2023年7月3日月曜日

兼題「夏休(なつやすみ)」

梅の雨依怙地(えこじ)通して忌避されて
井水増すはかなき意地を貫きて
脚下照顧(きゃっかしょうこ)と気骨稜々(きこつりょうりょう)五月晴
五月忌(さつきいみ)カバの流した朱い汗
梅雨の空ともに譲らぬ盾に矛(たてにほこ)

■NHK俳句 兼題「夏休(なつやすみ)」
選者 夏井いつき レギュラー出演 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣
年間テーマ「凡人からの脱出」

▪ボンの段
残れるは宿題ばかり夏休   Aさん
宿題は延ばし延ばしの夏休み   Bさん
夏休み終わり感じる一夜漬け   安藤優汰
宿題に尻に火がつく夏休み   Kさん
残り日の減らぬ宿題 夏休み   落葉松落葉
どんどんと溜まる宿題夏休   森本悪夢
切羽詰まり急ぐ宿題夏休   端あつ子
夏休み宿題未完焦りくる   太田美智子

半ボンの段
宿題の工作残る夏休み   佐藤よし江
夏休み工作残る最終日   伊佐裕子
昆虫の宿題残る夏休   平古場志郎
宿題の俳句が残る夏休み   三田村畯右

「夏休」で「宿題」と言えば「残る」か「出来た」の二択
例句 宿題の俳句夏休みは嫌い(ウザい・ダルい)夏井いつき
残っている空気感は表現できる
「残る」を使うより明かりが見えてくる

脱ボンの段
宿題は雨の計測夏休み   石垣葉星
宿題は貝のペン立て夏休み   永江久美子
ボブ・ディランを訳す宿題夏季休暇   齋藤弓湖
(内容が具体的になってい
 オリジナリティーも高くなっている
 内容をはっきり書けば「脱ボン」できる)

凡人パーツ「宿題」をさらに発展!
恐竜の文鎮作る夏休   さゆ
押し花の重しは図鑑夏休み   西嶋佳子
夏休み原稿用紙の憂鬱   海野ちきまる
夏休み菌培養の9日目   白夜

「夏休」にもいろんな年齢の「夏休」がある
取り合わせたもので表現できる方がかっこいい

脱ボンポイントその1
オリジナリティーのある経験を盛り込む
「夏休」から連想しさらに展開する 「宿題」⇨「作文」

絵日記の緑の海月(くらげ)夏休   山下紅美子
鶏小屋の前で絵日記夏休み   風葉

脱ボンポイントその2
絵日記+夏休
具体的な情報を詠み込む

▪夏井家伝授!家藤正人&中西アルノ
0から俳句

0から俳句POINT
季語を知るには体験するのが大切
夏の季語を体験
トマトは蕃茄ともいう
兼題とは句会であらかじめ出されるお題

0から俳句POINT
句会の兼題で季語が出た場合 季語を入れて詠む
兼題の季語で俳句を作るにあたっては
季語を体験しているか そうでないか というのは
大きな分かれ道になる
体験しやすい季語 知らない季語が
兼題に出されることもある
その手法には名前がある それは「取り合わせ」
季語と関係ない事柄+季語
「取り合わせ」をチャレンジ
そのための兼題を出します
次回 季語「白玉」で「取り合わせ」を学びます

▪特選六句発表! 兼題「夏休」
東京も従姉妹(いとこ)も眩し 夏休み   君島忍
夏休み海は広いが友はいない   山ぼろろ
錆(さび)の水噴く夏休みの当番   板倉富士夫
餃子包む包む夏休みは嫌ひ   秋本哲
骨折のヒーローとなる夏休   道脇(みちわき)長二郎
隊長は独身のおば夏休み   源早苗

▪柴田の歩み
これやろう!(発展から発展させる)

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