されました。
「故郷の首蓿の香は濃かりけり 千原ジュニア」
■10min.ボックス現代文 サーカス(中原中也)
幾時代かがありまして
茶色い戦争ありました
幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました
幾時代かがありまして
今夜此処での一(ひ)と殷盛(さか)り
今夜此処での一(ひ)と殷盛(さか)り
サーカス小屋は高い梁(はり)
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ
頭倒(さか)さに手を垂れて
汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん(おのまとぺ)
それの近くの白い灯が
安値(やす)いリボンと息を吐き
観客様はみな鰯
咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
野外(やぐわい)は真ッ闇(くら) 闇の闇
夜は劫々と更けまする
落花(らくか)傘奴(かさめ)のノスタルジアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
葛藤を生きた詩人
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
「汚れつちまつた悲しみに…」より
私は希望を唇に嚙みつぶして
私はギロギロする目で諦めてゐた…
噫(ああ)、生きてゐた、私は生きてゐた!
「少年時」より
音の響き
秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があって、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射してゐるのでありました。
「一つのメルヘン」より
アマツバメ冬空悠々着地下手
アマツバメ巣の直前を撃沈す
冬の空虐げられし小さき人
物言わぬ人いつも踏み台冬の雨
■プレバト纏め 2024年11月21日
お土産で一句
永世名人 藤本敏史のお手本 俳句史に残る句集作り
初霜の駅土産なしの帰郷
添削(切れ字を使うと一句に背骨が立つ
詠嘆「や」上の言葉を強調する「!」のような効果)
初霜の駅や土産のなき帰郷
特待生昇格試験 蓮見翔
一升瓶マフラー包んでリュックから
添削(大人から大人へのお土産 親しさの度合いもわかる
時間軸が小さく混乱)
マフラーに包む酒瓶リュックから
1位 三宅香帆
冬ざれの砂丘踏む音や置き土産
(冬ざれ:冬の季語 草木が枯れて山や川も荒涼となる様子
上五中七に詩がある 冬ざれと砂丘の取り合わせ 音への感動
置き土産では説明になっている 残してきた感を表現すると良い
思いを残して去って行く 余白に読者も思いを感知する)
冬ざれの砂丘すな踏む音残し
2位 MIU
成績表眺める祖母や冬ぬくし
添削(誰の成績表か?俳句はその場面を描ける)
成績表持って祖母んち冬ぬくし
成績表持って祖母んち冬休み
3位 小島健
土産持つ両手塞がる秋の海
添削(季語を知らなすぎ 減点したい)
土産持つ両手や秋の海の駅
4位 みやぞん
甥っ子がまんじゅうくれた雪の球(たま)
添削(雪玉:冬の季語 甥っ子に拘るより描写に拘る これが俳句)
おまんじゅうあげると雪玉くすくす
おまんじゅうあげると雪玉ぶつける
5位 薬丸裕英
家苞物(みやげもの)笑顔溢れる冬苺
添削(家苞いえづと:自分の家に持って帰るおみやげ
お土産に温室栽培の綺麗な冬の苺 冬苺と冬の苺は違う)
子ら待つや冬の苺を家苞に
祝❣千原ジュニア氏の故郷福知山に句碑が建立されました。
「故郷の首蓿の香は濃かりけり 千原ジュニア」
■10min.ボックス現代文 サーカス(中原中也)
幾時代かがありまして
茶色い戦争ありました
幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました
幾時代かがありまして
今夜此処での一(ひ)と殷盛(さか)り
今夜此処での一(ひ)と殷盛(さか)り
サーカス小屋は高い梁(はり)
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ
頭倒(さか)さに手を垂れて
汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん(おのまとぺ)
それの近くの白い灯が
安値(やす)いリボンと息を吐き
観客様はみな鰯
咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
野外(やぐわい)は真ッ闇(くら) 闇の闇
夜は劫々と更けまする
落花(らくか)傘奴(かさめ)のノスタルジアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
葛藤を生きた詩人
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
「汚れつちまつた悲しみに…」より
私は希望を唇に嚙みつぶして
私はギロギロする目で諦めてゐた…
噫(ああ)、生きてゐた、私は生きてゐた!
「少年時」より
音の響き
秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があって、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射してゐるのでありました。
「一つのメルヘン」より
2024年11月21日木曜日
正岡子規俳句&「痴漢」&「几帳面」&筆ぐるめ俳句大賞2025&夏井いつきのよみ旅!in秋田後編
木頭柚子高き香りと酸味かな
冬茜信じる道へ歩み出す
残り鷺羽根に顔をうずめたり
寒落暉質素な家屋と干し芋と
そこかしこうごめく命冬ぬくし
■坂の上の雲(9)留学生(前編) より
正岡子規の俳句
から山の風すさふなり故さとの隅田の櫻今か散るらん
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
大佛(だいぶつ)の大きさ知れず秋の風
稻(いね)の秋命拾ふて戻りけり
秋の日の一人に暮るゝ野道(のみち)かな
君を送りて思ふことあり蚊帳(かや)に泣く
■漢字ふむふむ 痴漢と名付けた理由にふむふむ
痴心漢子 恋に一途な良い男性
日本では痴漢は女性に性的嫌がらせをする犯罪者
中国では痴かんは「氵」に「又」恋に一途な良い男性
痴漢という言葉はもともと仏教用語
特に禅の用語として中国から鎌倉時代に入ってきた
江戸期にはもっぱら「ばかな男」の意味で使われた
高度成長時代の日本で女性に対して迷惑行為に
及ぶ犯罪も増え社会問題になった
大江健三郎をはじめ当時の文化人たちが
痴漢を「愚かな犯罪者」として描いたその時代に
とても必要なことだという意識があった
■漢字ふむふむ 千年の時を超え選ばれた几帳面
中国では 几⇨いくつかの 帳面⇨帳簿 よってデスクワークだと思った
几帳面という漢字が誕生したのは平安時代
几帳とは平安時代に使われた家具
面取りとは面一つで物の見た目や雰囲気が大きく変わる
簡単なようで結構難しい きょう始めて明日できるようなものではない
几帳面 細心の注意を払う作業⇨きちんとする性格となった
几帳面は歴史から消えることに…。
時は流れて江戸時代 帳面ができた
いつ誰にいくらのつけがあるかを細かくきっちりつけていた
きっちりした帳面 几帳面の意味になっていった
日本最初の国語辞典「言海」の編纂者 大槻文彦が
几帳面という漢字を採用した
■夏井いつき俳句チャンネル
【投句募集】筆ぐるめ俳句大賞2025!【今年もやります!】
菓子鉢にレゴの混じりて三が日 五郎八
また小さくなりけり義母の鏡餅 山羊座の千賀子
初春や点訳はまだ続けてます 小藤たみよ
筆ぐるめ俳句大賞2025
お題:年賀状に載せたい一句
最優秀賞 VISAギフトカード1万円分 1名
優秀賞 お肉のギフト券5千円分 4名
佳作 Amazonギフト券千円 50名
【締切】2025年1月31日(金)
★応募詳細はこちら↓
公式HP:https://fudegurume.jp/campaign/haiku/haiku_taisho.html
■夏井いつきのよみ旅!in秋田 後編
なまはげ館MEMO
男鹿半島に伝わるなまはげの面 150以上を展示している
男鹿真山(しんざん)伝承館MEMO
真山地区のなまはげを再現し公演している観光名所
真山神社 権禰宜(ごんねぎ) 高森博光
なまはげの語源は「なもみを剥ぐ」なもみ剥ぎがなまって「なまはげ」
なもみとは冬の仕事もしないで火にあたっていると
赤い火型ができてくる 戒めの言葉からきている
俳句ひとくちMEMO
なまはげ(なもみ剥ぎ)…新年の季語
なまはげ行事はかつては小正月に行われていた
なまはげ太鼓MEMO
2002年に誕生 男鹿温泉郷で常設公演を行う
入賞しいぶりがっこを嚙み砕く 木村レツ
いぶりがっこ…秋・冬の季語
今晩の肴やぷくり焼きだだみ 小林さおり
だだみ(鱈の白子)…冬の季語
初デート稲を見比べ種苗交換会 夫・文夫
俳句ひとくちMEMO
種苗交換会…秋田ならではの秋の季語
明治11年 種子の交換が目的で始まり現在は農作物の出展などを行うイベント
鳴り雪を伴奏にして托鉢す 渡邊紫山(しざん)
鳴り雪…冬の季語
息子 英心さんMEMO
レゲエ・ラテンを中心に国内外で活躍 父と寺でのライブを開き地元を活性化
ファミリーコンサートぐらいはやれる
店主 畠山光義
「石焼料理」を伝承している
秋の空母(かか)の姿をなつかしむ 畠山光義
秋潮や母(かか)は働く吾も働く 夏井いつき
旅鞄いぶりがっこを忍ばせて 田村陽子
いぶるがっこ…秋・冬の季語
大潟村MEMO
1964年八郎潟を干拓してできた村 全国各地から589戸が入植した
美人の里にはずれて大根(だいこ)洗ひけり 片倉由美子
大根洗ふ…冬の季語
角館中心の仙北美人とか雄勝のほうに行くと小野小町の生まれた所で
雄勝美人って言われているんですけど 私はその狭間に生まれてしまった
父からの笑える言葉春の宵 お嬢さん・万葉子
大西日厨(くりや)の母が大きく見え 多発性硬化症の万葉子
いつきセレクト 集まった俳句からもう一句紹介します!
合歓の実に余生を透かす眼鏡買う 吉田美穂
冬茜信じる道へ歩み出す
残り鷺羽根に顔をうずめたり
寒落暉質素な家屋と干し芋と
そこかしこうごめく命冬ぬくし
■坂の上の雲(9)留学生(前編) より
正岡子規の俳句
から山の風すさふなり故さとの隅田の櫻今か散るらん
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
大佛(だいぶつ)の大きさ知れず秋の風
稻(いね)の秋命拾ふて戻りけり
秋の日の一人に暮るゝ野道(のみち)かな
君を送りて思ふことあり蚊帳(かや)に泣く
■漢字ふむふむ 痴漢と名付けた理由にふむふむ
痴心漢子 恋に一途な良い男性
日本では痴漢は女性に性的嫌がらせをする犯罪者
中国では痴かんは「氵」に「又」恋に一途な良い男性
痴漢という言葉はもともと仏教用語
特に禅の用語として中国から鎌倉時代に入ってきた
江戸期にはもっぱら「ばかな男」の意味で使われた
高度成長時代の日本で女性に対して迷惑行為に
及ぶ犯罪も増え社会問題になった
大江健三郎をはじめ当時の文化人たちが
痴漢を「愚かな犯罪者」として描いたその時代に
とても必要なことだという意識があった
■漢字ふむふむ 千年の時を超え選ばれた几帳面
中国では 几⇨いくつかの 帳面⇨帳簿 よってデスクワークだと思った
几帳面という漢字が誕生したのは平安時代
几帳とは平安時代に使われた家具
面取りとは面一つで物の見た目や雰囲気が大きく変わる
簡単なようで結構難しい きょう始めて明日できるようなものではない
几帳面 細心の注意を払う作業⇨きちんとする性格となった
几帳面は歴史から消えることに…。
時は流れて江戸時代 帳面ができた
いつ誰にいくらのつけがあるかを細かくきっちりつけていた
きっちりした帳面 几帳面の意味になっていった
日本最初の国語辞典「言海」の編纂者 大槻文彦が
几帳面という漢字を採用した
■夏井いつき俳句チャンネル
【投句募集】筆ぐるめ俳句大賞2025!【今年もやります!】
菓子鉢にレゴの混じりて三が日 五郎八
また小さくなりけり義母の鏡餅 山羊座の千賀子
初春や点訳はまだ続けてます 小藤たみよ
筆ぐるめ俳句大賞2025
お題:年賀状に載せたい一句
最優秀賞 VISAギフトカード1万円分 1名
優秀賞 お肉のギフト券5千円分 4名
佳作 Amazonギフト券千円 50名
【締切】2025年1月31日(金)
★応募詳細はこちら↓
公式HP:https://fudegurume.jp/campaign/haiku/haiku_taisho.html
■夏井いつきのよみ旅!in秋田 後編
なまはげ館MEMO
男鹿半島に伝わるなまはげの面 150以上を展示している
男鹿真山(しんざん)伝承館MEMO
真山地区のなまはげを再現し公演している観光名所
真山神社 権禰宜(ごんねぎ) 高森博光
なまはげの語源は「なもみを剥ぐ」なもみ剥ぎがなまって「なまはげ」
なもみとは冬の仕事もしないで火にあたっていると
赤い火型ができてくる 戒めの言葉からきている
俳句ひとくちMEMO
なまはげ(なもみ剥ぎ)…新年の季語
なまはげ行事はかつては小正月に行われていた
なまはげ太鼓MEMO
2002年に誕生 男鹿温泉郷で常設公演を行う
入賞しいぶりがっこを嚙み砕く 木村レツ
いぶりがっこ…秋・冬の季語
今晩の肴やぷくり焼きだだみ 小林さおり
だだみ(鱈の白子)…冬の季語
初デート稲を見比べ種苗交換会 夫・文夫
俳句ひとくちMEMO
種苗交換会…秋田ならではの秋の季語
明治11年 種子の交換が目的で始まり現在は農作物の出展などを行うイベント
鳴り雪を伴奏にして托鉢す 渡邊紫山(しざん)
鳴り雪…冬の季語
息子 英心さんMEMO
レゲエ・ラテンを中心に国内外で活躍 父と寺でのライブを開き地元を活性化
ファミリーコンサートぐらいはやれる
店主 畠山光義
「石焼料理」を伝承している
秋の空母(かか)の姿をなつかしむ 畠山光義
秋潮や母(かか)は働く吾も働く 夏井いつき
旅鞄いぶりがっこを忍ばせて 田村陽子
いぶるがっこ…秋・冬の季語
大潟村MEMO
1964年八郎潟を干拓してできた村 全国各地から589戸が入植した
美人の里にはずれて大根(だいこ)洗ひけり 片倉由美子
大根洗ふ…冬の季語
角館中心の仙北美人とか雄勝のほうに行くと小野小町の生まれた所で
雄勝美人って言われているんですけど 私はその狭間に生まれてしまった
父からの笑える言葉春の宵 お嬢さん・万葉子
大西日厨(くりや)の母が大きく見え 多発性硬化症の万葉子
いつきセレクト 集まった俳句からもう一句紹介します!
合歓の実に余生を透かす眼鏡買う 吉田美穂
2024年11月20日水曜日
初恋&偉人・敗北からの教訓「紫式部」
冬陽射し五十二軒の縁側へ
居合わせる想いそれぞれ冬ぬくし
あなたへの佇む思い帰り花
居場所なき人集まりて落葉焚く
残り鷺あらゆるチャンス逃さない
■10min.ボックス現代文 初恋(島崎藤村)
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
わがこころなきためいきの
その髪の毛にかかるとき
たのしき恋を盃を
君が情に酌みしかな
林檎畠の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ
ついに新しき詩歌の時は来たりぬ。
(「藤村詩集」序)
近づく二人の距離
「恋愛」が新しかった時代
坪内逍遥「当世書生気質」(明治18~19年)
■偉人・敗北からの教訓 第67回「紫式部・『源氏物語』誕生と宮中での苦悩」
紫式部の栄光と敗北
973年誕生 宣孝と結婚 夫との別離 「源氏物語」を執筆 彰子の女房に抜擢
宮廷から逃げ実家に引きこもる 5カ月後復帰
源氏物語には和歌は795首含まれている
敗北の伏線~「源氏物語」を書き始めた理由~
全54帖 3部構成
第1部 光源氏が宮廷内で栄華を極める
第2部 因果応報で苦難を受ける光源氏
第3部 息子・薫 正妻の密通の子の恋模様
貴族の権力闘争 出世欲 嫉妬心 人間の心理に深く切り込む
1千年以上にわたり読み続けられる
・紫式部 敗北の伏線
自分の世界に入り込み過ぎるのも注意が必要
たまに意識的に心を開くように
敗北の瞬間~宮廷逃亡までのカウントダウン~
身の憂さは 心のうちに したひきて いまここのへぞ 思い乱るる
「紫式部集」より
敗北の瞬間
元々紫式部が書きたかった物語は光源氏の栄光の物語ではない
人生の生き難さ 息苦しさを伝えたかった
人生の苦悩、人生の真実を伝えたかった
第二部からは光源氏の無残な後半生を描いた
身の憂さを感じて生きてきた
そんな苦しみから救ってくれたのは中宮・彰子
十二歳で道長に嫁ぎ権力掌握のコマとされてきた彰子
自分の力で人生を切り開く彰子の姿に人生の喜びを感じるようになった
やがて彰子は敦成親王をもうけのちに天皇の母となる
・紫式部 敗北の瞬間
時には逃げることも大事だが逃げ続けるだけでなく
少し工夫してみると世界がガラリと変わるかも
敗北がもたらしたもの~娘に託した女性としての生き方~
石山寺 紫式部供養塔
仏さんの教えの中に妄語戎というのがありまして
嘘をついてはだめだ 物語は虚構である
紫式部は嘘をついてしまったということで
地獄へ落ちたとも言われています
紫式部のひとり娘・賢子(けんし)
紫式部と前後して彰子の女房になりました
紫式部が娘・賢子に贈ったのは
女房としての心得を記した「紫式部日記」だった
やがて天皇の乳母 従三位となった
紫式部は母としての役目を果した
夫の死 女房たちのいじめ 敗北からしたたかに立ち直った
作家 母親 キャリアウーマン 誰も真似のできない
平安時代を駆け抜けていった
娘・賢子が天皇の乳母になったことが一番嬉しかったかもしれない
運命は抗いがたいものだなと悟ったのではないか❓
いづくとも 身のやる方の知られねば 憂しと見つつも 永らふるかな
「紫式部集」より
(憂さばかりのこの世のどこに身を置けばよいか私は知りません
この世は憂いだけですがそれでも私は寿命が尽きるまで生きていきます)
「源氏物語」が日本にもたらしたもの
人の心を洞察する大切さ
洞察力が他人を思いやる気持ちになって
日本人の独特の美徳を形作っていった
現代の日本社会は形作られてきた
・紫式部の敗北から学ぶ教訓
自分と向き合う時間を持つ
居合わせる想いそれぞれ冬ぬくし
あなたへの佇む思い帰り花
居場所なき人集まりて落葉焚く
残り鷺あらゆるチャンス逃さない
■10min.ボックス現代文 初恋(島崎藤村)
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
わがこころなきためいきの
その髪の毛にかかるとき
たのしき恋を盃を
君が情に酌みしかな
林檎畠の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ
ついに新しき詩歌の時は来たりぬ。
(「藤村詩集」序)
近づく二人の距離
「恋愛」が新しかった時代
坪内逍遥「当世書生気質」(明治18~19年)
■偉人・敗北からの教訓 第67回「紫式部・『源氏物語』誕生と宮中での苦悩」
紫式部の栄光と敗北
973年誕生 宣孝と結婚 夫との別離 「源氏物語」を執筆 彰子の女房に抜擢
宮廷から逃げ実家に引きこもる 5カ月後復帰
源氏物語には和歌は795首含まれている
敗北の伏線~「源氏物語」を書き始めた理由~
全54帖 3部構成
第1部 光源氏が宮廷内で栄華を極める
第2部 因果応報で苦難を受ける光源氏
第3部 息子・薫 正妻の密通の子の恋模様
貴族の権力闘争 出世欲 嫉妬心 人間の心理に深く切り込む
1千年以上にわたり読み続けられる
・紫式部 敗北の伏線
自分の世界に入り込み過ぎるのも注意が必要
たまに意識的に心を開くように
敗北の瞬間~宮廷逃亡までのカウントダウン~
身の憂さは 心のうちに したひきて いまここのへぞ 思い乱るる
「紫式部集」より
敗北の瞬間
元々紫式部が書きたかった物語は光源氏の栄光の物語ではない
人生の生き難さ 息苦しさを伝えたかった
人生の苦悩、人生の真実を伝えたかった
第二部からは光源氏の無残な後半生を描いた
身の憂さを感じて生きてきた
そんな苦しみから救ってくれたのは中宮・彰子
十二歳で道長に嫁ぎ権力掌握のコマとされてきた彰子
自分の力で人生を切り開く彰子の姿に人生の喜びを感じるようになった
やがて彰子は敦成親王をもうけのちに天皇の母となる
・紫式部 敗北の瞬間
時には逃げることも大事だが逃げ続けるだけでなく
少し工夫してみると世界がガラリと変わるかも
敗北がもたらしたもの~娘に託した女性としての生き方~
石山寺 紫式部供養塔
仏さんの教えの中に妄語戎というのがありまして
嘘をついてはだめだ 物語は虚構である
紫式部は嘘をついてしまったということで
地獄へ落ちたとも言われています
紫式部のひとり娘・賢子(けんし)
紫式部と前後して彰子の女房になりました
紫式部が娘・賢子に贈ったのは
女房としての心得を記した「紫式部日記」だった
やがて天皇の乳母 従三位となった
紫式部は母としての役目を果した
夫の死 女房たちのいじめ 敗北からしたたかに立ち直った
作家 母親 キャリアウーマン 誰も真似のできない
平安時代を駆け抜けていった
娘・賢子が天皇の乳母になったことが一番嬉しかったかもしれない
運命は抗いがたいものだなと悟ったのではないか❓
いづくとも 身のやる方の知られねば 憂しと見つつも 永らふるかな
「紫式部集」より
(憂さばかりのこの世のどこに身を置けばよいか私は知りません
この世は憂いだけですがそれでも私は寿命が尽きるまで生きていきます)
「源氏物語」が日本にもたらしたもの
人の心を洞察する大切さ
洞察力が他人を思いやる気持ちになって
日本人の独特の美徳を形作っていった
現代の日本社会は形作られてきた
・紫式部の敗北から学ぶ教訓
自分と向き合う時間を持つ
2024年11月19日火曜日
兼題「凩」&テーマ「架空の生き物」
自らを苛めちゃいかん冬苺
つわぶきや冬の陽射しを受けて立つ
依存先増やして立たん冬を生く
雲辺寺足元遥か冬紅葉
勝者たること自ら下りず冬の月
■NHK俳句 兼題「凩(こがらし)」
選者 木暮陶句郎 ゲスト いとうせいこう 司会 柴田英嗣
年間テーマ「季語を器に盛る」
金子兜太さんと稲畑汀子さんの懐かしの俳句バトル映像を特別公開!
いとうせいこう氏はお茶のメーカーが主催している俳句大会の審査員
新聞社主催の俳句賞の審査員を10年ぐらい
何万句も審査している どちらの句会も金子兜太さんから学ばれたとか
俳句の魅力は❓
金子兜太さんの句を例に出すと分かりやすい
「谷に鯉もみ合う夜の歓喜かな 金子兜太」
削って削って語順を変えて言葉以上の物が詰め込まれるように作るって奇跡
読み手によって広がり方も違う 俳句はさすが世界一短い詩だなと思う
金子兜太さんは起きた時にすぐに起きないで布団の中で「むにゃむにゃ」
それで起きてトイレに座って「むにゃむにゃ」ずっと一句を転がしている
「出来た!」で完全に自分の句になっている
せいこうさんが尊敬する金子兜太さん(前衛派・社会派)と
木暮陶句郎先生の師匠である稲畑汀子さん(伝統派)の
懐かしの俳句バトル映像を特別公開。
稲畑汀子(1931~2022)高浜虚子の孫
季題(季語)を重視した有季定型と
結社「ホトトギス」の理念「花鳥諷詠」を守る伝統派
金子兜太(1919~2018)
季題や季語にのみとらわれない前衛的な姿勢から
人間や風物の表現を重んじた現代俳句の主導者
この二人のやり合いが面白い
「季題が動く」についての論争でした。
■器に季語を盛る
凩という季語は季節の変わり目の風 秋から冬へ 変わり目に吹くのが凩
凩は誰でも経験している 俳句に作りやすい季語
凩には内面的な部分もある 寂しげ 悲しげ 冷たさがある
木がらしや目刺に残る海のいろ 芥川龍之介
(二物配合 季語と事柄を十七音の中でぶつけ新しい世界を生み出す手法
食卓に目刺がのっている そこに海のいろが残っている
この目刺も凩を浴びて乾いて目刺になったんだ
最後が海のいろという体言で止めている 海のいろが印象深く心に残る
せいこうさん 芥川がこんないい句を書いていたなんて スゴいいい句です)
行く春や鳥啼き魚の目は泪 松尾芭蕉
(芥川は芭蕉を尊敬していた とても芭蕉を研究していた
芥川は夏目漱石の弟子 夏目漱石も俳句をやっている
漱石も凩の句を作っている)
凩や海に夕日を吹き落す 夏目漱石
(「凩や」で切っているけれど一物仕立て
凩が海に夕日を吹き落すほどの力がある スピードがある
その句を芥川が知らないはずはない 凩と海という題材が似通っている
師匠の句をリスペクトしつつ自分なりの新しい世界を作ろうと思った)
■特選六句発表 兼題「凩」
凩一号ラジオからは落語 なかの花梨(かりん)
(二物配合 凩の音から落語の音へ 日常を上手に切り取っている)
ファーストサーブ凩を斬るように 樹海ソース
凩や眉根(まゆね)を寄せて火を貰ふ 長谷川水素
凩の夜君はヘッドファンの中 鈴木研児
免許ない職歴ない凩が痛い 海亀九衛門(きゅうえもん)
(季語を自分の心に近づけた句)
木枯にざわつく今朝のサドルかな 杜(もり)まお実
(「今朝」がいい 昨夜吹いた凩でサドルに砂塵が残っている
自転車通勤されている方でサドルを拭いて「いざ出発」というとき
自転車を漕いでいると空の色が違う冬空になっている)
特選三席
一席 恋人が元彼になって凩 澪那本気子(みおなまじこ)
(作者のやるせない思いが17音の破調に込められている 全てをリセットする凩
全部忘れさせてくれる凩 「凩」ではなく太陽の場合もありますよとせいこうさん
季題が動きましたと陶句郎先生 これは座布団!)
