日経CNBC様に 感謝を込めつつ 「Voice」 より 文字起こしです。
鎌田泰幸氏 曰く
アメリカでは金融規制の強化をめぐって 喧々諤々の議論が続いています。
お馴染み「大きすぎて潰せない。」それに加えて 最近では
「大きすぎて管理できない。」「大きすぎて規制できない。」とまで言われています。
1990年後半以降 アメリカの金融業界では
合併 買収を繰り返し 金融機関の肥大化が進みました。
今やトップ10の銀行がアメリカの銀行総資産の77%を占有し
五大金融機関(バンク・オブ・アメリカ シティバンク JP・モルガン
モルガン・スタンレー ゴールド・マンサックス)が
デリバティブ金融派生商品取引の95%を占めています。
リーマン・ショックを教訓として 銀行へのヘッジファンドへの出資などを
禁止したボルカールールは 2年の猶予を含め 発行されました。
しかし 折しも JP・モルガンが デリバティブ取引で巨額の損失を
計上した事で 果たして ボルカールールで十分なのか?
かつて 銀行と証券の厳格な業務の分離規制である
グラス・スティーガル法の復活が必要だとした議論が 今 広がっています。
元シティグループ 会長兼CEO サンフォード・ワイル氏 発言!
私が最も気にしているのは 皆が抱いている銀行への反感だ。
銀行業界への厳しい視線は すぐには 変わらないだろう。
そこで 今 必要なのは 投資銀行と 商業銀行を分離する事だ。
銀行には 預金や企業融資と不動産ローン業務を受け持たせる。
国民の税金を リスクに晒してはいけない。
大きすぎて破綻させられない事はない。
投資リスクを回避したい場面は 評価損を出さないよう 時価会計を導入する。
かつての 金融業界のように創造的なシステムを築くべきだ。
そうすれば 金融業界も シリコンバレーのように 再び
若き優秀な人材が集まり技術革新を先導し 企業家精神を発揮できる。
間違いが許されないという世界はない。人間は 過ちを犯すものだ。
この世に万事 正しい世界など有り得ない。
Q かなり過激な案だが 銀行を分離するのですか?
その通りだ。米国が世界の先導者となるには
制度を崩壊させるような事を続けてはならない。
以上でした。
鎌田泰幸氏 曰く
銀行証券の分離を主張するワイル氏!
人は変われば変わるものだと思う向きは 多いのではないでしょうか?
数知れないほどのM&A 企業の合併 買収を繰り返し 一大金融
コングロマリットの総帥だった人物が今や 銀行 証券の分離を主張しています。
金融規制の緩和を 最も 享受した人物に 一体 何があったのか?
いぶかる向きも多そうです。
思い返せば 彼の最後の仕事は シティグループのCEOとして
株価操作など証券スキャンダルの対応でした。
結局 3億ドルの罰金を払った後 2003年秋に 金融業界を引退しています。
その後 慈善事業に精を出し リーマンショックを目の当たりにした
経緯を考えると 強ち 彼の 変身ぶりは理解できないものでもなさそうです。
自戒の念が 込められているのかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