線状降水帯を鳴く老鴬
雨音に負けぬ鴬ホーホケキョ
どしゃ降りを嘆く鴬ファルセット
救護法渋沢逝去二カ月後(無季句)
じゃがいもの茎からとまと海陽町
■NHK俳句 兼題「密豆」
選者 高野ムツオ ゲスト 神野紗希 筑紫磐井(つくしばんせい)
能町(のうまち)みね子 レギュラー 中西アルノ 司会 柴田英嗣
年間テーマ「語ろう!俳句」
「密豆」夏に食べることで涼しさを呼ぶもの
①密豆は儲けうすしや日影町 筑紫磐井
②トラックに密豆が踏みつぶされた 能町みね子
③密豆にマンゴー信教の自由 神野紗希
④密豆やあずま屋に蟻ぞろぞろ 中西アルノ
⑤密豆やまもなく線状降水帯 高野ムツオ
私は⑤が好きでした。
▪特選3席発表 兼題「密豆」
一席 密豆や老母恋しているらしい 橋本美重子(みえこ)
二席 密豆も商店街も消えてゐた 山川公司(こうじ)
三席 冥王星のごとき密豆の黒 入口弘德(ひろのり)
特選
蜜豆や乗るべきだつたあの誘い 田口健
蜜豆の光を崩す笑ひ声 佐藤英子
蜜豆を出してきたって許さない 湯屋ゆうや
蜜豆や都電に揺るる喫茶店 藤雪陽
蜜豆や祖母は記憶の友と食べ 月夜田しー太
凸凹とみつ豆を蜜ゆきわたり 神野志季三江
参照:https://www.nhk.jp/p/ts/6Q6J1ZGX37/blog/bl/pLvva3ZRZL/bp/p0yq3d5eQ0/
高野ムツオ先生の言葉
ひとつの言葉がどれだけ「世界」を持っているか
目の前にあるいろんな言葉でも
その言葉にはルーツや歴史があって
目方によって別物になることが
「密豆」という題材で知ることができた
■NHK短歌 テーマ「いってらっしゃい/いってきます」
選者 枡野浩一 ゲスト 片桐はいり 司会 尾崎世界観
年間テーマ「あなたへの手紙 かなたへの手紙」
気をつけていってらっしゃい行きよりも明るい帰路になりますように
枡野浩一
▪31音の手紙
入選九首 テーマ「いってらっしゃい/いってきます」
二席 「いってきます」「いってらっしゃい」住むことは毎朝別れをくりかえすこと
奥村真帆
「行ってきます」と言いつつゆっくり靴を履く俺も行くよと早く言ってよ
葉月ままこ
保育所を急いで出ようとする私に行ってらっしゃい娘の声が
松浦知惠子
一席 ありがとうわたしの親でいてくれていってらっしゃいまた会いましょう
中森菜穂子
玄関を開けて光を浴びるたび主人公だけ夢とかはない
髙原希美(のぞみ)
三席 喧嘩して「いってきます」が無かった日「無事ついたよ」は知らせてほしい
小田槙哉
あっちにもあるものばかり詰められた母の手提げが腕に食い込む
中山あゆみ
いってらっしゃい言われた頃は言う人の気も知らないで振り向きもせず
田中京子
おめでとういってらっしゃいもう二度と戻って来るな、来てもいいけど
檜澤(ひざわ)さくら
▪改悪添削
その短歌の魅力的なところをわざとダメにすることで
やっぱり元が良かったとみんなに味わって欲しい
玄関を開けて光を浴びるだけ主人公だが夢とかはない
髙原希美
添削(明るいだけの短歌はつまらない暗いだけでもつまらない
前半は明るいけど後半は冷静さがでるみたいなバランスが大切
短歌は二面性が描ける アンビバランス両面性みたいな
いい方をします 矛盾を抱えている表現が魅力的)
玄関を開けて光を浴びるだけ主人公だし夢がいっぱい
▪片桐はいりさんの短歌
この先はどこへも行けるくらがりですいつでもどうぞどこまでもどうぞ
片桐はいり
映画館を表現するとき「暗闇」と言っていたが
「くらがり」とも言えることを知った
違和感は嫌なことではなく希望の光とも言える
「ばかばかしい」「間抜け」は大切。バランスを取りたい。
真面目なんだけど笑みがこぼれるって良い。
枡野違和感 存在感 世界観 いいですね…。
カントリオ!
▪言葉のバトン
愛しぬく想いを継いで歌詞にする
ガールズトーク
⇩
野原が花で満ちてくように
コールレイ
凄い言葉がたまってきちゃって それを吐き出さなくちゃならなくなる
自分には言葉しかない そういう人生だったと思います
いまが一番楽しい 子どもも独立して髪も白くなって全てから解放された
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