二席 凩やギと鳴る納屋の蝶番(ちょうつがい) おおうらともこ
(「ギ」という音が秋から冬への切り替えの音
一瞬 作者は冬が来たとその音を聞いて思う)
三席 凩や地下室にある鉄亜鈴 川井一郎
(静と動の対比が見事 「凩や」で切断の切れ字を使っている)
・柴田の歩み
全国俳句大会を見なおそう
■NHK短歌 テーマ「架空の生き物」
選者 大森静佳 ゲスト 祖父江慎 司会 尾崎世界観
年間テーマ 「“ものがたり”の深みへ」
もともとの「こころ」というタイトル表記がバラバラ
篆(てん)書体の「心」、漱石の創作文字「心」など…。
デザインするとき”数字“で考えていく
”数字”に縛られまいとする言葉の格闘
架空と実存の境目はどこにあるのか 読むうちに曖昧になっていく
・歌に❝物語❞あり
入選九首 テーマ「架空の生き物」
蜃気楼吐き出す貝を思わせる里帰りした姉貴のあくび
前川泰信
三席 ネッシーの煮付けを食べたという祖父の首のたるみの影濃くなりぬ
吉本美加
誰もみな孫を見るように見守って配膳ロボの垂直な背筋
紙村えい
二席 前の世にもわたしを赦した逆鱗が光るよあなたの喉の隆起に
碓井(うすい)やすこ
一席 私 恋人になりきれなかった放課後にユウヒネジリが夕日を捻(ね)じる
有賀未来(みく)
猛暑日にきゅうりの昆布和えを出し一人残らず河童に変える
月出里(すだち)ひな
ハンバーグ好きだったんだケルベロスみたいな上司の尻尾が揺れる
かなもん
君の名を呼ぶとき胸はペガサスの蹄(ひづめ)に強く蹴られて撓(たわ)む
丹羽祥子(にわしょうこ)
ゆるキャラの控室開けお茶出せば中身優しき礼の返さる
多田木(ただき)まさのり
・ものがたりの深みへ
「ムーミン谷の彗星」トーベ・ヤンソン著/下村隆一訳
戦争中の脅威や終末感を象徴している
彗星が接近していろいろな異常気象が起きる
ムーミンたちは竹馬で海底を歩く
見慣れてはだめよムーミン彗星が竹馬の細い影を生むのよ
大森静佳
「ぼくたちが、特別に勇敢ってわけじゃないと思うよ。
ただ、彗星になれてしまっただけなんだ。」
人間に対して示唆の飛んだムーミンの言葉
小さな生き物たちにとって一番怖いのは強い光
恐怖になじんでいってしまう 見慣れちゃいけません と祖父江慎氏。
わからない世界に対して希望を持ちながら探しに行く
祖父江慎氏にとってトーベ・ヤンソン氏は「黒」の世界
不安というものがベースにありながら
トーベさんにとっては「黒」あるいは「闇」は
隠れることのできる安心な場所 「黒」に生命力を感じる
「闇」の豊かさや二面性が切り捨てられてしまう
静寂が耳や鼻孔にぬるぬると蛇みたいに来る夜の海底
大森静佳
・言葉のバトン
ママのカレーの香りにつられ
富山県立伏木高校 町口晟衣萊(せいら)
⇩
母さんがいるからここは故郷で
宮城県 気仙沼高校・文芸部 昆野永遠(部長)
祈るとき両手の水かき触れ合って信じることは溺れることだ
昆野永遠
私感
言葉のバトンの作者の短歌でこんなに動揺したことはありませんでした。
昆野永遠さんに拍手喝采!凄い!
「新美の巨人たち」に続いての「NHK短歌」へのご出演。
祖父江慎さまにまたまた感銘を受けています。
この番組は永久保存です。
祖父江慎さまをご紹介くださった糸井重里氏に感謝…。
https://www.nhk.jp/p/ts/JM12GR5RLP/episode/te/PMPJWL2NXJ/
https://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/index.html?trgt=20241026
つわぶきや冬の陽射しを受けて立つ
依存先増やして立たん冬を生く
雲辺寺足元遥か冬紅葉
勝者たること自ら下りず冬の月
■NHK俳句 兼題「凩(こがらし)」
選者 木暮陶句郎 ゲスト いとうせいこう 司会 柴田英嗣
年間テーマ「季語を器に盛る」
金子兜太さんと稲畑汀子さんの懐かしの俳句バトル映像を特別公開!
いとうせいこう氏はお茶のメーカーが主催している俳句大会の審査員
新聞社主催の俳句賞の審査員を10年ぐらい
何万句も審査している どちらの句会も金子兜太さんから学ばれたとか
俳句の魅力は❓
金子兜太さんの句を例に出すと分かりやすい
「谷に鯉もみ合う夜の歓喜かな 金子兜太」
削って削って語順を変えて言葉以上の物が詰め込まれるように作るって奇跡
読み手によって広がり方も違う 俳句はさすが世界一短い詩だなと思う
金子兜太さんは起きた時にすぐに起きないで布団の中で「むにゃむにゃ」
それで起きてトイレに座って「むにゃむにゃ」ずっと一句を転がしている
「出来た!」で完全に自分の句になっている
せいこうさんが尊敬する金子兜太さん(前衛派・社会派)と
木暮陶句郎先生の師匠である稲畑汀子さん(伝統派)の
懐かしの俳句バトル映像を特別公開。
稲畑汀子(1931~2022)高浜虚子の孫
季題(季語)を重視した有季定型と
結社「ホトトギス」の理念「花鳥諷詠」を守る伝統派
金子兜太(1919~2018)
季題や季語にのみとらわれない前衛的な姿勢から
人間や風物の表現を重んじた現代俳句の主導者
この二人のやり合いが面白い
「季題が動く」についての論争でした。
■器に季語を盛る
凩という季語は季節の変わり目の風 秋から冬へ 変わり目に吹くのが凩
凩は誰でも経験している 俳句に作りやすい季語
凩には内面的な部分もある 寂しげ 悲しげ 冷たさがある
木がらしや目刺に残る海のいろ 芥川龍之介
(二物配合 季語と事柄を十七音の中でぶつけ新しい世界を生み出す手法
食卓に目刺がのっている そこに海のいろが残っている
この目刺も凩を浴びて乾いて目刺になったんだ
最後が海のいろという体言で止めている 海のいろが印象深く心に残る
せいこうさん 芥川がこんないい句を書いていたなんて スゴいいい句です)
行く春や鳥啼き魚の目は泪 松尾芭蕉
(芥川は芭蕉を尊敬していた とても芭蕉を研究していた
芥川は夏目漱石の弟子 夏目漱石も俳句をやっている
漱石も凩の句を作っている)
凩や海に夕日を吹き落す 夏目漱石
(「凩や」で切っているけれど一物仕立て
凩が海に夕日を吹き落すほどの力がある スピードがある
その句を芥川が知らないはずはない 凩と海という題材が似通っている
師匠の句をリスペクトしつつ自分なりの新しい世界を作ろうと思った)
■特選六句発表 兼題「凩」
凩一号ラジオからは落語 なかの花梨(かりん)
(二物配合 凩の音から落語の音へ 日常を上手に切り取っている)
ファーストサーブ凩を斬るように 樹海ソース
凩や眉根(まゆね)を寄せて火を貰ふ 長谷川水素
凩の夜君はヘッドファンの中 鈴木研児
免許ない職歴ない凩が痛い 海亀九衛門(きゅうえもん)
(季語を自分の心に近づけた句)
木枯にざわつく今朝のサドルかな 杜(もり)まお実
(「今朝」がいい 昨夜吹いた凩でサドルに砂塵が残っている
自転車通勤されている方でサドルを拭いて「いざ出発」というとき
自転車を漕いでいると空の色が違う冬空になっている)
特選三席
一席 恋人が元彼になって凩 澪那本気子(みおなまじこ)
(作者のやるせない思いが17音の破調に込められている 全てをリセットする凩
全部忘れさせてくれる凩 「凩」ではなく太陽の場合もありますよとせいこうさん
季題が動きましたと陶句郎先生 これは座布団!)
二席 凩やギと鳴る納屋の蝶番(ちょうつがい) おおうらともこ
(「ギ」という音が秋から冬への切り替えの音
一瞬 作者は冬が来たとその音を聞いて思う)
三席 凩や地下室にある鉄亜鈴 川井一郎
(静と動の対比が見事 「凩や」で切断の切れ字を使っている)
・柴田の歩み
全国俳句大会を見なおそう
■NHK短歌 テーマ「架空の生き物」
選者 大森静佳 ゲスト 祖父江慎 司会 尾崎世界観
年間テーマ 「“ものがたり”の深みへ」
もともとの「こころ」というタイトル表記がバラバラ
篆(てん)書体の「心」、漱石の創作文字「心」など…。
デザインするとき”数字“で考えていく
”数字”に縛られまいとする言葉の格闘
架空と実存の境目はどこにあるのか 読むうちに曖昧になっていく
・歌に❝物語❞あり
入選九首 テーマ「架空の生き物」
蜃気楼吐き出す貝を思わせる里帰りした姉貴のあくび
前川泰信
三席 ネッシーの煮付けを食べたという祖父の首のたるみの影濃くなりぬ
吉本美加
誰もみな孫を見るように見守って配膳ロボの垂直な背筋
紙村えい
二席 前の世にもわたしを赦した逆鱗が光るよあなたの喉の隆起に
碓井(うすい)やすこ
一席 私 恋人になりきれなかった放課後にユウヒネジリが夕日を捻(ね)じる
有賀未来(みく)
猛暑日にきゅうりの昆布和えを出し一人残らず河童に変える
月出里(すだち)ひな
ハンバーグ好きだったんだケルベロスみたいな上司の尻尾が揺れる
かなもん
君の名を呼ぶとき胸はペガサスの蹄(ひづめ)に強く蹴られて撓(たわ)む
丹羽祥子(にわしょうこ)
ゆるキャラの控室開けお茶出せば中身優しき礼の返さる
多田木(ただき)まさのり
・ものがたりの深みへ
「ムーミン谷の彗星」トーベ・ヤンソン著/下村隆一訳
戦争中の脅威や終末感を象徴している
彗星が接近していろいろな異常気象が起きる
ムーミンたちは竹馬で海底を歩く
見慣れてはだめよムーミン彗星が竹馬の細い影を生むのよ
大森静佳
「ぼくたちが、特別に勇敢ってわけじゃないと思うよ。
ただ、彗星になれてしまっただけなんだ。」
人間に対して示唆の飛んだムーミンの言葉
小さな生き物たちにとって一番怖いのは強い光
恐怖になじんでいってしまう 見慣れちゃいけません と祖父江慎氏。
わからない世界に対して希望を持ちながら探しに行く
祖父江慎氏にとってトーベ・ヤンソン氏は「黒」の世界
不安というものがベースにありながら
トーベさんにとっては「黒」あるいは「闇」は
隠れることのできる安心な場所 「黒」に生命力を感じる
「闇」の豊かさや二面性が切り捨てられてしまう
静寂が耳や鼻孔にぬるぬると蛇みたいに来る夜の海底
大森静佳
・言葉のバトン
ママのカレーの香りにつられ
富山県立伏木高校 町口晟衣萊(せいら)
⇩
母さんがいるからここは故郷で
宮城県 気仙沼高校・文芸部 昆野永遠(部長)
祈るとき両手の水かき触れ合って信じることは溺れることだ
昆野永遠
私感
言葉のバトンの作者の短歌でこんなに動揺したことはありませんでした。
昆野永遠さんに拍手喝采!凄い!
「新美の巨人たち」に続いての「NHK短歌」へのご出演。
祖父江慎さまにまたまた感銘を受けています。
この番組は永久保存です。
祖父江慎さまをご紹介くださった糸井重里氏に感謝…。
https://www.nhk.jp/p/ts/JM12GR5RLP/episode/te/PMPJWL2NXJ/
https://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/index.html?trgt=20241026
2024年11月18日月曜日
さくらさくらさくら 俵万智
眠る山世界へ勇気ばらまかん
改めて向き合うルーツ冬落暉
音楽と歴史がテーマ寒昴
人生とマジで向き合う冬の夜
冬銀河いつも肯定メッセージ
■現代文 随筆 生きる喜び さくらさくらさくら(1) 俵万智
学習のポイント
一 三つの話題を整理しよう
二 海外の「桜」の受け止め方を確認しよう
三 「桜」が「女王様」?「歌いにくい花」?
さくらさくらさくら 俵万智
和歌の世界では、「花」といえば すなわち桜のことを指す。
歌人たちに 多くの名歌を詠ませてきた という点において、
桜はまさにナンバーワンの花、堂々たる名花だ。
最近では、さまざまな輸入花を 見ることができるし、
かつてないほど洗練された バラの花や蘭の花を
手に入れることもできる。シクラメンやポインセチアなど、
季節の風物詩として 定着したものである。
が、そんな中にあっても、桜だけは格別という気がする。
何というか、「花」という言葉では くくりきれない、
存在そのものが 果てしない広がりを持った、誠に不思議なものー、
それが桜だ。
けれど桜に対する思い入れは、日本人独特のもののようだ。
以前、デンマークの高校で、日本の古典について話をする機会があった。
言葉は古くなっても、その心情においては 現代の私たちが 大いに
共鳴できるものがある、というようなことを述べ、その例として
「源氏物語」に描かれた「人を恋する気持ち」や「伊勢物語」に
出てくる「桜への思い入れ」などを挙げた。「源氏物語」のほうは、
デンマークの若い人たちにも 分かりやすかったようだ。
が、桜のほうは、どうもぴんとこない という顔をしている。
例えば、と私は、在原業平の次の歌を挙げた。
世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
「伊勢物語」に登場する和歌で「古今和歌集」にも
収められている作品である。
「春になると私たちは、もうすぐ桜が咲くなあと わくわくし、
早く咲かないかなあと イライラもし、咲けば咲いたでうきうきする一方、
風や雨で散ることを心配し、散り始めると がっかりしてしまう…。
本当に桜というのは 私たちの心を振り回すもの。
この世に桜というものがなければ、春の心はどんなにかのんびりと
穏やかなものであろうかー、という逆説的な言い方で、桜のすばらしさと
存在感を たたえているんですね。」
我ながらうまく説明できた と思ったのだけれど、学生たちは
ぽかんとしている。なぜ、大の大人が そこまで一生懸命になるのか、
ずいぶん大げさなんじゃないの、という反応である。
「大げさなんかじゃありません。今だって、毎日テレビのニュースや
新聞で 報道されているんですよ。」と桜前線のことを紹介すると、
今度はぽかんを通り越して、みんなゲラゲラ笑い始める始末。
「花が咲いたとか咲かないとか いった話題を、毎日わざわざニュースで
やるなんて、ずいぶんのんきなんですね。」というわけだ。
そう言われてみると、例えば、チューリップ前線とか、ひまわり前線とか、
そういうことを年がら年中やっているとしたら、これは実に
のんきな感じがする。そういうおかしさを、彼らは感じたのだろう。
でもでも、桜前線は、おかしくないのだ。なんてったって桜である。
桜は、我々日本人にとっては 別格の女王様なのだ。そこのところが、
どうも理解されにくいようだった。しかも、これは デンマークでの
体験ではないのだが、別のヨーロッパの国で、
「何で、あんな薄汚い色の花がいいのか?」と質問されたことがある。
確かに、ピンクといっても、バラやスイートピーのように
はっきりしていない。どちらかというと、ねぼけたような色である。
しかしそれが、日本の春の優しい青空と ぼんやりした空気とに、
実によく合うのだ。例えば深紅の桜なんて、
考えただけでも眩暈がしそうだ。
桜というのは、花だけを取り出して鑑賞するものではないのかもしれない。
桜の咲いている空間ごと、そして時間ごと、
日本の春という舞台の 全てを含めて桜なのだ。という気がする。
学習のポイント
・一 接続詞に注目
話題が変わるとき 逆説や転換の接続詞を置くことがよくある
逆接の接続詞 しかし けれど が でも
桜に対する視点の変化㊀
逆接の接続詞「けれど」
冒頭の文と今出てきた二つの文をつなぐと…
⇩
和歌の世界では、「花」といえば すなわち桜のことを指す。
けれど桜に対する思い入れは、日本人独特のもののようだ。
ところで、歌人にとっては、桜というのは最も歌いたくて、
最も歌いにくい花である。
⇩
これがこの随筆で述べられている 三つの話題
桜の花などなければいいのに
⇩
桜の花ほど素晴らしいものはない
・二 海外の「桜」の受け止め方を確認しよう
・三 「桜」が「女王」?「歌いにくい花」?
桜は、我々日本人にとっては別格の女王様なのだ。
⇩
日本においては、桜があらゆる花とは別格、位相の異なる存在
⇩
そのことを擬人化して表現している
桜は日本の春を象徴する花
⇩既に数えきれないほどの「桜」の歌が歌われており、
「名歌」と呼ばれるものも沢山あるから
花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは。
「徒然草」百三十七段 兼好法師
■現代文 随筆 生きる喜び さくらさくらさくら(2) 俵万智
俵万智(歌人) 代表作「サラダ記念日」(一九八七年刊)
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
学習のポイント
一 筆者の短歌 三首を見てみよう
二 「自分の心が散る」?
三 「桜」に対する日本独特の感覚と筆者の考えについて纏めよう
ところで、歌人にとっては、桜というのは最も歌いたくて、
最も歌いにくい花である。歌人と呼ばれるからには、桜の花の歌を
(それもできれば名歌を)ものにしたいと思う。
が、冒頭でも触れたように、既に数えきれないほどの歌が詠まれており、
大先輩の名歌もたくさんある。言ってみれば、日本画家にとっての
富士山のようなものだろうか。
心散るならば 満開の木の下で そっと言われたかったさよなら
散るという飛翔のかたち 花びらはふと微笑んで 枝を離れる
数年前に詠んだ歌である。
自分の心が散る時には、桜の花は満開であってほしい、と思った。
そしてまた、桜の散る様子を見ていると、それは「終わる」という
後ろ向きのものではなく、まさに飛翔しているかのように感じられた。
ならば、今散ろうとしている自分の心も、飛翔へと変えることが
出来るかもしれない…。そんな励ましを、もらったような気がする。
最後に、私が初めて詠んだ桜の歌を一首。
毎年、桜の花の季節が終わると、一つの夢から覚めたような気分になる。
それは芝居を見終わったときの感覚にも似ている。
さくらさくらさくら咲き始め咲き終わりなにもなかったような公園
一 筆者の短歌 三首を見てみよう
心散るならば 満開の木の下で そっと言われたかったさよなら
散るという飛翔のかたち 花びらはふと微笑んで 枝を離れる
さくらさくらさくら咲き始め咲き終わりなにもなかったような公園
二 「自分の心が散る」?
落ち込んだ時を指している 親しい人との別離
三 「桜」に対する日本独特の感覚と筆者の考えについて纏めよう
筆者が訪れたヨーロッパでは受け入れられなかった
日本では普遍的な感性として受け継がれている
源氏物語 伊勢物語といった古典の名作での取り上げられている
桜は私たちの心を捉えて離さない魅力がある
花雫 花灯り 花筏 花の浮橋 いろんな呼ばれ方をしている
人の思いを認めたい 千年前の人の心と共感できる
やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。
「古今和歌集」仮名序 紀貫之
改めて向き合うルーツ冬落暉
音楽と歴史がテーマ寒昴
人生とマジで向き合う冬の夜
冬銀河いつも肯定メッセージ
■現代文 随筆 生きる喜び さくらさくらさくら(1) 俵万智
学習のポイント
一 三つの話題を整理しよう
二 海外の「桜」の受け止め方を確認しよう
三 「桜」が「女王様」?「歌いにくい花」?
さくらさくらさくら 俵万智
和歌の世界では、「花」といえば すなわち桜のことを指す。
歌人たちに 多くの名歌を詠ませてきた という点において、
桜はまさにナンバーワンの花、堂々たる名花だ。
最近では、さまざまな輸入花を 見ることができるし、
かつてないほど洗練された バラの花や蘭の花を
手に入れることもできる。シクラメンやポインセチアなど、
季節の風物詩として 定着したものである。
が、そんな中にあっても、桜だけは格別という気がする。
何というか、「花」という言葉では くくりきれない、
存在そのものが 果てしない広がりを持った、誠に不思議なものー、
それが桜だ。
けれど桜に対する思い入れは、日本人独特のもののようだ。
以前、デンマークの高校で、日本の古典について話をする機会があった。
言葉は古くなっても、その心情においては 現代の私たちが 大いに
共鳴できるものがある、というようなことを述べ、その例として
「源氏物語」に描かれた「人を恋する気持ち」や「伊勢物語」に
出てくる「桜への思い入れ」などを挙げた。「源氏物語」のほうは、
デンマークの若い人たちにも 分かりやすかったようだ。
が、桜のほうは、どうもぴんとこない という顔をしている。
例えば、と私は、在原業平の次の歌を挙げた。
世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
「伊勢物語」に登場する和歌で「古今和歌集」にも
収められている作品である。
「春になると私たちは、もうすぐ桜が咲くなあと わくわくし、
早く咲かないかなあと イライラもし、咲けば咲いたでうきうきする一方、
風や雨で散ることを心配し、散り始めると がっかりしてしまう…。
本当に桜というのは 私たちの心を振り回すもの。
この世に桜というものがなければ、春の心はどんなにかのんびりと
穏やかなものであろうかー、という逆説的な言い方で、桜のすばらしさと
存在感を たたえているんですね。」
我ながらうまく説明できた と思ったのだけれど、学生たちは
ぽかんとしている。なぜ、大の大人が そこまで一生懸命になるのか、
ずいぶん大げさなんじゃないの、という反応である。
「大げさなんかじゃありません。今だって、毎日テレビのニュースや
新聞で 報道されているんですよ。」と桜前線のことを紹介すると、
今度はぽかんを通り越して、みんなゲラゲラ笑い始める始末。
「花が咲いたとか咲かないとか いった話題を、毎日わざわざニュースで
やるなんて、ずいぶんのんきなんですね。」というわけだ。
そう言われてみると、例えば、チューリップ前線とか、ひまわり前線とか、
そういうことを年がら年中やっているとしたら、これは実に
のんきな感じがする。そういうおかしさを、彼らは感じたのだろう。
でもでも、桜前線は、おかしくないのだ。なんてったって桜である。
桜は、我々日本人にとっては 別格の女王様なのだ。そこのところが、
どうも理解されにくいようだった。しかも、これは デンマークでの
体験ではないのだが、別のヨーロッパの国で、
「何で、あんな薄汚い色の花がいいのか?」と質問されたことがある。
確かに、ピンクといっても、バラやスイートピーのように
はっきりしていない。どちらかというと、ねぼけたような色である。
しかしそれが、日本の春の優しい青空と ぼんやりした空気とに、
実によく合うのだ。例えば深紅の桜なんて、
考えただけでも眩暈がしそうだ。
桜というのは、花だけを取り出して鑑賞するものではないのかもしれない。
桜の咲いている空間ごと、そして時間ごと、
日本の春という舞台の 全てを含めて桜なのだ。という気がする。
学習のポイント
・一 接続詞に注目
話題が変わるとき 逆説や転換の接続詞を置くことがよくある
逆接の接続詞 しかし けれど が でも
桜に対する視点の変化㊀
逆接の接続詞「けれど」
冒頭の文と今出てきた二つの文をつなぐと…
⇩
和歌の世界では、「花」といえば すなわち桜のことを指す。
けれど桜に対する思い入れは、日本人独特のもののようだ。
ところで、歌人にとっては、桜というのは最も歌いたくて、
最も歌いにくい花である。
⇩
これがこの随筆で述べられている 三つの話題
桜の花などなければいいのに
⇩
桜の花ほど素晴らしいものはない
・二 海外の「桜」の受け止め方を確認しよう
・三 「桜」が「女王」?「歌いにくい花」?
桜は、我々日本人にとっては別格の女王様なのだ。
⇩
日本においては、桜があらゆる花とは別格、位相の異なる存在
⇩
そのことを擬人化して表現している
桜は日本の春を象徴する花
⇩既に数えきれないほどの「桜」の歌が歌われており、
「名歌」と呼ばれるものも沢山あるから
花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは。
「徒然草」百三十七段 兼好法師
■現代文 随筆 生きる喜び さくらさくらさくら(2) 俵万智
俵万智(歌人) 代表作「サラダ記念日」(一九八七年刊)
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
学習のポイント
一 筆者の短歌 三首を見てみよう
二 「自分の心が散る」?
三 「桜」に対する日本独特の感覚と筆者の考えについて纏めよう
ところで、歌人にとっては、桜というのは最も歌いたくて、
最も歌いにくい花である。歌人と呼ばれるからには、桜の花の歌を
(それもできれば名歌を)ものにしたいと思う。
が、冒頭でも触れたように、既に数えきれないほどの歌が詠まれており、
大先輩の名歌もたくさんある。言ってみれば、日本画家にとっての
富士山のようなものだろうか。
心散るならば 満開の木の下で そっと言われたかったさよなら
散るという飛翔のかたち 花びらはふと微笑んで 枝を離れる
数年前に詠んだ歌である。
自分の心が散る時には、桜の花は満開であってほしい、と思った。
そしてまた、桜の散る様子を見ていると、それは「終わる」という
後ろ向きのものではなく、まさに飛翔しているかのように感じられた。
ならば、今散ろうとしている自分の心も、飛翔へと変えることが
出来るかもしれない…。そんな励ましを、もらったような気がする。
最後に、私が初めて詠んだ桜の歌を一首。
毎年、桜の花の季節が終わると、一つの夢から覚めたような気分になる。
それは芝居を見終わったときの感覚にも似ている。
さくらさくらさくら咲き始め咲き終わりなにもなかったような公園
一 筆者の短歌 三首を見てみよう
心散るならば 満開の木の下で そっと言われたかったさよなら
散るという飛翔のかたち 花びらはふと微笑んで 枝を離れる
さくらさくらさくら咲き始め咲き終わりなにもなかったような公園
二 「自分の心が散る」?
落ち込んだ時を指している 親しい人との別離
三 「桜」に対する日本独特の感覚と筆者の考えについて纏めよう
筆者が訪れたヨーロッパでは受け入れられなかった
日本では普遍的な感性として受け継がれている
源氏物語 伊勢物語といった古典の名作での取り上げられている
桜は私たちの心を捉えて離さない魅力がある
花雫 花灯り 花筏 花の浮橋 いろんな呼ばれ方をしている
人の思いを認めたい 千年前の人の心と共感できる
やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。
「古今和歌集」仮名序 紀貫之
2024年11月17日日曜日
あの本、読みました?「三体」&小川糸
鷦鷯(みそさざい)時間気にすることもなく
(MLB)依怙贔屓阻止するカメラ冬日向
引き算の美学用いて声冴ゆる
100㏄のお薄飲み干す小春
稚拙ゆえ心に響く冬の月
■あの本、読みました?三部作の楽しみ方!「三体」&伊坂幸太郎&小川糸
鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔プロデューサー
・三部作小説の楽しみ方
大森望 三部作は物語に入りやすい
「三体」劉慈欣著/大森望 光吉さくら ワン・チャイ訳/立原透耶 監修/早川書房
メインストーリー「地球人と地球外文明が戦う話」
三体 1960年代~2007年頃 ワン・ミャオ ナノテク研究者
三体Ⅱ黒暗森林~2208年まで ルオ・ジー 元天文学者
三体Ⅲ死神永生~2000万年後? チェン・シン 女性エンジニア
第一部は「警察ミステリー」
第二部は「知恵比べ」
第三部は「ラブストーリー」
・「生殖記」の一文 朝井リョウ著/小学館
まさに今いろ~んな種類の体組成計の前で
「自分は真剣に悩んでいますよ」
みたいな表情をしているこのオス個体、
その振る舞いは全部そういうフリで、
こいつの頭は驚くほど稼働していないってことです。
尚成、何にも考えてないんです。
(中略)
「これは?よさそうじゃん」ほら、案の定、“流れ”がやってきました。
頼れる友人という名の流れです。「うーん…」聞きました?
