創造は過程にあらん草いきれ
雲海や色と形の交響曲
夏の浜クォ・ヴァディスと問われけり
炎昼をエコを実践救急車
健康か?家計を取るか❓溽暑かな
■NHK短歌 題「ゆらゆら」
選者 吉川宏志 ゲスト 林家たい平 司会 尾崎世界観
今月のテーマ リズムに感情を込める
字余り、字足らず、句切れによってリズムを作る
いかに自分の感情をリズムに乗せるか
ゆらゆらと雪しずむ窓腹の子が眠たいらしく妻もねむれり
吉川宏志
▪入選九首 テーマ「ゆらゆら」
言い残した言葉はないかゆらゆらと浅い呼吸の母に春灯(しゅんとう)
伊東澄子
ゆらゆらと思い出される人がいてあなたにもいる昼過ぎて雨
大津穂波
三席 一本の祖父がゆらゆら火葬場と空を繋いで揺れていたこと
遠藤健人
寸又峡(すまたきょう)夢の吊り橋ゆらゆらと先ゆく夫(つま)のゆらぎと渡る
簾田淳美(みすだあつみ)
まっしろな新米五キロゆらゆらと抱かねば寝ないこともあったと
福山桃花
一席 遺された私の方がゆらゆらとあなたの煙になりそうだった
後藤啓輔
ゆらゆらと一人称の海を行く僕俺私の船を乗り継ぎ
西田浩之
放射線治療の日々がゆらゆらと身体の記憶十年生きた
嶌(しま)菜穂子
二席 先輩のポニーテールのゆらゆらが譜面の外の全てと思う
溝口のぞみ
一席を選んだ理由
立ち添ひて消えやしまなし憂きことを思ひ乱るる煙くらべに
女三の宮
▪表現の最前線
戦後歌壇を代表する歌人 塚本邦雄
前衛短歌を牽引
罌粟(けし)に疾風しかも死ぬまで獨(ひとり)身のシャーロック・ホームズを朋(とも)とし
罌粟は麻薬の原料植物
「し」が歌のリズムを刻んでいる
句またがりに「ムズ」を持ってきたことが後々残る
刻んでいく感じ
▪尾崎世界観 表現の最前線
機械的なリズムの中で表現するから
自由に行ったり来たり出来る
あえて感情を抑えながらの歌だから
それぞれの人生を乗せやすくなる
感情を乗せすぎてしまうと
見ている側が感情を持っていけない
▪林家たい平 表現の最前線
「ぞろぞろ」はリズム感だけで進めていく。
たい平さんの落語の中では秩父屋台話と言う
お祭りの太鼓が鳴り続けている。
先人から受け継いだ基本中の基本を
学ぶことが4年間それがあってから
自分の芸風を確立するために何をするか
基本がないと先には進めないと思っています
短歌も同じで基本があってこそ自分の中でリズムができる
古い歌を自分の中に入れながら
そこから新しいものを作っていく
▪リズムに感情を込めて
言葉は「意味」だけではない
「リズム」によって想いが伝わっていく部分が大きい
細胞のひとつひとつに入っていく
リズムによって人間が活性化されたり
動かされていくということを短歌にすごく感じさせられる
意識したらそこで消えてしまう
自分の知らない部分がいくつかないと魅力はない
▪ことばのバトン
竹の秋触れては破れ土筆水母 ドゥーグル・リンズィー
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午後のおやつはいちご大福 矢沢吉美
風景と時の流れを奏でゆく一人のときも二人のときも
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