種田山頭火賞 桃井かおり女史受賞
「この旅果てもない旅のつくつくぼうし」
感謝は黒地のお着物で秋草
桃井的言葉つむぎて秋高し
降り月あばれあばれて生きて来た
生き崩し生きていきます秋の草
野の花や無頼孤高を旨として
■NHK俳句 兼題「七五三」
選者 夏井いつき レギュラー 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣
年間テーマ「凡人からの脱出」
兼題「七五三」
ボンの段
着くずれて眠りたるまま七五三 民けい子
着くずれの四つ身ねむたし七五三 手塚悠美子
着くずれて背に眠る七五三 如月海雲
はじゃぎ過ぎ果ての着崩れ七五三 山村宗生
着崩れて不機嫌な顔七五三 新藤美佳子
着崩れて半べそかきて七五三 出口文子
ぐずぐずに着崩れてゆく七五三 未補
着くずれを直す母の手七五三 稲田新吾
子も親も着崩れてをり七五三 田川育枝
アルアル度が高い=共感度が高い
今回、晴れ着はなくなったが着崩れに集まった
半ボンの段
笑顔出た頃に着崩れ七五三 恒藤俊子
着くずれてチャイルドシート七五三 柳絮
(小さな意図を17音の中に入れている
そこをキャッチする
それが作り手と読み手がいる俳句の一番面白いところ)
脱ボンの段
直し直し崩れし崩れしの七五三 乾いと
(季語の力がリアルな七五三の想像を引っ張り出している
季語の力がどれぐらいの力を持っているのか)
▪検証 季語の力
A.足の指やっとおさめて七五三 芦澤富子
B.七五三ひだりぬげれば右もぬげ 木染湧水
何を履かせているかは書いていない
足袋 下駄 草履
ありありと表情まで見えてくる
「七五三=季語」があるから前提として脳に映像が流れ込む
C.家で転ぶ家出て転ぶ七五三 石井一草
履き物 裾を踏み 袖が邪魔
別の季語になったらどうなるか
家で転ぶ家出て転ぶ敬老日
季語が内包している情報を私たちの脳が理解している
人物事情が全部変わる
家で転ぶ家出て転ぶ受験の日
季語の力が不吉な状況を描く
夏井いつき先生は敬老日では不吉なことを予想されないのでしょうか❓
私は一番に不吉な未来が脳裏をかすめましたが…。
家で転ぶ家出て転ぶ春の雲
春の雲(空の様子)と言う季語では人物が出てこない
なぞなぞボールの解き方
親子を想像することもできる
祖父祖母を連れだしてあげたいという気持ちも想像できる
こういう季語にすると読みの幅が広がる
家で転ぶ家出て転ぶ秋の暮(くれ)
季語の持っている大きな情報
大きい季語 小さい季語もある
季語のボールが大きくなると「転ぶ」が比喩になってくる
人生をも詠める
季語の力を使いこなす
季語の本意をしっかり知って季語を信じる
▪夏井家伝授!家藤正人&中西アルノ
0から俳句
俳句の文体を学ぶ
俳句の文体 口語 文語
俳句の文語は平安時代の文章をベースにして
独特の発展を遂げてきた 書き言葉
文語の俳句
桐一葉日当りながら落ちにけり 高浜虚子(文語)
落ちにけり
文語から口語へ
「けり」が「すでに起こっていたことに気づいた」
「過去 起きたことに気づいた」
ニュアンスを大事にした場合
「現在 落ちている」とは取れない言い方
桐一葉日当りながら落ちました
こういうことでかんぜんに「落ちた」っていう状態
0から俳句POINT
「文語」には格調の良さがある
「口語」についても学んでみましょう
次回は口語の俳句!
▪特選六句発表 兼題「七五三」
名に小(ち)さくルビ足す祝詞(のりと)七五三 池之端モルト
家で転ぶ家出て転ぶ七五三 石井一草
七五三袖は降るもの拭(ぬぐ)ふもの 大黒とむとむ
袂(たもと)から玉砂利二つ七五三 とひの花穂
七五三おみくじ付きの鯉のえさ 天陽(てんよう)ゆう
ああそこで砂利と遊ぶか七五三 小田慶喜
▪柴田の歩み
季語の力を信じよう
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