2024年9月7日土曜日

新美の巨人たち 舟越桂

君の色何色ですか❓秋の声
ミルトスや見えなきものの存在が(無季句)
海温異変秋刀魚激減鰯増
星月夜零れ落ちたる適量の愛
秋麗湧き上がりたるポップかな

■新美の巨人たち 異形の彫刻!舟越桂「水に映る月蝕」
舟越桂 曰く 
心象人物とは結局のところ自分自身なんじゃないか

トラピスト修道院 聖母子像 1977年
楠を使って初めて製作したデビュー作

天童荒太氏 舟越さんへの想い
人間のわからなさについて表現したい
人間が一番わからない
人間にとって光となるようなもの
生きていくことに対してイエスと肯定できる何かを
見出して届けられれば芸術家としては生きた証になる

おれたちは、たったこれだけのことを、
ただひとつのことだけを、言い続けていた。
「生きていても、いいんだよ。おまえは…
生きていても、いいんだ。
本当に、生きていても、いいんだよ」
「永遠の仔」より

「あの山があの大きさのまま俺の中に入る」
その後に生まれたのが「山と水の間に」1998年

(2022年 本人インタビューより)
若い時から人物を作るときは外斜視気味に作っていたんですね
どこを見ているかあまりわからないような
遠い所を見ているような視線が好きだけど
一番遠くにあるものは何だろう 自分自身なんじゃないか

一番わからないのは自分自身 己を突きとめようとしていた
汝自身を知れ
自分を知る=世界を知る

スフィンクスが少女に問いかける場面
稲妻よりも不意をついてくるものはなんだ
復讐よ
一番はかないものはなんだ
不当に所有することよ
世界を知るものはだれだ
自分自身を知るものよ
世界を知るものはだれだ
自分自身を知るものよ
この場面が「スフィンクス」制作となった

作品「スフィンクス」を見て 天童荒太氏
人間に挑戦的でもあるような新しい顔
これを持っていたカメラで撮影し「悼む人」の表紙とした。
その本が直木賞を受賞した。

世界を理解する一歩は自分自身をいかに見つめるか
混沌の中から俺は生きるに値するのか
人間は生きるのに値するのか
その形をどう現すかに芸術家はもがく
そこで問いかけているものは 私は誰?他人とは何?
愛とは何?運命とは何だろう?突き詰めると人間とは何か?
舟越さんの残した作品は人々にその問いを突きつける

「スフィンクス」への舟越桂さんの想い
あっ!と思った瞬間があって 
この人浮いているって思ったの
浮いている人の姿だと思って 
浮いているってことはなんだろうと思って
現実から少し切り離される 現実から自由になる
もしかしたら「祈り」ってそういうことかなって思った
人間がする「祈り」っていう思いが行為が
具体的な体のようなもので
祈りというものに姿を与えるとしたらこうなった

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