2024年9月24日火曜日

兼題「座る・座す」&題「だいすき/だいきらい」

旋回す鳶の集団刈田(かりた)へと
稲刈機つけ回す鳶忙しなく
鳶鳴かず追いかけ回す稲刈機
8.0の視力の鳶や秋を飛ぶ
舞う鳶や飛蝗(ばった)目掛けて急降下

■NHK俳句 兼題「座る・座す」
年間テーマ「語ろう!俳句」
選者 高野ムツオ レギュラー 中西アルノ ゲスト 伊集院光
ゲスト 福田若之 成田一子 司会 柴田英嗣

① 泣かないでと隣に座る櫟(くぬぎ)の実   中西アルノ
「泣かないで」の鑑賞が三人三様だった
② 秋灯に座しゴリラめく父の影   成田一子
ゴリラめくとは悲しみ、強さ、怠惰だけれど威厳はうっすら残っている感じ
③ 雨を聴くひたり鬼灯(ほおずき)のなかに座り   福田若之
メルヘンチックでもあるし切なさもある 女の子が2人座っているのを詠んだ
④ 名月を待つ虫籠の中に座し   高野ムツオ
虫の視点で詠んでいるところがおもしろい 「虫籠」「名月」の季重なり
⑤ 父の場所座す義弟(おとうと)と参る墓
婿養子は実家に帰った時座る場所を気にする気持ちを詠んだ
義弟とした墓参りとその後義弟の座っている場所を一句にしたのが悪かった
添削 家継ぎし義弟と参る父の墓 と詠んだ方が良かったと高野ムツオ先生

・特選三席発表 兼題「座る・座す」
一席 ガザの子の瓦礫の上に座す真夏   石井茶爺(ちゃじい)
(自分の思いを伝えようとする作者の気持ちが伝わる)
二席 今日も君の後ろに座る夜学かな   前田恵美
三席 座すままに車椅子より踊(おどり)の手   犬山裕之

・特選六句 
骨鳴らし座って立って墓参   公木正
秋澄むや麒麟座りてなほ高し   木村弩凡
走り根に座る少年鰯雲   竹田むべ
背もたれがあるから羽根を閉じて座る   二宮珊瑚
先生に遅れて座る夜学かな   塩野谷慎吾
星月夜SLの座す転車台   須田真弓
参照:https://www.nhk.jp/p/ts/6Q6J1ZGX37/blog/bl/pLvva3ZRZL/bp/pD4vzNB1gE/

■NHK短歌 題「だいすき/だいきらい」
年間テーマ「あなたへの手紙 かなたへの手紙」
選者 枡野浩一 ゲスト 上田慎一郎 司会 尾崎世界観

川柳と俳句と短歌の区別などつかない人がモテるひとです
枡野浩一

好きだった雨雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君
枡野浩一

・31音の手紙
入選九首 テーマ「だいすき/だいきらい」
三席 あらアンズもう時期アンズ迷い無く値段も見ずに手に取るアンズ
野村貞江
二席 非を認め謝罪すること大嫌い傲慢なまま生きていきたい
森本晋(すすむ)
一席 蜻蛉(せいれい)に差し出す指が一本であるようにきみだけがすきだった
大津穂波(蜻蛉 昆虫トンボの別名)
線のあるイヤホンみたいにだいすきと単純に云えたいよ、あなたに
田中佳(よし)
大好きということにして君と会い罰として飲むクリームソーダ
美好ゆか
 「あかあさんだいきらい」だと言えるのはおかあさんから愛されてる子
北清水麻衣子
 「だいきらい」と口に出せたらそんなにもきらいにならなくてすんだのに
佐々木恵
父さんが大好きだった珈琲は大人になってもかしこい香り
佐藤研哉
結婚か仕事か迷うと孫が言うほんとに好きなら迷わないのよ
中門(ちゅうもん)和子

・改悪添削
非を認め謝罪すること大嫌い傲慢なまま生きていきたい
添削 非を認め謝罪すること大嫌い傲慢なまま生きちゃいそうだ
(誰にも好かれようとすると誰からも好かれない
語尾を「たい」とか「したい」にして欲望を短歌にしましょう
欲望短歌と呼んでいる そうすることで自分自身がより表現できる
勇気が大事です 全ての表現は勇気だと思う 
自分が勇気を出せているかを気にして欲しい)

・上田慎一郎さんの短歌「だいすき/だいきらい」
だいきらい つぎはだいすき だいきらい すきかきらいか さいころ振って
上田慎一郎

長編・短編・縦型・横型 表現の違いは❓
長いものはキャラクターが重たくなってくる
短いものはストーリーが重たくなってくる
キャラクターかストーリーかどっちに重きを置くかというのが変わってくる
縦と横の画面で見た時の違いは❓
縦型は人間を収めるのに適したサイズ
一人の人間を撮るのに適したサイズ
二人とか三人を収めるのには横サイズが良い
撮るShotが変わってくる
スマホは被写体と視聴者の距離が近い
縦型の方が親近感を感じるのは余白がないからじゃないかな
横型だと余白があっても少し客観的になって距離を感じるのかもしれない
縦型の方が親近感距離感が近い
(短歌は)一行だと印象が変わる

・言葉のバトン
きみの香りが残る窓際 文月悠光(ゆみ)
前回までに22人の人が言葉を繋いでくれました。と枡野浩一先生。
罪深い句 バンドやろうか還暦だもの 國兼秀二
良かった句 制服の内ポケットが光り出す 伊東敏恵

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