夾竹桃(きょうちくとう)苦熱に耐える同志かな
美味しいがまた届きをり桃洗う
秋扇どこへ行くにも手放せず
意識飛ぶ目が閉じていく秋暑し
枯葉落つ残る暑さが迫り来る
■NHK俳句 兼題「桃」
第一週のテーマは「俳句の凝りをほぐします」「整理整頓」
選者 堀田希何 レギュラー 庄司浩平 司会 柴田英嗣
伝わらない句 分かりづらい句 ダメ
言葉が整理整頓されていない
分りやすい句って❓
言葉の置き方がきちんとしている
不用意な分かりづらさを作っていない⇦この日本語おかしい
言葉の整理整頓 3つの凝りポイント
1)三段切れ
一句が五・七・五でそれぞれ切れている句
俳句では避けた方がよいとされている
春待つや色麩(いろふ)がふたつおかめそば
春待つや色麩ふたつのおかめそば 小川軽舟
電話切る相手の後に春惜しむ
惜春や相手が切つて電話切る 小川軽舟
語順を変えて中七下五を一括りとした
三段切れ解消 ツボポイント
①一句の中を1つか2つのフレーズにする
②語順を変えてもいい
2)語順
アジアめく雨南瓜煮る大阪に
大阪にアジアの雨や南瓜煮る 小川軽舟
語順を整理整頓するだけで分かりやすくなる
泥になる泥に降る雪うつくしく
泥に降る雪うつくしや泥になる 小川軽舟
語順のツボポイント
作りながらいろいろな語順を試す
3)山本山
水平線永遠に清しき夏の航
水平線永遠に新し夏の航 小川軽舟
(清しきは連体形 新しは終止形 中七できるだけで分かりやすくなる
上五か中七で切っておくと 山本山はだいたい解消する)
山本山というのは上五と下五が名詞で
中七がどちらに掛かっているか分かりにくい句
頑固な山本山
アート橋真下に見ゆる登山道
(見ゆる=見える連体形 字余りを恐れずに助詞を入れる)
アート橋▢真下に見たり登山道
アート橋を真下に見たり登山道 庄司浩平
アート橋より真下に見たり登山道 堀田幾何
アート橋の真下に見たり登山道 柴田英嗣
アート橋から真下に見たり登山道 堀田幾何
山本山のツボポイント
分かりやすさのためには字余りを恐れず助詞を入れる
整理整頓のツボ
声に出して読んでみる
▪今週の兼題「桃」
初秋の季語 桃の「実」のことを指す
桃を剥く 汚れやすい 香がいい 病気の人が食べる
類想を避けるのは難しい 類想から具体的にする 深める
特選六句
傷むとは透き通ること桃啜(すす)る 蜘蛛野燈香(くものすみか)
医師去つて臨終の部屋桃匂ふ 陌間(はざま)みどり
(生と死とのコントラスト)
桃の皮くの字にむけるろの字にも 糸川ラッコ
桃剥けば躊躇(ためら)ひ傷のごときもの 小圷(こあつく)秀樹
鍬胼胝(くわだこ)は我の勲章桃すする 黒澤正行
私 台無しに剥いて私の桃となり 八田(はった)昌代
▪柴田の歩み
声に出す
庄司の歩み
整理整頓はシンプルにわかりやすく(心も…)
■NYK短歌 題「白」
選者 川野里子 レギュラー 内藤秀一郎 深尾あむ 司会 ヒコロヒー
年間テーマ「❝私❞に出会おう」。初心者のための短歌入門 2年目の飛躍へ
▪飛躍の扉
今回は「疑問形のパワーを使ってみる」。
ひとりで池を五周する人あり算数の入試問題に
大松達知(たつはる)「アスタリスク」
疑問形を加えると
なにゆゑかひとりで池を五周する人あり算数の入試問題に
疑問形のパワー①
人の内面を探る言葉となる
これはまだ私だらうか手のひらに光をためて顔を洗へり
門脇篤史「微風域」
疑問形のパワー②
自分の心の扉を開く
消えゆく言語たとえばチョロテ語といふことば人間をなんと呼びて消えしか
川野里子「ウォーターりりー」
▪入選六首 題「白」
隣屋(となりや)が毀(こぼ)たれ脇のモルタルをさらす真白きBARパルテノン
小野小乃々(おののこのの)
かつて攻められたかもしれぬ白鷺の城にwelcome百五十万人
樋町(ひまち)加奈
私 白布(しろぬの)に白い刺繍をするように湯船の中で号泣している
二宮珊瑚
白すぎてAIみたいに見えるけどこれは人です亡くなった父
水沢わさび
たくさんの溝を隠して重役の来る日は白銀世界の職場
松本尚樹
一席 与えれば光を増していく吾子の乳に嚙みつく乳歯の白さ
まちのあき
▪秀一郎さんの短歌添削
すいません!謝るのは君ばかり白のワイシャツじゃなくなる俺
内藤秀一郎
すいません!謝るのはなぜ君ばかり白のワイシャツじゃなくなる俺
あむさんの短歌添削
大逆転一番そばで支えてた金メダリストの白いイヤホン
深尾あむ
▪秀一郎あむの飛躍のカギ
三越のライオンに手を触れるひとりふたりさんにん、何の力だ
荻原裕幸「永遠青天症」
三越のライオンに手を触れるひとりふたりさんにん、おまじないか?
深尾あむ
三越のライオンに手を触れるひとりふたりさんにん、四人目どこやら?
ヒコロヒー
三越のライオンに手を触れるひとりふたりさんにん、生きてんのか❓
内藤秀一郎
疑問形は結句についた場合 全体を疑問に変える力がある
余韻が残る
▪ことばのバトン
制服の内ポケットが光り出す
伊東敏恵 NHKアナウンサー
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乱反射せよ呪(まじない)いのペン
ニコ・ニコルソン 漫画家
手をのべてあなたとわたしに触れたきに息が足りないこの世の息が
河野裕子
ニコ・ニコルソンさんが初めて感動した三十一文字
「呪文よ世界を覆せ」のポップ
「世界を変えるにはたった31文字で十分だ
売れない芸人和歌で人生逆転へ!」
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