わざわざ休日に買い物に付き合ってくれている他個体が
情報を提供してくれているのに、「うーん…」ですよ?
ご丁寧に「…」までつけて、せめてポジなのかネガなのかどっちかに
振れたくらいの反応を寄越しなさいよ。
・小川糸の描く「生きること三部作」
① 食堂かたつむり ②ライオンのおやつ ③小鳥とリムジン
① 食べることから生きることを考えた
② 死をテーマにして生きることを浮かび上がらせた
③ 愛することが生きることにつながるということを書いた
生まれて食べて死んで をくるくる繰り返している三部作
人生は「生」「死」「食」繰り返している
第一部「食堂かたつむり」
変わった料理が登場する理由は?
「おい!」男性が不快そうな表情で睨み付けているのは、
髪の毛だった。しかも、正確には陰毛だった。
「サンドイッチにこんなものが入っているなんて、最悪な店だな」
「食堂かたつむり」の一文
小川糸が書きたい対極にあるもの
こんなに素敵な野菜料理、初めて食べました!」
最初に声を上げたのは先生だった。続いて跡取りさんも言った。
「すばらしかったです。これは、特別にどこかから取り寄せた
野菜なんですか?」期待通りの質問に、私は心の中で飛び上がった。
そして、急いで筆談ノートに文字を連ねた。
けれどあまりにうれしくて、心の中の言葉に指先が追い付かない。
それで、じれったくなって、すべてこちらの男性の畑で作られた
野菜なんです、と身振り手振りでふたりに説明した。
「えっ」跡取りさんは、一瞬驚いた様子だった。
そして、跡取りさんを見る先生の目も一変した。
(中略)
跡取りさんは、自分が農家の跡取り息子だということを、
誇りに思ってはいないようなのだ。けれどもしかしたら、
今回の料理で、そのことを払拭できたかもしれない。
私には、ふたりのお見合いの結果よりも、そのことの方がうれしかった。
食事も「命」をもらっている
第二部「ライオンのおやつ」
ホスピスを舞台にした理由
(人生最後の食事 デルテ・シッパー著/川岸史訳
シンコーミュージック・エンタテインメント
ホスピスで最後の食事を提供している)
「おやつ」を題材にした理由
おやつは記憶と結びついている
私が、小学校の二年か三年の時だったと思います。
ちょうど日曜日が、父の誕生日でした。
それまで、父が私の誕生日をお祝いしてくれることはあっても、
私が父の誕生日をお祝いする、ということはありませんでした。
けれど、その時に私はふと、今日は私が父の誕生日会を開いてあげよう、
とひらめいたのです。その日、私は初めて、
ひとりでお菓子を作ることに挑戦しました。
(中略)
私が選んだのは、ミルクレープというお菓子でした。
薄いクレープ生地をたくさん焼いて、その間にクリームをはさんで
重ねていきます。きっと子どもながらに、自分でも作れそうな
簡単なお菓子を選んだのでしょう。
(中略)
そのミルクレープの味が忘れられません。
自分で作って言うのもなんですが、本当においしかったのです。
それに、なによりもうれしかったのは、父が喜んでくれたことです。
あのミルクレープを、旅立つ前に、もう一度食べたいです。
「ライオンのおやつ」の一文
小川糸著/ポプラ文庫
第三部「小鳥とリムジン」
大吉の日は、まるでその料理をそのまま口に入れたかのような
豊かな気分を味わうことができる。こんな日は、決まっていい日だ。
コジマさんのオムツから、便がもれていない。
今日は、小吉とまでは言えないものの、まぁまぁの吉だった。
「小鳥とリムジン」の一文 小川糸著/ポプラ社
辛いことも思い返せば笑い話に
理夢人を後ろの荷台に乗せて、
私はぐいっと思いっきりペダルを踏み込んだ。
「上手、上手、小鳥、案外運動神経あるじゃん」
理夢人が歓声を上げる。私は、真剣だった。真っ直ぐ前方へと
自転車を走らせることに、全神経を集中させる。
(中略)
「大丈夫?嫌じゃない?」理夢人の両手がそっと伸びてきて、
私のおへその辺りで繋がった。「大丈夫、嫌じゃないよ」
泣きそうになるのをぐっと堪えて、私は理夢人の言葉を肯定形で繰り返す。
だって、今泣いたら、涙で周りが見えなくなって転んでしまう。
だから、今泣くわけにはいかない。それに、
私は今自分の子の目に映る光を、余すことなく記憶に留めたい。
だから、最大限まぶたを開けて、目の前の映像や匂いや音を、
脳裏にしっかり焼きつけた。私たちは、冷たい風に
フォトンを飛び散らせながら、小さな田舎の町を駆け抜ける。
「小鳥とリムジン」の一文 小川糸著/ポプラ社
性教育をすると寝た子を起こすかって言うけど、僕から言わせれば、
ちゃんとした性教育をしないことの方が
寝た子を変なふうに起こすと思うんだけど
「小鳥とリムジン」の一文 小川糸著/ポプラ社
●小川糸女史から鈴木保奈美女史へのお薦め本
「植物と叡智の間守り人」ロビン・ウォール・キマラー著/三木直子訳 築地書館
三部作小説の楽しみ方《伊坂幸太郎》PK 大森望
「PK」「超人」「密使」の三つの物語が一冊にまとめられた未来三部作
『PK新装版』伊坂幸太郎著/講談社文庫
最初から三部作構成を考えていた?
(MLB)依怙贔屓阻止するカメラ冬日向
引き算の美学用いて声冴ゆる
100㏄のお薄飲み干す小春
稚拙ゆえ心に響く冬の月
■あの本、読みました?三部作の楽しみ方!「三体」&伊坂幸太郎&小川糸
鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔プロデューサー
・三部作小説の楽しみ方
大森望 三部作は物語に入りやすい
「三体」劉慈欣著/大森望 光吉さくら ワン・チャイ訳/立原透耶 監修/早川書房
メインストーリー「地球人と地球外文明が戦う話」
三体 1960年代~2007年頃 ワン・ミャオ ナノテク研究者
三体Ⅱ黒暗森林~2208年まで ルオ・ジー 元天文学者
三体Ⅲ死神永生~2000万年後? チェン・シン 女性エンジニア
第一部は「警察ミステリー」
第二部は「知恵比べ」
第三部は「ラブストーリー」
・「生殖記」の一文 朝井リョウ著/小学館
まさに今いろ~んな種類の体組成計の前で
「自分は真剣に悩んでいますよ」
みたいな表情をしているこのオス個体、
その振る舞いは全部そういうフリで、
こいつの頭は驚くほど稼働していないってことです。
尚成、何にも考えてないんです。
(中略)
「これは?よさそうじゃん」ほら、案の定、“流れ”がやってきました。
頼れる友人という名の流れです。「うーん…」聞きました?
わざわざ休日に買い物に付き合ってくれている他個体が
情報を提供してくれているのに、「うーん…」ですよ?
ご丁寧に「…」までつけて、せめてポジなのかネガなのかどっちかに
振れたくらいの反応を寄越しなさいよ。
・小川糸の描く「生きること三部作」
① 食堂かたつむり ②ライオンのおやつ ③小鳥とリムジン
① 食べることから生きることを考えた
② 死をテーマにして生きることを浮かび上がらせた
③ 愛することが生きることにつながるということを書いた
生まれて食べて死んで をくるくる繰り返している三部作
人生は「生」「死」「食」繰り返している
第一部「食堂かたつむり」
変わった料理が登場する理由は?
「おい!」男性が不快そうな表情で睨み付けているのは、
髪の毛だった。しかも、正確には陰毛だった。
「サンドイッチにこんなものが入っているなんて、最悪な店だな」
「食堂かたつむり」の一文
小川糸が書きたい対極にあるもの
こんなに素敵な野菜料理、初めて食べました!」
最初に声を上げたのは先生だった。続いて跡取りさんも言った。
「すばらしかったです。これは、特別にどこかから取り寄せた
野菜なんですか?」期待通りの質問に、私は心の中で飛び上がった。
そして、急いで筆談ノートに文字を連ねた。
けれどあまりにうれしくて、心の中の言葉に指先が追い付かない。
それで、じれったくなって、すべてこちらの男性の畑で作られた
野菜なんです、と身振り手振りでふたりに説明した。
「えっ」跡取りさんは、一瞬驚いた様子だった。
そして、跡取りさんを見る先生の目も一変した。
(中略)
跡取りさんは、自分が農家の跡取り息子だということを、
誇りに思ってはいないようなのだ。けれどもしかしたら、
今回の料理で、そのことを払拭できたかもしれない。
私には、ふたりのお見合いの結果よりも、そのことの方がうれしかった。
食事も「命」をもらっている
第二部「ライオンのおやつ」
ホスピスを舞台にした理由
(人生最後の食事 デルテ・シッパー著/川岸史訳
シンコーミュージック・エンタテインメント
ホスピスで最後の食事を提供している)
「おやつ」を題材にした理由
おやつは記憶と結びついている
私が、小学校の二年か三年の時だったと思います。
ちょうど日曜日が、父の誕生日でした。
それまで、父が私の誕生日をお祝いしてくれることはあっても、
私が父の誕生日をお祝いする、ということはありませんでした。
けれど、その時に私はふと、今日は私が父の誕生日会を開いてあげよう、
とひらめいたのです。その日、私は初めて、
ひとりでお菓子を作ることに挑戦しました。
(中略)
私が選んだのは、ミルクレープというお菓子でした。
薄いクレープ生地をたくさん焼いて、その間にクリームをはさんで
重ねていきます。きっと子どもながらに、自分でも作れそうな
簡単なお菓子を選んだのでしょう。
(中略)
そのミルクレープの味が忘れられません。
自分で作って言うのもなんですが、本当においしかったのです。
それに、なによりもうれしかったのは、父が喜んでくれたことです。
あのミルクレープを、旅立つ前に、もう一度食べたいです。
「ライオンのおやつ」の一文
小川糸著/ポプラ文庫
第三部「小鳥とリムジン」
大吉の日は、まるでその料理をそのまま口に入れたかのような
豊かな気分を味わうことができる。こんな日は、決まっていい日だ。
コジマさんのオムツから、便がもれていない。
今日は、小吉とまでは言えないものの、まぁまぁの吉だった。
「小鳥とリムジン」の一文 小川糸著/ポプラ社
辛いことも思い返せば笑い話に
理夢人を後ろの荷台に乗せて、
私はぐいっと思いっきりペダルを踏み込んだ。
「上手、上手、小鳥、案外運動神経あるじゃん」
理夢人が歓声を上げる。私は、真剣だった。真っ直ぐ前方へと
自転車を走らせることに、全神経を集中させる。
(中略)
「大丈夫?嫌じゃない?」理夢人の両手がそっと伸びてきて、
私のおへその辺りで繋がった。「大丈夫、嫌じゃないよ」
泣きそうになるのをぐっと堪えて、私は理夢人の言葉を肯定形で繰り返す。
だって、今泣いたら、涙で周りが見えなくなって転んでしまう。
だから、今泣くわけにはいかない。それに、
私は今自分の子の目に映る光を、余すことなく記憶に留めたい。
だから、最大限まぶたを開けて、目の前の映像や匂いや音を、
脳裏にしっかり焼きつけた。私たちは、冷たい風に
フォトンを飛び散らせながら、小さな田舎の町を駆け抜ける。
「小鳥とリムジン」の一文 小川糸著/ポプラ社
性教育をすると寝た子を起こすかって言うけど、僕から言わせれば、
ちゃんとした性教育をしないことの方が
寝た子を変なふうに起こすと思うんだけど
「小鳥とリムジン」の一文 小川糸著/ポプラ社
●小川糸女史から鈴木保奈美女史へのお薦め本
「植物と叡智の間守り人」ロビン・ウォール・キマラー著/三木直子訳 築地書館
三部作小説の楽しみ方《伊坂幸太郎》PK 大森望
「PK」「超人」「密使」の三つの物語が一冊にまとめられた未来三部作
『PK新装版』伊坂幸太郎著/講談社文庫
最初から三部作構成を考えていた?
2024年11月16日土曜日
古文入門 古文の世界へ
「森の芸術祭 晴れの国・岡山」を詠む
冬の森絶対的答えなし
冬の洞未来かすかに響きけり
冬の雲掬って飲んで無味無臭
柿落葉虫食いの跡凛とせり
鬼気迫る独立独歩冬の虫
■古文入門 古文の世界へ
第1回 古文に親しむ
学習のポイント
一 「言語文化」って何?
二 名文選を読み、古文の読み方に慣れる
三 古語と現代語の違いを理解する
百人一首
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
中古(平安)
竹取物語
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
名をば、さぬきのみやつこ となむいひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。
それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。
枕草子
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山際、
少し明かりて、紫だちたる雲の 細くたなびきたる。
夏は、夜。月のことはさらなり、闇もなほ、
蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、
ほのかにうち光りていくも をかし。雨など降るもをかし。
源氏物語
いづれの御時にか、女御、更衣 あたま候ひ給ひける中に、
いとやむごとなき際には あらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。
中世(鎌倉)
方丈記
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。
平家物語
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには滅ぶぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
徒然草
つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)にむかひて、
心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ。
近世(江戸)
奥の細道
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて
老いを迎ふる者は、日々旅にして、旅を栖とす。
■古文入門 古文の世界へ
第2回 宇治拾遺(しゅうい)物語 児のそら寝 (1)
鎌倉時代の初期 説話集
「こぶとりじいさん」「舌きりすずめ」「わらしね長者」
学習ポイント
一 朗読を聞いた後、物語前半の内容を理解する
二 五十音図、現代語訳する際の注意点を知る
三 児(ちご)の心理を追跡する
これも 今は 昔、比叡の山に 児 ありけり。
僧たち、よひのつれづれに、「いざ、かいもちひ せむ。」
と言ひけるを、この 児、心よせに 聞きけり。さりとて
しいださむを 待ちて 寝ざらむも、わろかりなむと思ひて、
かたかたに 寄りて、寝たる よしにて、いでくるを 待ちけるに、
すでに しいだしたる さまにて、ひしめきあひたり。
この 児、さだめて おどろかさむずらむと 待ちゐたるに、
僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。」
と 言ふを、うれしとは思へども、ただ 一度に いらへむも、
待ちけるかともぞ 思ふとて、いま ひとこゑ 呼ばれて
いらへむと、念じて 寝たるほどに、「や、な 起こしたてまつりそ。
をさなき 人は 寝入りたまひにけり。」 と言ふ こゑの しければ、
あな わびしと 思ひて、いま 一度 起こせかしと 思ひ寢に 聞けば、
ひしひしと ただ 食ひに 食う音の しければ、ずちなくて、無期の のちに、
「えい。」と いらへたりければ、僧たち わらふ こと かぎりなし。
ゐ=為 ゑ=恵
■古文入門 古文の世界へ
第3回 宇治拾遺物語 児のそら寝 (2)
学習のポイント
一 児の心理の追跡を続け、児と僧との駆け引きのおもしろさを味わう
二 単語の分類を理解する
三 僧が笑った理由を考える
単語…これ以上分けられない 言葉の最小単位
単語は品詞に分類される
⇩
単語の意味的・文法的に分類したもの
品詞(十種類)
名詞(体言) 動詞 形容詞 形容動詞(用言) 副詞
連体詞 接続詞 感動詞 助動詞(付属語) 助詞
語の形が変わる=活用する
文節…単語の次に小さな単位
自立語と一緒になって初めて意味をなすのが付属語
食ひに 食う(強調表現)
元気な笑いこそが説話の一番のおかしみ
冬の森絶対的答えなし
冬の洞未来かすかに響きけり
冬の雲掬って飲んで無味無臭
柿落葉虫食いの跡凛とせり
鬼気迫る独立独歩冬の虫
■古文入門 古文の世界へ
第1回 古文に親しむ
学習のポイント
一 「言語文化」って何?
二 名文選を読み、古文の読み方に慣れる
三 古語と現代語の違いを理解する
百人一首
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
中古(平安)
竹取物語
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
名をば、さぬきのみやつこ となむいひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。
それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。
枕草子
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山際、
少し明かりて、紫だちたる雲の 細くたなびきたる。
夏は、夜。月のことはさらなり、闇もなほ、
蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、
ほのかにうち光りていくも をかし。雨など降るもをかし。
源氏物語
いづれの御時にか、女御、更衣 あたま候ひ給ひける中に、
いとやむごとなき際には あらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。
中世(鎌倉)
方丈記
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。
平家物語
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには滅ぶぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
徒然草
つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)にむかひて、
心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ。
近世(江戸)
奥の細道
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて
老いを迎ふる者は、日々旅にして、旅を栖とす。
■古文入門 古文の世界へ
第2回 宇治拾遺(しゅうい)物語 児のそら寝 (1)
鎌倉時代の初期 説話集
「こぶとりじいさん」「舌きりすずめ」「わらしね長者」
学習ポイント
一 朗読を聞いた後、物語前半の内容を理解する
二 五十音図、現代語訳する際の注意点を知る
三 児(ちご)の心理を追跡する
これも 今は 昔、比叡の山に 児 ありけり。
僧たち、よひのつれづれに、「いざ、かいもちひ せむ。」
と言ひけるを、この 児、心よせに 聞きけり。さりとて
しいださむを 待ちて 寝ざらむも、わろかりなむと思ひて、
かたかたに 寄りて、寝たる よしにて、いでくるを 待ちけるに、
すでに しいだしたる さまにて、ひしめきあひたり。
この 児、さだめて おどろかさむずらむと 待ちゐたるに、
僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。」
と 言ふを、うれしとは思へども、ただ 一度に いらへむも、
待ちけるかともぞ 思ふとて、いま ひとこゑ 呼ばれて
いらへむと、念じて 寝たるほどに、「や、な 起こしたてまつりそ。
をさなき 人は 寝入りたまひにけり。」 と言ふ こゑの しければ、
あな わびしと 思ひて、いま 一度 起こせかしと 思ひ寢に 聞けば、
ひしひしと ただ 食ひに 食う音の しければ、ずちなくて、無期の のちに、
「えい。」と いらへたりければ、僧たち わらふ こと かぎりなし。
ゐ=為 ゑ=恵
■古文入門 古文の世界へ
第3回 宇治拾遺物語 児のそら寝 (2)
学習のポイント
一 児の心理の追跡を続け、児と僧との駆け引きのおもしろさを味わう
二 単語の分類を理解する
三 僧が笑った理由を考える
単語…これ以上分けられない 言葉の最小単位
単語は品詞に分類される
⇩
単語の意味的・文法的に分類したもの
品詞(十種類)
名詞(体言) 動詞 形容詞 形容動詞(用言) 副詞
連体詞 接続詞 感動詞 助動詞(付属語) 助詞
語の形が変わる=活用する
文節…単語の次に小さな単位
自立語と一緒になって初めて意味をなすのが付属語
食ひに 食う(強調表現)
元気な笑いこそが説話の一番のおかしみ
2024年11月15日金曜日
うっかりミスで一句&現代文 道程
声冴ゆる知力・気力と胆力と
冬紅葉打ちつけ残す色永遠へ
冬ぬくしすぐに忘るる特技持ち
冬の潮自立もできず夫源病
月氷る金と病としがらみと
■10min.ボックス 現代文 道程(高村光太郎)
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちにされた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
それぞれの道程
詩がたどった「道程」
どこかに通じている大道を
僕は歩いているのじゃない
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
道は僕のふみしだいで来た足あとだ
だから
道の最端にいつでも僕は立っている
何という曲がりくねり
迷いまよった道だろう
自堕落に消え滅びかけたあの道
幼い苦悩にもみつぶされたあの道
絶望に閉じ込められたあの道
■プレバト纏め 2024年11月14日
うっかりミスで一句
永世名人 村上健志のお手本 俳句史に残る句集作り
雑巾にガラス破片と今朝の冬
添削(今朝の冬:初冬の季語 立冬の日の朝 うっかりがダブルで入っている
うっかりガラスを割った うっかり雑巾にガラスの破片が残っていました
「と」並列に置いた事で季語の勢いが弱くなった 動詞の方が勢いがある)
雑巾にガラスの破片冬来る
森口瑤子の昇格試験
おでんは玉子逞しき口内炎
(逞しき オリジナリティーがずば抜けている
企みがうまい! 破調の句 575のリズムをあえて崩して詠む
内容と調べが企めている)
1位 矢柴俊博
網棚に置きし卒論冬の朝
(エピソードを17音で書くのは難しい これは見事!
出来事を淡々と書いただけ 物だけを書く 俳句はモノに語らせる
背後を理解してもらう 俳句のメカニズムを理解しないと
「これでOK」と思えない その時の心情が読み手にストレートに流れ込んでくる
「うっかり」を見事に書いている)
2位 IKKO
帯留めに選ぶ翡翠や帰り花
(返り花:初冬の季語 草木が咲くはずのない季節に開花
うっかり感が多少薄い 精通している人でないとうっかりがぴんと来ない)
3位 川島如恵留
ズレているマークシートや虎落笛
添削(虎落笛:冬の季語 風が「ひゅうひゅう」と笛のような音を立てる
状況に対してのんびりしている 読者は本番 内容と調べは連動すべき
ずれてるとして慌てた感じを出す 基本形は出来ている 季語の位置を学べ)
マークシートずれてる虎落笛の窓
4位 水田信二
ごみ捨て場両手見つめる冬の朝
添削(状況が把握できない)
ゴミ袋手になく冬のゴミ置き場
5位 大友花恋
裸木や露天にマスクつけ浸かる
添削(裸木:冬の季語 全ての葉が散ってしまった木
最近マスクの季節感が薄くなっている しかし冬の季語である
早計に過ぎる 詠嘆しているから意図したことはやれている
浸かる 音数の無駄遣い 露店とは屋根のない場所
自分も裸で木も裸と考えたのであれば
季語が主役ではなくネタになっている)
冬温しマスクのままで露天風呂
年の瀬やマスクのままで露天風呂
マスクを季語にしたければ
失恋やマスクのままで露天風呂
次回のお題は「お土産」
冬紅葉打ちつけ残す色永遠へ
冬ぬくしすぐに忘るる特技持ち
冬の潮自立もできず夫源病
月氷る金と病としがらみと
■10min.ボックス 現代文 道程(高村光太郎)
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちにされた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
それぞれの道程
詩がたどった「道程」
どこかに通じている大道を
僕は歩いているのじゃない
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
道は僕のふみしだいで来た足あとだ
だから
道の最端にいつでも僕は立っている
何という曲がりくねり
迷いまよった道だろう
自堕落に消え滅びかけたあの道
幼い苦悩にもみつぶされたあの道
絶望に閉じ込められたあの道
■プレバト纏め 2024年11月14日
うっかりミスで一句
永世名人 村上健志のお手本 俳句史に残る句集作り
雑巾にガラス破片と今朝の冬
添削(今朝の冬:初冬の季語 立冬の日の朝 うっかりがダブルで入っている
うっかりガラスを割った うっかり雑巾にガラスの破片が残っていました
「と」並列に置いた事で季語の勢いが弱くなった 動詞の方が勢いがある)
雑巾にガラスの破片冬来る
森口瑤子の昇格試験
おでんは玉子逞しき口内炎
(逞しき オリジナリティーがずば抜けている
企みがうまい! 破調の句 575のリズムをあえて崩して詠む
内容と調べが企めている)
1位 矢柴俊博
網棚に置きし卒論冬の朝
(エピソードを17音で書くのは難しい これは見事!
出来事を淡々と書いただけ 物だけを書く 俳句はモノに語らせる
背後を理解してもらう 俳句のメカニズムを理解しないと
「これでOK」と思えない その時の心情が読み手にストレートに流れ込んでくる
「うっかり」を見事に書いている)
2位 IKKO
帯留めに選ぶ翡翠や帰り花
(返り花:初冬の季語 草木が咲くはずのない季節に開花
うっかり感が多少薄い 精通している人でないとうっかりがぴんと来ない)
3位 川島如恵留
ズレているマークシートや虎落笛
添削(虎落笛:冬の季語 風が「ひゅうひゅう」と笛のような音を立てる
状況に対してのんびりしている 読者は本番 内容と調べは連動すべき
ずれてるとして慌てた感じを出す 基本形は出来ている 季語の位置を学べ)
マークシートずれてる虎落笛の窓
4位 水田信二
ごみ捨て場両手見つめる冬の朝
添削(状況が把握できない)
ゴミ袋手になく冬のゴミ置き場
5位 大友花恋
裸木や露天にマスクつけ浸かる
添削(裸木:冬の季語 全ての葉が散ってしまった木
最近マスクの季節感が薄くなっている しかし冬の季語である
早計に過ぎる 詠嘆しているから意図したことはやれている
浸かる 音数の無駄遣い 露店とは屋根のない場所
自分も裸で木も裸と考えたのであれば
季語が主役ではなくネタになっている)
冬温しマスクのままで露天風呂
年の瀬やマスクのままで露天風呂
マスクを季語にしたければ
失恋やマスクのままで露天風呂
次回のお題は「お土産」
2024年11月14日木曜日
100分de名著❝百人一首❞(1)「外から」見た魅力と謎
冬の朝お薄一気に飲み干さん
冬紅葉音の欠片を受け取らん
冬ぬくし泉谷(しげる氏)に次ぐふうかちゃん
人肌を感じるダンス冬星座
特許より拡散で勝つ冬銀河
■100分de名著❝百人一首❞(1)「外から」見た魅力と謎
ピーター・マクミラン(日本文学研究者) 伊集院光 阿部みちこ
五七 紫式部
めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜はの月かげ
恋 自然 人間の性を詠んだ
本当は「百人百首」ではないか 一首入魂のものだから
選者は藤原定家?
