日経CNBC Voice より
鎌田泰幸氏 曰く・・・。
機構の変動に適応できなくなった 巨大な恐竜を
機敏に動く 新種の勢力が呑み込んだ!
その買収劇を形容した言葉です。
設立して 僅か 12年の電子取引所 ICE
インターコンチネンタル取引所が 220年の歴史を誇る
ニューヨーク証券取引所を運営する NYSE
ユーロネクストを82億ドルで買収しました。
規模でみればNYSEはICEの3倍 しかし
営業利益では ICEが上回っています。
NYSEが呑み込まれた理由は 何かと言いますと
伝統的な現実株取引で 稼げなくなった事に他なりません。
1日当たりの平均売買高は6年続けて減少。
去年12月中旬時点で 前の年に比べて3割減と
大幅に取引量を減らしています。
投資家の株離れが 加速しているのです。
両社の時価総額を合算すると およそ150億ドル!
トップを走るCME シカゴマーカンタイル取引所を
追撃する態勢が整った事に為ります。
さて 今後の両社の狙いは何なのか?
早速 トップ二人のインタビューを聞いてみましょう。
NYSE ユーロネクスト CEO
ダンカン・ニーダーアウアー氏 発言!
ICE インターコンチネンタル取引所 CEO
ジェフリー・スプレッチャー氏 発言!
Q 数か月前 スプレッチャーCEOが
持ちかけた話だと理解しているが
NYSEが敵対的買収を仕掛けられた経緯を
考えると 何故 話を聞く気になったのか?
N スプレッチャーCEOとは 旧知の仲だし
株主価値を考えれば 難しい話ではなかった。
お互い良きパートナーになると思っていた。
機が熟した円満合併という事だ。
この手の話は タイミングが何より重要だ。
過去 様々な企業改革案を模索したが実らず
取締役会で ずっと 可能性を検討していた。
だから 提示された段階で すぐ
専門分野を補完できる案だと 話を呑み込めた。
今後も 規模が鍵となる中で 統合は不可避だ。
一緒に やってみる価値は大いにある。
Q 株主からの評価も株価も 実際に上がっているが
今回の買収で 企業成長は 鈍化するのでは?
S ビジネス手法でも 株主を見ても ICEは成長企業だ。
NY証券取引所には 大きな価値がある。
一方 株式取引は歴史的な低水準にある。
企業の余剰資金は先行きの不安感が
解消されれば 市場に戻ってくるだろう。
また 現在のゼロ金利状態が 今回の買収の追い風となった。
Q 何故 金利が大きな役割を果たすのか?
S 株式以外に金利は 最も 取引量の多い金融商品だ。
昨今 ニュースを賑わせたLIBORは その一例だ。
今は 量的緩和策により 低金利が維持されているが
金利上昇局面に備え 金利リスクの管理が必要だ。
我々は 先手を打って 他社との差別化を図りたい。
市場に資金が 還流する時期を狙って 飛躍的な
成長を遂げるつもりだと 株主には伝えた。
以上でした。
鎌田泰幸氏 曰く・・・。
今回の買収劇が 世界的な取引所の
新たな再編を促すドミノを引き起こすだろう。
規模が劣る事に為るNASDACOMXグループは
危機感を募らせるかもしれない。
デリバティブ取引の本家とも言えるCMEは如何でるのか?
市場関係者の間で いろいろな憶測が飛び交っています。
何故 そうした憶測が飛び交うのでしょうか?
それは ICEのスプレッチャー氏の
既成概念を超えた考え方から来ています。
世界には 株式 為替 債権などの金利 そして
原油や穀物と言った商品市場があります。
それぞれ 個別に得意とする取引所があり
それぞれに業界の常識や 事業モデルが存在します。
しかし 彼はそうした既成概念を持っていません。
寧ろ そうした常識や事業モデルから 距離を置き
場合によっては 反旗を翻す事も厭いません。
例えば 証券取引所は 出来高を増やす為
大口トレーダーを呼び込もうとして 報奨金を支払っています。
しかし 彼は この慣行に反対しています。
スプレッチャー氏は 垣根を越えた新たな取引ビジネスの
在り方を模索していると言って良いでしょう。
おりしも 日本では今年 東京証券取引所と
大阪証券取引所が統合 日本取引所グループが誕生しました。
謂わば 既存勢力の連合体が誕生したのです。
今後 海外の取引所と 如何競い 如何提携していくのか?
そこには 株 為替 金利 商品と言った既成概念に
囚われない 柔軟な思考が求められます。
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