2023年7月17日月曜日

兼題「香水」

音楽の視覚化する蚕の蝶
点は音、線は時間や夏の空
木を音符、リズムに見立て夏深む
哲学とポエム融合夏終る
異次元の難解さ夏の暁

■NHK俳句 兼題「香水」
選者 村上鞆彦 ゲスト 福田麻貴 レギュラー 中西アルノ
司会 柴田英嗣

第三週の年間テーマは「人生を詠う」
今週は「恋愛」

▪ぐっとくる名句鑑賞 
木犀(もくせい)や恋のはじめの丁寧語   南十二国

恋はその人のことを想う
心理的距離はすごく近いのに
社会的距離は遠い 福田麻貴

野にて裂く封書一片曼殊沙華   鷲谷七菜子

恋の終わりを詠んだ句
別れの言葉がしたためられていたのかな
それをズタズタに裂くという
曼殊沙華は彼岸花のことで鮮烈な赤が印象的
相手からもらった手紙を引き裂いている
ドラマチックな一句です

和歌では恋愛が積極的に詠まれています
俳句は和歌の流れを汲むジャンルですから
俳句でも恋愛は詠めるんだと知っておいて欲しい

▪特選六句発表 兼題「香水」
香水の一滴離婚調停日   近藤由香子
清拭(せいしき)の湯に香水の一しづく   雅喜(まさき)
香水といふもの持たぬ余生かな   金野(こんの)喜久枝
香水でまた一騒ぎ転校生   齋藤洋(ひろし)
(人事句 「生活・行事の季語」を使って人や暮らしを詠んだ句)
私 焼く前に好きな香水振つてやり   小林禎志(ただし)
(悲しみよりも愛情の方を強く感じる 感受性が強い 福田麻貴)
私 香水とドレスの緋色(ひいろ)のみ残る   中村起一

▪夏井家伝授!
家藤正人&中西アルノ 0から俳句

白玉と愛す人にも嘘ついて   鈴木真砂女
白玉とかけて愛す人にも嘘ついてと解く その心は❓

自分の体験とか自分の記憶とその場面を
結びつけて味わうことができる
思い出とか含めて語ってくれた

0から俳句POINT
「取り合わせ」の句は自由な想像ができる

▪今日マチ子、今日の一句
今はまだ馳せる秋思(しゅうし)や渋谷駅   福田麻貴

秋の暮ハチ公前を避けて待つ   村上鞆彦

▪特選三席発表 兼題「香水」
三席 香水を一滴雲の上に寝る   島田和子
二席 パルファムをつけて瞳強くなる   梅澤春雄
香の強さ(オーデコロン⇨オードトワレ⇨オードパルファム⇨パルファム)
「が」と「の」では音の響きが濁らないのと濁るのでは
内容からするとこの場合は「瞳の」と濁らない方がきれい。
意味としては「が」昔の文法では「が」=「の」
その句によって使い分けをしたい
一席 香水や小瓶の中に雨の森   シュリ
(超現実ではあるが鮮やかなイメージ展観が印象的な句
 美しい香水瓶の中に雨が降っている 森のイメージが広がっている)

▪柴田の歩み
が=の 場合による
(一文字にこだわるのは大事なこと
 一文字たりとも揺るがせにせず)

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