最近の研究では藤原定家が編んでいないという学説が主流
男女比 男性79 女性21
和歌のテーマ 恋43 四季32 旅・離別・その他25
歌人の身分 天皇・新王・貴族 僧侶 女房
当時和歌は欠かせない「たしなみ」だった
通い婚 男女が別々に暮らしていてまず和歌を送って贈答歌をして
和歌が書けなければ彼女はゲットできない
仕事場で重要なコミュニケーションの道具でもあった
宮中の儀礼 歌合せの会
SNSは絵文字を使ったり違う表現方法だけど
(和歌と)通じるものがあるのではないか
間接的に気持ちを表現するのは和歌もSNSも同じような世界観を感じる
四〇 平兼盛(たいらのかねもり)
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
人に知られないよう心中に秘めていたのに、顔色にでてしまったことであるよ、
私の恋心は。「もの思いをしているのですか」と 人が尋ねるほどまでに。
四六 曽禰好忠(そねのよしただ)
由良の門(と)を 渡る舟人 梶(かぢ)を絶え 行方も知らぬ 恋の道かな
由良の流れの速い瀬戸を 漕ぎ渡っていく船頭が、櫂をなくして行方も知らず
流されていくように、どこへどう進むかも分からない、わたくしの恋の道であるよ。
他の人でも同じ体験したと意外と普遍的だなと
百人一首を読むと私ひとりじゃないとすごくわかる
恋をした時だけが自分のコントロールが利かなくなる
普遍的に詠んでいる歌のひとつ
「百人一首」は普遍的なテーマで歌を詠んでいるので
世界のどこの方でもどんな年でも理解しやすい歌が非常に多い
西洋のポエムも和歌は比較すると伝わる
九 小野小町
花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身よにふる ながめせしまに
美しい桜の色は、もうむなしく 色あせてしまったことよ、
春の長雨が降っていた間に。自分の花のように美しかった容色も、
むなしく衰えてしまったことだ、男女の間のことで物思いにふけっていた間に。
アイルランドの詩 アイルランド神話に出てくる女神
私はベアールの老婆、かつてはいつも新しいドレスを着ていた
今日―みすぼらしい姿になってー私は捨てられたドレスさえまとっていない
五月祭がやってくると乙女たちは喜ぶ私にとっては悲しみが日常私は惨めな老婆
自分の老いていく姿を冬とたとえ 自分の若さを夏とたとえる
時の残酷さが出ている
西洋の詩と和歌の違いは❓
和歌は集団行為 みんなで一緒に詠む 敷居が低い
海外では魂を極める
自分の孤独を見つめていって自分だけにしかない世界観を詠んでいく
メランコリーとか孤独感を求めていく
社交のために使われていることと自分の人生をオリジナルに書いていくことの差
和歌は書きやすい 31文字になっていれば大丈夫
敷居は低いけど大勢いるからその中にとんでもないヤツもいる
31文字で世界観が全部表現されている
縁語とか掛詞(かけことば)によって両方の世界を同時に詠んでいる
小野小町の歌は百人一首の中で一番巧みな歌
制限と自由だと自由が上だって感じが若い頃はする
制限があるがゆえに考え抜いたものは自由を超える
想像力の幅を持たせながら大事なことが入っている
制限があるからこそ優れた世界観を生み出して完成していった
秋をテーマにした和歌は十六首ある
二三 大江千里(おおえのちさと)
月見れば 千々(ちぢ)に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
月を見ると、様々にもの悲しい。私ひとりのための 秋ではないけれども。
秋とももの悲しいが結びついたのは平安時代のころから
この句では千々にとひとつのが対句になっている
四 山辺赤人(やまべのあかひと)
田子の裏に うち出でてみれば 白たへの 富士の高嶺に 雪は降りつつ
田子の裏に出て眺めてみると、真っ白な富士山の高嶺に 雪が降りしきっていることだ。
九九 後鳥羽院(ごとばいん)
人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
人が愛しく思われ、また恨めしくも思われることだ。
つまらなくこの世の中を思うために、いろいろと物思いをする私は。
数を使うということは詩的ではない 対比に意外性があり論理的
千々を使うのは斬新的
富士山の山頂で雪が降っていることを同時に頭の中で再生できる
自分が見た景色を自分の心に映した鏡として書き残すと一番ベスト
人を愛すると同時に恨めしい 複雑な矛盾な気持ちを詠んでいる
四季の移ろいとか自然かと思っていましたが人の愛憎が一番普遍的だったとは
世界では四季の感じ方は違う
しかし恋愛や人間の深い愛情はどんな方でもどこの国でも同じです
人間として孤独じゃなくなる
国に対しての壁がなくなったり 人類に対しての壁がなくなったり
そういうことも含んでいる それは文学の力
世界の文学として非常に普遍性のある作品
冬紅葉音の欠片を受け取らん
冬ぬくし泉谷(しげる氏)に次ぐふうかちゃん
人肌を感じるダンス冬星座
特許より拡散で勝つ冬銀河
■100分de名著❝百人一首❞(1)「外から」見た魅力と謎
ピーター・マクミラン(日本文学研究者) 伊集院光 阿部みちこ
五七 紫式部
めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜はの月かげ
恋 自然 人間の性を詠んだ
本当は「百人百首」ではないか 一首入魂のものだから
選者は藤原定家?
最近の研究では藤原定家が編んでいないという学説が主流
男女比 男性79 女性21
和歌のテーマ 恋43 四季32 旅・離別・その他25
歌人の身分 天皇・新王・貴族 僧侶 女房
当時和歌は欠かせない「たしなみ」だった
通い婚 男女が別々に暮らしていてまず和歌を送って贈答歌をして
和歌が書けなければ彼女はゲットできない
仕事場で重要なコミュニケーションの道具でもあった
宮中の儀礼 歌合せの会
SNSは絵文字を使ったり違う表現方法だけど
(和歌と)通じるものがあるのではないか
間接的に気持ちを表現するのは和歌もSNSも同じような世界観を感じる
四〇 平兼盛(たいらのかねもり)
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
人に知られないよう心中に秘めていたのに、顔色にでてしまったことであるよ、
私の恋心は。「もの思いをしているのですか」と 人が尋ねるほどまでに。
四六 曽禰好忠(そねのよしただ)
由良の門(と)を 渡る舟人 梶(かぢ)を絶え 行方も知らぬ 恋の道かな
由良の流れの速い瀬戸を 漕ぎ渡っていく船頭が、櫂をなくして行方も知らず
流されていくように、どこへどう進むかも分からない、わたくしの恋の道であるよ。
他の人でも同じ体験したと意外と普遍的だなと
百人一首を読むと私ひとりじゃないとすごくわかる
恋をした時だけが自分のコントロールが利かなくなる
普遍的に詠んでいる歌のひとつ
「百人一首」は普遍的なテーマで歌を詠んでいるので
世界のどこの方でもどんな年でも理解しやすい歌が非常に多い
西洋のポエムも和歌は比較すると伝わる
九 小野小町
花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身よにふる ながめせしまに
美しい桜の色は、もうむなしく 色あせてしまったことよ、
春の長雨が降っていた間に。自分の花のように美しかった容色も、
むなしく衰えてしまったことだ、男女の間のことで物思いにふけっていた間に。
アイルランドの詩 アイルランド神話に出てくる女神
私はベアールの老婆、かつてはいつも新しいドレスを着ていた
今日―みすぼらしい姿になってー私は捨てられたドレスさえまとっていない
五月祭がやってくると乙女たちは喜ぶ私にとっては悲しみが日常私は惨めな老婆
自分の老いていく姿を冬とたとえ 自分の若さを夏とたとえる
時の残酷さが出ている
西洋の詩と和歌の違いは❓
和歌は集団行為 みんなで一緒に詠む 敷居が低い
海外では魂を極める
自分の孤独を見つめていって自分だけにしかない世界観を詠んでいく
メランコリーとか孤独感を求めていく
社交のために使われていることと自分の人生をオリジナルに書いていくことの差
和歌は書きやすい 31文字になっていれば大丈夫
敷居は低いけど大勢いるからその中にとんでもないヤツもいる
31文字で世界観が全部表現されている
縁語とか掛詞(かけことば)によって両方の世界を同時に詠んでいる
小野小町の歌は百人一首の中で一番巧みな歌
制限と自由だと自由が上だって感じが若い頃はする
制限があるがゆえに考え抜いたものは自由を超える
想像力の幅を持たせながら大事なことが入っている
制限があるからこそ優れた世界観を生み出して完成していった
秋をテーマにした和歌は十六首ある
二三 大江千里(おおえのちさと)
月見れば 千々(ちぢ)に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
月を見ると、様々にもの悲しい。私ひとりのための 秋ではないけれども。
秋とももの悲しいが結びついたのは平安時代のころから
この句では千々にとひとつのが対句になっている
四 山辺赤人(やまべのあかひと)
田子の裏に うち出でてみれば 白たへの 富士の高嶺に 雪は降りつつ
田子の裏に出て眺めてみると、真っ白な富士山の高嶺に 雪が降りしきっていることだ。
九九 後鳥羽院(ごとばいん)
人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
人が愛しく思われ、また恨めしくも思われることだ。
つまらなくこの世の中を思うために、いろいろと物思いをする私は。
数を使うということは詩的ではない 対比に意外性があり論理的
千々を使うのは斬新的
富士山の山頂で雪が降っていることを同時に頭の中で再生できる
自分が見た景色を自分の心に映した鏡として書き残すと一番ベスト
人を愛すると同時に恨めしい 複雑な矛盾な気持ちを詠んでいる
四季の移ろいとか自然かと思っていましたが人の愛憎が一番普遍的だったとは
世界では四季の感じ方は違う
しかし恋愛や人間の深い愛情はどんな方でもどこの国でも同じです
人間として孤独じゃなくなる
国に対しての壁がなくなったり 人類に対しての壁がなくなったり
そういうことも含んでいる それは文学の力
世界の文学として非常に普遍性のある作品
2024年11月13日水曜日
山崎健太郎「52間の縁側」&夏井いつきのよみ旅!in秋田 前編
冬の虫愛の表現あっさりと
東証のインサイダーや鎌鼬(かまいたち)
寒潮や法の番人インサイダー
闇バイト自己責任で冬の海
冬日向動く交番待ちかねて
■新美の巨人たち 山崎健太郎「52間の縁側」
今の施設は便利だけど自由じゃない
日本から失われつつある美しい風景がここに
使う人の幸せを考え抜いた優しい建築を考える
高低差があったり後ろの壁があったりすると体の向きが決まる
アリバイができるというか一人でいても理由があるとか
一人でいる人が寂しそうに見えないように設計するのが大切かもしれない
居方とは「人間がある場所に居る様子や人の居る風景を扱う枠組み」
「外部から観察されるものであること」
居合わせる 思い思いの 居場所 人の寄り添う建築
大きなプロジェクトってやっぱり収益のために建築が作られるのがほぼだし
設計するのがお金の手段になる
そうすると誰かのためにという心では まずやらないし ?がついたと思う
「どこにいてもお互いの息遣いがわかるし 孤立感はない
新しいこれからの人生の提案という形で設計してくれた」
と、山崎さんのお父さまは受け取っておられるとか…。
定年を迎えた夫婦がこれからの人生を過ごす家、使う人に優しく寄り添い
暮しを創造して作りあげました
建築って大きな全体からすると本当に始まりだから
始まりしか僕らはできないんですよ 建築の設計って
でもこの始まりに形にしておかなくちゃいけないことがきっとあって
希望みたいなものだと思う 安心して歳をとっていくとか
不安な時には助けてって言えるような そういう場所がないと
(人は)嫌なんだと思う そういう希望のために建築を作ることが
僕らの仕事
■夏井いつきのよみ旅!in 秋田 前編
秋田大館
忠犬ハチ公MEMO 1924年(大正13)渋谷へ 飼い主は上野英三郎博士
今年100年 忠犬ハチ公の故郷
昭和6年日本犬で初めて国の天然記念物に指定された
秋田犬の里 館長 佐藤和浩
俳句ひとくちMEMO
秋田犬は熊などの狩猟を行なうマタギのパートナーだった
マタギは秋田ならではの冬の季語
秋田犬はマタギ犬と呼ばれ大事にされていた
空高し響く音色や夢の道 工藤剛
(空高し:秋の季語)
換気扇風車香(かざぐるまこう)冬の宵 鈴木正長(まさたけ)
(冬の宵:冬の季語)
淡墨香(たんぼくか)静穏(せいおん)の書月うさぎ 富樫今日子
(月:秋の季語)
大館 「曲げわっぱ」の工房へ!
伝統工芸士 中澤恵梨
満月が輝くステージ希求成就(ききゅうじょうじゅ)
富樫今日子
(中澤さんMEMO 希求成就はオリジナルの四字熟語
未来への希望と決意を込めた言葉)
曲げわっぱのやうな月です我が道です 夏井いつき
秋の空十七の決意潔し 成田夏子
(秋の空:秋の季語) 長女・詠美さん
夏井いつき先生「娘がすばらしかったって素直に常に言ってあげられる
お母さんのすばらしさも私は第三者として褒めてあげたいと思うよ」
病室の階下を羨む星月夜 市川泉
(星月夜:秋の季語)夫・聡 次女・栞が闘病を支えた
市川ファミリーMAMO
月の1回家族全員で大館市内で読み聞かせの会を開催
いつきセレクト 集まった俳句からもう一句紹介します!
冬日和足形の成長記録 淀瀬達也
東証のインサイダーや鎌鼬(かまいたち)
寒潮や法の番人インサイダー
闇バイト自己責任で冬の海
冬日向動く交番待ちかねて
■新美の巨人たち 山崎健太郎「52間の縁側」
今の施設は便利だけど自由じゃない
日本から失われつつある美しい風景がここに
使う人の幸せを考え抜いた優しい建築を考える
高低差があったり後ろの壁があったりすると体の向きが決まる
アリバイができるというか一人でいても理由があるとか
一人でいる人が寂しそうに見えないように設計するのが大切かもしれない
居方とは「人間がある場所に居る様子や人の居る風景を扱う枠組み」
「外部から観察されるものであること」
居合わせる 思い思いの 居場所 人の寄り添う建築
大きなプロジェクトってやっぱり収益のために建築が作られるのがほぼだし
設計するのがお金の手段になる
そうすると誰かのためにという心では まずやらないし ?がついたと思う
「どこにいてもお互いの息遣いがわかるし 孤立感はない
新しいこれからの人生の提案という形で設計してくれた」
と、山崎さんのお父さまは受け取っておられるとか…。
定年を迎えた夫婦がこれからの人生を過ごす家、使う人に優しく寄り添い
暮しを創造して作りあげました
建築って大きな全体からすると本当に始まりだから
始まりしか僕らはできないんですよ 建築の設計って
でもこの始まりに形にしておかなくちゃいけないことがきっとあって
希望みたいなものだと思う 安心して歳をとっていくとか
不安な時には助けてって言えるような そういう場所がないと
(人は)嫌なんだと思う そういう希望のために建築を作ることが
僕らの仕事
■夏井いつきのよみ旅!in 秋田 前編
秋田大館
忠犬ハチ公MEMO 1924年(大正13)渋谷へ 飼い主は上野英三郎博士
今年100年 忠犬ハチ公の故郷
昭和6年日本犬で初めて国の天然記念物に指定された
秋田犬の里 館長 佐藤和浩
俳句ひとくちMEMO
秋田犬は熊などの狩猟を行なうマタギのパートナーだった
マタギは秋田ならではの冬の季語
秋田犬はマタギ犬と呼ばれ大事にされていた
空高し響く音色や夢の道 工藤剛
(空高し:秋の季語)
換気扇風車香(かざぐるまこう)冬の宵 鈴木正長(まさたけ)
(冬の宵:冬の季語)
淡墨香(たんぼくか)静穏(せいおん)の書月うさぎ 富樫今日子
(月:秋の季語)
大館 「曲げわっぱ」の工房へ!
伝統工芸士 中澤恵梨
満月が輝くステージ希求成就(ききゅうじょうじゅ)
富樫今日子
(中澤さんMEMO 希求成就はオリジナルの四字熟語
未来への希望と決意を込めた言葉)
曲げわっぱのやうな月です我が道です 夏井いつき
秋の空十七の決意潔し 成田夏子
(秋の空:秋の季語) 長女・詠美さん
夏井いつき先生「娘がすばらしかったって素直に常に言ってあげられる
お母さんのすばらしさも私は第三者として褒めてあげたいと思うよ」
病室の階下を羨む星月夜 市川泉
(星月夜:秋の季語)夫・聡 次女・栞が闘病を支えた
市川ファミリーMAMO
月の1回家族全員で大館市内で読み聞かせの会を開催
いつきセレクト 集まった俳句からもう一句紹介します!
冬日和足形の成長記録 淀瀬達也
2024年11月12日火曜日
芸能きわみ堂 源氏物語 前・後編
(記憶なし)運動会母の手造りお弁当
紫式部心の丈を雄弁に
戦場で愛を伝えん冬薔薇(そうび)
愛せない人と暮らして冬の夜
冬の星愛を知らずに年重ね
■芸能きわみ堂
紫式部心の丈を雄弁に
戦場で愛を伝えん冬薔薇(そうび)
愛せない人と暮らして冬の夜
冬の星愛を知らずに年重ね
■芸能きわみ堂
あなたのみゆるは○○式部!?
京都にいきづく源氏物語の世界・前編
小倉百人一首
藤原定家が選んだ飛鳥時代から鎌倉時代にかけて
100人の有名な歌人の和歌を集めた歌集
嵯峨・嵐山×平安貴族の別荘地 大亀山(だいきざん)宝厳院
嵐山借景 回遊式山水庭園 獅子吼(く)の庭 書院
源氏物語 古典芸能 清凉寺(嵯峨釈迦堂) 執事 大田清昭
本尊 釈迦如来(国宝) 「嵯峨大念仏狂言」 阿弥陀堂
光源氏が山辺の別荘を建てた 源融(みなもとのとおる)
光源氏のモデルの一人とされ阿弥陀堂の辺りに別荘・棲霞観があったと言われる
源氏物語(松風)(光源氏の)つくらせたもう御堂は大覚寺の南にあたりて
瀧殿の心ばへなど劣らずおもしろき寺なり
源融に瓜二つの阿弥陀様の像がつくられた 阿弥陀三尊(国宝)
源氏物語 美しき色彩の世界 吉岡更紗
天然の植物を使って染色をしている
黄色はススキのような植物の茎とか葉っぱの黄色を使っている
アカネという植物の根に赤い色素がある
平安時代は色を重ねる組み合わせで季節を表現
色は増えたと言われている
源氏物語に登場した和菓子
有斐斎弘道館 和菓子店 店主太田達
一期一会 お菓子が「椿餅」で奈良時代後期から存在がわかっている
源氏物語(若菜上)椿餅 梨 柑子(こうじ)ようなものども さまざまに
箱の蓋どもに とり混ぜつつあるを 若き人びとそぼれ食ふ
道明寺粉 こしあん 椿の葉
源氏物語(幻)で菊が出てくる
人の生と死の部分 人が隠れるときに菊が象徴的に使われる
元気な椿餅と合わせて「陰」と「陽」を表現したお菓子
ちょこっとリポート 源氏物語と花街
祇園 花街芸術資料館 杉浦京子
都をどり 2024年のテーマが源氏物語
舞妓用着物「御所車」夕顔 「彩映花舟文」 「短冊に文字」
京舞井上流 井上安寿子 家元五世井上八千代
四世 井上八千代(愛子)(1905~2004)
源氏物語をテーマにした曲がある「蓬生(よもぎう)」「夕顔」
京舞 地唄 葵上
この上はとて立ち寄りて
(源氏物語の正妻である葵の上への嫉妬にかられた
六条御息所は 生霊となり葵の上を苦しめる
今の恨みは在りし報い瞋恚(しんに)の炎(ほむら)は身を焦がす
思い知らずや思い知れ 恨めしの心や あら恨めしの心や
人の恨みの深くして 憂きねに泣かせ給ふとも
水暗き沢辺の蛍の影よりも 光る君とぞ契らん
■芸能きわみ堂
京都にいきづく源氏物語りの世界 後編
京都嵐山 宝厳院 書院 京舞井上流
葵上 井上安寿子 六条御息所
京舞の見方 3つのポイント
① おいどを下ろす
上半身は伸ばしたまま 腰を落とし 重心を下げる
美しい身体表現が可能になる
② 感情は内に秘め上品に舞う
御息所が葵上を打ちつける場面
高貴な女性ゆえ激しくストレートに見せてはいけない
③ 目線の作り方
蛍を目で追いかける
基本姿勢が非常にしんどい
扇 庭木のちょこっとリポート
扇の知られざる豊かな世界 扇店当主 南忠政 創業200年
夏扇 檜扇(ひおおぎ) できた時は儀式の台本などが書かれていた
顔を隠したり 柄の美しさを競った
川村裕子
朧月夜と光源氏が名前を明かさず会う場面で扇を交換
名前がわからない 扇を持っている人を探す
単に風を送り出すだけではない
扇は人の心を乗せたままヒラヒラ舞っている
扇子店 代表 大西里枝
扇子は京都で生まれ1200年間人々に愛されてきた
蝶 桐箱(枕) 投扇興(とうせんきょう)
落ちた形で点数を競う
投扇興対決 大久保佳代子 対 泉里香
花散里 三点 関屋 二点
ゆらり 二点 ゆらり 二点
ゆらり 二点 夕霧(霧に隠れたように見える) 五点
扇の豊かな世界
京舞 蓬生(よもぎふ) 京舞井上流五世家元 井上八千代
京舞で私が大切にしていることは自然体でありたい
日常の動作が基本であるということ 素直でありたい
作り込まない と思っております。
光源氏 末摘花 をどう舞うのか?
静かめにしておいた方が末摘花が (光源氏)男になったときに
同じなりですから分かるかなと 思っております
源氏になったとたんに 足を強く踏みながら 出てくる
ちょっとした音ですけど そこで変化がつく
京舞 地唄 蓬生
作詞 谷崎潤一郎 作曲 富崎春昇 振付 井上佐多
唄と三絃 小桃 ます穂 幸苑 笛 章乃 筝 まめ鈴
よしや蓬生に 年を経て 埋もれ果てん 身なりとも
昔馴れにし 唐衣(からごろも) 君がなさけに 背(そむ)かじな
縁(えにし)の糸の 玉かづら ただ一すぢに 絶えせじと
恋ふる 袂の ひまなきに 破(や)れしひさしの 隙間もる
雫さえ 添ふ折しもあれ 名残の雨の あと晴れて 卯月の空に
夕月の 艶なる君が 面影や 雨にまされる下露に ぬるるも何か
たづねても 我こそ 訪はめ道もなく 深き蓬の もとの心を
(蓬が生い茂るほど荒れ果てた様子の屋敷
ここに住む末摘花は鼻が長く赤い特徴的な容姿の女君
光源氏が都に戻ったと聞き再会を待ち焦がれる
長くつややかな末摘花の黒髪
ひさしが破れ雨漏りする中孤独に待ち続けている
美しい夕月のもと現れたのは光源氏
高貴な身分にふさわしく品格ある装束を身にまとう
露にぬれた草を踏み分け屋敷を訪ねる光源氏
ただ一途に恋い慕う末摘花
そのけなげさに光源氏は心打たれる)
京舞井上流五世家元 井上八千代女史の「蓬生」素晴らしかった。
武原はん女史の地唄舞を拝見して以来の感動でした。
やはり創ってはいけませんよね。
ありのままの自分を出さないとですよね。
京都にいきづく源氏物語の世界・前編
小倉百人一首
藤原定家が選んだ飛鳥時代から鎌倉時代にかけて
100人の有名な歌人の和歌を集めた歌集
嵯峨・嵐山×平安貴族の別荘地 大亀山(だいきざん)宝厳院
嵐山借景 回遊式山水庭園 獅子吼(く)の庭 書院
源氏物語 古典芸能 清凉寺(嵯峨釈迦堂) 執事 大田清昭
本尊 釈迦如来(国宝) 「嵯峨大念仏狂言」 阿弥陀堂
光源氏が山辺の別荘を建てた 源融(みなもとのとおる)
光源氏のモデルの一人とされ阿弥陀堂の辺りに別荘・棲霞観があったと言われる
源氏物語(松風)(光源氏の)つくらせたもう御堂は大覚寺の南にあたりて
瀧殿の心ばへなど劣らずおもしろき寺なり
源融に瓜二つの阿弥陀様の像がつくられた 阿弥陀三尊(国宝)
源氏物語 美しき色彩の世界 吉岡更紗
天然の植物を使って染色をしている
黄色はススキのような植物の茎とか葉っぱの黄色を使っている
アカネという植物の根に赤い色素がある
平安時代は色を重ねる組み合わせで季節を表現
色は増えたと言われている
源氏物語に登場した和菓子
有斐斎弘道館 和菓子店 店主太田達
一期一会 お菓子が「椿餅」で奈良時代後期から存在がわかっている
源氏物語(若菜上)椿餅 梨 柑子(こうじ)ようなものども さまざまに
箱の蓋どもに とり混ぜつつあるを 若き人びとそぼれ食ふ
道明寺粉 こしあん 椿の葉
源氏物語(幻)で菊が出てくる
人の生と死の部分 人が隠れるときに菊が象徴的に使われる
元気な椿餅と合わせて「陰」と「陽」を表現したお菓子
ちょこっとリポート 源氏物語と花街
祇園 花街芸術資料館 杉浦京子
都をどり 2024年のテーマが源氏物語
舞妓用着物「御所車」夕顔 「彩映花舟文」 「短冊に文字」
京舞井上流 井上安寿子 家元五世井上八千代
四世 井上八千代(愛子)(1905~2004)
源氏物語をテーマにした曲がある「蓬生(よもぎう)」「夕顔」
京舞 地唄 葵上
この上はとて立ち寄りて
(源氏物語の正妻である葵の上への嫉妬にかられた
六条御息所は 生霊となり葵の上を苦しめる
今の恨みは在りし報い瞋恚(しんに)の炎(ほむら)は身を焦がす
思い知らずや思い知れ 恨めしの心や あら恨めしの心や
人の恨みの深くして 憂きねに泣かせ給ふとも
水暗き沢辺の蛍の影よりも 光る君とぞ契らん
■芸能きわみ堂
京都にいきづく源氏物語りの世界 後編
京都嵐山 宝厳院 書院 京舞井上流
葵上 井上安寿子 六条御息所
京舞の見方 3つのポイント
① おいどを下ろす
上半身は伸ばしたまま 腰を落とし 重心を下げる
美しい身体表現が可能になる
② 感情は内に秘め上品に舞う
御息所が葵上を打ちつける場面
高貴な女性ゆえ激しくストレートに見せてはいけない
③ 目線の作り方
蛍を目で追いかける
基本姿勢が非常にしんどい
扇 庭木のちょこっとリポート
扇の知られざる豊かな世界 扇店当主 南忠政 創業200年
夏扇 檜扇(ひおおぎ) できた時は儀式の台本などが書かれていた
顔を隠したり 柄の美しさを競った
川村裕子
朧月夜と光源氏が名前を明かさず会う場面で扇を交換
名前がわからない 扇を持っている人を探す
単に風を送り出すだけではない
扇は人の心を乗せたままヒラヒラ舞っている
扇子店 代表 大西里枝
扇子は京都で生まれ1200年間人々に愛されてきた
蝶 桐箱(枕) 投扇興(とうせんきょう)
落ちた形で点数を競う
投扇興対決 大久保佳代子 対 泉里香
花散里 三点 関屋 二点
ゆらり 二点 ゆらり 二点
ゆらり 二点 夕霧(霧に隠れたように見える) 五点
扇の豊かな世界
京舞 蓬生(よもぎふ) 京舞井上流五世家元 井上八千代
京舞で私が大切にしていることは自然体でありたい
日常の動作が基本であるということ 素直でありたい
作り込まない と思っております。
光源氏 末摘花 をどう舞うのか?
