2026年4月30日木曜日

西加奈子と朝井リョウ&岡本太郎&岸惠子(ダリ)

(小野正嗣氏)春の空心遣いのできる人

旗を振るモネの万博風光る

(モネ)朧めく光求めて移り住む

春景や考えしこと筆に込め

夕霞泊まることなき高級ホテル

 

■あちこちオードリー より 小説家の反省ノート

西加奈子

・自分自身がベタなのにベタを避けていたなあ

・思考の方が身体より強いと思っていたけれどそうじゃなかったなぁ

 

朝井リョウ

・❝人の目を気にするな❞の意味わかってなかったなあ

・作家同士が互いに書き合っている推薦コメントは慣れ合い

見なしていたけれど その眼差しが今の自分を縛っているなぁ

 

■岡本太郎の言葉 芸術の三原則

著書『今日の芸術』(1954)

「うまくあってはいけない、

きれいであってはいけない、

ここちよくあってはならない」

 

上手さや美しさ、心地よさを超え、爆発するような激しい表現で

人間の生を問いかけることこそが真の芸術であると主張しました。

 

1. うまくあってはいけない

技術的な巧みさや器用さ(「うまく」)に逃げると、

芸術の本質である情熱が失われる。

下手でもいい、未熟でもいいから、魂をぶつけるべき。

2. きれいであってはならない

表面的な美しさ(「きれい」)は、

見る人を惹きつけるが、それは安易な妥協。

醜悪さや強烈な違和感こそが、見る人の心にインパクトを与える。

3. ここちよくあってはならない

鑑賞者を癒やしたり心地よくさせたりする(「ここちよく」)のは、

芸術の役目ではない。

むしろ、心を揺さぶり、生きる姿勢を問いかけるような、

厳しい表現であるべき。

 

この三原則は、既存の芸術の常識を否定し、

芸術家自身が「逃げない」という姿勢を貫くための根本原理です。

 

■日美50「私の出会ったダリ 岸惠子」

カダケス ダリの家 ガラ婦人

国立美術館ソフィア王妃芸術センター 

ピカソ「ゲルニカ」 ミロ ダリ「ヒトラーの謎」(1937)

ダリ21歳「窓辺の人物」(1925) 

ガルシア・ロルカ(1898-1936)と親交を深める

1926年初めてパリを訪れる ピカソやブルトンと出会う

1920年ころ シュルレアリスムを展開

エルンスト「夜明け」 キリコに影響を受ける

ダリ「セックス・アッピールの亡霊」(1932)

「燃えるキリン」(1936-37)

3年に渡って内戦が続くバルセロナ フランコ将軍

「内乱の予感」(1936)内乱の6か月前に描く

「ゆでた隠元豆のある柔らかい構造」

「果てしない謎」(1938)だまし絵 隠し絵 怪し絵

フィゲラス(スペイン) ダリ劇場美術館

ガウディを尊敬していた

「焼いたベーコンのある柔らかい自画像」(1941)

「ガラリーナ」(1945)192925歳のダリが初めて出会った時は

ポール・エリュアールの婦人だった ひと目で恋に落ちたダリ

周囲の反対を押し切り結婚 カダケスに白い宮殿を建築

1982年ガラが世を去るまで彼女は守護伸・霊感の源としてダリに

豊かな想像の息吹を吹き込むこととなりました

「レダ・アトミカ」(1949)

ガラの手はセクシーで官能的でだけど力強い感じだった 岸

イブ・モンタンとダリは同じ女性像

(芸術のインスピレーションの源となる)を共有していた 岸

1940年ダリとガラはアメリカに移住 

ニューヨーク近代美術館 

「照らし出された快楽」(1929)ダリ25歳の時の作品

「記憶の固執」(1931)

「大自涜者」(1929

カダケスにダリのルーツがある 岸

芸術家は影響を受ける土地である 岸

岸恵子女史のお嬢さまはカダケスは心の故郷だとか

どこの家からも海が見えるような家を建てる 

後ろの家の展望を塞がない みんなの約束事

繊細さと野性的なところがまじりあっている

ただの避暑地とか漁村ではない 独特の魅力がある

2026年4月29日水曜日

私の日々が、言葉になるまで 岸田奈美 朝井リョウ 小渕健太郎

春暑し花嫁のごと衣装替え

花のもと数多の人の雨上がり

落つる花びら零れる涙四月

美と出会うため生まれきた春北斗

うららけし生きた証明美の伝播

 

