2024年9月12日木曜日

あの本、読みました?凪良ゆう&麻布競馬場

青き空枯れゆく木々よ秋の土
盆の月和睦なったか父母の仲
針鼠香りの道を追いかけん(無季句)
丁寧に正しく生きん秋の空
秋のほぼ日やさしくつよくおもしろく

■あの本、読みました?
~凪良ゆう&覆面作家・麻布競馬場が語る【本と東京タワー】
本と東京タワー この30年の移り変わりが!
凪良ゆう 
「汝、星のごとく」作家・凪良ゆう
江國香織の「東京タワー」を語る
雨とセットで出てくる 抒情的に描かれている
窪美澄の担当編集者が「じっと手を見る」を語る
竹村優子 間室道子 
麻布競馬場が初登場(こじれてる人だな 鈴木保奈美)

本と東京タワー 1990年代 江國香織著
凪良ゆう
「恋はするものじゃなく。おちるもの」
男性視点で書かれている

東京タワーの担っている役割は❓
十九歳の少年たち(途中で二十歳になりますが)の物語を
書こうとしたときに、それは東京タワーの見守ってくれる場所の物語にしよう
東京タワーのあとがき 江國香織著 新潮文庫

東京タワーは見守ってくれる存在

世の中でいちばんかなしい景色は雨に濡れた東京タワーだ。
トランクスに白いシャツを着ただけの格好で、
インスタントコーヒーを飲みながら、小島透は考える。
どうしてだろう。東京タワーが濡れているのをみるのはかなしい。
胸を押さえつけられる気がする。子供のころからずっとだ。
「東京タワー」の一文 江國香織著/新潮文庫

透にとって東京タワーは問いかける場所
東京出身の人にとっての東京タワーとは❓
なぜタイトルが「東京タワー」❓
「東京タワー」で印象に残っているシーン
それは私と陽子さんの問題であって、あなたが心配することじゃない、

「東京タワー」の一文 江國香織著/新潮文庫

耕二は東京タワーを見ているシーンがない

江國作品で色な小説は❓
「落下する夕方」角川文庫
林祐輔
私は冷静なものが好きです。冷静で、明晰で、しずかで、あかるくて、
絶望しているものが好きです。
「落下する夕方」あとがき

江國香織は要素を作品に取り入れている❓
憧れる女性像を作品に登場させる❓

「東京タワー」の詩史と「汝、星のごとく」の瞳子は似ている

▪間室道子 竹村優子
「東京タワー オカントボクと、時々、オトン」
リリー・フランキー著/新潮文庫

東京タワーが担っている役割は❓
東京タワーはオカン いつか一緒に登ろう

オカンが死んだ。その日、東京は突き抜けるような快晴で
青空がどこまでも広がる中、赤羽橋の交差点から
真っ赤な東京タワーが空にはしごを掛けていた。
「東京タワー オカントボクと、時々、オトン」の一文
リリー・フランキー著/新潮文庫

新緑の森に包まれた先には深紅の東京タワーがオレンジ色の
灯りで周辺を目映(まばゆ)く照らしている。坂道を抜け、その真下を
通りながらそれを見上げると、勇ましくパースの効いた
巨大なはしごが、月に向かって掛けられているようだ。
「東京タワー オカントボクと、時々、オトン」の一文
リリー・フランキー著/新潮文庫

東京タワーの灯りは「鎮魂」

▪「じっと手を見る」窪美澄著 幻冬舎文庫
物語の舞台は、富士山が「誇るべき世界遺産」としてではなく、
外の世界へ出ようとするものを阻む壁、または外の世界に
出た人間を引き戻す巨大な磁石のように感じられる町だ。
(本編の中では、東京タワーが「東京に収まるべき人間」を
引き戻す磁石の役割を果たしていると
感じられる描写があり、その対比には私は唸った)。
「じっと手を見る」
朝井リョウの文庫解説 窪美澄著 幻冬舎文庫

東京タワーは磁石

高速を降り、都心に近づいていく車のなかから、オレンジ色の
東京タワーを見た。この町が故郷だとか、心からほっとするとか、
残念ながらそういう気持ちは湧いてこなかった。
それでも、どこかで受け止められている、と僕は思った。
それがいやでこの町を飛び出したのに、逃げ出した僕を
そしらぬ顔で受け止めてくれる何かが確かにここにはあるのだ。
それが故郷と呼べるものなのだろう。
「じっと手を見る」の一文 窪美澄著 幻冬舎文庫

東京タワーを見てホッとしていた角谷
窪美澄は東京タワーをどう思っていたか❓

▪本と東京タワー 2020年代
麻布競馬場(こじれてる人 鈴木保奈美女史)
それは否定できないとご本人(笑)
東京タワーありきで作品は考えた❓
麻布競馬場にとっての東京タワーは❓
東京タワーは不幸の象徴

東京を知れば知るほど東京が遠くに感じます。
東京の真ん中に住んでるのにね。どの駅も10分はかかる
南麻布の陸の孤島の、家賃9万のボロアパートですけどね。(~中略~)
持ち帰りに失敗して、タクシー代を節約したいから
ポカリを買ってトボトボと歩いて帰っているとき、
もしかしたら僕は、東京に来なかったほうが幸せだったんじゃないか、
とふと思って、泣きたくなるときがります。(~中略~)
家につきました。正気でいたくなくて、冷蔵庫に入れていた
ストゼロを飲み始めました。酔うといつも「東京女子図鑑」を
見てしまいます。キラキラした港区。東京カレンダーみたいな暮らし。
僕にないものばかり。ペラペラのカーテンの向こうには
首都高が見えるだけで東京タワーは永遠に見えません。
「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」の一文
麻布競馬場著/集英社文庫

地方出身者は地元も不幸の象徴
東京へ出ていったものは脱落者
東京タワーを意識したキッカケ
愛と憎しみ紙一重

真っ白なウエディングドレス姿の彼女と、彼女の夫になった
タキシード姿のあの商社マン。丸の内中通りの、美しい前撮り写真。
白金高輪で買った長い名前の観葉植物の葉の上には
レース越しの優しい陽光。美しい朝。取り残された私と私の人生。
「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」の一文
麻布競馬場著/集英社文庫

街の取材は1回もしたことがない

「令和元年の人生ゲーム」麻布競馬場/文藝春秋
執筆のキッカケ
努力することを諦めた沼田君
なぜ作品に沼田君を書いた❓

僕は給料さえ貰えていれば、何をするかとかも正直どうでもいいんですよね。
圧倒的成長にも、自己実現にも興味ないですし。
だから、この大きな大きな会社で終身雇用に守られながら、
他の頑張ってる社員たちが稼いできた利益を毎月チューチュー吸いながら、
総務部かなんかでクビにならない最低限の仕事をして、
毎日定時で上がって皇居ランでもやりたいって、面接でそう言って
受かったんですよ。つまり僕の人生設計を会社が
ヨシと認めたってことじゃないですかぁ

麻布競馬場氏から鈴木保奈美さんへのオススメの一冊
キャンティ物語 野地秩嘉著/幻冬舎文庫

鈴木保奈美さんいわく 麻布競馬場氏は令和の田中康夫さん

1990年:見守ってくれる存在 江國香織
2000年:オカン リリー・フランキー
2010年:磁石 窪美澄
2020年:不幸の象徴 麻布競馬場

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