凍てついた山肌さらし山眠る
極寒の山々目がけ冬の風
冬色の絵本の世界無表情
(カナレット)ヴェネツィアの冬の運河やゴンドラと
冬の運河を揺蕩(たゆた)う雲に誘(いざな)われ
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「一陽来復」
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが
もう一つの言い方をすると「あぁ分かるわ」となる人多いと思います
この「一陽来復」とは「冬至」のことなんです
二十四節気の一つが「冬至」なわけですけれども
だいたい立冬から45日後
現在の陽暦でいうところの12月22日頃にあたります
一年で最も日の短い日なわけです
この「一陽来復」一番その日が遠ざかっていたところから
また近づいてくるということから
この言葉になっているそうでございます
実際の気温としてはこの頃から一段とさらに寒さが
厳しくなってくる頃でもあります
皆さん体調にはお気をつけてお過ごしください
■10min.ボックス古文・漢文 万葉集
春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香久山
持統天皇
銀も金も玉もなにせむに優れる宝子に及かめやも
山上憶良
国づくりと歌 宮廷歌人
東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ
柿本人麻呂
塾田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな
額田王
万葉仮名
庶民の歌 東歌
多摩川にさらす手作りさらさらになにそこの児のここだかなしき
東歌
信濃道は今の墾り道刈りばねに足踏ましむな沓履け我が背
東歌
父母が頭かき撫で幸くあれて言ひし言葉(けとば)ぜ忘れかねつる
防人の歌
韓衣(からころも)裾に取り付き泣く子らを置きてそ来ぬや母なしにして
防人の歌
■10min.ボックス現代文 日記
岸田劉生の日記(一八九一~一九二九)
自分の虚栄心は他人に対して、自分は偉い人間だぞと云ひたがつている、
それから、自分は世間的に名のひろまつた、
つまり有名な人間だぞと曰(い)ひたがつている。
自分は、自信を失ふ事が多いのである。自分はよく、
こんな事では駄目だ、すつかり、改めて、一切はぢめからやりなほして、
まつ向からわきめもふらずに突き進まなきや駄目だぞと思ふ。
醒めよ、吾が冷き理性、醒めよ、吾が、強き意力、
常に爾(なんじ)を欺きて、眠らせんとする、卑屈なる吾を鞭打て、
吾は弱し、されど、吾は、吾自から進まざる可らず醒めよ!常に醒めよ!
石川啄木の日記(一八八六~一九一二)
はたらけどはたらけど猶(なお)我が生活(くらし)楽にならざりぢつと手を見る
「一握りの砂」より
二十六日夜
せつ子よ、予は御身を思ひ、過ぎ来し方を思ふて、今夜只一人、
閴(げき)たる雪の夜の燈火の下、目が痛む程泣いた。
せつ子よ、実に御身が恋しい。
せつ子よ、御身から生まれる我が子は果たして男であらうか。
男なら「行雄」と名付けよう。若し女だつたら、嘗(かつ)て
御身の云ひ出した「京子」といふのが、当然その子の名となるのだのに。
三十日 朝電報来る イマブジオモナヲウム(廿九日午后三時四十分発)
予はこの電報を握って臥床(がしょう)の中より踊り起きぬ。
あゝ盛岡なるせつ子、こひしきせつ子が、無事女の児―可愛き京子を
生み落としたるなり。予が「若きお父さん」となりたるなり。
天地に充つるは愛なり。
予は此日の心地を、いかなる語を以ても表はす事能(あた)はず。
樋口一葉の日記(一八七二~一八九六)
「たけくらべ」22歳の時発表
二子(にし)来訪。
「今宵は君がもてなしをうけばやとてまうで來つる也。」
たゞ女子なりといふを喜びて、もの珍しさに集ふ成りけり。
たゞうまし、上手なりといふ計(ばかり)。その外にはいふ詞(ことば)なきか、
いふべき疵(きず)を見出さぬか。いとあやしき事ども也。
■漢字ふむふむ 干支の謎 なぜ豚が消えて猪に!?
中国では「猪」と書いて「ぶた」と読みます。
干支は4千年前
殷王朝(紀元前17世紀頃~紀元前11世紀頃)の時代に作られた
1年間を12カ月で区切るため
飛鳥時代日本へ伝わった 日本書紀 巻19 に記されている
豚と猪は生物学的にはあまり変わらない
猪を家畜化したものが豚なんです
日本は家畜化に成功しなかったんで(猪をブタと読まずに)イノシシと読んだ
世界の干支 ベトナムでは水牛 タイではりゅう やぎ カザフスタンでは ヒョウ
イランでは辰が?
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