2024年5月24日金曜日

新茶で一句&俵万智女史の短歌

舟越桂氏へ捧ぐ
夏霞命吹き込むクスノキへ
クスノキと対峙した日々熱き日よ
クスノキと語らいつづけ夏を彫る
夏の風詩的な像を彫りつづけ
夏の空日毎我が身を愛おしく

■プレバト纏め 2024年5月23日
新茶で一句

特別永世名人 梅沢富美男 締めのお手本
新茶汲む所作ぎこちなき左利き
添削(この字面では意図が書けていない 
   急須を入れないとわからない 
   添削後は言った通りの映像が見えてくる)
新茶汲む急須生憎左利き

特待生昇格試験 名人への「試験」 河井ゆずる
ツアー初日の楽屋あいさつ新茶の香
(丁寧なバランス 字余りの定石は踏んでいる
 上五で余らせて中七・下五で調べを取り戻す
 1つの映像を作れるようにバランスを取っている
 季語が新茶 初 あいさつ 新
 言葉のイメージが上手く重ねてある
 華やぎ喜びを表現している 
 香で最後余韻を残し適語を前に押し出している)

1位 丘みどり
青天の富士鼻唄は茶摘唄
(ちょっとした仕掛けがある 茶摘唄は茶畑で歌う労働歌
 「は」が大切 
 たまたま目にした人が気がついたら茶摘唄を歌っていた
 車窓の光景かもしれない 作者が語った場面・光景を
 読み手はゆっくりと理解する)

2位 坂東彌十郎
次郎長も観し富士の山新茶の香
添削(素材にオリジナリティーが無さ過ぎる
   「愛でる」「香り」齟齬がない)
次郎長も愛でし富士山新茶の香

3位 豊ノ島
夏場所へ新緑薫富士を背に
添削(夏場所と新緑の季重なり 
   薫の下にるを入れないと読み方が分からない
   「力士の気分」「堂々」響き合う)
夏場所へ高ぶる心富士堂々

4位 コウメ太夫
立春来る緑鮮やか富士山も
添削(立春 今年は2月4日 理解していない 
   映像化することで一応俳句としては整う)
立春を眠る茶畑富士白し
立春を眠る茶畑富士青し

5位 蝶花楼桃花
高座より富士より高い新茶かな
添削(陳腐な句 新茶が季語 添削しても底の浅い代物)
高座より富士より高値なる新茶

次回のお題は洗濯

■俵万智女史の短歌
▪読売新聞 編集手帳 より
一羽でも宇宙を満たす鳥の声二羽でも宇宙に充満する鳥の静寂
大岡信
言の葉をついと咥えて飛んでゆく小さき青き鳥を忘れず 
俵万智
このままでいいのに異論は届かないマスクの下に唇をかむ
俵万智

俵万智女史 X より
▪はなび花火そこに光を見る人と闇を見る人いて並びおり
10センチ背丈伸びたる息子いてTシャツみんな新品の夏
ひとことで私を夏に変えるひと白のブラウスほめられている

▪「生まれたよ」と父親の声はずみつつ五月の朝に弟が来た
初恋の人をまだ見ぬ弟と映画観に行く きれいでいたい
軽井沢の空気ひんやり深まりてもうそこにある弟の結婚
ブーケトスおどけてキャッチする我の中で何かが泣きそうになる

▪食パンとビールを買いにつっかけを履いて並んで日曜の朝
ふと思いついた感じのシャンパンの気泡のような口づけが好き
おさなごがビールの缶を抱きしめてぷはっと笑う それは私か
ああ島の飲み会あるある12分遅刻の我が一番乗りだ

▪台風が誰にも等しく迫る夜めくり忘れた暦に気づく
台風はひゅうびゅうと来てマンションを小さな笛のごとく鳴らせり
冷凍庫のハーゲンダッツ思いきり食べねばならぬ停電の夜
駐車場の車つまんで転がして信号機折る台風の指

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