静かめにしておいた方が末摘花が (光源氏)男になったときに
同じなりですから分かるかなと 思っております
源氏になったとたんに 足を強く踏みながら 出てくる
ちょっとした音ですけど そこで変化がつく
京舞 地唄 蓬生
作詞 谷崎潤一郎 作曲 富崎春昇 振付 井上佐多
唄と三絃 小桃 ます穂 幸苑 笛 章乃 筝 まめ鈴
よしや蓬生に 年を経て 埋もれ果てん 身なりとも
昔馴れにし 唐衣(からごろも) 君がなさけに 背(そむ)かじな
縁(えにし)の糸の 玉かづら ただ一すぢに 絶えせじと
恋ふる 袂の ひまなきに 破(や)れしひさしの 隙間もる
雫さえ 添ふ折しもあれ 名残の雨の あと晴れて 卯月の空に
夕月の 艶なる君が 面影や 雨にまされる下露に ぬるるも何か
たづねても 我こそ 訪はめ道もなく 深き蓬の もとの心を
(蓬が生い茂るほど荒れ果てた様子の屋敷
ここに住む末摘花は鼻が長く赤い特徴的な容姿の女君
光源氏が都に戻ったと聞き再会を待ち焦がれる
長くつややかな末摘花の黒髪
ひさしが破れ雨漏りする中孤独に待ち続けている
美しい夕月のもと現れたのは光源氏
高貴な身分にふさわしく品格ある装束を身にまとう
露にぬれた草を踏み分け屋敷を訪ねる光源氏
ただ一途に恋い慕う末摘花
そのけなげさに光源氏は心打たれる)
京舞井上流五世家元 井上八千代女史の「蓬生」素晴らしかった。
武原はん女史の地唄舞を拝見して以来の感動でした。
やはり創ってはいけませんよね。
ありのままの自分を出さないとですよね。
2024年11月11日月曜日
兼題「梟」&テーマ「数字を入れる」
阿南市へオオヨシゴイがやってきた
オオヨシゴイ十四年ぶりに飛来せり
オオヨシゴイ長旅終えて身を隠す
オオヨシゴイ餌を求めて湿地帯
オオヨシゴイ日陰好んでうぉ~うぉ~うぉ~
■NHK俳句 兼題「梟(ふくろう)」
選者 西山睦 ゲスト 山田牧(ぼく) 司会 柴田英嗣
年間テーマ「やさしい手」
コーヒーの渦の星雲暖炉の火 西山睦
一杯と一服、日々に句読点。山田牧
小満や生地を捏(こ)ねたる手の厚み 山田牧
❝おしゃれな俳句❞を体感!
開店前梅干す日向貸しにけり 山田牧
・俳句三選 山田牧
プリン 立春大吉型よりプリンすつと出(い)づ
コーヒー 秋日濃しドリップの一滴を待ち
(俳句そのもの ネルでこすように雑念がろ過されていって
1滴しずくが出たのが俳句 であればいいな 西山睦先生)
灯台 冬の夜の灯台として喫茶店
(喫茶店の仕事は心の寄り道 街の景色の一つになれたらいいな
街の中の灯台 素敵なコンセプト)
喫茶店と俳句に共通することは❓
定点観測 一点からの写生すること
「人を丁寧に見る」と「待つ」は俳句そのもの
・特選六句発表 兼題「梟」
(鳴き声が怖い感じ すごみがある
冬の月を背景にして枝に止まっている感じが梟らしい)
ふくろうやわが家は村のどんづまり 高原晴子
梟の瞳に似たる樵(きこり)の目 木村祐子
ふくろふや母のふとんへもぐり込む 髙澤榮子
梟や窯(かま)の火番の三日目に 中川千代
梟や夜の座禅は宙に浮く 毛利尚人
梟やページ欠けたる乱歩読む 宮崎泉
一席 梟の翼の中に森包む 森田久子
二席 影として梟飛ぶや影の中 夏野あゆね
三席 梟の嘴(はし)に抗(あらが)ふものの影 荒井みゆき
柴田の歩み
ベロベロで一句
■NHK短歌 テーマ「数字を入れる」
選者 俵万智 ゲスト 木村達成 司会 ヒコロヒー
年間テーマ「光る愛の歌」
木村達成氏は三条天皇を演じられました。
・入選九首 テーマ「数字を入れる」
起き上がりこぼしのごとく並びおり五歳の書きし太き8の字
鵜川登旨(うかわとし)
「萩の月・10個入り」みたいアパートの窓それぞれにそれぞれの夜
毛糸
私 2合炊き、0.5杯の洗剤に君なきことを目盛りで学ぶ
大山城治(じょうじ)
私 生きてれば八十歳と母はまた父の年齢一つ進める
藤平怜
私 尋ねればあなたは何でも答えてくれる0と1しか知らないくせに
生田大五郎
二席 みすずかる信濃の山の遠けれどホクトのしめじ七十二円
塩本抄(しょう)(みすずかる:信濃にかかる枕詞)
六年がまた一年になったときちょっと弱くなった気がした
見坂卓郎
三席 友に送ったメールの返事を待つ二時間五日は待てた手紙の頃は
村田知子
一席 子を連れて戻ると聞いた君を待つ八年分のドーナツ買って
阿部裕
今回の句はすごかった!私の心にびんびん届きました。拍手を送ります。
・「光る君へ」で短歌を10倍楽しもう!
短歌はラップ ラップバトル
和歌を阿吽の呼吸でやりとりするのは心と心が
通じ合っているのを見せびらかした感じがある
いかにいかが数えやるべき八千歳(やちとせ)のあまり久しき君が御代(みよ)をば
まひろ
(万智訳)いかがして数えましょうか八千歳もつづくであろう君の御代をば
「五十日(いか)の儀」と「いか」をかけている
「八千歳の」は「百万ドルの…」のような
すごく大げさな大きな数字を出して伝える一つのいい方
あしたづのよはいしあらば君が代の千歳の数も数へ取りてむ
藤原道長
「光る君へ」から学べる 短歌づくりのポイントは❓
大げさな慣用句を使うのは現代短歌では難しい
具体的な描写に数字を用いると使い勝手がいい
・具体的な数字を使うことで慣用句ではないよりリアルな描写が可能になる
三秒を静止している重量挙げ選手の四年を思う一瞬
工藤吉生「沼の夢」
数字で決まるスポーツのすごさと残酷さ
百人一首より
心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな
三条院
(万智訳)長生きをしてしまったら思い出すだろう今夜の月の輝き
「心にもあらで」は「不本意にも」ということ
未来から今を見たら恋しいと思うということは
未来から今を見たら恋しいと思うということは未来は今よりずっと悪いはず
今を生きていない人の歌
・言葉のバトン
Twilightよい子は家(うち)に帰りましょう
興南高校(沖縄県)俳句部 知念ひなた
⇩
ママのカレーの香りにつられ
富山県立伏木高校 町口晟衣萊(せいら)
通学路君への思い雨になり紫陽花色の恋水流れる
オオヨシゴイ十四年ぶりに飛来せり
オオヨシゴイ長旅終えて身を隠す
オオヨシゴイ餌を求めて湿地帯
オオヨシゴイ日陰好んでうぉ~うぉ~うぉ~
■NHK俳句 兼題「梟(ふくろう)」
選者 西山睦 ゲスト 山田牧(ぼく) 司会 柴田英嗣
年間テーマ「やさしい手」
コーヒーの渦の星雲暖炉の火 西山睦
一杯と一服、日々に句読点。山田牧
小満や生地を捏(こ)ねたる手の厚み 山田牧
❝おしゃれな俳句❞を体感!
開店前梅干す日向貸しにけり 山田牧
・俳句三選 山田牧
プリン 立春大吉型よりプリンすつと出(い)づ
コーヒー 秋日濃しドリップの一滴を待ち
(俳句そのもの ネルでこすように雑念がろ過されていって
1滴しずくが出たのが俳句 であればいいな 西山睦先生)
灯台 冬の夜の灯台として喫茶店
(喫茶店の仕事は心の寄り道 街の景色の一つになれたらいいな
街の中の灯台 素敵なコンセプト)
喫茶店と俳句に共通することは❓
定点観測 一点からの写生すること
「人を丁寧に見る」と「待つ」は俳句そのもの
・特選六句発表 兼題「梟」
(鳴き声が怖い感じ すごみがある
冬の月を背景にして枝に止まっている感じが梟らしい)
ふくろうやわが家は村のどんづまり 高原晴子
梟の瞳に似たる樵(きこり)の目 木村祐子
ふくろふや母のふとんへもぐり込む 髙澤榮子
梟や窯(かま)の火番の三日目に 中川千代
梟や夜の座禅は宙に浮く 毛利尚人
梟やページ欠けたる乱歩読む 宮崎泉
一席 梟の翼の中に森包む 森田久子
二席 影として梟飛ぶや影の中 夏野あゆね
三席 梟の嘴(はし)に抗(あらが)ふものの影 荒井みゆき
柴田の歩み
ベロベロで一句
■NHK短歌 テーマ「数字を入れる」
選者 俵万智 ゲスト 木村達成 司会 ヒコロヒー
年間テーマ「光る愛の歌」
木村達成氏は三条天皇を演じられました。
・入選九首 テーマ「数字を入れる」
起き上がりこぼしのごとく並びおり五歳の書きし太き8の字
鵜川登旨(うかわとし)
「萩の月・10個入り」みたいアパートの窓それぞれにそれぞれの夜
毛糸
私 2合炊き、0.5杯の洗剤に君なきことを目盛りで学ぶ
大山城治(じょうじ)
私 生きてれば八十歳と母はまた父の年齢一つ進める
藤平怜
私 尋ねればあなたは何でも答えてくれる0と1しか知らないくせに
生田大五郎
二席 みすずかる信濃の山の遠けれどホクトのしめじ七十二円
塩本抄(しょう)(みすずかる:信濃にかかる枕詞)
六年がまた一年になったときちょっと弱くなった気がした
見坂卓郎
三席 友に送ったメールの返事を待つ二時間五日は待てた手紙の頃は
村田知子
一席 子を連れて戻ると聞いた君を待つ八年分のドーナツ買って
阿部裕
今回の句はすごかった!私の心にびんびん届きました。拍手を送ります。
・「光る君へ」で短歌を10倍楽しもう!
短歌はラップ ラップバトル
和歌を阿吽の呼吸でやりとりするのは心と心が
通じ合っているのを見せびらかした感じがある
いかにいかが数えやるべき八千歳(やちとせ)のあまり久しき君が御代(みよ)をば
まひろ
(万智訳)いかがして数えましょうか八千歳もつづくであろう君の御代をば
「五十日(いか)の儀」と「いか」をかけている
「八千歳の」は「百万ドルの…」のような
すごく大げさな大きな数字を出して伝える一つのいい方
あしたづのよはいしあらば君が代の千歳の数も数へ取りてむ
藤原道長
「光る君へ」から学べる 短歌づくりのポイントは❓
大げさな慣用句を使うのは現代短歌では難しい
具体的な描写に数字を用いると使い勝手がいい
・具体的な数字を使うことで慣用句ではないよりリアルな描写が可能になる
三秒を静止している重量挙げ選手の四年を思う一瞬
工藤吉生「沼の夢」
数字で決まるスポーツのすごさと残酷さ
百人一首より
心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな
三条院
(万智訳)長生きをしてしまったら思い出すだろう今夜の月の輝き
「心にもあらで」は「不本意にも」ということ
未来から今を見たら恋しいと思うということは
未来から今を見たら恋しいと思うということは未来は今よりずっと悪いはず
今を生きていない人の歌
・言葉のバトン
Twilightよい子は家(うち)に帰りましょう
興南高校(沖縄県)俳句部 知念ひなた
⇩
ママのカレーの香りにつられ
富山県立伏木高校 町口晟衣萊(せいら)
通学路君への思い雨になり紫陽花色の恋水流れる
2024年11月10日日曜日
舞姫&麗子像&「嵐」&荒木健太郎杯
ドラレコに喧嘩売られて冬の径
遮断機の変わらぬ音や冬の空
糠床の蕪の根と葉の匂い聞く
八十を過ぎた女や冬を生く
長過ぎた独居暮らしを冬の月
■10min.ボックス現代文 舞姫(森鴎外)
げに東(ひんがし)に帰る今の我は、西に航(こう)せし昔の我ならず、
我と我が心さへ変はりやすきをも悟り得たり。
主人公 太田豊太郎 エリス
ただ所動的、器械的の人物になりて自ら悟らざりしが、
我が足音に驚かされて顧りみたる面(おもて)、
余に詩人の筆なければこれを写すべくもあらず。
彼らは速了にも、余をもつて色を舞姫の群れに漁するものとしたり。
我ら二人の間にはまだ痴騃(ちがい)なる歓楽のみ存じたりしを。
弱き心が招く悲劇
エリスと余とはいつよりとはなしに、あるかなきかの収入を
合わせて、憂きが中にも楽しき月日を送りぬ。
相沢謙吉
我が弱き心には思ひ定めん由なかりしが、
しばらく友の言に従ひて、この情縁を断たんと約しき。
もしこの手にしもすがらずば、本国をも失ひ、名誉を
引き返さん道をも絶ち、身はこの広漠たる欧州大都の人の海に
葬られんかと思ふ念、心頭を衝いて起これり。
「我が豊太郎ぬし、かくまでに我をば欺きたまひしか。」
■ねこのめ美じゅつかん 54歩め
麗子像は❝デロリ❞だからこそ美しい!?
天一美術館 群馬県 利根郡 みなかみ町
建築家・吉村順三の遺作となった美術館
岸田劉生の「麗子像」をはじめとして、
佐伯祐三、安井曽太郎、熊谷守一や
ロダン、ルノワール、ピカソといった東西の巨匠の名画から
高麗・李朝の陶磁器に至る矢吹コレクションの白眉を展示している。
劉生の日記
人形は早くて半年かゝると云うから
来る時分にはもう一二寸伸びてゐる事と思ふ。
余の処へ走つてきて、腕時計だつたと云って
興奮して大喜びしてゐた。
東洋人独特のぬるりとした顔の描写、
そういう❝デロリ❞とした美しさ
生々しい生きものの汚さを持つ❝でろり❞とした感じ
■漢字ふむふむ 嵐なのにキャンプ?
中国で「嵐」と言えば、湿気を含んだ穏やかな風
中国語の「岚 lán」と言えば「もや」を指す
嵐という漢字は平安時代中国から伝わった
その頃の意味は山から吹く風だった
「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山嵐を嵐といふらむ」
山から風が吹くとすぐ草木がしおれてしまう つまり
草木を倒してしまうほどの強い風=嵐 となった
兵庫では六甲おろし 群馬では赤木おろし という呼び名がある
日本で嵐と言えば暴風雨 地理的要因で意味が変わっていった
■夏井いつき俳句チャンネル
【特別投句企画】荒木健太郎杯、いよいよ上位賞発表!【結果発表②】
閑職の楽し鉄床雲近し 片野瑞木 いつき賞
バオバブだよかなとこ雲と言うよりは 家守らびすけ 正人賞
風荒し鉄鋸雲へ火の夕日 樫の木 第2位
山頂は晴れ積乱雲を横に見る 有村自壊 第3位
わたあめとどっちが重い積乱雲 千暁 第1位
遮断機の変わらぬ音や冬の空
糠床の蕪の根と葉の匂い聞く
八十を過ぎた女や冬を生く
長過ぎた独居暮らしを冬の月
■10min.ボックス現代文 舞姫(森鴎外)
げに東(ひんがし)に帰る今の我は、西に航(こう)せし昔の我ならず、
我と我が心さへ変はりやすきをも悟り得たり。
主人公 太田豊太郎 エリス
ただ所動的、器械的の人物になりて自ら悟らざりしが、
我が足音に驚かされて顧りみたる面(おもて)、
余に詩人の筆なければこれを写すべくもあらず。
彼らは速了にも、余をもつて色を舞姫の群れに漁するものとしたり。
我ら二人の間にはまだ痴騃(ちがい)なる歓楽のみ存じたりしを。
弱き心が招く悲劇
エリスと余とはいつよりとはなしに、あるかなきかの収入を
合わせて、憂きが中にも楽しき月日を送りぬ。
相沢謙吉
我が弱き心には思ひ定めん由なかりしが、
しばらく友の言に従ひて、この情縁を断たんと約しき。
もしこの手にしもすがらずば、本国をも失ひ、名誉を
引き返さん道をも絶ち、身はこの広漠たる欧州大都の人の海に
葬られんかと思ふ念、心頭を衝いて起これり。
「我が豊太郎ぬし、かくまでに我をば欺きたまひしか。」
■ねこのめ美じゅつかん 54歩め
麗子像は❝デロリ❞だからこそ美しい!?
天一美術館 群馬県 利根郡 みなかみ町
建築家・吉村順三の遺作となった美術館
岸田劉生の「麗子像」をはじめとして、
佐伯祐三、安井曽太郎、熊谷守一や
ロダン、ルノワール、ピカソといった東西の巨匠の名画から
高麗・李朝の陶磁器に至る矢吹コレクションの白眉を展示している。
劉生の日記
人形は早くて半年かゝると云うから
来る時分にはもう一二寸伸びてゐる事と思ふ。
余の処へ走つてきて、腕時計だつたと云って
興奮して大喜びしてゐた。
東洋人独特のぬるりとした顔の描写、
そういう❝デロリ❞とした美しさ
生々しい生きものの汚さを持つ❝でろり❞とした感じ
■漢字ふむふむ 嵐なのにキャンプ?
中国で「嵐」と言えば、湿気を含んだ穏やかな風
中国語の「岚 lán」と言えば「もや」を指す
嵐という漢字は平安時代中国から伝わった
その頃の意味は山から吹く風だった
「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山嵐を嵐といふらむ」
山から風が吹くとすぐ草木がしおれてしまう つまり
草木を倒してしまうほどの強い風=嵐 となった
兵庫では六甲おろし 群馬では赤木おろし という呼び名がある
日本で嵐と言えば暴風雨 地理的要因で意味が変わっていった
■夏井いつき俳句チャンネル
【特別投句企画】荒木健太郎杯、いよいよ上位賞発表!【結果発表②】
閑職の楽し鉄床雲近し 片野瑞木 いつき賞
バオバブだよかなとこ雲と言うよりは 家守らびすけ 正人賞
風荒し鉄鋸雲へ火の夕日 樫の木 第2位
山頂は晴れ積乱雲を横に見る 有村自壊 第3位
わたあめとどっちが重い積乱雲 千暁 第1位
2024年11月9日土曜日
あの本、読みました?お仕事小説8選!
小春日やボール拾ってこない犬
月氷る最期はコロナ?ワクチンか?
紅葉散る生を疎まれ生きつづけ
柿落葉隣の店に車停め
主なき家国旗掲揚冬の草
■あの本、読みました?
お仕事小説8選!元プロ雀士で元弁護士の女性人気作家
弁護士 公正取引委員会 ピアノ調律師 手話通訳士
国会議員・秘書・記者・地方議員 銀行員 辞書編集者 旅行代理店社員
元弁護士・元プロ雀士 作家・新川帆立が働く女性を語る
弁護士 「元彼の遺言状」 新川帆立/宝島社
国会議員・秘書・記者・地方議員 「女の国会」 新川帆立/幻冬舎
政界に生きる女の戦い執筆秘話 林P 気をつけなくてはいけないと思った
沢村は急いで高月に駆けよったが、とめる間もなく、高月は続けた。
「私、憤慨しています」周囲の議員たちが立ちどまる、高月を見た。
ざわりと失笑が広がる。出たよ、憤慨おばさん、と誰かが言った。
~中略~
高月のあだ名は「憤慨おばさん」である。「憤慨しています」が口癖だからだ。
痩せっぽちの四十六歳女性が顔を真っ赤にして「憤慨しています!」と叫ぶ。
その様子が面白おかしくテレビで取りあげられ、ネットでおもちゃにされている。
このモデルは市川房江参議院議員
白塗りの芸妓が三人、あでやかな着物をまとって現れた。
「佳の花(はな)です」「駒子です」「琴乃です」三人が頭を下げるのに続いて
「馨です」という明朗な声が響いた。
見ると、三人の芸妓の横で、着物姿の高月が頭を下げている。
その場がどっとわいた。雰囲気が一気に持っていかれる。
「よっ!馨ちゃん、待ってました!」どこからともなく声があがった。
それに応えるように高月は顔をあげ、にっこり笑った。
~中略~
普段からパンツスーツと丸眼鏡で、女性性を感じさせない。国民からは
「女を捨てたおばさん」とか「おじさんかと思った(笑)」と言った言葉を
浴びせられることもある。そんな高月ですら、選挙がからむと女性性を
前面に出して媚を売る。そこまでしないと勝てないからだ。
新川帆立が描く働く女性の苦悩
この本は男性が読むべき本 男性の気づいていない社会の仕組み
男性のやりやすい仕組みになっている
正当な評価を得るためにあえて女性がやっている事でもある
・文章表現が向上する㊙道具
公正取引委員会 「競争の番人」新川帆立著/講談社
仕事の理念に共感 新川帆立の推し役所
・構成力と表現力 新川帆立を支える㊙道具
新川帆立女史が鈴木保奈美女史に薦める本
銀行員「オレたちバブル入行組」池井戸潤著/講談社
これは新川帆立のバイブル 半沢直樹シリーズ
「あっという間に人は死ぬから」
「時間を食べつくすモンスターの正体と倒し方」の一文 佐藤舞著/KADOKAWA
多くの人は、死と太陽という本質を見ることを避け、代替案として
選んだ選択肢を正当化することに時間を使っているのではないでしょうか?
私たちが直視できないものとはなんでしょうか。
私はそれを、「人生の3つの理(ことわり)」だと考えました。
人生の3つの理 ①死 ②孤独 ③責任 この3つの理を避けるために
無意識に自分にウソをついて行っている行動が、
間違った時間の使い方を生み出しているのです。
・なぜ今も勇気づけられるのか?時代を超えて愛されるお仕事小説!
篠原一郎
ピアノの調律師 「羊と鋼の森」宮下奈都著/文藝春秋
「ハンマーは要りませんか」聞かれて、思わず、要ります、と答えていた。
森は深い。それでも引き返すつもりはないのだとはっきり気づいた。
「すごく使いやすそうです」「すごく使いやすそうなだけでなく、
実はすごく使いやすいのです。よかったらどうぞ。私からのお祝いです」
板鳥さんは穏やかに言った。「何のお祝いですか」こんな日に。
記憶にある限り、僕の人生で一番だめだった日に。
「なんとなく、外村くんの顔を見ていたらね。きっとここから始まるんですよ。
お祝いしてもいいでしょう」「ありがとうございます」お礼の語尾が震えた。
板鳥さんは僕を励まそうとしてくれているのだ。森の入り口に立った僕に、
そこから歩いてくればいいと、言ってくれているのだ。
小説に描かれる仕事への向き合い方
「ピアノで食べていこうなんて思ってない」和音はいった。
「ピアノを食べて生きていくんだよ」部屋にいる全員が息を飲んで和音を見た。
和音の、静かに微笑んでいるような顔。
でも、黒い瞳が輝いていた。きれいだ、と思った。
この作品は「13歳のハローワーク」村上龍著/幻冬舎 と同じ 林P
僕には才能がない。そう言ってしまうのは、いっそ楽だった。
でも、調律師に必要なのは、才能じゃない。
少なくとも、今の段階で必要なのは、才能じゃない。
そう思うことで自分を励ましてきた。
才能という言葉で紛らわせてはいけない。あきらめる口実に使うわけにはいかない。
経験や、訓練や、努力や、知恵、機転、根気、そして情熱。
才能が足りないなら、そういうもので置き換えよう。
もしも、いつか、どうしても置き換えられないものがあると気づいたら、
そのときにあきらめればいいではないか。
物との対峙だが、結局は人間と対峙することとなる…。
平木靖成
辞書編集者 「食を編む」三浦しをん著/光文社
この作品のモデルが平木靖成氏。
鈴木保奈美女史は三浦しをん女史が好きになり対談までお願いした。
主人公 馬締(まじめ)と似ている所は?なくはない…。
言葉として発するまでに時間がかかる。瞬発力がないだけ…。
言葉から生み出すというよりは言葉を集めて積み上げている。
「きみは、『右』を説明しろと言われたら、どうする」
馬締は軽く首をかしげた。「方向としての『右』ですか、
思想としての『右』ですか」「前者だ」「そうですねえ」
馬締の首の角度が深くなった。髪の毛がもさもさ揺れる。
「『ペンや箸を使う手の方』と言うと、左利きのひとを
無視することになりますし、『心臓のない方』と言っても、
心臓が右がわにあるひともいるそうですからね。
『体を北に向けたとき、東にあたるほう』
とでも説明するのが、無難ではないでしょうか」
小説から学ぶ仕事への情熱
手話通訳士 平木靖成氏から鈴木保奈美女史へのお薦め本
「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」丸山正樹著 文春文庫
旅行代理店社員 篠原一郎氏から鈴木保奈美女史へのお薦め本
「あぽやん」新野剛志 文春文庫
保奈美のオススメ本お仕事小説
「神去なあなあ日常」三浦しをん著 徳間書店
「仏果を得ず」三浦しをん著 双葉文庫
月氷る最期はコロナ?ワクチンか?
紅葉散る生を疎まれ生きつづけ
柿落葉隣の店に車停め
主なき家国旗掲揚冬の草
■あの本、読みました?
