2024年9月11日水曜日

よみ旅in長野後編&「猿の腰掛」&「落し水」&第12回おしゃべり俳句前編

(田名網敬一)秋の朝記憶の冒険始まらん
天高し蓮に佇む鸛(こうのとり)
煩悩に打ち勝つ「観」や秋の声
秋の道幼き声のはしゃぎをり
蓑虫に占領されたブルーベリー

■夏井いつきのよみ旅!in長野 後編
夏井いつき ROLAND
松本城MEMO 戦国時代に築城された
歴史とこだわりの町 松本市
松本家具の工房 家具工房3代目 池田素民

薫風やスタジアムには山雅旗   大網悦子
薫風…夏の季語

雪の肌葉っぱで隠す朴葉(ほおば)餅   髙山良一
朴葉餅…夏の季語
俳句ひとくちMEMO 木曽地方では端午の節句に食べられる
柏の葉の代わりに朴の葉が使われるようになった
髙山さんMEMO 約30年前 海外の薪ストーブを
販売する会社を立ち上げた 約2,000万円の借金をつくった
薪ストーブは家の核の存在となる

老親と待つ「昆布ニュース」夏の山   佐々木由美
夏の山…夏の季語
佐々木さんMEMO 10月頃に昆布15本が送られてくる

わさびの産地 安曇野死(あずみのし) 
わさび農家 4代目 望月啓市さん
安曇野市のわさびMEMO 北アルプスから流れてくる水が湧き出ている!
わさびは上の方が甘く、下の方が辛い 糖度が16度ある
ツーンとくるけど抜けたあとに甘みがくる

湧水で長靴濡らし田草取   望月啓市
添削(「で」は散文的になるので「に」にし 「し」を「す」にすると完成)
湧水に長靴濡らす田草取
望月さんMEMO 大学卒業後 わさび栽培を継ぎ品種改良などを研究
現在輸出にも挑戦しています
昔は卓球で16位だったのでわさびで1位になろうと…。
世界に日本のわさびを広めたいというのが最終目標

山葵田のみづ百年を湧く大志   夏井いつき

漬物鉢今はメダカの棲みかなり   上條千枝子
メダカ…夏の季語

葉桜や収骨室を後にして   鈴木美樹
葉桜…夏の季語 花が散ったことを惜しむ思いと
若葉のすがすがしさをめでる思いを含む
「自分が死んだら骨なんて焼ききって拾わなくていい」と
亡くなる前夜言っていたお父様を詠んだ歌
「去り際の美学があったお父さん」ROLAND
父は終わってしまったけれど父のエネルギーがここにいっぱいある
すがすがしい気持ちで部屋を出た
家族のために最後はストーブを点けて旅立っちゃった
最後の最後に父の意外な姿を見たと感じた

■夏井いつきのおウチde俳句
・一分季語ウンチク「猿の腰掛」

名前だけ聞くと一体何ですか❓という気にもなりますが
キノコの一種でございます 秋にはたくさんのキノコが
季語として扱われているわけですが この「猿の腰掛」は
その中でもかなり巨大なものになります
木の肌からニョキニョキっと棚板のようにして生えていく
かなり大きく成長できるキノコになっております
これは漢方薬の材料ともなりまして「霊芝(れいし)」という名前で
ご存じの方もいらっしゃるかもしれません
季語として使った時には少し空想的な猿が腰かけるような
「猿の腰掛」という名前に心惹かれるそんな季語でもありますね

・一分季語ウンチク「落し水」

田舎で特に田圃の近くに住んでいた方は
目にしたことがあるかもしれませんね
秋の頃になって稲が実り始めてくると
稲刈りの準備のために田圃の水を抜くんですね
その水を抜くことを「落し水」といいます
そうすることによって田圃の表面が乾いていって
そこに歩みいって稲刈もしやすくなっていくと
そういうことになってまいります
地域ではそれぞれのタイミングを合わせて
行っていかなくてはいけないのが農作業でしたから
その土地の人達が一斉に「落し水」を開始する
そういうところもかつての季語の本意として
あったのではないかと思われます

■夏井いつき俳句チャンネル
【第12回おしゃべり俳句】子供達の言葉が俳句になる!【前編】

見て雲が遊びにきたよ花蜜柑   りん(3歳)
春休み下の動物園には何がいる   大空(ひろあき)(4歳)
きみはまだミルクねぇねはカギゴオリ   みくり(5歳)
ドラえもん見てないけどねあのね、春   行きずりの幼児+みづちみわ
けいまにはけいまのじじょうがあるの夏   けいま(5歳)
遠花火やさしいお医者さんでした   親類の子(5歳)
ぼくなんか足折れちゃった春の山   次男の孫(4歳)
夏の「鴨、うまそうっすね」風ざらり   偶然出会った小学生男子

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