梅雨末期くせ毛益々ゆがみをり
食べ終えて居間から寝言簟(たかむしろ)
滴りの音を求めて山の道
レンジで作る冷索麺(ひやそうめん)や舌鼓
夏の居間枕抱きて高いびき
■100分de名著 キャンベル「千の顔をもつ英雄」(2)
出立-冒険への合図にどう気づくか
ジョーゼフ・キャンベル(1904~87)
旅立ちの時…運命に導かれし夕社は未知なる世界へと踏み出す
佐宗邦威 伊集院光
現実の生活に退屈している主人公に冒険の合図 お告げが突然訪れる
すぐに冒険に出ようという場合もあれば迷う葛藤してしまう時もある
自分のこととして英雄の物語を考える
未来のブッダ ゴータマ・シッダールタの出立
未来のブッダが御者に声をかけた。「ねえ、きみ、この人は何だろう。
髭までほかの人と違うが」そして御者の返事をきくと、こう言った。
「生まれなければよかったのに。
生まれれば、老いは必ず訪れるものなのだから」
心をかき乱された未来のブッダは、すぐに引き返して宮殿に戻った。
冒険への召命
どう見ても偶然としか思えない失敗が予想外の世界を見せ、
その人は正しく理解できない力との関わりに引っ張り込まれる。
フロイトによると、失敗というのは偶然の産物ではない。
それは抑圧された願望と葛藤の結果である。
思いがけなく現れた泉が生み出す、人生の表面に立つさざ波だ。(中略)
失敗は運命の入り口といっていいだろう。
佐宗邦威
企業家が悔しさや屈辱が原体験となって
逆にチャレンジができるという話もある
それが将来のジャンプのきっかけとなっている
伊集院静
失敗が出発の合図 冒険のスタート
日常の中で出発の合図に気づくには❓
佐宗邦威
ネットの時代自分の好きな情報や最適化された情報を見てしまう
日々心地の良い環境で生活しやすい 生活に変化が入りにくい時代
旅の出ること その場に行くことで生まれる偶然に身を委ねる
同じ一週間の旅でも予定を詰め込み過ぎない旅をする
伊集院静
予定をメチャクチャ詰める 必ず失敗する 旅がおもしろくなるのは
予定を分刻みで立て 序盤にダメになる ダメになって仕方なく
行った所で面白いことが起こる ドジを踏む才能に溢れていた
いつもと違うことをやってみる
英雄はなぜ召命を拒否するのか
現実の人生ではよくあることで、神話や有名な話の中でも
珍しいことではないのだが、召命に応えない、という面白くない展開に
出くわすことがある。(略)この拒否とは本質的には、自分の利益になると
思われることを断念したくない、という拒否を意味する、と
世界中の神話や民話ははっきり示している。
佐宗邦威
旅に出ることは地位や安定した生活を捨てることを意味する
安定の方にとどめておく「現状維持バイアス」
直感ではやりたい でも 理性では安定したいと迷った時は
直感を信じて前に一歩出なさい という神話の教訓
「英雄の旅・召命」の経験
伊集院静
高校を辞めて古典落語の世界に入ったことは冒険のスタートだった
キャンベル
召喚を拒否すると、冒険は消極的な形をとることになる。
退屈や激務、または「世間」に囲まれて、当の本人は
重要で肯定的な行動力を失い、救いを求める犠牲者になる。
花開く世界は石だらけの荒野になり、人生も無意味に思えてしまう。
佐宗邦威
「救いを求める犠牲者」直感を拒否すると受け身になる
被害者意識が強くなる
英雄の旅の最初に出会うのは、これから遭遇する恐ろしい力に
対抗するための魔除けを冒険者に授ける守護者
(たいていは小さく皺だらけのおばあさんかおじいさん)である。
英雄を導き助けるために擬人化された運命とともに、
英雄は冒険に踏み出し、強大な力の領域への入り口で
いよいよ「境界の守護者」に出会う。
管理人の向うにあるのが闇や未知、危険である。
親の監視から離れると子どもに危険が及び、
社会の保護から外れると、部族の成員に危険が
もたらされるのと同じことが起こる。
メンター(助力者)という存在
伊集院静
自分の人生のヨーダ(メンター)はこの人なんじゃないかという
考え方ができると見逃している人や無視していたアドバイスを
聞くことができるんじゃないですか 俺の物語にもメンターが
いる可能性が高い 落語の世界に誘ってくれたのは
師匠の師匠の弟 普通の書店のおじさん
神話におじいちゃん おばあちゃんが出てきて
若者が育つうえで助言する 本能的に人間はメンターの力を
借りて育っていく生きていく 神話が教えてくれるのは
ちゃんとメンターの存在を感じなさいということ
自分の人生においては主役なんだけど
他の人の人生に対してはメンターだったりする
英雄が境界を超える時
佐宗邦威
主人公はここで覚悟が決まる 今までの自分が死んで
新しい自分になっていく
イジュウイン・クエストをどういうイベントを
自分は乗り越えてきたのか
キャンベル
私たちはひとりで冒険に挑む必要がない。
かつて英雄たちがすでに私たちの前を歩いているからである。
迷宮の正体もすっかり知れている。
私たちは英雄が用意してくれた糸の道をたどればいい。
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