お仕事小説8選!元プロ雀士で元弁護士の女性人気作家
弁護士 公正取引委員会 ピアノ調律師 手話通訳士
国会議員・秘書・記者・地方議員 銀行員 辞書編集者 旅行代理店社員
元弁護士・元プロ雀士 作家・新川帆立が働く女性を語る
弁護士 「元彼の遺言状」 新川帆立/宝島社
国会議員・秘書・記者・地方議員 「女の国会」 新川帆立/幻冬舎
政界に生きる女の戦い執筆秘話 林P 気をつけなくてはいけないと思った
沢村は急いで高月に駆けよったが、とめる間もなく、高月は続けた。
「私、憤慨しています」周囲の議員たちが立ちどまる、高月を見た。
ざわりと失笑が広がる。出たよ、憤慨おばさん、と誰かが言った。
~中略~
高月のあだ名は「憤慨おばさん」である。「憤慨しています」が口癖だからだ。
痩せっぽちの四十六歳女性が顔を真っ赤にして「憤慨しています!」と叫ぶ。
その様子が面白おかしくテレビで取りあげられ、ネットでおもちゃにされている。
このモデルは市川房江参議院議員
白塗りの芸妓が三人、あでやかな着物をまとって現れた。
「佳の花(はな)です」「駒子です」「琴乃です」三人が頭を下げるのに続いて
「馨です」という明朗な声が響いた。
見ると、三人の芸妓の横で、着物姿の高月が頭を下げている。
その場がどっとわいた。雰囲気が一気に持っていかれる。
「よっ!馨ちゃん、待ってました!」どこからともなく声があがった。
それに応えるように高月は顔をあげ、にっこり笑った。
~中略~
普段からパンツスーツと丸眼鏡で、女性性を感じさせない。国民からは
「女を捨てたおばさん」とか「おじさんかと思った(笑)」と言った言葉を
浴びせられることもある。そんな高月ですら、選挙がからむと女性性を
前面に出して媚を売る。そこまでしないと勝てないからだ。
新川帆立が描く働く女性の苦悩
この本は男性が読むべき本 男性の気づいていない社会の仕組み
男性のやりやすい仕組みになっている
正当な評価を得るためにあえて女性がやっている事でもある
・文章表現が向上する㊙道具
公正取引委員会 「競争の番人」新川帆立著/講談社
仕事の理念に共感 新川帆立の推し役所
・構成力と表現力 新川帆立を支える㊙道具
新川帆立女史が鈴木保奈美女史に薦める本
銀行員「オレたちバブル入行組」池井戸潤著/講談社
これは新川帆立のバイブル 半沢直樹シリーズ
「あっという間に人は死ぬから」
「時間を食べつくすモンスターの正体と倒し方」の一文 佐藤舞著/KADOKAWA
多くの人は、死と太陽という本質を見ることを避け、代替案として
選んだ選択肢を正当化することに時間を使っているのではないでしょうか?
私たちが直視できないものとはなんでしょうか。
私はそれを、「人生の3つの理(ことわり)」だと考えました。
人生の3つの理 ①死 ②孤独 ③責任 この3つの理を避けるために
無意識に自分にウソをついて行っている行動が、
間違った時間の使い方を生み出しているのです。
・なぜ今も勇気づけられるのか?時代を超えて愛されるお仕事小説!
篠原一郎
ピアノの調律師 「羊と鋼の森」宮下奈都著/文藝春秋
「ハンマーは要りませんか」聞かれて、思わず、要ります、と答えていた。
森は深い。それでも引き返すつもりはないのだとはっきり気づいた。
「すごく使いやすそうです」「すごく使いやすそうなだけでなく、
実はすごく使いやすいのです。よかったらどうぞ。私からのお祝いです」
板鳥さんは穏やかに言った。「何のお祝いですか」こんな日に。
記憶にある限り、僕の人生で一番だめだった日に。
「なんとなく、外村くんの顔を見ていたらね。きっとここから始まるんですよ。
お祝いしてもいいでしょう」「ありがとうございます」お礼の語尾が震えた。
板鳥さんは僕を励まそうとしてくれているのだ。森の入り口に立った僕に、
そこから歩いてくればいいと、言ってくれているのだ。
小説に描かれる仕事への向き合い方
「ピアノで食べていこうなんて思ってない」和音はいった。
「ピアノを食べて生きていくんだよ」部屋にいる全員が息を飲んで和音を見た。
和音の、静かに微笑んでいるような顔。
でも、黒い瞳が輝いていた。きれいだ、と思った。
この作品は「13歳のハローワーク」村上龍著/幻冬舎 と同じ 林P
僕には才能がない。そう言ってしまうのは、いっそ楽だった。
でも、調律師に必要なのは、才能じゃない。
少なくとも、今の段階で必要なのは、才能じゃない。
そう思うことで自分を励ましてきた。
才能という言葉で紛らわせてはいけない。あきらめる口実に使うわけにはいかない。
経験や、訓練や、努力や、知恵、機転、根気、そして情熱。
才能が足りないなら、そういうもので置き換えよう。
もしも、いつか、どうしても置き換えられないものがあると気づいたら、
そのときにあきらめればいいではないか。
物との対峙だが、結局は人間と対峙することとなる…。
平木靖成
辞書編集者 「食を編む」三浦しをん著/光文社
この作品のモデルが平木靖成氏。
鈴木保奈美女史は三浦しをん女史が好きになり対談までお願いした。
主人公 馬締(まじめ)と似ている所は?なくはない…。
言葉として発するまでに時間がかかる。瞬発力がないだけ…。
言葉から生み出すというよりは言葉を集めて積み上げている。
「きみは、『右』を説明しろと言われたら、どうする」
馬締は軽く首をかしげた。「方向としての『右』ですか、
思想としての『右』ですか」「前者だ」「そうですねえ」
馬締の首の角度が深くなった。髪の毛がもさもさ揺れる。
「『ペンや箸を使う手の方』と言うと、左利きのひとを
無視することになりますし、『心臓のない方』と言っても、
心臓が右がわにあるひともいるそうですからね。
『体を北に向けたとき、東にあたるほう』
とでも説明するのが、無難ではないでしょうか」
小説から学ぶ仕事への情熱
手話通訳士 平木靖成氏から鈴木保奈美女史へのお薦め本
「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」丸山正樹著 文春文庫
旅行代理店社員 篠原一郎氏から鈴木保奈美女史へのお薦め本
「あぽやん」新野剛志 文春文庫
保奈美のオススメ本お仕事小説
「神去なあなあ日常」三浦しをん著 徳間書店
「仏果を得ず」三浦しをん著 双葉文庫
2024年11月8日金曜日
大観衆で一句&「崩れ簗」&「柿」
もどかしい思いのままの冬の朝
冬北斗化学は嘘をつきません
(化学)冬の鳥多数決ではありませぬ
冬の月化学は意志を持ちません
善悪を委ね託して寒昴
■プレバト纏め 2024年11月7日
大観衆で一句
永世名人 村上健志のお手本
靴音にライブの余韻月の坂
添削(所見の違和感 語順が散文の語順である
距離感・時間経過を考えると「ライブの果てて月」としてもよい)
靴音に余韻ライブの月の坂
靴音に余韻ライブの果てて月(月の坂に違和感を持ったなら)
永世名人 横尾渉のお手本
星月夜六万人の大合唱
(数から伝わる豊かな情景!
季語星月夜:星空が月夜のように明るい様子
作りから野外フェスのような場所が想像できる
映像は浮かんでくる 広さの映像が書けている
空には星が広がり地上にはペンライトの光
上も下も灯りで満たされている空間を作っている
非常にシンプルだが映像も音もその時の空気も
全部表現した上で季語を立てている)
祝!下記3句が句集掲載決定
秋効のビストロ放し飼いの軍鶏
能登は虹一棟貸しの露天風呂
雪渓のピザ屋品川ナンバー来
1位 清春
良夜なりフロアを包むアルペジオ
(アルベジオ:1音ずつ順番に弾く演奏方法
季語良夜:月の明るい夜・中秋の名月を指す
「なり」と言い切ったところが良い
ホール全体を良夜が包んでいる
月光が降り注いでくるようなそんなイメージも伝わってくる
映像・音 描写している 「俳句は描写」ということを知っている)
2位 MINMI
万人の歌声ひとつ名残の月
添削(名残の月:旧暦9月13日の月を表す
中秋の名月から1か月遅れの十三夜
中七は7音にするのが俳句の定石なので中七は添削)
万人の歌は一つに月のぼる
3位 黒沢薫
秋風や歓び舞台へ運びゆく
添削(「へ」があれば「運びゆく」入らない
聴き心地の良い言葉で終わらせてしまう
金風:秋の豊かさ)
歓びを舞台へ金風の歌を
4位 山口智充
ゆれすすきいつかはフェスと夢見る日
添削(フェスに行きたいのか❓出たいのか❓わからない
あなたの思いが豊かな秋で膨らんでいく
「いつか」しか残らなかった)
いつか我が歌を大観衆へ秋
5位 水森かおり
ペンライト降れども散らぬ照紅葉
添削(季語照紅葉:紅葉した葉が太陽の光で輝く様子
大観衆とはどこにも書いていない
季語は例えに使うと鮮度が落ちる 添削した所でという句)
ペンライトのごと夜を照らさるる紅葉
次回のお題は「うっかりミス」
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「崩れ簗(くずれやな)」
前回「下り簗」の際に春の「上り簗」、夏の「簗」
そして秋の「下り簗」というお話をいたしましたが
この「崩れ簗」というものは同じく秋の季語になっていくわけです
いったい何ものかというと一年を通して漁で使われてきた「簗」が
もう崩れてしまって使われなくなっておりその「簗」に
魚ではなく木の枝だとか落ち葉だとかそういった物が流れ着いて
引っかかっているそういう壊れかけた「簗」のことを
「崩れ簗」といいますもう役目を終えた物が朽ちていく寸前の
そういう姿 そこに秋の侘しさみたいなものを感じたものか
独立した季語として「崩れ簗」が1項目たっているわけです
日本人らしい感性といいますか使わなくなっても
そこに愛着の視線を見いだす「崩れ簗」ならではの
一句というものもありそうですよね
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「柿」
秋を代表する果物の一つでもありますね
昔から非常に日本人に愛されてきた この「柿」という果物なわけですが
季語としても非常に沢山の傍題が存在しております
単純に「柿」食べにくいそして「渋柿」なんていうのもありますが
それ以外にも それぞれの固有品種名も沢山歳時記に収録されております
有名なところで言ったら「富有柿」でありますとか「御所柿」「禅寺丸柿」
色々聞いたことのあるものからないものまでたくさん載っておりますねぇ
そして歳時記の扱いとして注意が必要なポイントが一つあります
「柿」の傍題として「干柿」みたいないい方も傍題に
含めている歳時記もあるのですが歳時記によっては干柿はあくまで
人間が柿を食べるためにする加工 人事の季語として収録している
歳時記もあります
植物の「柿」なのか 人事の「干柿」なのか 使う時には
ちょっと注意をしてもいいかもしれないですね
冬北斗化学は嘘をつきません
(化学)冬の鳥多数決ではありませぬ
冬の月化学は意志を持ちません
善悪を委ね託して寒昴
■プレバト纏め 2024年11月7日
大観衆で一句
永世名人 村上健志のお手本
靴音にライブの余韻月の坂
添削(所見の違和感 語順が散文の語順である
距離感・時間経過を考えると「ライブの果てて月」としてもよい)
靴音に余韻ライブの月の坂
靴音に余韻ライブの果てて月(月の坂に違和感を持ったなら)
永世名人 横尾渉のお手本
星月夜六万人の大合唱
(数から伝わる豊かな情景!
季語星月夜:星空が月夜のように明るい様子
作りから野外フェスのような場所が想像できる
映像は浮かんでくる 広さの映像が書けている
空には星が広がり地上にはペンライトの光
上も下も灯りで満たされている空間を作っている
非常にシンプルだが映像も音もその時の空気も
全部表現した上で季語を立てている)
祝!下記3句が句集掲載決定
秋効のビストロ放し飼いの軍鶏
能登は虹一棟貸しの露天風呂
雪渓のピザ屋品川ナンバー来
1位 清春
良夜なりフロアを包むアルペジオ
(アルベジオ:1音ずつ順番に弾く演奏方法
季語良夜:月の明るい夜・中秋の名月を指す
「なり」と言い切ったところが良い
ホール全体を良夜が包んでいる
月光が降り注いでくるようなそんなイメージも伝わってくる
映像・音 描写している 「俳句は描写」ということを知っている)
2位 MINMI
万人の歌声ひとつ名残の月
添削(名残の月:旧暦9月13日の月を表す
中秋の名月から1か月遅れの十三夜
中七は7音にするのが俳句の定石なので中七は添削)
万人の歌は一つに月のぼる
3位 黒沢薫
秋風や歓び舞台へ運びゆく
添削(「へ」があれば「運びゆく」入らない
聴き心地の良い言葉で終わらせてしまう
金風:秋の豊かさ)
歓びを舞台へ金風の歌を
4位 山口智充
ゆれすすきいつかはフェスと夢見る日
添削(フェスに行きたいのか❓出たいのか❓わからない
あなたの思いが豊かな秋で膨らんでいく
「いつか」しか残らなかった)
いつか我が歌を大観衆へ秋
5位 水森かおり
ペンライト降れども散らぬ照紅葉
添削(季語照紅葉:紅葉した葉が太陽の光で輝く様子
大観衆とはどこにも書いていない
季語は例えに使うと鮮度が落ちる 添削した所でという句)
ペンライトのごと夜を照らさるる紅葉
次回のお題は「うっかりミス」
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「崩れ簗(くずれやな)」
前回「下り簗」の際に春の「上り簗」、夏の「簗」
そして秋の「下り簗」というお話をいたしましたが
この「崩れ簗」というものは同じく秋の季語になっていくわけです
いったい何ものかというと一年を通して漁で使われてきた「簗」が
もう崩れてしまって使われなくなっておりその「簗」に
魚ではなく木の枝だとか落ち葉だとかそういった物が流れ着いて
引っかかっているそういう壊れかけた「簗」のことを
「崩れ簗」といいますもう役目を終えた物が朽ちていく寸前の
そういう姿 そこに秋の侘しさみたいなものを感じたものか
独立した季語として「崩れ簗」が1項目たっているわけです
日本人らしい感性といいますか使わなくなっても
そこに愛着の視線を見いだす「崩れ簗」ならではの
一句というものもありそうですよね
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「柿」
秋を代表する果物の一つでもありますね
昔から非常に日本人に愛されてきた この「柿」という果物なわけですが
季語としても非常に沢山の傍題が存在しております
単純に「柿」食べにくいそして「渋柿」なんていうのもありますが
それ以外にも それぞれの固有品種名も沢山歳時記に収録されております
有名なところで言ったら「富有柿」でありますとか「御所柿」「禅寺丸柿」
色々聞いたことのあるものからないものまでたくさん載っておりますねぇ
そして歳時記の扱いとして注意が必要なポイントが一つあります
「柿」の傍題として「干柿」みたいないい方も傍題に
含めている歳時記もあるのですが歳時記によっては干柿はあくまで
人間が柿を食べるためにする加工 人事の季語として収録している
歳時記もあります
植物の「柿」なのか 人事の「干柿」なのか 使う時には
ちょっと注意をしてもいいかもしれないですね
2024年11月7日木曜日
100分de名著 ロフティング❝ドリトル先生航海記❞(4)
喉絞めつけて守る縄張り秋の鳥
好きと言われず好きとも言えず虚栗(みなしぐり)
腹まわりだけが日に日に秋渇き
風まかせ風車と芒佐那河内
佐那河内光る芒の大うねり
■100分de名著 ロフティング❝ドリトル先生航海記❞(4)
小さな鞄ひとつで軽やかに生きる
福岡伸一 伊集院光 阿部みちこ
敵が来るぞ!
バグ・ジャグデラグ族の軍勢が山を駆けおりてくる!
「しかたない」とドリトル先生は言いました。
「こうなっては覚悟を決めるしかないな。
わたしは戦争には反対だが、
村が攻撃されるとなれば、加勢しないわけにはいかない」
そう言うと、地面から太い棍棒を拾いあげて、
岩に打ちつけて強さを試しました。
クモサル島の部族間争い
完全に敵を撃退・殲滅(せんめつ)したわけではない
最低限の平和主義を守った
その後、オウム和平条約を結ぶ
・飢饉が起きても両者が助け合う
・二度と戦わない(不戦の誓いを立てさせる)
常に弱肉強食で争いを繰り返してその中で
優れたものが勝ち残ったようにみえるが実はそうではない
利己的に振る舞うよりも利他的に協力・共生したときの方が
進化が大きくジャンプしている
一方が一方を支配しているわけでもなく
支配されているわけでもなくバランスで世界が成り立っている
ドリトル先生はポリネシアから
「酋長に選出された」という報告を受ける
「わたしだって?」ドリトル先生は腰を抜かしそうになりました。
「とんでもない、よりにもよって!」
「ほんとですね。先生を酋長にするとは驚きましたわ。
でも、それだけではありません、ここの人たちは
先生の苗字も勝手に変えてしまったのです。」
ドゥ・リトルって❝なんにもしない❞って意味でしょう?(中略)
だから、これからは、先生のことをジョング・シンカロットと
呼ぶんだそうです。シンカロットは
❝たくさん考える❞って意味ですものね。(中略)
「勘弁してくれ(中略)問題は王さまという重い責任を
引き受けたら、気分しだいでそれを放っぽりだす
わけにはいかないことだ。(中略)王さまになったら、
博物学者としての人生は終わってしまう。(中略)
「(中略)残念ながら、今、取りかかっている仕事を
投げだすわけにはいかない。(中略)わたしたちは島民の生活を
以前とはまるで違うものに変えたと言っても過言ではない。
人の生活を変化させるのは、実に微妙な問題だ。
そして、わたしたちが起こした変化が、最終的に
いい結果をもたらすのか、悪い結果をもたらすのか、
それを見届けるのもわたしたちの責任だ(中略)
そうなんだ、自分を信頼してくれる人に対して、
それを裏切るようなことはとてもできない…。
いや、それに、わたしもこの島の人々が好きなんだ。(中略)
とにかく、とうぶんはこの島を離れられない。
今、離れるのは正しくない」
王さまになったドリトル先生
ドリトル(Dolittle)⇨シンカロット(Thinkalot)
ほとんどしない おさぼり先生
自分から無理矢理取りに行かない 背伸びしない
あまり積極的に何かを求めない
⇩
Dolittleをこのように訳したのは井伏鱒二
「山椒魚」で知られる作家
「ドリトル先生」シリーズの翻訳を手がけた
❝Do a lot❞はあくせくして生きなくてはならない
何かがやってきたらそれに応じて変幻自在に変われる
ドリトル先生の自由な生き方が出ている
ドリトル先生の生き方は状況によって常々変わっていく
生命本来の風任せ主義
月日は上陸から約2年経過―
大ガラス海カタツムリ
そうして、見たことも聞いたこともないような
この世でもっとも奇妙な会話がはじまりました。
まずはヒトデが海カタツムリに質問をして、海カタツムリの返事を、
ヒトデがウニに伝えます。そしてウニがそれをイルカに話して、
最後にイルカがドリトル先生に通訳するのです。(中略)
やがて、ドリトル先生の顔がほころぶようになり、
ほんの少しずつではあるけれど、話が
通じているのが私にもわかりました。(中略)
「スタビンズくん、(中略)わたしの診察鞄を持ってきてくれ。
たしか、謁見(えっけん)の間の玉座の下に置いておいたはずだ」
ロング・アローの言葉
あなたの未来も仕事も、海の向うの異国の故郷で手招きしている。
私が人類のために集めた植物の知識も、あなたとともにそこへ行く。
ここよりももっと役立つ場所に。ごらんなさい、
東の空が白みはじめている。まもなく一日がはじまる。
空気を吸い込むような音とともに、海カタツムリが体と
殻のあいだに隙間をあけると、私たちは外に這いでました。
そうして、湿原におりたつと、
秋の霧雨が降っているのに気づきました。(中略)
ポリネシアが翼から雨を振り払いながら、
ため息交じりに言いました。「これこそ英国よ。
この陰気な天気がその証拠だわ」(中略)
ドリトル先生がたくさんの荷物の中から古びた鞄を
手に取りながら言いました。(中略)「(中略)おっと、
時刻は4時だったな!さあ行こう。
どうにかお茶の時間に間に合いそうだ」
エンディングを読み解く
利他の精神で島に残ろうと思っているドリトル先生を最後に
説得したのはロング・アローの利他の精神
旅を通して世界のことがわかるということは自分自身が
変わるということは 航海記の最初と最後で示されている
スタビンズくんがひとまわり成長したということ
「航海記」は人生の比喩 最初はワクワクするような少年時代
困難に出会う青年時代 旅をだんだん終える壮年時代を
スタビンズくんが体験してだいぶ後に書いているという二重構造
そこには少年の日々をありありと思い出すという要素がある
センス・オブ・ワンダーという言葉で表現できる
自然の美しさとか精妙さに対して驚く心
大人になると忘れがちになってしまうが 航海記のような物語で
自分が辿ってきた人生をもう一度辿り直してみると少年の日々の
センス・オブ・ワンダーがあったことを思い出させてくれる
というのが航海記のもう一つの意味
原点を思い出すということは大人になった後も自分を支えてくれる
人生をどうすれば良いかわからない人は旅に出ればよい
いろいろな解釈ができる物語はそれだけ懐が深い
「伏線がすべて回収される」
自分の人生を照らし合わせると響き方が違う
この本には「そこに自分の原点があったな」
出発点が感じられる
自分のセンス・オブ・ワンダーを知ることとなる一冊
好きと言われず好きとも言えず虚栗(みなしぐり)
腹まわりだけが日に日に秋渇き
風まかせ風車と芒佐那河内
佐那河内光る芒の大うねり
■100分de名著 ロフティング❝ドリトル先生航海記❞(4)
小さな鞄ひとつで軽やかに生きる
福岡伸一 伊集院光 阿部みちこ
敵が来るぞ!
バグ・ジャグデラグ族の軍勢が山を駆けおりてくる!
「しかたない」とドリトル先生は言いました。
「こうなっては覚悟を決めるしかないな。
わたしは戦争には反対だが、
村が攻撃されるとなれば、加勢しないわけにはいかない」
そう言うと、地面から太い棍棒を拾いあげて、
岩に打ちつけて強さを試しました。
クモサル島の部族間争い
完全に敵を撃退・殲滅(せんめつ)したわけではない
最低限の平和主義を守った
その後、オウム和平条約を結ぶ
・飢饉が起きても両者が助け合う
・二度と戦わない(不戦の誓いを立てさせる)
常に弱肉強食で争いを繰り返してその中で
優れたものが勝ち残ったようにみえるが実はそうではない
利己的に振る舞うよりも利他的に協力・共生したときの方が
進化が大きくジャンプしている
一方が一方を支配しているわけでもなく
支配されているわけでもなくバランスで世界が成り立っている
ドリトル先生はポリネシアから
「酋長に選出された」という報告を受ける
「わたしだって?」ドリトル先生は腰を抜かしそうになりました。
「とんでもない、よりにもよって!」
「ほんとですね。先生を酋長にするとは驚きましたわ。
でも、それだけではありません、ここの人たちは
先生の苗字も勝手に変えてしまったのです。」
ドゥ・リトルって❝なんにもしない❞って意味でしょう?(中略)
だから、これからは、先生のことをジョング・シンカロットと
呼ぶんだそうです。シンカロットは
❝たくさん考える❞って意味ですものね。(中略)
「勘弁してくれ(中略)問題は王さまという重い責任を
引き受けたら、気分しだいでそれを放っぽりだす
わけにはいかないことだ。(中略)王さまになったら、
博物学者としての人生は終わってしまう。(中略)
「(中略)残念ながら、今、取りかかっている仕事を
投げだすわけにはいかない。(中略)わたしたちは島民の生活を
以前とはまるで違うものに変えたと言っても過言ではない。
人の生活を変化させるのは、実に微妙な問題だ。
そして、わたしたちが起こした変化が、最終的に
いい結果をもたらすのか、悪い結果をもたらすのか、
それを見届けるのもわたしたちの責任だ(中略)
そうなんだ、自分を信頼してくれる人に対して、
それを裏切るようなことはとてもできない…。
いや、それに、わたしもこの島の人々が好きなんだ。(中略)
とにかく、とうぶんはこの島を離れられない。
今、離れるのは正しくない」
王さまになったドリトル先生
ドリトル(Dolittle)⇨シンカロット(Thinkalot)
ほとんどしない おさぼり先生
自分から無理矢理取りに行かない 背伸びしない
あまり積極的に何かを求めない
⇩
Dolittleをこのように訳したのは井伏鱒二
「山椒魚」で知られる作家
「ドリトル先生」シリーズの翻訳を手がけた
❝Do a lot❞はあくせくして生きなくてはならない
何かがやってきたらそれに応じて変幻自在に変われる
ドリトル先生の自由な生き方が出ている
ドリトル先生の生き方は状況によって常々変わっていく
生命本来の風任せ主義
月日は上陸から約2年経過―
大ガラス海カタツムリ
そうして、見たことも聞いたこともないような
この世でもっとも奇妙な会話がはじまりました。
まずはヒトデが海カタツムリに質問をして、海カタツムリの返事を、
ヒトデがウニに伝えます。そしてウニがそれをイルカに話して、
最後にイルカがドリトル先生に通訳するのです。(中略)
やがて、ドリトル先生の顔がほころぶようになり、
ほんの少しずつではあるけれど、話が
通じているのが私にもわかりました。(中略)
「スタビンズくん、(中略)わたしの診察鞄を持ってきてくれ。
たしか、謁見(えっけん)の間の玉座の下に置いておいたはずだ」
ロング・アローの言葉
あなたの未来も仕事も、海の向うの異国の故郷で手招きしている。
私が人類のために集めた植物の知識も、あなたとともにそこへ行く。
ここよりももっと役立つ場所に。ごらんなさい、
東の空が白みはじめている。まもなく一日がはじまる。
空気を吸い込むような音とともに、海カタツムリが体と
殻のあいだに隙間をあけると、私たちは外に這いでました。
そうして、湿原におりたつと、
秋の霧雨が降っているのに気づきました。(中略)
ポリネシアが翼から雨を振り払いながら、
ため息交じりに言いました。「これこそ英国よ。
この陰気な天気がその証拠だわ」(中略)
ドリトル先生がたくさんの荷物の中から古びた鞄を
手に取りながら言いました。(中略)「(中略)おっと、
時刻は4時だったな!さあ行こう。
どうにかお茶の時間に間に合いそうだ」
エンディングを読み解く
利他の精神で島に残ろうと思っているドリトル先生を最後に
説得したのはロング・アローの利他の精神
旅を通して世界のことがわかるということは自分自身が
変わるということは 航海記の最初と最後で示されている
スタビンズくんがひとまわり成長したということ
「航海記」は人生の比喩 最初はワクワクするような少年時代
困難に出会う青年時代 旅をだんだん終える壮年時代を
スタビンズくんが体験してだいぶ後に書いているという二重構造
そこには少年の日々をありありと思い出すという要素がある
センス・オブ・ワンダーという言葉で表現できる
自然の美しさとか精妙さに対して驚く心
大人になると忘れがちになってしまうが 航海記のような物語で
自分が辿ってきた人生をもう一度辿り直してみると少年の日々の
センス・オブ・ワンダーがあったことを思い出させてくれる
というのが航海記のもう一つの意味
原点を思い出すということは大人になった後も自分を支えてくれる
人生をどうすれば良いかわからない人は旅に出ればよい
いろいろな解釈ができる物語はそれだけ懐が深い
「伏線がすべて回収される」
自分の人生を照らし合わせると響き方が違う
この本には「そこに自分の原点があったな」
出発点が感じられる
自分のセンス・オブ・ワンダーを知ることとなる一冊
2024年11月6日水曜日
名越康文氏 SNSの時代に空海に導かれ
削ぎ落しあるがままなり秋高し
秋晴る音が心を表現す
秋の夜や自分の音を追い求め
秋の空物価高騰ナイジェリア
我が身を切らぬ政治改革夜長
■こころの時代 SNSの時代に空海に導かれ~精神科医 名越康文~
どうせ死ぬのになぜ生きるのか
矛盾 仏教 空海
本尊 如意輪観世音菩薩
岡本児遍照殿 弘法大師像(あすか大師) パンドラの箱
パンドラの箱が開く音が聞こえた
最後死ぬのに何で人の命を救うのか
「仏陀」増谷文雄・著
仏教への信頼 大きな心の震え
彼女の死 刻まれた思い
だから生きていくしかない これを解いていくしかない
思春期の精神医学 自分自身を苛(さいな)んでいるのは怒り
大慈悲
月輪観(がちりんかん) 真言密教でのめい想法のひとつ
大日経
三句の法門 菩提心 大悲 方便こそ究竟(くきょう)なり
心の中にあるさびしさに気づくこと
心の中にある痛みを見つめること
動けば変わる
うわさ話は人生最大の浪費
正しさという悪意
文化とは不合理
少数派でい続ける勇気
とげとげしい言葉の正体はさびしさ
怒りに対する武器は慈悲
怒りに満ちたことばの奥にはさびしさがある
心の傷つきがマックスになった時代
祈ることが世界最古で最も強力な心理療法
三句の法門から学ぶ 自分を磨き、幸せになるための心がけ 精神科医 名越康文氏
https://shimbun.kosei-shuppan.co.jp/kouenroku/12258/
■新プロジェクトX オウムVS.科捜研~地下鉄サリン事件 世紀の逮捕劇~
Q.化学は今後どんな存在であって欲しいですか❓
服藤恵三氏 曰く
私の持論として「化学は嘘をつかない」という言葉と
「化学は多数決ではない」という言葉をよく使います。
化学というのは自分では意志がない。
使う人によって悪いことにも良いことにも使うんです。
そこをどう制御するのか❓っていうところがその人間に問われている。
真実を見る目をもっと俯瞰的に全体像を見ながら
この位置づけがどのようなものなのか❓
しっかり把握しながらこれを使わなくてはならない。
2018年7月 麻原彰晃と土屋正実の死刑が執行された。
麻原を尊師と敬う後継の団体は今も活動を続けている
■先人たちの底力 知恵泉 小堀遠州 仕事で輝くためのススメ
本来の日本らしさ ディープな日本カルチャー
世界遺産 二条城 生ける美術館 二の丸庭園を作庭したのが小堀遠州
千利休 古田織部 小堀遠州 三大茶人
詫びの利休 へうげものの織部 綺麗さびの遠州
遠州は 建築家 料理家 行政官 枠にとらわれない幅広さ
雲の上の偉人かと思えば私たちと変わらない人だった
「人手が足りなくて困っている」
「小堀政一書状」より(宇蛇松山城破却について)
見えてくるのは 人間らしさ
村雨辰剛(たつまさ) 青木崇高(むねたか) 橋本麻里 高井正智アナ
華蔵寺(けぞうじ) 愛知県 小堀遠州風
茶の湯の世界で何か新機軸を出す新しい美意識を表現する
そこにワインが入ってくることでパーティーみたいな感じに気分が変わる
そういうことを遠州はやってのけた人
小堀遠州と言えば庭作り 滋賀県大池寺
サツキの大刈り込み 海を表した庭
天龍寺 曹現池庭園 幾何学的なデザインを取り入れた
独創性と遊び心
長年続いた戦国時代 ついに終焉へ 天正7年(1579年)
滋賀県長浜市武家の息子として生まれた
幼い頃、父より茶、書画、和歌などを学び15歳の頃
才能を認められ古田織部に弟子入り
日本最高峰の芸術的教養を身につけ学芸の道を突き進みます
26歳の時 突然知らされた父の死 思いもよらない方向へ
徳川家に仕える小堀家の家督を受け継ぐ 茶の湯とは全く異なる仕事
城や寺の造営を手掛ける作事奉行を任される 建築の総合プロデューサー
その上 国奉行という重責も担う
二条城・寛永行幸 徳川幕府の威信をかけた大イベント
朝廷の好みを加え改築すること イベント全体のコーディネートも頼まれる
知恵その一
仕事を真剣にするなら遊び心も忘れるな
自分の好きな分野を生かす 雅な世界 それは大の得意分野だった
鮮やかな唐門 「七五膳十九献立巻」本膳料理 センスが映える
茶会を開催 24回 参加者は延べ100人を超えた
「小堀遠州茶会記集成」茶会というより「打ち合わせ」
朝廷の評価は「これから御所の作事は遠州に頼む」
行幸は大成功を収める
言われたことを熟すだけではなく「自分の得意とする分野」を取り入れ
仕事に彩りを与え大きな成果を上げるという知恵だった
小堀家は元々浅井家に仕えていて豊臣家へ最終的には徳川家に仕えた
一万石の小大名なので大名として大きくなるというより
有能な官僚として仕えて仕事する 基本断ることはない
遠州の精神を広めた意外な理由とは?