■わたしの日々が、言葉になるまで「良さ」を伝えたい

岸田奈美 森香澄 小渕健太郎 朝井リョウ 桐山照史 劇団ひとり

 

目で見るタイプの点滴だった

芯の強さやお茶っぴい気分のある

 

思っていることのあと10言いたい 桐山

批判されたら擁護する 朝井

布袋寅泰の良さを伝えたい 一曲一曲で感じたシーンを何とかして伝えたい 小渕

「いつか小渕君にライブレポ書いてもらおうかな」 布袋 ご本人公認

 

❝国民的アイドル❞の良さを言葉にすると?

岸田奈美

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

もうあかんわ日記

傘のさし方がわからない

 

ブログ「櫻井翔さんと密室で30分間、対面したら2Kg太った」 の中で

「櫻井翔」を表現した言葉

すごい。めちゃくちゃカッコいい。

眩しい。直視できない。

目で見るタイプの点滴だった。

ポアポタ、じゃなくて、点滴の袋を力の限り、

押ししぼられてる感じ。ギュウウッ。急患はここだ。

 

ヲタクの語彙力は凄い。ヲタクは低温で早口。

接触イベントの直後とかね

 

本物しか行かない現場

「限界○○」限界感を感じる

 

言語化のヒント

正しい文章の順序ではないほうがむしろ興奮が伝わる 朝井

「この言葉なんかになるな」と思って生きちゃってる症候群 小渕

 

言語化のヒント

生活の中にある言葉は❝よさを伝える❞エッセンスだらけ

 

岸田奈美さん曰く

「収録が終わった後、体重計に乗ったら、

何も食べていないのに2Kg増えていた。

体が、生きようとしている。

許容量を超えたイケメンに会って、死を覚悟した体が。

冬眠前の熊かよ。」

 

辞書を手掛ける出版社が毎年「今後の辞書に載るかもしれない新語」を

発表している「今年の新語」

2016年「エモい」2022年「タイパ」2025年の大賞は「ビジュ」

「ビジュの良さ」を文豪が伝えるとどうなるんでしょうか?

 

あの文豪も言葉にしていた❝推しのビジュ❞

三島由紀夫が生涯をかけて夢中になったものが「歌舞伎」だった

贔屓にしていたのは歌舞伎界のレジェンド 坂東玉三郎

「傾城(けいせい)」「雲の絶間(たえま)姫」を熟す美貌

このビジュを文豪・三島由紀夫はどんな言葉で表したのか?

公演のプログラムで三島由紀夫が伝えた言葉

 

痩せているのに、傾城もできる 「ぼんじゃり」した風情があり、

なよやかでありながら、雲の絶間姫もやれる

芯の強さやお茶っぴい気分もある

この人のうすばかげろうのような体が、

舞台の上でしなしなと揺れるときに、

或る危機感を伴った抒情美があふれ出る。

―三島由紀夫「玉三郎君のこと」

 

ぼんじゃり:ゆったりとしてやさしい様 

歌舞伎の世界で、よく女形で使われる表現

なよやか:しなやかで、やわらかな様子

お茶っぴい:おしゃべりで出しゃばりな様子

おちゃっぴい:江戸時代の遊郭で、客がつかないため 

お茶をひかされていた遊女を指す」お茶ひき」の変化などの説がある

 

ヲタク用語

「けなし愛」悪く言うことで愛を伝える

 

推しからのアンサーに対して桐山は「うるせー」と思うのだとか…。

 

美しいものは視線をからめとられるもの

危なっかしく見えてしまうくらい目が離せない

 

小説家ならではの❝小説を褒める表現❞とは?

