知恵島の色とりどりの百合の花
江川沿い百合の花の香惜しげなく
百合の花水辺の香り聞きたくて
五月闇高所得者となりにけり
薄味を病疑う夏の朝
■あの本、読みました?~今村翔吾が語る司馬遼太郎、池波正太郎、藤沢周平の魅力
本と歴史 今村翔吾
今年4月に77歳で亡くなったアメリカの作家 ポール・オースターを追悼
翻訳家・柴田元幸と魅力を語り合う
▪歴史小説は人生のカンニングペーパー
「教養としての歴史小説」今村翔吾 ダイヤモンド社
歴史小説:史実をもとに書かれた小説
時代小説:古い時代の事件や人物を素材とした小説
水戸黄門は時代小説
幕末はわかりにくい
おススメの歴史小説作家は今村翔吾
火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 今村翔吾 祥伝社文庫
イクサガミ天 今村翔吾著 講談社文庫
「まずはお配りした木札を首のお掛け下さい。
これを外せば金を得る資格は失します。お気をつけ下さい」
皆が言われたように首に木札を掛ける。
「本日、総勢二百九十二人の方々にお集り頂きました。
皆様にはこれから東京へと向かって頂きます」
槐(えんじ)が諸手を開いて言うと、またどよめきが巻き起こった。
腕の立つものを集め、武器を手に東京へ向かう。
真っ先に頭を過ぎさったのは、愁二郎と同じことを考えて
動揺を露わにする者もいるが、槐は心を見抜くように首を横に振る。
「政府に弓引くという訳ではございません。一つ皆様に
心技体の全てを競うという「遊び」をして頂きたい」
歴史小説家になったきっかけは❓
小学五年生の時、「真田太平記(一)天魔の夏」池波正太郎著 新潮文庫
Debutのきっかけは北方謙三
竜馬がゆく 司馬遼太郎著 文春文庫
燃えよ剣 司馬遼太郎著 新潮文庫
翔ぶが如く 司馬遼太郎 文春文庫
真田太平記 池波正太郎 新潮文庫
鬼平犯科帳 池波正太郎 文春文庫
殺しの四人 池波正太郎 講談社文庫
用心棒日月抄 藤沢周平 新潮文庫
たそがれ清兵衛 藤沢周平 新潮文庫
蝉しぐれ 藤沢周平 文春文庫
伊賀忍法帖 山田風太郎 講談社文庫
それでも、だれひとり、目がはなせなかった。
五メートルばかりはなれてむかいあった
二人の男のあいだに交流するすさまじい殺気の波が、
すべての人びとの視覚中枢に灼きつけられていたからだ。
(注略)
忍法の争いに、実のところ、卑怯という言葉はない。
いかなるハンディキャップもみとめられず、
いかなるトリックも容認される。
忍者の世界に、武門の法は適用できぬ。
そこには、奇襲、暗殺、だまし討ち、それだけに
手段をえらばぬ苛烈無慈悲のたたかいがあがあるのみだ。
マジ ヤバイ ビビる 江戸時代から使われていた
マジ 江戸時代に芸人の楽屋言葉から生まれた「まじめ」の略
ヤバい 江戸時代の射撃場を「矢場」と呼んでおり
そこで悪事が行われていたことが語源 ヤバい人たちの隠語
ビビる 平安時代(紫式部)から使われていた
鎧がこすれる音が「ビンビン響く」ことから生まれた言葉
人生の悩みは歴史小説が解決する
林祐輔 番組プロデューサー
楽毅(がっき) 宮城谷昌光 新潮文庫
いまの君主は、人を求めず、利を求め、地を求めている。
武力で奪いとったものを、武力で守ろうとしている。
だが、一城の守将の心をつかめば、やすやすとその城はてにはいり、
一国の君主の心をとれば、おのずとその国はころがりこんでくる。
人心を得るほうが利は大きいのである。
価値観の違いを学べる 歴史小説「楽毅」
中間管理職は読むべし
ある時突然人生を変えてくれるのが「教養」
「海を破る者」今村翔吾著 文藝春秋 最新作
▪追悼 ポール・オースターの人生と魅力
鈴木保奈美×翻訳家 柴田元幸
保奈美さんがド緊張 憧れの人と対面
ポール・オースター 2024年4月 77歳で亡くなられました
九段理江(芥川賞作家)さんも大ファン
「闇の中の男」は芥川賞作品「東京都同情塔」のヒントになった作品
「闇の中の男」ポール・オースター著 柴田元幸訳 新潮社刊
伍長、と男は言って、ブリックの手をがっちり熱っぽく握る。
俺はトーバック軍曹、あんたの上司だ。
みんなサージ軍曹って呼ぶがね。
(中略)
私、ここで何してるんですか❓
とブリックは、募ってくる苦悶を抑えながら訊く。
おいおい、しっかりしろよ。お前戦争やってんだぞ。
なんだと思ったんだ。
(中略)
アメリカはイラクで戦争してるじゃないですか。
誰だって知ってます。
イラクなんかどうだってんだ。
ここはアメリカさ、アメリカがアメリカと戦争してるんだ。
なんの話ですか❓
内戦だよ、フリック。お前、なんにも知らんのか❓もう四年目だぞ。
運命を変えた偶然の出会い
「ガラスの街」ポール・オースター著 柴田元幸著 新潮文庫刊
ほんの何か月かで、自分は別人になってしまったのだ。
かつて自分を思い出そうとしてみたが、うまく行かなかった。
この新しいクインを見て、クインは肩をすくめた。
どうでもいいことだ。かつてはある人物で、
いまは別の人物になった、それだけのことだ。
よくも悪くもなっていない。違っているというだけの話なのだ。
1990年オースターと初対面
普段の生活は❓食べ物に興味がない
オースターの描きたかったもの
物語の中の映画 小説に映画が描かれる「幻影の書」
「幻影の書」ポール・オースター著 柴田元幸著 新潮文庫刊
ある午後、マーティンとクレアは台所で昼食を食べている。
(中略)
電話が鳴る。マーティンが立ち上がって、フレームの外に出たとたん、
カメラはアングルを反転させ、ドリーでクレアに近づいていく。
彼女の表情が、悦びあふれる友愛から心配に変わるのを、
恐怖さえそこに混じっているのを我々は見る。
(中略)
わからないの、マーティン❓と彼女は言う。
一週間一緒にいて、あなたはまだわからないって言うの?
彼がわかってないことは一目瞭然である。
そして見ている我々もやはりわかっていない。
明るく美しいクレアは、いまや一個の謎と化した。
未訳「4321」タイトルが意味するものは❓
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