2024年5月22日水曜日

あの本、読みました?校閲さんの職人技・高校生直木賞&兼題「鮎」

夏霞見えなきものに動かされ
夏の雲感じる力持ちて生く
夏の夜や忘れられない琴線を
懸命に真面目に生きん夏の潮
夏の朝ぶどうに次いでオレンジも?(不作?)

■あの本、読みました?凪良ゆうも感心 校閲さんの職人技&高校生直木賞

高校生直木賞って直木賞とどう違うの?
伊藤氏貴 石井一成 岡夏希 高野知宙(ちひろ)

「オルタネート」の一文
加藤シゲアキ著 新潮社
「うめえ!やっぱりこれだよな、カルボナーラ」と
途端に表情が明るくなった。
(中略)
ベーコンのいぶされた香りとチーズのふくよかな香り、
そして胡椒とにんにくの無邪気な香りが一体となり、
卵黄とともにパスタに絡み合う。
綴った瞬間にたくさんの匂いが鼻に抜けていった。

C 宇喜多の既成の人物像を変える一冊だと思う。
ミステリー要素が強く、描写は省略している。
人間のやりとりに重点を置いている印象を持ちました。

L みんな繋がっていて、パズルのピースが
はまるように伏線が回収されていく。
一つの無駄もない。
一度目に読んで母子の別れに感動し、
二度目に読むとあえて宇喜多が残虐を演じている
くだりなど、また別のところに感動できた。
「ハリー・ポッター」みたいに、たくさん登場人物が
いるところが物語に厚みを与えているんじゃないかな。

▪出版社の校閲さんって何するの?
宇田川賢人 高城琢磨 宮田愛萌(まなも) 河北壮平

校正:「校べる(くらべる)」比べて誤りを正すこと
校閲:「閲する(けみする)」間違いの有無を調べること

■ギュッと!四国 家藤正人の俳句道場
兼題「鮎」夏の季語
水苔を食べることによって香りがよくなる。「香魚(こうぎょ)」とも呼ばれる。
縄張りを守ろうとする闘争本能を利用した「鮎の友釣り」という漁法があり、
釣人に愛好される魚である。
「鮎」の傍題 香魚・鮎魚解禁・鮎の宿など

友釣りの鮎がゆうげの食卓に   岡田春二
佳作 砥部焼の皿の厚みや鮎の宿   久保田凡
(映像の作り方が上手い)
名人の鮎焼く香り風物詩   むっちゃん
秀作 鶸(ひわ)色の鰭(ひれ)に粗塩鮎を焼く   津島野イリス
(鶸(ひわ)色とは緑がかった黄色 焦点が上手く絞られている)
秀作 鮎揚がる油のまこと碧(あお)くささ   伊藤柚良(ゆら)
若鮎や世界で跳ねるオリンピア   のりりん
(若鮎は春の季語 比喩表現)
鮎取った!黄色い声と青い空   フタバ凛
佳作 鮎解禁ぎゆつと捕らふる父の竿(さお)   佐藤浩章
(リアリティー臨場感がある
佳作 てのひらに殊勝な鮎や息浅し   素々なゆな
(釣り上げたときの皮肉な観察)
四万十にしぶきも踊るおとり鮎   サルだんご
(「も踊る」は凡人ワード)
秀作 パチンコに居(お)らんかったら鮎の川   向原てつ
(口語の愉快さを活かした句)
秀作 なにゆへに鮎か両家の顔合わせ   歯科衛生士
(鮎料理の愉快さ、滑稽さが上手く詠まれている)

▪正人のもったいない
佳作 徳利(とっくり)の指のへこみや鮎づくし   四季彩
(「づくし」が勿体ないワードになっている
3音で句の世界を広げる) 
徳利(とっくり)の指のへこみや鮎の夜
徳利(とっくり)の指のへこみや鮎の宴
(ここまで行くと秀作が見えてくる)

▪ギュッと特選
鮎釣りや膵臓おもき水の中   河合郁(かおる)
選句ポイント 
(釣り人の実感
 釣り人は危険も顧みず入っていく執念を掻き立てる
 鮎の魔力が確りと一句の中で生きている)

参照:https://www.nhk.jp/p/gyuttoshikoku/ts/7MXVZZ52K3/blog/bl/pKyjJXApJB/

▪次回の兼題「紫陽花(あじさい)」夏の季語

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