「サタンがある」サタンは最小の要素

ビジュの次は「サタンがある」?今年の新語2026は…。

 

あの文豪がコラムで語った○○のよさ

太宰治は大の映画好きだった

映画を好む人には、弱虫が多い。私にしても、心の弱っている時に、

ふらと映画館に吸い込まれる。

映画雑誌「日本映画」❝映画の良さ❞文豪・太宰治はこんな言葉で表現

 

あれはよかった。なんという監督の作品だが、一切わからないけれど、

あの作品の監督には、今でもお礼を言いたい気持がある。

私は、映画を、ばかにしているのかも知れない。

芸術だとは思っていない。おしるこだと思っている。

けれども人は、芸術よりも、おしるこに感謝したい時がある。

そんな時は、ずいぶん多い。

―太宰治「弱物の糧」

 

おしるこは生きて行く上でなくても肉体は生きていける

あったらうれしい

お汁粉ではなくおしること記したことで意志を感じる

ひざカックン感を意識しているのではないか 朝井

 

凄い年配の作家に言われた事 朝井リョウ

「映画化おめでとう。映画になったってことは、

小説で書ききれていなかったってことだからね。」

小説と映画の緊張関係

同業者が読むと思って書いている可能性 

小説家のみんな「おしるこ」だとおもってるよ~ 

と太宰は言いたかったのかも 朝井

 

コブクロ・小渕健太郎は音楽の良さをどう伝える?

布袋さんのLiveは写真が残っていく感覚

 

1曲のアウトロが終わる1秒前、いや0,5秒前、布袋さんは一瞬、

それまでの躍動感を翻すように、しなやかで可憐な花になる。

時に、一雫の水滴に。時に襲いかかってきそうなモンスターにもなる。

 

目で見たことを目で見たまま書くとふつうになっちゃう

 

言語化のヒント

耳で聴いたこと⇨香り

目で見たこと⇨音

実際に感じた感覚からずらして表現する

 

あの人気作家は、どう伝えるか?音楽のよさ 小説家 金原ひとみ

ライブレポートを依頼されるほど 

❝好きなバンドのよさ❞こんな言葉で表現

 

この体験は、読書や映画、演劇とも違う、あまりに真っ直ぐで、

立ち直れない恋愛の終焉と同様、恐ろしく深いところまで爪痕を残し、

その後を生きる観客一人一人の血肉に、快い痛みにすらなるだろう。

―金原ひとみ

 

桐山照史 最上級の❝よさ❞「悔しい」

 

金原さんは肉体描写の方 

それくらい自分の肉体に歴史として刻まれてしまう 感動の拡張 朝井

 

音楽って空気が振動しているだけだ。 だから触れたい 

だから感覚で感じた表現をしたくなる 

空気だけどそれだけの力を持っている 小渕

 

よさを伝える言語化のヒントは? 

自分の体に何が起こったかを表現する 

特に、見えない所に何が起きたかを表現する 

中身は全く別人になってしまった 100万人だけの❝わたしだけ❞ 

すごく個人的な事を100万人の人に共感してもらう 朝井

 

・ある人のよさを伝えてみましょう

 

冗談の顔をした刃物のような人。

お笑いの形をしているのにどこか哀愁があって説得力がある。 森

 

するどい矢で体をさす。そのおかげで落ちずに済む 

最強のバイプレーヤー 桐山照史

 

「劇団ひとり」さん、今度、主演映画決まったんだって

2時間のうち、1時間半出てて、セリフ、一言なんだって? 小渕

 

歌うことで完成を遠ざけ 踊ることで拍子を置き去る

何にも化けぬ素肌の道化 朝井

 

語彙力がほしいって思っていたけど視点が違う 森

自分の手札をどう組み合わせるかが大事 ひとり

対象に向き合っていると見せかけて最終的に自分自身と向き合っている

よさを伝えることは自分に向き合うこと 自分をカウンセリングしている

自分を知ることができる 朝井

書けば書くほど自分がわかってきた? ひとり

ここにすごく言葉を尽くしたくなる 何を恐怖と感じていたか 

言語化はそういう効能もある 朝井

2026年4月28日火曜日

あの本、読みました?椹野道流(ふしのみちる)

春あした枯れゆく花へさようなら

リビングで最期迎えた芍薬よ

聞き取れぬ悪しき活舌春の歌

石鹸玉今を楽しみ進化せり

インフレ禍減収となる春の暮

 

■あの本、読みました?