茶の湯の世界 58歳の頃から将軍徳川家光の茶の湯 指南役に
寛永の飢饉
知恵その二
一大事には我欲を捨てよ
遠州は農村運営を知るスペシャリストだった
農村法令の作成 新法令を考案
支配地の田畑の状態を見回る 郷民には普請等の生業を与える
仕置き悪しき代官を処罰するなど
「小堀遠州の茶会」より(「御当家令状ニ七八」要約)
上記からは大きな責任感が伝わってくる
一年間の空白 茶会は一切開いていない
疲弊した農民へ全身全霊を注いだ
一年後、堰を切ったように茶会が開催された この茶会が法令を広めた
(法令を)広めることは寛永の飢饉対策奉行として必要だった
茶器に呼んで「法令を広めなさい」と飢饉があって大変でも茶会は必要
彼が愛してやまなかった茶の湯は趣味という我欲を超えて
全国の人を救うための重要手段でもありました
自分の欲を後回しにして人のため全身全霊で役目を果すこと
それが江戸時代屈指の文化人小堀遠州の生き方でした
茶の湯は非公式の大事な話ができる場でもある
遠州はそれをとてもうまく利用できた
茶会を通じて自分の才能を発揮もした
本人の責任感 結果を出す自分
将軍との近さ 人柄も知っているからこそ安心して頼める
求められたら応えていく人物
引退後、大徳寺に庵を構えてという時期もありましたが
最後まで仕事はしていた
「書」の名手 仕事で使う公文書には「御家流」を用い、
茶の湯に関しては「定家流」で記していた 使い分けていた
「官僚としての顔」と「茶人としての顔」を使い分けている
両方を持ちながら生涯を終えた
遠州の茶の湯は遠州流茶道として現在も受け継がれている
日本文化の礎を築いた茶人 小堀遠州の知恵を味わってきた
政治だったり行政だったり担う人が文化芸術の素養を
持っていることが これだけ社会の役に立つ 文化芸術をもっと大事に
映画「素晴らしき哉人生!」(1946年公開/アメリカ)
監督:フランク・キャプラ 不朽の名作として知られる
この映画の主人公に似ていたと、話す青木崇高氏。
茶会で得られるものってすごく実は大きかったりして
人生を豊かにする いろんな関係者を呼んだお茶会っていうのは
今まで習ってきたお茶会とは違った景色で日本をよくするために
集まった同志たちで作った最高のお茶会だったのかもしれない
すごい豊かな人生を歩まれたんじゃないかなと思ったと、青木崇高氏。
秋晴る音が心を表現す
秋の夜や自分の音を追い求め
秋の空物価高騰ナイジェリア
我が身を切らぬ政治改革夜長
■こころの時代 SNSの時代に空海に導かれ~精神科医 名越康文~
どうせ死ぬのになぜ生きるのか
矛盾 仏教 空海
本尊 如意輪観世音菩薩
岡本児遍照殿 弘法大師像(あすか大師) パンドラの箱
パンドラの箱が開く音が聞こえた
最後死ぬのに何で人の命を救うのか
「仏陀」増谷文雄・著
仏教への信頼 大きな心の震え
彼女の死 刻まれた思い
だから生きていくしかない これを解いていくしかない
思春期の精神医学 自分自身を苛(さいな)んでいるのは怒り
大慈悲
月輪観(がちりんかん) 真言密教でのめい想法のひとつ
大日経
三句の法門 菩提心 大悲 方便こそ究竟(くきょう)なり
心の中にあるさびしさに気づくこと
心の中にある痛みを見つめること
動けば変わる
うわさ話は人生最大の浪費
正しさという悪意
文化とは不合理
少数派でい続ける勇気
とげとげしい言葉の正体はさびしさ
怒りに対する武器は慈悲
怒りに満ちたことばの奥にはさびしさがある
心の傷つきがマックスになった時代
祈ることが世界最古で最も強力な心理療法
三句の法門から学ぶ 自分を磨き、幸せになるための心がけ 精神科医 名越康文氏
https://shimbun.kosei-shuppan.co.jp/kouenroku/12258/
■新プロジェクトX オウムVS.科捜研~地下鉄サリン事件 世紀の逮捕劇~
Q.化学は今後どんな存在であって欲しいですか❓
服藤恵三氏 曰く
私の持論として「化学は嘘をつかない」という言葉と
「化学は多数決ではない」という言葉をよく使います。
化学というのは自分では意志がない。
使う人によって悪いことにも良いことにも使うんです。
そこをどう制御するのか❓っていうところがその人間に問われている。
真実を見る目をもっと俯瞰的に全体像を見ながら
この位置づけがどのようなものなのか❓
しっかり把握しながらこれを使わなくてはならない。
2018年7月 麻原彰晃と土屋正実の死刑が執行された。
麻原を尊師と敬う後継の団体は今も活動を続けている
■先人たちの底力 知恵泉 小堀遠州 仕事で輝くためのススメ
本来の日本らしさ ディープな日本カルチャー
世界遺産 二条城 生ける美術館 二の丸庭園を作庭したのが小堀遠州
千利休 古田織部 小堀遠州 三大茶人
詫びの利休 へうげものの織部 綺麗さびの遠州
遠州は 建築家 料理家 行政官 枠にとらわれない幅広さ
雲の上の偉人かと思えば私たちと変わらない人だった
「人手が足りなくて困っている」
「小堀政一書状」より(宇蛇松山城破却について)
見えてくるのは 人間らしさ
村雨辰剛(たつまさ) 青木崇高(むねたか) 橋本麻里 高井正智アナ
華蔵寺(けぞうじ) 愛知県 小堀遠州風
茶の湯の世界で何か新機軸を出す新しい美意識を表現する
そこにワインが入ってくることでパーティーみたいな感じに気分が変わる
そういうことを遠州はやってのけた人
小堀遠州と言えば庭作り 滋賀県大池寺
サツキの大刈り込み 海を表した庭
天龍寺 曹現池庭園 幾何学的なデザインを取り入れた
独創性と遊び心
長年続いた戦国時代 ついに終焉へ 天正7年(1579年)
滋賀県長浜市武家の息子として生まれた
幼い頃、父より茶、書画、和歌などを学び15歳の頃
才能を認められ古田織部に弟子入り
日本最高峰の芸術的教養を身につけ学芸の道を突き進みます
26歳の時 突然知らされた父の死 思いもよらない方向へ
徳川家に仕える小堀家の家督を受け継ぐ 茶の湯とは全く異なる仕事
城や寺の造営を手掛ける作事奉行を任される 建築の総合プロデューサー
その上 国奉行という重責も担う
二条城・寛永行幸 徳川幕府の威信をかけた大イベント
朝廷の好みを加え改築すること イベント全体のコーディネートも頼まれる
知恵その一
仕事を真剣にするなら遊び心も忘れるな
自分の好きな分野を生かす 雅な世界 それは大の得意分野だった
鮮やかな唐門 「七五膳十九献立巻」本膳料理 センスが映える
茶会を開催 24回 参加者は延べ100人を超えた
「小堀遠州茶会記集成」茶会というより「打ち合わせ」
朝廷の評価は「これから御所の作事は遠州に頼む」
行幸は大成功を収める
言われたことを熟すだけではなく「自分の得意とする分野」を取り入れ
仕事に彩りを与え大きな成果を上げるという知恵だった
小堀家は元々浅井家に仕えていて豊臣家へ最終的には徳川家に仕えた
一万石の小大名なので大名として大きくなるというより
有能な官僚として仕えて仕事する 基本断ることはない
遠州の精神を広めた意外な理由とは?
茶の湯の世界 58歳の頃から将軍徳川家光の茶の湯 指南役に
寛永の飢饉
知恵その二
一大事には我欲を捨てよ
遠州は農村運営を知るスペシャリストだった
農村法令の作成 新法令を考案
支配地の田畑の状態を見回る 郷民には普請等の生業を与える
仕置き悪しき代官を処罰するなど
「小堀遠州の茶会」より(「御当家令状ニ七八」要約)
上記からは大きな責任感が伝わってくる
一年間の空白 茶会は一切開いていない
疲弊した農民へ全身全霊を注いだ
一年後、堰を切ったように茶会が開催された この茶会が法令を広めた
(法令を)広めることは寛永の飢饉対策奉行として必要だった
茶器に呼んで「法令を広めなさい」と飢饉があって大変でも茶会は必要
彼が愛してやまなかった茶の湯は趣味という我欲を超えて
全国の人を救うための重要手段でもありました
自分の欲を後回しにして人のため全身全霊で役目を果すこと
それが江戸時代屈指の文化人小堀遠州の生き方でした
茶の湯は非公式の大事な話ができる場でもある
遠州はそれをとてもうまく利用できた
茶会を通じて自分の才能を発揮もした
本人の責任感 結果を出す自分
将軍との近さ 人柄も知っているからこそ安心して頼める
求められたら応えていく人物
引退後、大徳寺に庵を構えてという時期もありましたが
最後まで仕事はしていた
「書」の名手 仕事で使う公文書には「御家流」を用い、
茶の湯に関しては「定家流」で記していた 使い分けていた
「官僚としての顔」と「茶人としての顔」を使い分けている
両方を持ちながら生涯を終えた
遠州の茶の湯は遠州流茶道として現在も受け継がれている
日本文化の礎を築いた茶人 小堀遠州の知恵を味わってきた
政治だったり行政だったり担う人が文化芸術の素養を
持っていることが これだけ社会の役に立つ 文化芸術をもっと大事に
映画「素晴らしき哉人生!」(1946年公開/アメリカ)
監督:フランク・キャプラ 不朽の名作として知られる
この映画の主人公に似ていたと、話す青木崇高氏。
茶会で得られるものってすごく実は大きかったりして
人生を豊かにする いろんな関係者を呼んだお茶会っていうのは
今まで習ってきたお茶会とは違った景色で日本をよくするために
集まった同志たちで作った最高のお茶会だったのかもしれない
すごい豊かな人生を歩まれたんじゃないかなと思ったと、青木崇高氏。
2024年11月5日火曜日
田中一村&滝川一益&祖父江慎
秋黴雨(ついり)演技を超えた存在感
生まれくる音ピアノへ載せてカンナ
聞こえくる声に涙や秋さびし
満月や信じる音に抱かれて
十六夜音との会話いつまでも
■日曜美術館 奄美への道標(みちしるべ) 画家・田中一村
奄美の自然を描いた独特の作品で人気を博す
画家・田中一村(1908-1977)。
しかし生前は、大きな公募展で落選を繰り返し、
無名のまま、69年の生涯を閉じた。
アダンの海辺 閻魔大王への土産
菊図 池亭聞蛙 南画 仿八大山人筆山水 蝉時雨 明月前身図
蘭竹図/富貴図 衝立 富貴図 水辺にめだかと枯蓮と蕗の薹 椿図屏風 鶏頭図
秋色 枯木にきつゝき(冬) 竹雀図 白い花(やまぼうし) 秋晴
50歳にして奄美に移住
枇榔樹の森 不喰芋(くわずいも)と蘇鉄(立神)
生命の誕生から死までを表す 一村にとっての宇宙というのが奄美
■偉人・敗北からの教訓 第65回
「滝川一益・清州会議に出られなかった織田四天王」
滝川一益 敗北の伏線
能力を活かしてくれる人との出会いで才能が開花することも
関係が永遠に続くとは限らない
滝川一益 敗北の瞬間
情報戦は外部だけではなく組織内でも行われている
油断していると乗り遅れる
滝川一益の敗北から学ぶ教訓
衰運に陥ったら手堅く生きる
■新美の巨人たち【祖父江慎…驚きのブックデザイン×山崎静代】
「こころ」あらすじ
此手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもう此世居ないでせう。
とくに死んでゐるでせう…
復刻版のデザインでは漱石の思いを最大限に活かすデザインを試みました
石鼓文(せっこぶん) 漱石の直筆をそのまま印刷
扉の印刷は仙人風の高士 漱石が描いた下絵に差し替えた
漱石の自筆原稿を手に入れそのままを印刷した
悩(まさなければ) 初版では訂正されているがそのままにした
漱石は書いたことが本当に伝わるかどうかっていう
不安定な状態を「心」で表現しているんで
本にするにあたってその不安定さを強調して
全く直さない
本人のスタンスをどう見て作るかっていうことで
内容も変わって見えると思います
祖父江慎さんがさくらももこさんから教わったこと
自分の価値は捨てるべきものもあるなと思った(書体)
一番力を入れている本
ぺぱぷんたす 祖父江慎 アートディレクション2018年~
まず紙というものに対してもう少しフレンドリーであって欲しいと
これで本は本当にいいのか
いろんな紙が入っている本を作っているんです
生まれくる音ピアノへ載せてカンナ
聞こえくる声に涙や秋さびし
満月や信じる音に抱かれて
十六夜音との会話いつまでも
■日曜美術館 奄美への道標(みちしるべ) 画家・田中一村
奄美の自然を描いた独特の作品で人気を博す
画家・田中一村(1908-1977)。
しかし生前は、大きな公募展で落選を繰り返し、
無名のまま、69年の生涯を閉じた。
アダンの海辺 閻魔大王への土産
菊図 池亭聞蛙 南画 仿八大山人筆山水 蝉時雨 明月前身図
蘭竹図/富貴図 衝立 富貴図 水辺にめだかと枯蓮と蕗の薹 椿図屏風 鶏頭図
秋色 枯木にきつゝき(冬) 竹雀図 白い花(やまぼうし) 秋晴
50歳にして奄美に移住
枇榔樹の森 不喰芋(くわずいも)と蘇鉄(立神)
生命の誕生から死までを表す 一村にとっての宇宙というのが奄美
■偉人・敗北からの教訓 第65回
「滝川一益・清州会議に出られなかった織田四天王」
滝川一益 敗北の伏線
能力を活かしてくれる人との出会いで才能が開花することも
関係が永遠に続くとは限らない
滝川一益 敗北の瞬間
情報戦は外部だけではなく組織内でも行われている
油断していると乗り遅れる
滝川一益の敗北から学ぶ教訓
衰運に陥ったら手堅く生きる
■新美の巨人たち【祖父江慎…驚きのブックデザイン×山崎静代】
「こころ」あらすじ
此手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもう此世居ないでせう。
とくに死んでゐるでせう…
復刻版のデザインでは漱石の思いを最大限に活かすデザインを試みました
石鼓文(せっこぶん) 漱石の直筆をそのまま印刷
扉の印刷は仙人風の高士 漱石が描いた下絵に差し替えた
漱石の自筆原稿を手に入れそのままを印刷した
悩(まさなければ) 初版では訂正されているがそのままにした
漱石は書いたことが本当に伝わるかどうかっていう
不安定な状態を「心」で表現しているんで
本にするにあたってその不安定さを強調して
全く直さない
本人のスタンスをどう見て作るかっていうことで
内容も変わって見えると思います
祖父江慎さんがさくらももこさんから教わったこと
自分の価値は捨てるべきものもあるなと思った(書体)
一番力を入れている本
ぺぱぷんたす 祖父江慎 アートディレクション2018年~
まず紙というものに対してもう少しフレンドリーであって欲しいと
これで本は本当にいいのか
いろんな紙が入っている本を作っているんです
2024年11月4日月曜日
兼題「渡り鳥」&題「飛行機」
那賀場所や片手で子らを摘まみ上ぐ
初っ切りへ拍手喝采真っ赤な手
手に力燃える観客大相撲
笑顔溢れる地方巡業過疎の秋
助けたり助けられたり相撲取
■NHK俳句 兼題「渡り鳥」
年間テーマ「俳句の凝りをほぐします」
選者 堀田季何 レギュラー 庄司浩平 司会 柴田英嗣
今週のテーマ「オノマトペ」
主に擬音語と擬態語の総称 擬音語:地齋に出る音 擬態語:様子を表す音
俳句は音が重要
・コリポイント 「よくセットになる言葉」と「通常の方法」で使う
ぱちぱちと皆手を叩く秋の風
猫たちがニャーニャーと鳴く秋の暮
無駄な言葉を省く オリジナリティーを出すことが必要
1.よくセットになる言葉
2.通常の方法
①ツボ押しポイント
「よくセットになる言葉(特に動詞)」を省く
ぞろぞろと子猫出てくる月夜かな
黒猫の子のぞろぞろと月夜かな 飯田蛇笏
②ツボ押しポイント
「変わった使い方」をする
こきこきと缶詰切れば渡り鳥
鳥わたるこきこきこきと缶切れば 秋元不死男
空しさが表現できている
③ツボ押しポイント
「意外性のある言葉」とセットにする
古き扉(と)のぎいと廻りぬ秋の昼
大鯉のどつしり廻る秋の昼
大鯉のぎいと廻りぬ秋の昼 岡井省二
「ぎい」を鯉につけることで驚きが出る
他のものに使うようなオノマトペを挟み込むと意外性のある句になることがある
ひらひらと月光降りぬ貝割菜 川端茅舎(ぼうしゃ)
月光と言えばきらきらですが蝶々の舞っているようなひらひらを取り合わせた句
④ツボ押しポイント
オノマトペを創作する
句の残りの部分と合うオノマトペを創る 説得力が必要
ちょぼちょぼといふ水の音あたたかし
ぽちょぽちょといふ水の音あたたかし 今井杏太郎
重要なのはオリジナリティーと説得力
マポーン パポパポ とぱぱぱ ちたぽり
オノマトペをあたりまえにしない
・特選六句発表!兼題「渡り鳥」
北から日本に来て冬を過ごす鳥 名詞だと「渡り鳥」動詞だと「鳥渡る」
スフィンクスへ豪快に糞(ま)る渡り鳥 平野芍薬
燐寸(まっち)擦るやうな舌打ち渡り鳥 堀雄貴(ゆたか)
(「一本のマツチをすれば湖(うみ)は霧」富澤赤黄男 を彷彿とする)
惑星の引き合ふちから鳥わたる 椋本望生(むくもとぼうせい)
(二物衝撃 イメージとイメージの衝撃)
ザビエルの心に突起鳥渡る 亘航希(わたりこうき)
渡る鳥先頭はアニしんがりオレ 青木章子
渡り鳥口内炎の小さき穴 丹下京子
・柴田の歩み ちたぽりのように
庄司の歩み オノマトペで俳筋力❝はりころ❞ゲット‼
■NHK短歌 題「飛行機」テーマ「自分以外の何かになる」
年間テーマ「❝私❞に出会おう~2年目の飛躍~」
選者 川野里子 レギュラー 内藤秀一郎 深尾あむ 司会 ヒコロヒー
・飛躍の扉 自分以外の何かになってみよう
哀しめば青葉をすこし食みこぼし青葉を忘るる象亀われは
川野里子「天窓紀行」
ゾウガメになってみると私が哀しいですというよりずっと伝わる
猫柳そろりとコップに根を出しぬなんぼなんでもここでは死ねんわ
浦河奈々「マトリョーシカ」
自分だけの気持ちでいるよりずっと自分の気持ちが表現できる
わたくしの赤あかとせる魂がアステカ遺跡に掘り起こされる
大滝和子「銀河を産んだように」
何かになることで自分を広げていく 自分を発見していく
・入選六首 題「飛行機」
あなたへの気持ちは飛行機こんなにも重たいものがどうして飛ぶの
美戸茅夜子(みとちよこ)
しらすほどの飛行機ひとつ渡りをる窓まつすぐに受験票を置く
滝野放図(ほうず)
虹はいくつ入るのだろう飛行機を吐き出し終えた格納庫には
葉村直(なお)
秋空を横切るブルーインパルス戦地を知らず僕たちのよう
五月雨薊(さみだれあざみ)
私 わたしという紙飛行機をゆっくりとひらいてくれた君の手のひら
雪野まい
一席 鳥人間コンテストみるリビングの静謐いつかは誰もがひとり
西鎮(しゃんちん)
・秀一郎あむの飛躍のカギ
【エアコン】
ふと見るとブルブル君が震えてる自分の無力さを思い知る僕
内藤秀一郎 添削
ふと見るとブルブル君が震えてるエアコンの僕はまたやりすぎて
一分でコンビニ弁当あたためます。あなたの心は何分ですか?
