2024年9月13日金曜日

金秋戦「1人めし」&「1人暮らし」

ピラカンサ見つけた目白急降下
純白の木槿(むくげ)こっそり咲きはじむ
木槿(むくげ)開(あ)く陽光受けて育まん
鮮やかに白き大輪木槿(むくげ)滿(み)つ
仲秋や寝室よりも涼し居間

■ プレバト纏め 202
4年9月12日
秋の俳句タイトル戦「金秋戦」開幕!

・Aブロック 1人めしで一句
1位 的場浩司 削(そ)げし頬月下貪るパンの耳
季語:月下 映画のOneSceneみたいな光景
生々しい体験が流れ込んできた 映像事実を描写すれば伝わる
貪る 動詞の選び方が良かった 
削げしと貪るがつかず離れず響き合う 頬と耳でも響き合っている
俳句の骨法が分かった人だからできる

2位 立川志らく 生きる為に飯を喰う外は蛍
光景・場面・人物 全部立ち上がる
足して17音にしたい意図はわかる 
自由律ならもう一歩踏み込んで「を」を取った方が良かった
添削 生きる為に飯喰う外は蛍

3位 こがけん ソーキ煮のとろ火見ている夜長かな
ソーキ:豚の骨つきアバラ肉 夜長と火の取り合わせ
見ているは冗長な言い方ではあるが時間経過を表現している
マイナス点にはならない 季語夜長をしみじみと詠嘆
吸収率は見事 「一人めし」テーマ性のささやかな減点

4位 水野真紀 一人めし半値太刀魚喰(は)むいざや
太刀魚が秋の季語 リアリティーがある
添削 半値なる太刀魚ひとり食(は)むいざや
   半値なる太刀魚ひとりいざ食(は)まん

5位 馬場典子 夜半の秋ひとり味わうアルファ米
季語夜半の秋とアルファ米の取り合わせはおもしろい
「味わう」は書かない方が得する
どういう気持ちどんな夜どんな私どんなあなた 
書けなくなってしまう 外せば色々やれる
秋夜:秋の季語 一般的な秋の夜の総称 その日のことが書ける
ここを楽しんでこその俳句
添削 困憊(こんぱい)やひとり秋夜のアルファ米
   傷心やひとり秋夜のアルファ米
   お疲れさまアタシ秋夜のアルファ米

・Bブロック 1人暮らしで一句
1位 森迫永依 薄めたシャンプー朝冷のワンルーム
一人暮らしのあるあるリアリティー 1人と書いてないのだけれど
一人暮らしに違いない ちょっと情けない気持ち
朝冷:秋の季語 秋の朝に肌の冷たさを感じること
朝寒:秋の季語 晩秋に感じる朝の寒さ
朝の慌ただしい時間がここにあると想像させてある
8音と10音 結果的には字余りの俳句 内容と手をとり合っている
その判断も良しとする

2位 森口瑤子 空(から)の巣症候群のような夜長
大胆な比喩季語:夜長を残りのフレーズで比喩しているだけ
独自性・真実味がちゃんと入っている 
子どもが一人暮しした後の親の気持ち 
切り取り方・発想で来ると思わなかった
テーマの中の一つ 喪失体験・寂しさ
どっしりと読み手が心で受け止める

3位 柴田理恵 今日よりはひとり分なり秋の風
「よりは」で別れ方が伝わってくる
「なり」と言い切ったところが良い
「あ~清々した」という気分が表現できている
心に沁みる句 季語に全部託してある 
清々はしているのだけどどこか寂しい
自分の体の一部がなくなっているかのような
言いたいことは全部季語に託してある これが俳句というもの

4位 皆藤愛子 のろのろと包帯広げ干す秋夜
「一人」とは書いていないけど 広げ干すという動作
一人暮らしの心細さが感じられる 心地いいけど寂しい
季語秋夜に頼りない感じもある 
読み方によっては介護の可能性がある テーマ性で損をした

5位 春風亭昇吉 母からの手紙無月の段ボール
無月:秋の季語 仲秋の名月の夜に雲が広がり月が見えないこと
季語の使い方が良い ドラマ・物語が入っている
季語も生かしてある 1人暮らしも押さえてある
類想感が順位に出た 類想類句は戦うべき一番大きな壁

Cブロックの次回のお題「一人旅」

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