鈴木保奈美が昨年最も惚れた1冊~祖母と孫娘の感動珍道中記

椹野道流(ふしのみちる) 鈴木保奈美 山本倖千恵 

 

「祖母姫、ロンドンへ行く!」

祖母姫というワードセンス 完璧 大物ミュージシャンの影響

本を読むことは「人生の選択肢を増やす事」かもしれない。保奈美

 

「祖母姫、ロンドンへ行く!」椹野道流著/小学館

 

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honamisuzukiofficial 12月に読んだ本たち

2025年ここで読了をご報告した本は104冊となりました。

番組の準備のために読んだ本もたくさんありましたが、

自分からは手を伸ばさないタイプの本にも挑戦することで、

あら、意外と好きかも!なんて発見も多々あり。

読書筋肉がついてきたような気がします。

さて今年もっとも出逢えて良かった本は

「祖母姫、ロンドンへ行く!」

ちょうど母と旅をするタイミングと重なり、共感することしきり。

センチメンタルでキュートな小説です。著者の椹野さんから

DMをいただくというご褒美まで付いて、インスタやってて良かった!

本を好きで良かった!(お茶請けがスコーンじゃないのが惜しいな)

2026年はどんな本に出逢えるでしょう📕

 

本人からダイレクトメッセージが

 

鈴木保奈美が共感した理由

 

「祖母姫、ロンドンへ行く!」の一文 椹野道流著/小学館

友達とイギリス旅行するときは、

「一分でも無駄にせず、いろんな場所に行こう。

とにかくたくさんのものを見て、美味しいものを食べて、

めいっぱい楽しもう」と思うものですが、今回はそうじゃない。

祖母の体調を帰宅までいかに維持するかがメインミッションなのです。

昔の人も言っていました。「お家に帰るまでが遠足です」と。

(中略)

一箇所での滞在時間を短めに設定し、なんなら宿に戻ってお昼寝を

するための時間を作ろう。そうそう、トイレも大事です。

階段などの足に負担がかかりがちなルートを使わずにたどり着ける、

安全で清潔なトイレがどこにあるか、常に把握しておかねば。

もしかして、お年寄りに超現実的フレンドリーな観光マップを作ったら、

けっこうビジネスチャンスになるんじゃない?大変よ、これ。

 

高齢者と旅行へ行く苦労 ロンドンAtoZ

祖母姫と孫娘の関係

 

「祖母姫、ロンドンへ行く!」の一文 椹野道流著/小学館

「あんたは賢いし、英語もペラペラに喋れる。お医者さんになって、

男の人とも対等に渡りあえるでしょう。自信を持つには

十分なだけのものを持っています。

お化粧もオシャレもしたくない、というんなら、しなくてよろしいわ」

「えええ…!?」

「決して美人ではないけれど 見られない顔ではないんだし、

そもそも男の人はお化粧なんかしないんだから、

素顔が見苦しいなんてなんてことないのよ」祖母はそこで言葉を切って、

「でもねえ」と、振り返り、今度は直に私を見て言いました。

「前にも言ったけど、あんたに足りないのは、自身です。見ていたら、

自分の値打ちを低く見積もってるわね」思ってもいない方向から

刺し貫かれてギョッとする私に、祖母はやけに静かな口調でこう続けました。

「謙虚と卑下違うものなの。自信がないから、自分の事を

つまらないものみたいに言って、相手に見くびってもらって

楽をしようとするのはやめなさい。それは卑下。とてもみっともないものよ」

 

祖母姫の金言

祖父母の人生

執筆のきっかけ

保奈美が手に取った理由 

魅力的なワードセンス 父から教わったさだまさしから影響

 

「ありふれた家を建てる」椹野道流著/U-NEXT

鈴木保奈美の推薦文

お孫姫、一国一城の主となる!あの祖母姫あってこの母君あり、

そしてやっぱり血は争えない3代目。

猫と本を抱えてひた走る、のんきで弱気、勇気と本気の奮闘記。

家づくりは大変

 

