香り立つ菖蒲湯浸かり笑む園児
それぞれの懸命あらん五月かな
夏の空吾の人生を生きてこそ
夏の風同じ景色が見たかった
夏の夜や同じ空気を吸い込まん
■プレバト纏め 2024年5月16日
雨降りのシーンで一句
特別永世名人 梅沢富美男のお手本 締めの一句
本水の髪ざんばらに夏芝居
添削(本水とは舞台で使う「本物の水」一音を粗末にしている
髪に焦点を絞った判断も的確 「に」が迫力を削いでいる
詠嘆しないといけない)
本水の髪ざんばらや夏芝居
永世名人 横尾渉 傑作50選
断崖は驟雨(しゅうう)三分のノーカット
(季語・驟雨 急に降り出してすぐにやむ雨
撮影の緊張感が伝わる 「は」断崖は驟雨が押し寄せている
強調するような意味合い 季語の中にも緊迫感がある
今まさに撮らなくてはという緊迫感が響き合っている)
1位 津田寛治
雨の森独り空蝉(うつせみ)見る少女
(季語・空蝉=蝉の抜け殻 「独り」が重要 情景が分かる
濡れた木々の匂い感触が想像できる 空蝉の光 雨の粒の光
細やかに響き合っている 「見る」映像のためにいる言葉)
2位 結城モエ
春雨や祖父の先ゆくかえる寺
(かえる寺=如意輪寺(福岡県)
かえるの置物が1万点以上飾られている)
3位 高島礼子
おもい足夕立晴に笑顔かな
添削(書かないでいいことを書く 才能なしの特徴
季語を主役にたてる)
重い足おもい心へ夕立晴
4位 斎藤司
夏雨(かう)のシーンふと子らの着替え手が伸びる
添削(19音の字余り 調べがダラダラ 意味もぶつぶつ切れている
2音足りない時の「ふと」3音足りない時の「すこし」
テレビの中の雨では季語の鮮度が落ちる)
夏雨(なつあめ)のシーン子役の着替え手に
5位 笠松将
靡(なび)けずも龍成る日を見る鯉のぼれ
添削(季語をなくしている)
龍と成る日もあり雨の鯉幟
次回のお題は「新茶」
■故長尾幹也氏の短歌
妻は泣きわれは視線に文字を打つ午後の病室蝶も鳩も来ず
悲しみとともに開かむ彼の歌載ることのなき日曜の紙面
椅子もろともリフトに吊られ湯船に入る揚げ物の具になりたるここち
デイサービスの小暗き隅に職員はわが車椅子拭(ぬぐ)いくれおり
子の生(あ)れて間もなき彼を解雇せりわれも幼の親なるものを
リストラに人切りしのち自らも降格となり春陽をうとむ
子を寝かす妻の小声の物語われにも狐こんと添い来る
心澄み綺麗な瞳の人だつた長尾幹也といふそのひとは
歩けなくなれるこの日のためにこそ歌詠み来しやありがとう歌
あの朝もあなたの歌を新聞に探していたり逝去を知らず
噴水にたつ虹ほどの淡さにて人の心に棲(す)みたし死後は
01年7月、朝日新聞大阪本社版で長尾さんが
半年間連載したコラム「歌人の時間」に書かれた一首だ。
歌に続く随筆で、こうつづっていた。
「時折ふと懐かしんでもらえるような思い出を何人かの心に残し、
今生を終えられれば私は満足だ」
参照:
https://digital.asahi.com/articles/ASS4B2FDBS4BUCVL06FM.html?ptoken=01HVDF5GQ6D89DS3EDDESW9Z19
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