憐みの心を持ちて夏の海
夏点前無駄なき営為雅趣に富み
雲の峰恥の教育施せり
「武士道」の道徳規範雲の峰
夏の月嘘ごまかしのなき心
■あの本、読みました?~芥川賞作家・九段理江、三島由紀夫に恋して…
▪芥川賞「東京都同情塔」九段理江
「犯罪者は同情されるべき人々」
という考えが主流になりつつある近未来の日本
犯罪者に寛容になれない建築家の牧名沙羅は「シンパシータワートーキョウ」
という名称の高層タワーの刑務所をデザインする
曖昧な言葉と実のない正義の関わりが独特のリズム感を伴って描かれます
平野啓一郎が語る九段理江の魅力
二人共三島由紀夫ファンなのでシンパシーを感じているとか…。
「三島由紀夫の再来」と言われて文壇Debutした平野啓一郎に嫉妬。
創作に対する美意識が近い方から評価を受けることは嬉しい
杉山達哉(九段理江の担当編集者)
芥川賞の候補に落ちて「作家を引退する」宣言
UNBUILT 実現しなかった未建築のことを話したとき
「東京都同情塔」誕生の瞬間
それまでは好きなものばかりを書いていたということに気付く
主人公は建築家の牧名沙羅 本文ではSara Machinaと表記
Machinaはポルトガル語で機械の意味
Sara Machinaはサイボーグの意味 機械に侵食されている
Saraはラテン語で王女の意味もある
主人公の牧名沙羅は人間のように会話ができる
生成AIとの対話の中で軽い言葉の氾濫が
社会の分断を生んでいることに気付いていく
小説の中に出てくるAIが作る文章
AIは人間の平均値で文章を作る AIにも性格がある
小説を書く準備期間は❓
2,3か月で100冊くらい読む
準備期間と作品の出来に関係なし
担当編集者から見た九段理江は❓
九段理江の作品には複数の文体を書き分けている
Schoolgirl 九段理江著 文藝春秋
お母さんは若いころに小説を読み過ぎたせいなのか
空想好きなところがあって、お金を女の人だと思っていたり、
変な比喩を使ったりして、私やお父さんを困らせる。
お金が女の人っていうのは、実はついこのあいだ
偶然にわかったことなんだけど、
太宰治の小説が元ネタになっているんです。
(中略)
お母さんは「変わっている」というより、
小説に思考を侵されたかわいそうな人なんです。
女生徒 太宰治 角川文庫
5月1日の起床から就寝までの少女の一日を
少女の心理の移り行く様を丹念に写し取っている
「Schoolgirl」は太宰治の「女生徒」をリメイクした
斜陽 太宰治 角川文庫
没落していくある貴族の家庭を描いた太宰治の代表作の一つ
太宰治がいいなって思っていたら三島由紀夫が出てきて少女時代恋した
世界観を打ち崩された
三島由紀夫を知ったのはYou-Tubeだった 中学3年生の時
九段理江 ペンネームの意味
筋肉と作家人生がリンク
ジムDebutと小説家Debutが一緒
九段理江のオススメ本
闇の中の男 ポールオースター著 柴田元幸翻訳 新潮社
東京都同情塔にも実現しなかった
ザハ・ハディド設計の国立競技場が建った世界が描かれている
九段理江も鈴木保奈美も翻訳家 柴田元幸が好き 意外な共通点
最も好きな本は「幻影の書」
幻影の書 ポールオースター著 柴田元幸翻訳 新潮文庫
その男は死んでいたはずだった
何十年も前 忽然と映画界から姿を消した
監督にして俳優のヘクター・マン
その妻からの手紙に「私」はとまどう
果たしてヘクターは生きているのか?
ヘクター・マンのついて書かれた唯一の書物の著者である私が、
ヘクターがまだ生きていると信じるチャンスに飛びつくものと
誰かが考えたとしても、別に不思議はあるまい。
だが私としてはとうてい飛びつく気分ではなかった。
(中略)
私の結婚十周年記念日のわずか一週間前に、私の妻と息子二人が
飛行機事故で死んだことなど、彼女にわかるわけがない。
次回作の構想はこの番組から!?
▪GWに読みたいオススメ本の紹介
凪良ゆう
冷静と情熱のあいだ Rosso 江國香織著 角川文庫
冷静と情熱のあいだ Blu 辻仁成著 角川文庫
恋愛中毒 山本文緒著 角川文庫
平場の月 朝倉かすみ 著 光文社文庫
宮田愛萌
ラザロの迷宮 神永学 著 新潮社
大森望
親愛なる八本脚の友だち シェルビー・ヴァン・ベルト著 東野さやか翻訳 扶桑社
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