「ありふれた家を建てる」の一文 椹野道流著/U-NEXT

重ねて強調したいのは、設計担当レオ氏は、たいへん実直で、

誠実な人だったということ。営業担当オバマ氏も、勢いのままに

安請け合いをし、それを綺麗に忘れ去ってしまうところはありながらも、

根はとても善良で親切な人でした。それはもう何度でも繰り返したい

事実なのですが、その反面、二人とも、特にレオ氏は、自分の理解の

外のことには懐疑心であり、なかなか受け入れてくれない

頑固なところもありました。(中略)

その最たるものが、コンセント。全部屋に最低でも二か所、

可能なら三ケ所、コンセントを設置してほしい。それも最低でも

それぞれ二口、なんなら三口にしてほしい!(中略)

私がごく当たり前のことを言っているつもりで(実際そう信じていました)

要望すると、オバマ氏とレオ氏は顔を見合わせました。

なになに、何か問題が?明らかな困惑の面持ちで、躊躇いながらも

先に口を開いたのは、オバマ氏でした。

「あのう、そんなに要ります?」「なにが?」

「コンセント。まあ、お仕事部屋はわかります。広いお部屋ですし、

パソコンやプリンター、テレビなど、いろいろ電化商品があるでしょうし。

でも、他の部屋はそこまでではないと思われますが」

しかし私は、きっぱり言い返しました。

「他の部屋も同様です。部屋のどこで家電を使いたくなるか、

どこにコンセントがあってほしいかなんて、今わかるわけがないでしょう。

だから、備えておくんです」

「コンセントを備えと捉える方は、初めてですよ!」

オバマ氏の呆れ顔に、私は憤然と言い返します。

「コンセントと十分なアンペア数は、備えです!

それが足りないせいで、実家はあちこちに延長コードやタコ足配線があるし、

しょっちゅうブレーカーが落ちるんです!」

もう、これは実生活に根ざした危機感なのです、オバマ氏よ。

 

祖母姫の孫はやっぱりお孫姫

 

・本好きさんと本屋さんぽ テーマ「一目惚れ」

ゲスト 宮澤紗恵子

 

「ガリバー旅行記」ジョナサン・スウィフト著/柴田元幸訳者/朝日文庫

世界中の子どもと大人が読みふける18世紀の名作。

次々に起こる出来事、たっぷりの諷刺、注釈でもっとわかる楽しさ!

300年前の古典にして、現代の私たちが照らす名作。

原文の尽きぬ面白さ、訳文の妙味がいっぱい。(巻末あらすじより)

 

宮澤さん一推し 装画家 榎本マリコ

 

鈴木保奈美選

「ある星の汽車」森洋子著/福音館書店

 

宮澤紗恵子選

「人間には12の感覚がある」ジャッキー・ヒギンズ著/夏目大訳/文藝春秋

2026年4月27日月曜日

兼題「島」&テーマ「色」

春の月ハローグレアの輝かん

(チーイリチャー)春日和鳴き声以外すべて食う

春の沖縄大蒜も味噌も血も

濃厚なコクと旨味の春を食う

金武町(きんちょう)の田いもと豚の春の膳

 

NHK俳句 兼題「島」

選者:高野ムツオ 司会:柴田英嗣 

ゲスト:能町みね子 関取花 黒岩徳将 山西雅子

年間テーマ「語ろう!俳句」

 

島というと松島とか大島とか熟語で表現したくなる

今回はハードルを上げて島だけで作ってもらいました

 

   雨繁き島の細道蝮(まむし)草   山西雅子

(蝮は夏の季語 蝮草は春の季語 屋久島)

   予定より予感ばかりの夏の島   関取花

  (バリ島 俳句というよりキャッチフレーズ感が強い 島の夏)

   春風やオムレツに似て島の山   黒岩徳将

(瀬戸内海の島 島にある山を「島山」と呼ぶ 

この島は孤島もしくは島ひとつくらいが良い)

   島の人に叱られ野掛(のがけ)中断す   能町みね子

(時間経過のある句 俳句はシャッターを1回切ったら

一つの写真として止まるように作った方が良い 真面目過ぎる

俳人の俳は「人に非ず」と書く)島の名前が聞きたかった。

   春の蠅ぶむぶむぶむと島に生く   高野ムツオ

(蠅は夏の季語で春の蝿は春の季語 西表島

春になって生まれた蝿は蠅あるるとか蠅生るという季語がある

ぶむぶむぶむは萩原朔太郎が「青猫」の中にある詩で使っているフレーズ)