深尾あむ
畑を耕しそこへ種を植えていく。心を言葉に置き換えていく…。
・言葉のバトン
風船葛(かずら)の中に込めて
星野高校(埼玉県) 文芸部 金子舞
⇩
Twilightよい子は家(うち)に帰りましょう
興南高校(沖縄県)俳句部 知念ひなた
題「恋」題14回牧水・短歌甲子園 優勝
人間は濡れたらきれいゆるやかに恋は樹林のように果てるの
(忘れかけていた景色が思いだされる)
初っ切りへ拍手喝采真っ赤な手
手に力燃える観客大相撲
笑顔溢れる地方巡業過疎の秋
助けたり助けられたり相撲取
■NHK俳句 兼題「渡り鳥」
年間テーマ「俳句の凝りをほぐします」
選者 堀田季何 レギュラー 庄司浩平 司会 柴田英嗣
今週のテーマ「オノマトペ」
主に擬音語と擬態語の総称 擬音語:地齋に出る音 擬態語:様子を表す音
俳句は音が重要
・コリポイント 「よくセットになる言葉」と「通常の方法」で使う
ぱちぱちと皆手を叩く秋の風
猫たちがニャーニャーと鳴く秋の暮
無駄な言葉を省く オリジナリティーを出すことが必要
1.よくセットになる言葉
2.通常の方法
①ツボ押しポイント
「よくセットになる言葉(特に動詞)」を省く
ぞろぞろと子猫出てくる月夜かな
黒猫の子のぞろぞろと月夜かな 飯田蛇笏
②ツボ押しポイント
「変わった使い方」をする
こきこきと缶詰切れば渡り鳥
鳥わたるこきこきこきと缶切れば 秋元不死男
空しさが表現できている
③ツボ押しポイント
「意外性のある言葉」とセットにする
古き扉(と)のぎいと廻りぬ秋の昼
大鯉のどつしり廻る秋の昼
大鯉のぎいと廻りぬ秋の昼 岡井省二
「ぎい」を鯉につけることで驚きが出る
他のものに使うようなオノマトペを挟み込むと意外性のある句になることがある
ひらひらと月光降りぬ貝割菜 川端茅舎(ぼうしゃ)
月光と言えばきらきらですが蝶々の舞っているようなひらひらを取り合わせた句
④ツボ押しポイント
オノマトペを創作する
句の残りの部分と合うオノマトペを創る 説得力が必要
ちょぼちょぼといふ水の音あたたかし
ぽちょぽちょといふ水の音あたたかし 今井杏太郎
重要なのはオリジナリティーと説得力
マポーン パポパポ とぱぱぱ ちたぽり
オノマトペをあたりまえにしない
・特選六句発表!兼題「渡り鳥」
北から日本に来て冬を過ごす鳥 名詞だと「渡り鳥」動詞だと「鳥渡る」
スフィンクスへ豪快に糞(ま)る渡り鳥 平野芍薬
燐寸(まっち)擦るやうな舌打ち渡り鳥 堀雄貴(ゆたか)
(「一本のマツチをすれば湖(うみ)は霧」富澤赤黄男 を彷彿とする)
惑星の引き合ふちから鳥わたる 椋本望生(むくもとぼうせい)
(二物衝撃 イメージとイメージの衝撃)
ザビエルの心に突起鳥渡る 亘航希(わたりこうき)
渡る鳥先頭はアニしんがりオレ 青木章子
渡り鳥口内炎の小さき穴 丹下京子
・柴田の歩み ちたぽりのように
庄司の歩み オノマトペで俳筋力❝はりころ❞ゲット‼
■NHK短歌 題「飛行機」テーマ「自分以外の何かになる」
年間テーマ「❝私❞に出会おう~2年目の飛躍~」
選者 川野里子 レギュラー 内藤秀一郎 深尾あむ 司会 ヒコロヒー
・飛躍の扉 自分以外の何かになってみよう
哀しめば青葉をすこし食みこぼし青葉を忘るる象亀われは
川野里子「天窓紀行」
ゾウガメになってみると私が哀しいですというよりずっと伝わる
猫柳そろりとコップに根を出しぬなんぼなんでもここでは死ねんわ
浦河奈々「マトリョーシカ」
自分だけの気持ちでいるよりずっと自分の気持ちが表現できる
わたくしの赤あかとせる魂がアステカ遺跡に掘り起こされる
大滝和子「銀河を産んだように」
何かになることで自分を広げていく 自分を発見していく
・入選六首 題「飛行機」
あなたへの気持ちは飛行機こんなにも重たいものがどうして飛ぶの
美戸茅夜子(みとちよこ)
しらすほどの飛行機ひとつ渡りをる窓まつすぐに受験票を置く
滝野放図(ほうず)
虹はいくつ入るのだろう飛行機を吐き出し終えた格納庫には
葉村直(なお)
秋空を横切るブルーインパルス戦地を知らず僕たちのよう
五月雨薊(さみだれあざみ)
私 わたしという紙飛行機をゆっくりとひらいてくれた君の手のひら
雪野まい
一席 鳥人間コンテストみるリビングの静謐いつかは誰もがひとり
西鎮(しゃんちん)
・秀一郎あむの飛躍のカギ
【エアコン】
ふと見るとブルブル君が震えてる自分の無力さを思い知る僕
内藤秀一郎 添削
ふと見るとブルブル君が震えてるエアコンの僕はまたやりすぎて
一分でコンビニ弁当あたためます。あなたの心は何分ですか?
深尾あむ
畑を耕しそこへ種を植えていく。心を言葉に置き換えていく…。
・言葉のバトン
風船葛(かずら)の中に込めて
星野高校(埼玉県) 文芸部 金子舞
⇩
Twilightよい子は家(うち)に帰りましょう
興南高校(沖縄県)俳句部 知念ひなた
題「恋」題14回牧水・短歌甲子園 優勝
人間は濡れたらきれいゆるやかに恋は樹林のように果てるの
(忘れかけていた景色が思いだされる)
2024年11月3日日曜日
清少納言 枕草子の真実
冬隣日に日に増えるSpamかな
秋の雨心にひだがまた一つ
秋の日や意志の断絶にべもなく
米の秋割れんばかりのブーイング
パソコンに向かって抹茶長き夜
■英雄たちの選択
秘められたメッセージ ~清少納言 枕草子の真実~
春はあけぼの やうやうしろくなりゆく山ぎは
すこしあかりて紫だちたる雲のほそくたなびきたる
世界最古のエッセイと言われる枕草子 執筆したのは清少納言
厳しくとがめた人物がいた その名は紫式部
さるまじく あだなるさまにもなるに侍るべし
「紫式部日記」より
現実からかけ離れた嘘の作品である
一条天皇の后となった藤原定子 一族の没落
変わって権力を握ったのが藤原道長の台頭
後宮を追われた定子 裏切者の烙印を押され職を辞すことに
磯田道史 浅田春奈
康保3年(966)頃 清少納言生まれる
父は清原元輔(歌人)
天元4年(981)頃 橘則光と結婚
2人のあいだには男児が生まれた
この時代夫婦の経済は女性の実家が支えるものだった
父 元輔が亡くなると 則光は清少納言の元から去って行った
後宮への出仕を決心
正歴元年(990) 藤原定子 入内
正歴4年(993) 清少納言 後宮の女房となる
平安京 内裏 後宮 登花殿と呼ばれる所に勤める
少納言よ 香炉峰の雪いかならむ
「枕草子」より
香炉峰の雪は簾をかかげて看る
白居易
さりぬべからむ人のむすめなどは さしまじらはせ
世のありさまも 見せならはさまほいう 内侍のすけなどにて
しばしもあらせばやよこそおぼゆれ
宮仕へする人を あはあはいうわるき事に
言ひ思ひたる男などこそいとにくけれ
「枕草子」より
「これに何をか書かまし」と「うへの御前には史記といふ文をなむ
一部書かせたまふなり 古今をや書かまし」などのたまはせしを
「これ給ひて 枕にしはべらばや」と啓せしかば
「さらば得よ」とて給はせたりし
「枕草子 能因本」より
史記と敷物の語呂合わせ
赤間恵都子 繁田信一 中野信子
高階茂忠 定子に母方の祖父
東宮学士として一条天皇に学問を教えた
清少納言が一番影響を与えた相手が一条天皇
定子が一条天皇を教育していった
平安時代は政治と文化は強く結びついていた
古今和歌集を命じた醍醐天皇 後撰集を命じたのは村上天皇
天皇の力が強いときは政治も上手く起動していた
後宮というのは后を取り巻く文化的な場所
文化的な場所が価値が上がればその后の価値も上がり
さらに天皇の治世にも影響する
日本の後宮の特徴は女性キャリア官僚がいる
日本では取り入れなかったもの⇩
宦官(かんがん)宮廷に仕える去勢された男性
科挙 中国の官吏登用制度 実力試験方式で選抜した
オール漢文ではなく和歌でやっていくなんちゃって中国でした
正当なエッセンスがあるような宮廷を作っていた
長徳2年(996) 定子 第一子懐妊
関白 藤原道隆(定子の父) 死去
生前 定子の兄 藤原伊周(これちか)に関白を
継がせようとしたが 周囲に反対され果たせなかった
長徳2年(996) 藤原伊周ら花山法皇を襲撃
事件の収集にあたったのが藤原道長
道長は道隆の弟だった
藤原伊周ら流罪となる
不運は続く 長徳2年(996) 中関白家邸 全焼
昨の禁家 今滅亡す 古人云わく「禍福は糾(あざな)へる縄のごとし」
藤原実資「小右記」より
定子落飾
火の粉は清少納言にまで及んできた
候ふ人たちなどの 「左の大殿方の人知る筋にてあり」とて
さしつどひ物など言ふも 下よりまゐる見ては ふと言ふやみ
はなち出でたるけしきなる
「枕草子」より
寝返り疑惑
疑われたのは頻繁に訪れていた藤原斉信だった
斉信は道長の親友だった
ただ今まかづるを 聞ゆべき事なむある
見るべき事ありて 上へなむのぼりはべる そこにて
清少納言 休職し里に下がる
藤原斉信 天皇の秘書官長(蔵人頭)清少納言と交友があった
上臈・中臈・下臈といって清少納言は中臈の女房だった
前夫 橘則光は道長派に取り込もうとやってきたのは
斉信の部下だったから
同じ時期、清少納言から文が届いた
ひとひらの山吹の花びら「言はで思ふぞ」と認められていた
清少納言 あなただけは帰ってきてほしい
という思いが込められていた
道長VS清少納言
長徳2年(966)7月 大納言 藤原公季の娘・義子 入内
同年11月 右大臣 藤原顕光の娘・元子 入内
道長の娘 藤原彰子 入内させようとしていた
長徳3年(997) 一条天皇 藤原定子を環俗させる
天下 甘心せず 「彼の宮の人々 出家し給はざるを称す」と云々
太だ希有の事なり
藤原実資「小右記」より
枕草子を書き始めていた
古典の写しではなく 自分自身の言葉を綴ったのだ
そこにはさりげなく定子へのメッセージを忍ばせていた
定子は第一皇子 敦康親王と二人の娘を儲けた しかし三人目を出産した
翌日定子は崩御した
長保2年(1000) 藤原定子 死去 享年24
清少納言は定子の最後を看取った
定子は鳥戸野陵に埋葬された
定子は一人ここに眠ることとなった
定子の辞世の句
煙とも雲ともならぬ身なれども草場の露をそれとながめよ
清少納言が定子の思い出の記を書いてばらまくことで
人々の中で定子の思い出が広まる
その中では定子は非常に聡明で明るく笑っている
その思い出が蘇り定子は悲劇的な人ではなかったんじゃないか
楽しく自分の文化というものを体現し
生き抜いた人だったんじゃないか
それが定子の思い出の記の果した役割だったのではないか
源氏物語「桐壺」の更衣は定子をモデルにしたと言われている
治歴4年(1068) 後三条天皇 即位
長く続いた摂関政治は終焉を迎えた
敦康親王を存在価値を示した
品のいい脅迫として機能していった
道長は枕草子に対抗するために 紫式部のほかに
和泉式部とか伊勢大輔とか 当時名だたる文化人
女性たちを後宮に入れた
源氏物語もそうだが 女性は自分の生をかけて
書きたいことを書いている それが素晴らしい感性だったり
人生における喜び 苦悩 悲しみというものが
現代の私たちが読んでも 非常に普遍的なものとして伝わってくる
小説とか随筆とか書評とか論説とか いい散文を持っている文化は
実は社会の最大の未来へのインフラだと思う
秋の雨心にひだがまた一つ
秋の日や意志の断絶にべもなく
米の秋割れんばかりのブーイング
パソコンに向かって抹茶長き夜
■英雄たちの選択
秘められたメッセージ ~清少納言 枕草子の真実~
春はあけぼの やうやうしろくなりゆく山ぎは
すこしあかりて紫だちたる雲のほそくたなびきたる
世界最古のエッセイと言われる枕草子 執筆したのは清少納言
厳しくとがめた人物がいた その名は紫式部
さるまじく あだなるさまにもなるに侍るべし
「紫式部日記」より
現実からかけ離れた嘘の作品である
一条天皇の后となった藤原定子 一族の没落
変わって権力を握ったのが藤原道長の台頭
後宮を追われた定子 裏切者の烙印を押され職を辞すことに
磯田道史 浅田春奈
康保3年(966)頃 清少納言生まれる
父は清原元輔(歌人)
天元4年(981)頃 橘則光と結婚
2人のあいだには男児が生まれた
この時代夫婦の経済は女性の実家が支えるものだった
父 元輔が亡くなると 則光は清少納言の元から去って行った
後宮への出仕を決心
正歴元年(990) 藤原定子 入内
正歴4年(993) 清少納言 後宮の女房となる
平安京 内裏 後宮 登花殿と呼ばれる所に勤める
少納言よ 香炉峰の雪いかならむ
「枕草子」より
香炉峰の雪は簾をかかげて看る
白居易
さりぬべからむ人のむすめなどは さしまじらはせ
世のありさまも 見せならはさまほいう 内侍のすけなどにて
しばしもあらせばやよこそおぼゆれ
宮仕へする人を あはあはいうわるき事に
言ひ思ひたる男などこそいとにくけれ
「枕草子」より
「これに何をか書かまし」と「うへの御前には史記といふ文をなむ
一部書かせたまふなり 古今をや書かまし」などのたまはせしを
「これ給ひて 枕にしはべらばや」と啓せしかば
「さらば得よ」とて給はせたりし
「枕草子 能因本」より
史記と敷物の語呂合わせ
赤間恵都子 繁田信一 中野信子
高階茂忠 定子に母方の祖父
東宮学士として一条天皇に学問を教えた
清少納言が一番影響を与えた相手が一条天皇
定子が一条天皇を教育していった
平安時代は政治と文化は強く結びついていた
古今和歌集を命じた醍醐天皇 後撰集を命じたのは村上天皇
天皇の力が強いときは政治も上手く起動していた
後宮というのは后を取り巻く文化的な場所
文化的な場所が価値が上がればその后の価値も上がり
さらに天皇の治世にも影響する
日本の後宮の特徴は女性キャリア官僚がいる
日本では取り入れなかったもの⇩
宦官(かんがん)宮廷に仕える去勢された男性
科挙 中国の官吏登用制度 実力試験方式で選抜した
オール漢文ではなく和歌でやっていくなんちゃって中国でした
正当なエッセンスがあるような宮廷を作っていた
長徳2年(996) 定子 第一子懐妊
関白 藤原道隆(定子の父) 死去
生前 定子の兄 藤原伊周(これちか)に関白を
継がせようとしたが 周囲に反対され果たせなかった
長徳2年(996) 藤原伊周ら花山法皇を襲撃
事件の収集にあたったのが藤原道長
道長は道隆の弟だった
藤原伊周ら流罪となる
不運は続く 長徳2年(996) 中関白家邸 全焼
昨の禁家 今滅亡す 古人云わく「禍福は糾(あざな)へる縄のごとし」
藤原実資「小右記」より
定子落飾
火の粉は清少納言にまで及んできた
候ふ人たちなどの 「左の大殿方の人知る筋にてあり」とて
さしつどひ物など言ふも 下よりまゐる見ては ふと言ふやみ
はなち出でたるけしきなる
「枕草子」より
寝返り疑惑
疑われたのは頻繁に訪れていた藤原斉信だった
斉信は道長の親友だった
ただ今まかづるを 聞ゆべき事なむある
見るべき事ありて 上へなむのぼりはべる そこにて
清少納言 休職し里に下がる
藤原斉信 天皇の秘書官長(蔵人頭)清少納言と交友があった
上臈・中臈・下臈といって清少納言は中臈の女房だった
前夫 橘則光は道長派に取り込もうとやってきたのは
斉信の部下だったから
同じ時期、清少納言から文が届いた
ひとひらの山吹の花びら「言はで思ふぞ」と認められていた
清少納言 あなただけは帰ってきてほしい
という思いが込められていた
道長VS清少納言
長徳2年(966)7月 大納言 藤原公季の娘・義子 入内
同年11月 右大臣 藤原顕光の娘・元子 入内
道長の娘 藤原彰子 入内させようとしていた
長徳3年(997) 一条天皇 藤原定子を環俗させる
天下 甘心せず 「彼の宮の人々 出家し給はざるを称す」と云々
太だ希有の事なり
藤原実資「小右記」より
枕草子を書き始めていた
古典の写しではなく 自分自身の言葉を綴ったのだ
そこにはさりげなく定子へのメッセージを忍ばせていた
定子は第一皇子 敦康親王と二人の娘を儲けた しかし三人目を出産した
翌日定子は崩御した
長保2年(1000) 藤原定子 死去 享年24
清少納言は定子の最後を看取った
定子は鳥戸野陵に埋葬された
定子は一人ここに眠ることとなった
定子の辞世の句
煙とも雲ともならぬ身なれども草場の露をそれとながめよ
清少納言が定子の思い出の記を書いてばらまくことで
人々の中で定子の思い出が広まる
その中では定子は非常に聡明で明るく笑っている
その思い出が蘇り定子は悲劇的な人ではなかったんじゃないか
楽しく自分の文化というものを体現し
生き抜いた人だったんじゃないか
それが定子の思い出の記の果した役割だったのではないか
源氏物語「桐壺」の更衣は定子をモデルにしたと言われている
治歴4年(1068) 後三条天皇 即位
長く続いた摂関政治は終焉を迎えた
敦康親王を存在価値を示した
品のいい脅迫として機能していった
道長は枕草子に対抗するために 紫式部のほかに
和泉式部とか伊勢大輔とか 当時名だたる文化人
女性たちを後宮に入れた
源氏物語もそうだが 女性は自分の生をかけて
書きたいことを書いている それが素晴らしい感性だったり
人生における喜び 苦悩 悲しみというものが
現代の私たちが読んでも 非常に普遍的なものとして伝わってくる
小説とか随筆とか書評とか論説とか いい散文を持っている文化は
実は社会の最大の未来へのインフラだと思う
2024年11月2日土曜日
靴&「下り簗(くだりやな)」&藤原公任の歌
塩田千春展を詠む
風の色力を抜いて乗り越えた
不確かな旅を彷徨うほしづくよ
瞬間を全て捉えて月の秋
秋深し禁じられたる繋がりよ
秋の夢糸絡まりて擦り切れて
共有を作品とする鰯雲
■漢字ふむふむ 履物の大変化で生まれた「靴」
日本でいう靴は長靴 ブーツのような長い履物の総称
中国で丈の短い履物は「鞋」を指す
日本では「草鞋(わらじ)」 明治以前草鞋や下駄をあてはめた
明治以降 西洋の靴が取り入れられるようになった
靴⇨動物の皮を他のものに変えるという意味
近代日本における履物の変化が漢字に反映したもの
北方に遊牧騎馬民族がいた 乗馬用の皮の長ぐつだった
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「下り簗(くだりやな)」
川で見かけたことあるわという方もいらっしゃるかもしれません
川に仕掛けて魚を獲るための仕掛けのことを「簗(やな)」といいます
魚たちが入り込んでくるように入り口を作ってあって その勢いのまま
簾(すだれ)みたいなものの上に打上げられたそういう魚たちを
捕まえる仕掛けを「簗」というのですが この「下り簗」と
いった場合には 秋に産卵を終えて戻っていく魚たちを
獲るための仕掛けを「下り簗」といいます
春には逆に「上り簗」という仕掛けがありまして
これは川に向かって産卵のために遡上していく遡っていく魚たちを
獲るために川下に向けて入り口があります
「下り簗」は川上に向けて口が開いているわけです
単純に「簗」といった場合は夏のこれもものになってくるわけです
「下り簗」は秋である このポイントを生かして詠みたい季語ですね
方向がハッキリしています
■光る君へ(41) 揺らぎ
小倉山嵐の風の寒ければもみぢの錦きぬ人ぞなき
藤原公任(きんとう) 大納言を務めた貴族
三舟の才(詩・歌・管弦のすべてに優れていた)
公任が隠せいした岩倉長谷の地は
「和漢朗詠集」にちなんで朗詠谷と呼ばれた
代表作
滝の音は絶えて久しくなりぬけど名こそ流れてなほ聞こえけれ
百人一首55番
風の色力を抜いて乗り越えた
不確かな旅を彷徨うほしづくよ
瞬間を全て捉えて月の秋
秋深し禁じられたる繋がりよ
秋の夢糸絡まりて擦り切れて
共有を作品とする鰯雲
■漢字ふむふむ 履物の大変化で生まれた「靴」
日本でいう靴は長靴 ブーツのような長い履物の総称
中国で丈の短い履物は「鞋」を指す
日本では「草鞋(わらじ)」 明治以前草鞋や下駄をあてはめた
明治以降 西洋の靴が取り入れられるようになった
靴⇨動物の皮を他のものに変えるという意味
近代日本における履物の変化が漢字に反映したもの
北方に遊牧騎馬民族がいた 乗馬用の皮の長ぐつだった
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「下り簗(くだりやな)」
川で見かけたことあるわという方もいらっしゃるかもしれません
川に仕掛けて魚を獲るための仕掛けのことを「簗(やな)」といいます
魚たちが入り込んでくるように入り口を作ってあって その勢いのまま
簾(すだれ)みたいなものの上に打上げられたそういう魚たちを
捕まえる仕掛けを「簗」というのですが この「下り簗」と
いった場合には 秋に産卵を終えて戻っていく魚たちを
獲るための仕掛けを「下り簗」といいます
春には逆に「上り簗」という仕掛けがありまして
これは川に向かって産卵のために遡上していく遡っていく魚たちを
獲るために川下に向けて入り口があります
「下り簗」は川上に向けて口が開いているわけです
単純に「簗」といった場合は夏のこれもものになってくるわけです
「下り簗」は秋である このポイントを生かして詠みたい季語ですね
方向がハッキリしています
■光る君へ(41) 揺らぎ
小倉山嵐の風の寒ければもみぢの錦きぬ人ぞなき
藤原公任(きんとう) 大納言を務めた貴族
三舟の才(詩・歌・管弦のすべてに優れていた)
公任が隠せいした岩倉長谷の地は
「和漢朗詠集」にちなんで朗詠谷と呼ばれた
代表作
滝の音は絶えて久しくなりぬけど名こそ流れてなほ聞こえけれ
百人一首55番
2024年11月1日金曜日
外食で一句&荒木健太郎杯結果①
詫び寂びの真髄永遠へ秋の風
時こそは永遠の旅秋の空
旅という危険と期待秋を生く
秋深し畏敬の念としなやかさ
星月夜日に日に下がる円の価値
■プレバト纏め 2024年10月31日
外食で一句
永世名人 千原ジュニアのお手本
二件目へ行く汝(な)帰る吾(あ)薄月夜
(会話が想像できる 上五での情報量が大きい 工夫したのは中七
中七で読み手は勝手に想像する 着地がうまい
薄月夜 うっすらと月が出ている夜 大人の複雑な感情を月が支えている
今夜の月は自分の複雑な思いを知ってくれているのかな?という思い)
永世名人 村上健志のお手本
秋爽の皿やオリーブオイルの黄
(秋の爽やかな空気感 相性がいいじゃないか と村上名人
色の対比が成功 秋爽とは映像を持たない時候の季語
秋爽とは秋の空気が澄み渡る心地良さを皿に託すという判断がうまい
お皿の上だけで一句が作れる これが村上名人)
1位 山﨑ケイ
良夜なりすっぴんママのワイン会
(季語良夜を愛でる気持ちが出ている すっぴんママと纏めた所で
状況がはっきり分かる 思いをストレートに言う 俳句の大事なコツ)
2位 三倉茉奈
吾子抱えつまむ秋刀魚は骨多し
添削(口の中の感触はこれでは?)
吾子抱きつ食むや秋刀魚は小骨ごと
3位 すみれ
秋の宵ビブとあなたと白ワイン
添削(ビブとは涎掛け)
ビブの児(こ)と夫と秋夜の白ワイン
4位 菊地亜美
ランチ寿司ひとりで頬も赤く染め
添削(酢:夏の季語 酢が防腐の役割をし匂いが夏の味覚をそそる
この句の中では寿司が季語)
寿司つまむ一人の昼や一献す
5位 松丸友紀
ママ友会エンドレスなる夜もみじ
添削(夜もみじは陳腐 季語を比喩に使うと鮮度が落ちる
季語を立てる)
夜の紅葉ママ友会はエンドレス
次回のお題は大観衆
■夏井いつき俳句チャンネル
特別投句企画 荒木健太郎杯、結果発表①【お待たせしました!】
兼題「積乱雲または鉄鈷(鉄床)雲」
絶縁や底煤黒き積乱雲 みずくらげ
積乱雲たれともあそべないかたち そら
いるかめくみづのかたまり積乱雲 織部なつめ
積乱雲みづは淋しいほど膨る 三月兎
ヴィヴァーチェのピアノ鉄鋸雲の渦 椿康文
象十二頭蹴上ぐる泥や鉄砧雲 奥伊賀サブレ
時こそは永遠の旅秋の空
旅という危険と期待秋を生く
秋深し畏敬の念としなやかさ
星月夜日に日に下がる円の価値
■プレバト纏め 2024年10月31日
外食で一句
永世名人 千原ジュニアのお手本
二件目へ行く汝(な)帰る吾(あ)薄月夜
(会話が想像できる 上五での情報量が大きい 工夫したのは中七
中七で読み手は勝手に想像する 着地がうまい
薄月夜 うっすらと月が出ている夜 大人の複雑な感情を月が支えている
今夜の月は自分の複雑な思いを知ってくれているのかな?という思い)
永世名人 村上健志のお手本
秋爽の皿やオリーブオイルの黄
(秋の爽やかな空気感 相性がいいじゃないか と村上名人
色の対比が成功 秋爽とは映像を持たない時候の季語
秋爽とは秋の空気が澄み渡る心地良さを皿に託すという判断がうまい
お皿の上だけで一句が作れる これが村上名人)
1位 山﨑ケイ
良夜なりすっぴんママのワイン会
(季語良夜を愛でる気持ちが出ている すっぴんママと纏めた所で
状況がはっきり分かる 思いをストレートに言う 俳句の大事なコツ)
2位 三倉茉奈
吾子抱えつまむ秋刀魚は骨多し
添削(口の中の感触はこれでは?)
吾子抱きつ食むや秋刀魚は小骨ごと
3位 すみれ
秋の宵ビブとあなたと白ワイン
添削(ビブとは涎掛け)
ビブの児(こ)と夫と秋夜の白ワイン
4位 菊地亜美
ランチ寿司ひとりで頬も赤く染め
添削(酢:夏の季語 酢が防腐の役割をし匂いが夏の味覚をそそる
この句の中では寿司が季語)
寿司つまむ一人の昼や一献す
5位 松丸友紀
ママ友会エンドレスなる夜もみじ
添削(夜もみじは陳腐 季語を比喩に使うと鮮度が落ちる
季語を立てる)
夜の紅葉ママ友会はエンドレス
次回のお題は大観衆
■夏井いつき俳句チャンネル
特別投句企画 荒木健太郎杯、結果発表①【お待たせしました!】
兼題「積乱雲または鉄鈷(鉄床)雲」
絶縁や底煤黒き積乱雲 みずくらげ
積乱雲たれともあそべないかたち そら
いるかめくみづのかたまり積乱雲 織部なつめ
積乱雲みづは淋しいほど膨る 三月兎
ヴィヴァーチェのピアノ鉄鋸雲の渦 椿康文
象十二頭蹴上ぐる泥や鉄砧雲 奥伊賀サブレ
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