日経CNBC「Voice」より 文字起こしです。
鎌田泰幸氏 曰く・・・。
アメリカ大統領選の共和党候補ロムニー氏は 先日
副大統領候補に ポール・ライアン下院予算委員長を指名しました。
ロムニー氏は ライアン氏の出身地であるウィスコンシン州と
同じ名前の 戦艦ウィスコンシンの前で ライアン氏を紹介し
大統領選に向けた 意気込みを演出しました。
ライアン氏といえば 財政再建の急先鋒として
知られていまして 社会保障費などを 大幅に削減する代わりに
富裕層を中心とした財政で 景気の立て直しを
図ろうとする姿勢を 鮮明にしています。
小さな政府を目指す保守派の 草の根運動
ティーパーティーの指示も 厚いようです。
何より 65歳と高齢のロムニー氏にとって
42歳のライアン氏を 副大統領候補に据える事で
イメージアップを計り 選挙戦を有利にしたい考えです。
しかし 金融市場では歳出削減の急先鋒の登場に
懸念を示す見方が 早くも浮上しています。
野村證券 米国担当 チーフ・エコノミスト ルイス・アレクサンダー氏 発言!
Q ライアン氏の起用は 経済や株式市場にどんな影響を齎すのか?
両党の財政政策の違いは鮮明だが
「財政の崖」対策がどうなるかが問題だ。
選挙戦の展開次第とはいえ 市場は
大統領選後を 益々 不安視する筈だ。
Q 今回の件で オバマ政権の そろばん算用も変わるのか?
オバマ陣営は 中間層の取り込みを狙って
更に 緊縮財政をアピールするか?
とにかく 財政問題は重要なテーマだ。
大統領も常に慎重な財政策で取組んできたが
この点を もっと 強調しなければならない状況だ。
来年は否応なく緊縮財政になるだろう。
インフラなど 重要な分野への投資については
選挙戦で議論されない見通しだ。
来年にならないと 歳出策が決まらないのは
経済にとってマイナス要因だ。
今 取り組むべき長期的課題に
必ずしも 先行投資がされていない
ライアン氏の案が 昔より保守的なのが気になる。
この方向に進めば 来年の先行きは良くない。
以上でした。
鎌田泰幸氏 曰く・・・。
フィスカル・クリフ=財政の崖 年末に大型減税が期限を迎え
来年から国防費などを中心とした 歳出削減が始まる事で
財政支出が まるで 崖のように落ち込む事をいいます。
ウォール・ストリート・ジャーナルのエコノミスト調査によりますと
急激な財政引き締めは 来年のGDPを2.2%押し下げるとしています。
ただ エコノミストの大部分は 来年1月からの
歳出削減は実施される事はないと予想しています。
その背景には 民主 共和 両党が このリスクを十分に意識しており
対応策を先送りするための 暫定的な合意に至ると見ているからです。
しかし 大統領選挙が最大関心事となる事で
両党の話し合いが 中々 前へ進まない事も考えられます。
そうなれば 企業マインドを冷やし 設備投資や雇用に
マイナスの影響を与え 経済成長に 暗い影を落とすでしょう。
アメリカ景気の回復の目が 見え始めた昨今
政治が その目を摘み取ってしまうのか?
金融市場は 冷ややかな視線を注ぐ事になりそうです。
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