 

・特選三席発表 兼題「島」

一席 髭爺(ひげじい)のひげのわしゃわしゃ島のどか   高祖(こうそ)桃香

二席 若布売(わかめうり)(ばば)になつても島娘   井田君枝

三席 新社員三合呑みて島言葉(しまくとぅば)   渡邉憲史

 

・兼題「島」特選

星すべて宇宙の孤島天の川   小島ただし

夕凪の島を離るる柩(ひつぎ)かな   熊谷有史

島の子を乗せて渡船は夕虹へ   鈴木蛍之

桜島デカ大根にチビ蜜柑   西野康子

海鳥の糞(まり)にものの芽火山島   真野充治

暮の春一筆書きの島の道   白石良一

 

NHK短歌 テーマ「色」

選者:土岐友浩 ゲスト:蓮沼執太 司会:尾崎世界観

年間テーマ「わたしの宮沢賢治」生誕130周年 宮沢賢治×短歌

 

蓮沼執太 

言葉が音でできている やっていることが幅広い

根底にあるのは日常の生活から森羅万象まで

あらゆることを描写する事に長けている

 

土岐友浩

最初に作っていたのは短歌

宮沢賢治の創作の原点 短歌

14歳から作り始め25歳までに約900首詠んだ

青年期の宮沢賢治の言葉は短歌しか残っていない

色を通してどういうことを表現したのか

 

そらいろのへびを見しこそかなしけれ学校の春の遠足なりし

宮沢賢治

短歌を作り始めて最初の時期に詠まれた作品

赤字は過去の体験を表す助動詞

回想して心の中にあるへびのイメージを歌った歌ではないか

石川啄木(18861912)賢治と同じく岩手に生まれた

明治末期の歌人・詩人「一握の砂」などで知られる

 

・入選九首 テーマ「色」

これはどう現品限りの炊飯器ワインレッドよワインレッドか

白山遼一

東京の天津飯は赤色でやれんのかって言われています

中村マコト

傘立てにいつの間にやら溜まったの透明だけどすべてあなたの

二席 安井武昌

 生涯をほとんど空に費やして色えんぴつの青は短命

葉村直

 

葉村直(はむらなお)氏は、現代の俳句シーンで活躍する気鋭の俳人。

「日常の詩情や鮮烈なイメージを描く作風が特徴。

代表的な句と特徴

葉村氏の句は、鮮明な映像と独自の視点が評価されている。

「爽やかや我の視界に我はゐず」(神野紗希選・青嵐俳談)

自己の存在を消し去るような、澄んだ視界を詠んだ一句。

「溺死者のあぶく海月の横を過ぐ」(通販生活・俳句生活)

死を連想させる冷たい美しさを描写。

「アレクサと会話する日よ雪つもる」(第5回おウチde俳句大賞)

現代的な日常と静かな雪の対比。

「野遊の母の戻らぬ早さかな」(俳句ポスト365

「母」を「舟」に見立てるなど、詩的な発想が評価された。

 

フラミンゴ立たせておけばコンビニはたぶん一生ピンクのままだ

澤田悠生

一席 ゆくすゑの憂ひひとつも持たぬころ蛍光色のひよこ求めき

るい

三席 藤色のランドセルならもう少し行っただろうか 母校を眺む

吉村亨子(きょうこ)

色鉛筆全然減らない白色で「イェイイェイ」と書く力強く書く

辻佐和子

カーテンのすきまが春のいろだった 目覚めてからもしばらくは見た

髙山准

 

・わたしの宮沢賢治

蓮沼執太

宮沢賢治の故郷 岩手県花巻市で毎年「イーハトーブフェスティバル」

というお祭りが行われている 

「詩ノート」宮沢賢治の未発表の詩をまとめた草稿文

https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/47029_46743.html

霜と聖さで畑の砂はいっぱいだ

   影を落す影を落す

   エンタシスある氷の柱

そしてその向ふの滑らかな水は

おれの病気の間の幾つもの夜と昼とを

よくもあんなに光ってながれつゞけてゐたものだ

   砂つちと光の雨

けれどもおれはまだこの畑地に到着してから

一つの音をも聞いてゐない

 

