2024年6月12日水曜日

知恵泉 柳宗悦 多様性社会をどう築くか?&小林旭の言葉

解放区どっちもどっち五月闇(さつきやみ)
明易し浮かぶ心象風景へ
夏の雲大人のために描く絵本
贅沢な時間を生きてこその夏
夏の夜や面白きこと日々重ね

■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん
~昭和の大先輩とおかしな2人~#16 小林旭の言葉
「徹 小林旭」人生に徹する















■先人たちの底力 知恵泉 柳宗悦 多様性社会をどう築くか?
批評家・随筆家 若松英輔 林家たい平 和田彩花
民藝 思想家 柳宗悦(1889~1961)
民族固有の文化 民藝運動
日常生活で用いられるために生まれて人と寄り添うために生まれた
用途から生まれている美しさ 他の用途でも生きる
明治22年(1889)東京麻布に生まれる
父 柳楢悦(元軍人 貴族院議員も務めた)
「白樺」明治43年(1910)4月刊行
中心人物は志賀直哉 武者小路実篤
「個」の確立を主張 新しい潮流を紹介
柳が陶酔したのはロダン「考える人」
彼が彫刻の何れを取りても、高遠なる萬有信教の思想が著しく現はれて居る、
「宗教家としてのロダン」より
ロダンから彫像も贈られた
しかし、思想家 大杉栄(1885~1923年)は彼らを「遊びである」と糾弾
「近代思想」大正2年(1913)6月号

日本が数萬の人を殺して得た臺灣(たいわん)も樺太も朝鮮も、
此ロダンの彫刻の前には、比較にならないほど
小さなもののような気がしました。
「ロダン彫刻入京記」より

日本民藝館 常務理事 杉山享司
国家よりも個人の尊重を重んじなければいけない
大正3年(1914)朝鮮土器を見て
その冷な土器に、人間の温かみ、高貴、
荘厳を讀み得ようとは昨日迄夢みだにしなかった。
「我孫子から通信一」より
美の神秘に驚いた 人間の血の通う命の輝き

知恵その一
憧れに捉われるな さすれば 真の価値が見えてくる
政府が同化政策を進める中で朝鮮では独自の文化が失われつつありました
朝鮮民族の憤懣が募っていった
三・一独立運動 大正8年(1919)3月1日が勃発

朝鮮人を想ふ 讀賣新聞(大正8年5月20日)
日本は多額の金と軍隊と政治家とをその国に送ったであろうが
いつ心の愛を贈った場合があろうか
朝鮮の人々よ、余は御身らの故国の芸術を愛し、人情を愛し、
その歴史がなめた淋しい経験に尽きない同情を持つ一人である
わきくる愛を御身らに贈らずにはいられない
(初めての政治批判)

景福宮 光化門が保存となった一文
光化門よ、長命なるべきお前の運命が短命に終わろうとしている
お前を産んだお前の親しい民族は今言葉を慎む事を命ぜられているのだ
それ故にそれらの人々に代わって、お前を愛し惜(お)しんでいるものが
この世にあるという事を、生前のお前に知らせたいのだ。
「失われんとする一朝鮮建築のために」より

生まれてきたものを取り上げる それが陶芸家の仕事
美しいというのは徹底的に質的なもの
質的なものこそ大事にしなければならない
誰が言ったかよりも何が言われているかの方が大事
柳は「誰が」というのではなく「何が」ということが見えた人
いろんな色が見えてくる1つの壷の中に
そこが美しいと思える人間でいなければいけない
AIの作る文章は見た目に美しいんだけれど
柳が考えたような美がない 真実がない
手仕事であるということ

憧れるものに対してすべて美しいのではなく
自分たちが持っているものも美しい

憧れていたものと本当につながるためには
自分の中にあるものと出会わないとダメ

憧れって自分の目指すべき道
美しさは1つの力 人を突き動かす

大正13年(1924) 山梨にて
私は即座に心を奪われました
その口元に漂う微笑は私を限りなく惹きつけました
上人は幕末における最大の彫刻家だ
「木喰上人発見の縁起」より
木喰明満(もくじきみょうまん)(地蔵菩薩像)
微笑仏(みしょうぶつ)とも呼ばれていた

日本民藝館 常務理事 杉山享司
美は作るのではなく必然的に心が手に移って
ものが無心の状態で生まれてくる
それが本当の美なんだ

妻 兼子は演奏会を開き柳を支えた
日本は手仕事の国であることに気づいた
柳が重視したのは「直感」

知恵その二 
世間が見向きもしない価値に目を向けろ
河井寛次郎、濱田庄司と交流を深める
下手物⇨民衆的工藝 民藝を思いついた
①実用的 
 鑑賞を目的に作られたものではなく用いるために作られた
②無銘 
 無名の職人によって作られたもので名を誇るための仕事ではない
③適正価格 
 民衆の日用生活の需要に応えるために数多く安い価格で作られた
④地方色 
 各地の生活様式に根ざした独自の色や形や
 模様といった豊かな地域性が現れている
⑤協業 
 伝統に培われた熟練の技による共同の作業から生まれた
監修 日本民藝館 杉山享司

手仕事の復権 美の生活化 生活文化運動 

吾々が固有のものを尊(たっと)ぶということは
他の国のものを謗(そし)るとか
侮(あなど)るとかいう意味が伴ってはなりません
国々はお互いに固有のものを尊び合わねばなりません
世界は一つに結ばれているものだということを
かえって固有のものから学びます
「手仕事の日本」より

誰も気がつかない美しさを自分で見つけて
その美しさで自分の心の中を満たしていけば
美しいものをすべて美しいと思える心が養えるよ

価値は取引できない
民藝というのは人はその人ができることで他の人を幸せにできる
「美しい」って小さな驚き
驚きが少なくなると美との関係が薄まってくる

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