2025年1月6日月曜日

兼題「双六・絵双六」&題「カレンダー」

寒き朝萎れたキャベツぬか床へ
颯爽と歩き煙草や冬の路
目を伏せん眩しき陽射し日向ぼこ
瞬きもせず煙くゆらせ落葉焚
冬銀河最後の頼りIFA(資産アドバイザー)

■NHK俳句 兼題「双六・絵双六」
年間テーマ 「俳句の凝りをほぐします」今週のテーマ「切れ」
選者 堀田季何 レギュラー 庄司浩平 司会 柴田英嗣
切字の代表「や」の効果を徹底分析。季何流切字「や」の使い方とは❓
切字 かな けり ぞ し せ もがな か よ じ や らむ つ
今回は「や」の効果
① 韻律を引き締める
古池や蛙飛び込む水の音   松尾芭蕉
にがやに変わるだけで韻律が引き締まる効果がある
② 残像
霜の六尺の土あれば足る   加藤楸邨
残像+詠嘆・感動
長き夜の苦しみを解き給ひし   稲畑汀子
「解き給ひし」が残像の効果としてこの句の全体のイメージを支配している
更に病の苦しみから解放してくださったという作者の感動が強く込められている

「や」は動詞にも付けられる
「や」はほぼなんにでも付けられる 形容詞につく時もある

・実践
像を感じさせる句を作る!
「描写つきの名詞」描写+名詞
曲がった道 壊れたテレビ 新しいタブレット
「具体的な七・五」に整える
冬晴れやモネは曲がった道が好き   堀田季何
冬晴れや給料分のタブレット   堀田季何

冬晴や穴ぼこだらけの滑り台   柴田英嗣
冬晴れや父のおさがりのネクタイ   柴田英嗣
冬晴れや踵潰れたスニーカー   庄司浩平
冬晴れや首元黄ばみし白いシャツ   庄司浩平

・今週の兼題「双六・絵双六」
盤双六 飛鳥時代から流行っていた。度々禁止令が出ていた。
絵双六 もう少し後から出たもの
正月に遊ばれることが多いので正月の季語になっている
連想ワード 家族で真剣勝負 転生 人生みたい 誰かが加わる
      笑う 泣く 思い出 出生 汚れ 世界/宇宙旅行

特選六句発表!
双六や時折めくる単語帳   毬雨水佳(まりあめすいか)
双六を止めて黙祷空青し   樹海ソース
双六のたかが六つの未来かな   来地宇須(らいちうす)
双六に飽き折紙の山と谷   髙田祥聖(しょうせい)
 双六や総て正しい道である   岡一夏
 双六や未来が平らだつたころ   玉木たまね

・柴田の歩み 良いパターン知れた
 庄司の歩み い“や~“切れ字、便利。

■NHK短歌 題「カレンダー」
年間テーマ 「“私”に出会おう~2年目の飛躍~」今回のテーマは「よく見て発見しよう」
選者 川野里子 レギュラー 内藤秀一郎 深尾あむ 司会 ヒコロヒー

・飛躍の扉 よく見て発見しよう!
傾けると水は尖ることがある 川野里子
無機物で静物でも意志ありげにゆらゆら ヒコロヒー
上から見ると丸くなっていてうしろの背景もあって小さな地球儀みたい 内藤秀一郎
50円分残ってるな 深尾あむ

飲みかけのペットボトルは置かれありとてもちいさい水面もちて
小島なお
小さな発見が大きな世界への扉を開く

学校はこんなにがあるところ雪が降ったら「雪だね」を言ふ
目黒哲朗
当たり前のことに新鮮な気付きがある=詩歌の役割のひとつ

晝(ひる)しづかケーキの上の粉ざたう見えざるほどに吹かれつつをり
葛原妙子「朱霊」
普通にいる世界を別世界に変える力がある

・入選六首 題「カレンダー」
 百均の猫カレンダーの十二月ふわふわ猫のいやあな目つき
平田敬子
カレンダーひとり残さずこの惑星(ほし)のすべての誕生日ひしめいて
日高ひろみ
 カレンダー二人の文字が踊ってる誕生日かつ燃えるゴミの日
今井遼
一席 私 ばあちゃんは私はヘルパーさんと呼ぶ「にんげんだもの」とあるカレンダー
桃園ユキチ
理解者はたった一人のカレンダー固定している画鋲のように
伽戸(かど)ミナ
セザンヌの描きし山をセザンヌとなりて眺める壁のカレンダー
片井俊二

・秀一郎 あむの飛躍のカギ
カレンダー忘れもしない大事な日僕を見る目がなんだか熱い
内藤秀一郎 添削
カレンダー忘れもしない大事な僕を見る目がなんだか熱い

めくるたび季節が移るカレンダー過去も未来もこの指の中
深尾あむ 添削
めくるたび季節が踊るカレンダー過去も未来もこの指の中

・言葉のバトン
燃える夕日に連なるカワウ
田向(たむかい)健一 獣医師

鵜のいろの空に朝日をのぼらせる
谷口菜月 フリーアナウンサー
エノコログサの種ほろほろとこぼれ落つ優しく接したつもりだったのに

0 件のコメント:

コメントを投稿