「宮沢賢治トラヴィデブラ」エスペラント語で「透明」を「トラヴィデブラ」

「透明」をテーマにパフォーマンスをしてみた

 

詩ノート「断章六」

新らしい時代のコペルニクスよ

余りに重苦しい重力の法則から

この銀河系統を解き放て

 

新らしい時代のダーウヰンよ

更に東洋風静観のキャレンヂャーに載って

銀河系空間の外にも至って

更にも透明に深く正しい地史と

増訂された生物学をわれらに示せ

 

衝動のやうにさへ行はれる

すべての農業労働を

冷く透明な解析によって

その藍いろの影といっしょに

舞踊の範囲に高めよ

 

素質ある諸君はたゞにこれらを刻み出すべきである

おほよそ統計に従はば

諸君のなかには少くとも百人の天才がなければならぬ

 

詩ノート七四五〔霜と聖さで畑の砂はいっぱいだ〕

霜と聖さで畑の砂はいっぱいだ

   影を落す影を落す

   エンタシスあるの柱

そしてその向ふの滑らかな

おれの病気の間の幾つもの夜と昼とを

よくもあんなに光ってながれつゞけてゐたものだ

   砂つちと光の

けれどもおれはまだこの畑地に到着してから

一つの音をも聞いてゐない

 

二人の朗読の言葉が反射している感じがした 土岐友浩

自分の鏡 蓮沼執太

 

・賢治の短歌×色

へびを見た時に普通は「怖い」と感じるが

「悲しけれ」という気持ちが出るのが不思議

宮沢賢治は色を通して生き物の「いのち」を見ていたのではないか

 

とりて来し白ききのこを見てあればなみだながるる寄宿のゆふべ

宮沢賢治

きのこをじっと眺めているうちに涙が流れてきてしまった

連想したのが斎藤茂吉の「赤光(しゃっこう)」という歌集にある作品

わが目より涙ながれて居たりけり鶴のあたまは悲しきものを

斎藤茂吉

たまたま斎藤茂吉が鶴を見た時に涙が止まらなくなってしまったという歌

なぜ涙が出てきたのか?三首を並べると…。

きのこの白さや鶴の頭の赤さに「いのち」の悲しみのようなものを

見てしまったのではないか

 

宮沢賢治への返歌というつもりで歌を作った 土岐友浩 

青空を青いまま撮る いまはもうオフィスになっている映画館

土岐友浩

賢治がその時どんな空を見上げていたのか

 

一見すると爽やかに感じるけど 過去を懐かしんでいたり悲しかったりする

「青」と言ったもみんな同じ「青」ではない 言葉は一つなんだけど

同じ色なんてあり得ない みんなそれぞれが「青」を考える 蓮沼執太

 

読者の想像に委ねる色の表現 土岐友浩

余白が大事 世界観

 

・いちご摘み

なにしてもなにしなくてもともだちね長い映画は見ない もうねよ

小原晩(好きな歌人 穂村弘)

映画化はしないさせない夜二時のお前と肉まん食った十字路

久永草太(好きな歌人 若山牧水)獣医をしながら歌人として活動

 

第一歌集「命の部首」数々の賞を受賞

満月をわけあうようにわたしたちそれは大きな文旦食べる

「命の部首」本阿弥書店より

 

「三世代のいちごつみ」伊藤一彦 乃上あつこ 久永草太 著

2年間毎日 歌を回しあうっていう 眠れない夜が何回あったことか

深夜になって(短歌が)ようやくきた24時間以内に次の歌を

作らなきゃいけない 自転車操業だったので 瞬発力は凄い

鍛えられたなって思いますね

本当にいい思い出とかいい小説を読んだりした時って 

映画化して欲しくない 自分の想像とか気持ちの中にある

この映像だけで完結して欲しい あの時の肉まん 

すごく寒かったよなとか 相手も覚えてたらいいな

 

つんだのは映画 詠んだのは友達 巧い!巧すぎる!さすが…。